/ 8 2 地図の表示法 ( 2 ) 地物 ( 建物 , 家屋 , 建物記号 , 構囲 , 道路 , 鉄道 , 境界 , 地類 , 河 川 , 海等 ) ( 3 ) 地形 ( 等高線 , 崩土 , 急斜面等 ) ( 4 ) 注記 一般の地図利用者のためには地図に凡例をつけ , 図式の説明をしている . トンネル : に幅員は 0m 以上の道路市役所 田病 ◎東京都の区役所 日神 ニに幅員 5.5m ~ 凵 .0m の道路 町・村役場 = ( = 幅員 2.5m ~ 5.5m の道路 指定都市の区役所 卍寺 官公署 ( 特定の ーー幅員に 5m ~ 2.5m の道路 ロ高 6 記号のないもの ) ー幅員 I. 未満の道路 所 記 ◆裁 判 ー国道および路線番号 務署 煙 ◆税 ニ自朝車通行困難の部 & 電波 米呂 林署 - 建設中の道路 ロ油井・ガス井 候所 一有料道路およい徴収所 〒 ) 則 察署 灯 警 ロ 士亢ロ・ラ同 ロ x 駐在所・派出所 跡 城 消 防署 建物 : 新↓ 史跡・名勝・ 立体交差 健所 天然記念物 ④保 高層建物 ( 大 ) 三 3 噴火口・噴気ロ 建物の集地 ・鉱泉 乙う品 : 泉 . 0 電報・電話局 高層建築街 道路の 採 鉱 地 尸自衛隊 分離帯等 石 地 グ採 工 。ー -1 ーりネに回ま ↓重 要 空地発電所・変電所 方 港 ↓地 大小・中学校 ・高等学校 大」専 ) 大学・高専 1 / 25 000 地形図の凡例の一部 図 2.4 ( 小 ) ( 大 ) 0 企呈寺 日皿タ 2.2.2 総描 総描には , 選別 , 単純化 , 省略がある . 選別とは , 地図の目的に応じて , 絶対表示しなければならないものを決定す ることである . また , 表示縮尺によって , 目立つものだけを表示するように 選択を行うこともある . たとえば地質図では , 人工物の表示は重要でないので
6.1 住宅地図データベース 月 3 セットを構成する . 二亡 ー一万 第町第 静木物 物木を興ー 図セットの概念を図 6.2 に示す . この図に示すように図は 32767X32767 の メッシュに区切られた 2 次元論理空間に配置される . 各図は図番号という論理 空間座標で管理されており , 図番号は整数東西方向 2 ノくイト , 南北方向 2 バイ トで (I,I) から ( 32767 , 32767 ) の番号のいずれかで表現される . 図の隣接関 係は図番号を与えることで知ることができる . 図 6.1 図セット 図 6.2 図セットの概念 図は道路 , 水涯線 , 鉄道 , 行政界 , 建物界 , 記号 , 文字などを細分化したレ イヤで構成される . さらにユーザが自由に図形を定義し , 追加更新できるユー
2.2 記号化法 し , 地図上に表現する . ノ 7 地図の読み手はその結果としての地図を認知し , 次に解釈する . 認知の段階 とは , その地図が目的とする地図か , 含まれている空間的な範囲や記載項目が 必要十分であるかを判断することである . 解釈の段階は , 記号化された地図表 現の意味内容を認識し理解する段階である . 解釈は , まず記号そのものの意味 の理解から始まり , 次に記号相互間の位置関係や , 空間そのものの構造把握を 通して行われる . 記号化の技術は , したがって , 記号そのものの設計技術と , 記号間の空間的 な関係の表現手法に分類されることになる . 後者はさらに総描手法 , 強調手法 および転位手法に分けられる . 記号そのものの設計結果は「図式」としてまとめられる . 図式は地図デザイ ンの基準であり , 記号の形 , 色 , 線の種類 , 字の大きさや形式を規定するもの である . 総描とは , 地図の目的と読みやすさにかなうために , 地図上の対象物表現を 単純化することである . また強調とは , 重要と考えられる対象物を拡大し表現 することである . 転位とは表示されたもの同士が重ならないようにずらすこと である . 総描 , 強調 , 転位といった技術は , 縮尺が大きければ , 実際の形状で 対象物を表示することが可能になり , さほどの重要性を持たないとも考えられ るが , 家の軒先が塀と接するときのように , 対象物同士が空間的に重なる場 合 , 双方を若干転位することがある . また , 家の角を直角にして , 表現の統一 性をもたせることもある . つまり利用者が理解しやすいように情報を取捨選択 して記号化するという行為は , 縮尺にはさほど関わらないといえる . 2.2.1 図式 地図を記号化し製図するための規則を図式規定という . 図式とは表示用の記 号のことである . 図式の規定では以下の項目について詳細な定義を行い , 地図 の標準化を図っている . ( 1 ) 線の太さ , 種類
