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検索対象: まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命
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1. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

0 全社的に展開することもある「みんなのプロジェクト」 もうひとつ、テッセイには「みんなのプロジェクトーという取り組みかあります。 ます、 ートも社員も関係なく、 556 名で自由にチームをつくります。そこで、改 善したいテーマについて話し合い、決定した事項を会社に登録し、その後、半年間をか けて実際に行動しながら、議論を重ねていきます。 その結果はサ 1 ビスセンタ 1 内での発表会を経て、本社発表会で報告されます。そこ で報告されたアイデアがほかのセンターにも広めたほうがいい内容であれば、全社的に 展開されることになります。この発表会の有無が、「スモールミーティング , と「みんな のプロジェクト」の大きな違いです。 みんなのプロジェクトは、基本的に時間外活動とはなりますが、所長の許可を受けれ ば時間内でも行うことができます。そして特筆すべきは、前もってチームごとに活動資 金が支給されているため、決めたことがすぐに実行できるということです。 1 34

2. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

02 新しい価値観の創造 CHAPTER 0 本社の仕事は「管理」から「理解」へ 当時のテッセイは、本社である経営陣が行動指針やル 1 ル・マニュアルを作成し、そ れに従ってスタッフを動かす「管理ーを徹底して行っていました。現場からすると「こ れを守れ , 「こんなことはするな」と命令されるばかりで、「現場のことを本社は何も知 らない と不満に思うことも多かったはすです。 一般企業であれば、 本社は「戦略」↓支社は「戦術」↓現場は「実践」 という機能分担が普通ですが、テッセイではそういった役割分担がまったくなく、本 社が現場の細部にまでロを出し、現場スタッフは本社に決められた施策を押しつけられ ていると感じていました。 確かにテッセイのように「 7 分間で車両を完璧に掃除する」といったオペレーション を核に動く仕事内容の場合、管理は不可欠です。しかし管理することが経営の主軸になっ てしまっては、現場のモチベ 1 ションは下がる一方になってしまいます。

3. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

04 トップダウンとボトムアップ CHAPTER 下図をご覧ください。こちらの図を見ていくと、 総合カ・本社力をあげていくためには、まずは「ス タッフを大事にする会社の風土」が土台になって います。それか「スタッフ同士が認め合う力、と なり、その力がスタッフの「働く喜びや誇りに カ つながり、そこで初めて「会社へのアクテイプな社 カ 参画意識」が持てるようになります。 合 次に参画意識は「仕事への改善意識」へと変化総 し、自分たちの「ルールや行動指針」がつくられす た意味を理解し、「実践や行動に昇華されていを カ 場 くのです。 現造 創等 ここでいう「総合カ・本社力」は、前項で触れ のス たリ 1 ダーシップに置き換えることもできます 価 丿ーダーシップは現場力を高め、それが「安全」「質 新 の高いサービスー「おもてなし」「コンプライアン スーといった意識につながるのです。 実践行動 ルール・行動指針 仕事への改善カ 会社へのアクテイプな参画意識 働く喜ひ・楽しさ・誇り スタッフ、仲間を認め合うカ 人々を慈しみ、大事にしていく 企業風土・カンバニー・カルチャー 現場カ 生きがい、喜ひ、誇り 総合カ・本社カ

4. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

04 トップダウンとボトムアップ CHAPTER 役割をきっちりと果たしてくれ、優秀な主任が多く誕生しました。しかも、インストラ クターたちのもとで学んだ新たな主任は、テッセイの思いをきちんと理解し、実践して くれたのです。 テッセイの変革の一つひとつは、彼ら主任が中心となって実現していったので、現在 のテッセイをつくりあげたのは、しつかりと教育をしてくれたインストラクターの力と もい、んるでしよ、つ 0 会社か任命したリーターを、会社自身が信用する そうした変化のなかで、次第にスタッフは自分たちの思いを積極的に伝えるようにな りました。その思いに応えるためにも、私は本社主導から現場主導に変えたいと思うよ うになったのです。 そこで考えたのが、前述のチームごとに活動資金を渡す仕組みでした。せつかくスタッ フたちからいい改善提案が出ても、本社に企画のおうかがいを立て、予算の相談をして : となると、実際に資金を手に入れるまでに、かなりの手間と時間がかかってしまい ます。しかし、資金があらかじめ現場の所長に渡されていれば、スタッフからの提案を 137

5. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

解説テッセイの改革 評判の低かった、かってのテッセイ はじめに・ 主な登場人物 : セブン・ミニツツ・ミラクル 解説 7 分間の奇跡 ■ テッセイは清掃会社 ? ■ 膨大な作業を 7 分間で ・新幹線劇場の開幕 ■ ード・ビジネス・スクールの教材に C 工 APTER 01 解説価値観の転換 新しいトータルサ 1 ビスとは何か ? 新しい価値観の創造 解説明現場ファーストの視点 ・最初の仕事は管理体制の改善 ■本社の仕事は「管理ーから「理解」へ ■ ■ 仕事への「誇り」と「生きがい」を持てる会社にすること スタッフのやる気を引き出す「スイッチ コラム奇跡のみ的日復興 C 工 APTER 02

6. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

06 新たなステージを目指して CHAPTER 私たちはなんのために存在するのか 持ち続けています。会社はそのことに、まっ たく気づいていませんでした。 私たちはなんのために存在するのか これまで述べてきたように、その意識を変 えることが第一歩でした。 「みんなはただの清掃のおばちゃん、おじ ちゃんではない」ということを。 あらゆる手を使い、スタッフに「新しい 時代が来た」と思わせる。そして「会社は 本気だーと思ってもらい、「会社はスタッフ の努力をいつも見ている」というあたたか みを伝える。 サービスを受けるお客様と、仕事を通じ てコミュニケーションをとれるなら、スタッ フは充実感・自信・誇りを得ることができ テッセイが考え実践したいくつかのこと 「みんなは清掃のおばちゃん、おじちゃんではない。 JR 東日本の新幹線という世界最高の技術を清掃という面で メンテナンスするプロフェッショナルだ」 あらゆる手を使って、従業員に「新しい時代が来た」と思わ せる。そして、「本社は本気た ! 」と思ってもらう そのためにも、「金がない」という理由たけではあきらめない 従業員と経営者の知恵と工夫で「経営」を共創する 変えてはならないこと、変えなければならないことを見極めながら・・・ 221

7. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

矢部輝夫 ( ゃべ・てるお ) 元株式会社 JR 東日本テクノハート TESSEI おもてなし創造部長。 1966 年、日本 国有鉄道に入社。以後、電車や乗客の安全対策の専門家として 40 年以上勤務し、 安全対策部課長代理、運輸車両部輸送課長、立川駅長、運輸部長、運輸車両部指 令部長などを歴任。 2005 年、鉄道整備株式会社 ( 2012 年に株式会社 JR 東日本テ クノハート TESS 曰に社名変更 ) 取締役経営企画部長に就任し、それまで事故・ク レームの多かった同社の改革に着手。以来、従業員に「トータルサービス」の考 えを定着させ、現在では国内外から取材が殺到する「おもてなし集団」として知 られるまでに変革した。 2011 年、同社の専務取締役に就任。 2013 年、専務取締 役を退任し、おもてなし創造部長に ( 嘱託 ) 。 2015 年、合同会社おもてなし創造 カンパニー代表に就任。著書に「奇跡の職場新幹線清掃チームの。働く誇り " 」 ( あさ出版 ) リーダーは夢を語りなさい」 (PHP 研究所 ) がある。 まんが 編集協力 本文テザイン・ DTP 久間月慧太郎 株式会社サイドランチ、元井朋子 C 旧 CLEGRAPH まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命 2017 年 5 月 16 日第 1 刷発行 著者 発行人 発行所 印刷・製本 矢部輝夫 蓮見清ー 株式会社宝島社 〒 1 02-8388 東京都千代田区一番町 25 番地 営業 03-3234-4621 編集 03-3239-0928 http://tkj.jp サンケイ総合印刷株式会社 本書の無断転載・複製・放送を禁じます。 乱丁・落丁本はお取り替えいたします。 ⑥ T し 2017 Printed in Japan 旧 BN978-4-8002-6557-9

8. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

0 最初の仕事は管理体制の改善 前章でも述べましたが、かってのテッセイは、その仕事内容の地味さや大変さに加え、 事故やお客様からのクレームも多い、お世辞にも評判のよい会社だとはいえませんでし しかしながら、現場スタッフは真剣に仕事に取り組み、その能力も決して低くはない。 外からのイメージや評判と、実際の彼らの仕事内容や仕事に対する姿勢には大きなギャッ プがあったのです。 その原因のひとっとして「本社の管理体制」に問題があるのではないかと考えた私は、 まずこの部分の改革に着手しました。 CHAPTER 02 解説 01 現 場 フ ア ス ト の 視 点

9. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

CHAPTER 0 る 解説 02 多様なスタッフのカ 0 チームワークを支えるスタッフ一人ひとりの潜在能力 私がテッセイに入社したとき、それまで抱いていたテッセイへのイメージと、そこ で働くスタッフの能力やモチベーションに大きな開きがあったことは前述した通りです。 実際、スタッフたちが気づいていた改善点や新しいアイデアも、「本社は何をいってもわ かってくれない、「どうせ却下される、などモヤモヤと抱えていたことが多かったのです。 しかしそれらの一つひとつは、お客様目線に立った意見であり、サービスの質の向上 になくてはならないアイデアの宝庫でもありました。個々のスタッフのさまざまな「気 づき」がチームの機運を盛り上げ、チームワークにつながっていることは間違いありま せん。次ページにあげたのは、そんなスタッフたちから私が聞いた言葉の一例です。

10. まんがハーバードが絶賛した 新幹線清掃チームのやる気革命

具体的に、リ ーダ 1 シップとは次の 5 つの要素に集約されると思います。 ・自分の会社のどこに解決すべき課題があるかをよく知っている ・その課題をどう解決すれば、 しいかを考えられる ・みんなを説得し、納得してもらう能力がある ・みんなと一緒にあれこれ施策を練ったり試したりできる心の余裕を持っている 課題か解決したときには、みんなと一緒にその成功を喜ぶことかできる ーダ 1 だけがやる気を持 0 ていても、一人では何もできません。スタッフみんなが 新しい試みに興味を持ち、一緒に悩んで解決をし、目的を達成できたときは、自分だけ で成し遂げた成功以上に喜ぶーーそれが私の考えるリーダーシップです。 0 現場力はリーターシップか強くする 「現場カ . というと、実際に現場で立ち働くスタッフたちの力だと想像される方も多い ようです。しかし私は「現場力とは、総合力と本社力」だと考えています。 1 40