50 4 地理データベースの作成 ( 8 ) 編集・製図 機械素図にば現地調査結果や補備測量の結果が記入され , さらに建物記号な ども記人される . この工程を編集といい , これで地図の原図 ( 測量原図 ) ができ あがる . これをインキングしたりスクライビングして印刷用の原版を作成する . P ′ 器について解説し , 今後改善すべき点についても述べる . こでは図化作業からの工程順に , 作業の方法および使用する機 き点がある . ディジタルマッピングの手法はほぼ実用化しているが , 依然として改良すへ いう . これに対し従来の地図作成手法はアナログ図化方式と呼ばれている . が , 一般に 0 よ automated cartography またま computer assisted cartography と と同様である . 日本ではディジタルマッビングという用語が定着しつつある 地図データを生産する手法である . したがって , それ以前の工程は従来の方式 タに入力することにより , その後の作業工程全体を機械化し , 紙の地図と数値 ティジタルマッビングとは , 機械素図をディジタルテータとしてコンピュ 4.1 . 2 ディジタルマッピング 図 4.3 アナログ式実体図化機 (Wild A/8) の機構
4.3 マップディジタイズの自動化 原データ 77 消去 短線の 消去 消去 接続 切断部の 接続 接続 I 、接続 T 型交差 部の補正 引込み / 角の整形 整形 補間点の 消去 図 4.20 補完処理の一例 こで , 認識率という数値に注意しなくてはならない . 通常 , 文字や記号の 開発が期待されている . かれている大きさや傾きが異なる英数字 , 漢字の認識については , 今後の技術 に適用して十分に満足のいく水準にはなっていないのが現状である . 地図に書 図形形状の認識技術の研究は精力的に進められているが , まだ , 地図の入力 文字や記号の認識にも適用できる . 識に従った解析をすることによって図形が認識される . この方式は , 変形した 知識に従って形状の解析をし , さらにその結果に基づいて誘導された上位の知 こでは , 記号の形状を知識として持ち , その それぞれの解析を行っている . 形 , さらに基本図形の組合せで定義される複合図形に記号を階層的に分類して の位置関係で定義される原始図形 , 原始図形の接続関係で定義される基本図 識方式が開発されているが , その一例を図 4.21 に示す . この方式では , 3 線分
7.1 道路地図デー 飛行場 ゴルフ場・スキー場・競技場 学校・病院 ⑦ ⑥ ⑤ ④ ③ ② タベース その他工場などの広い敷地をもつ施設 動物園・植物園・遊園地 主要建物 ( 官公庁・歴史的建造物など ) 739 また目的地の設定に利用する場合などでは詳細な建物の形状を定義する必要 が生じるが , その場合は他の資料図より補完することになる . 7.1 . 4 文字・記号データ 道路・鉄道・水域・行政界・施設などの形状を取得した地物の名称を文字 データとして定義する . システムの機能・画面の解像度などにより文字データの配置・文字サイズ・ 文字列の方向や長さ ( 文字数 ) を考慮する必要がある . 限られた表示画面の中ですべての地物を文字データで表現した場合 , 表示が 重複し , かえって見栄えが悪くなる . その際は文字データに代えて画面の拡大 率に応じて記号によって表現すると見やすい地図画面となる . 一般に文字・記号データの採択基準としては以下のようなものがあげられ る . ① ② ③ ④ ⑤ 日常生活において重要であるもの 歴史上・学術上・観光などの対象として著名なもの 高さや面積が大きく , 目標となる施設 利用者や訪問者が多く目的地となる場所 自己の位置判定に役立つ , 道路沿いなどにある目立つ施設など 文字・記号データに , あわせて重要度を定義して , その対象物が多数近接し ている場合は画面構成を考慮し , より重要と思われるものを優先して表示する ことができるようにする .
76 2 地図の表示法 P ( ミ ) 図 2.3 正規化座標系 2.1 . 6 標高の投影 以上に述べてきた投影法は , 地表の平面位置を地図上に投影する手法であっ た . 地図にとって「高さ」は平面位置と同様に重要なものであり , 等高線や山 頂の独立標高点などで示している . 日本における標高は日本水準原点を基準に している . 日本水準原点の位置および原点の標高は以下の通りである . 位置 : 東京都千代田区永田町 1 丁目 1 番地内の水準点標石の水晶板の零分 画線の中点 標高 : 東京湾平均海面上 24.414 0 m この水準原点をもとにして , 水準測量により , 全国の標高値が決められてい る . しかしながら , 従来の地図上に記載されている地物位置の標高は , 周辺の 等高線などから内挿法で求めるしかなく , 平面座標ほど正確に得ることはでき ない . 2.2 記号化法 地図は対象地域を縮小して表現するので , そのなかに存在するすべての事象 を再現することはできない . そこで , 地図作成者はまず縮尺を設定し , 地図上 に表現できるものを想定し , 目的に応じて選択し , 現実の世界を記号化する . 記号化するためには地図作成者は , まず対象地域のさまざまな事象を一つ一つ 評価し , 地図表現を行う価値があるか判断する . 次にその判断に基づいて作図 対象物を選択し , 類型化する . 地図作成者は , 各類型にふさわしい記号を設計
4 地理データベースの作成 認識率は次のような数値である . 正しく認識した文字・記号の数 認識率 = 全文字・記号数 図面中の文字の認識率は , 期待値ほど高くないのが現状である . この認識率 が , たとえ 95 % ~ 98 % であった場合でも間違っているものを修正する必要があ る . 全体が 2000 文字で , 認識率が 98 % であったとすると , 修正すべき文字は 40 文字となる . 2000 文字を対話的に入力するより 40 文字を修正する方が容易 なことは明らかである . しかし , 2000 文字の中から誤認識された 40 文字を探 すためには , 2000 文字のすべてを確認しなければならない . しかも , 地図の中 の地名や数値は , 配置はばらばらで , 文章を読み合わせるような確認はできな い . そこで , 文字や記号の入力については , 実際に即した対応が要求される . たとえば , 字体 , 大きさは規格化されていて十分な認識率が得られ , しかも多 78 識 識 の の 彡ノ 図 図 原 義義形 義 定 定邯 定図 , ののの 貶のの ~ 一 AJI VII 形分 〃図線図書工図 始 3 本筆 合 tO 原 0 ェロ基一 基本図形の認識 形状認識結果 図 4.21 図形形状の認識方式の概要 ( 実際には , 図形の大きさ , 包含関係なども複合的に判断する )
/ 40 7.1 . 5 付加情報 7 道路地図データベースの利用事例 前述した地形図データを補完する付加情報として , 文字・画像・音声による 案内情報などがある . ナビゲーションシステムを実現する上で , この付加情報 は必須ではない 付加情報の例を以下に示す . たり , 地図上の記号を指示することによって検索することができる . や座標位置とポインタなどによって関係づけられており , 名称や目的を指示し のとして採用されている . 一般に付加情報は , 道路の交差点・施設を表す図形 の付加情報は有効であり , 業務遂行の円滑化・ドライブの楽しさを演出するも しかし目的地の決定や , 周辺状況の把握・経路や現在地の確認などにこれら ⑤ ④ ③ ② ① 7.1 . 6 道路地図データベースの構造 ドライブルートなど 季節の祭事や催し物の案内 施設や景観の写真・イラスト 交差点・インタチェンジなどの見取図 要・所在地・電話番号・駐車場有無・料金など ) 名所・旧跡・景観地・スキー場・ゴルフ場・レストランなどの案内 ( 概 るため閉合した図形によるポリゴン構造とする . 物形状は当該領域の境界線の形状で表現し , 領域の判定などの計算を容易にす 湖池沼や公園緑地・行政界などの面的な広がりを有する領域で表現される地 向を有する線分の集合として定義する . 道路や鉄道など線状の地物については , 当該座標系における特定の位置と方 するにあたっては , 点・線・面の図形要素によってモデル化を行う . は , カーナビゲーション機能の実現が難しい . したがって地形図などを数値化 減などを考慮すると , 地形図に表現された全項目をそのまま数値化したもので 道路のネットワーク化 , 水域などの領域の定義 ( ポリゴン化 ) , データ量の削
82 4 地理データベースの作成 ( 3 ) 地図編集用ワークステーション 図形の修正や編集 , 文字列や記号と図形の対応づけなどを行うためのワーク ステーションで , 高精細のカラーティスフ。レイとマニュアルティジタイザかタ ブレットが接続されている . 計算機としては , 上位のパー ソナノレコンビュ (PC) やエンジニアリングワークステーション (EWS) を用いる場合と , 専用 の計算機を用いる場合とがある . 作業効率を上げるために重要なのは , 対話的 な指示に対する応答速度 , 初期表示 , ズーム , スクロールなどの表示速度であ る . また , 地図の編集を目的としたソフトウェア体系をとり , 自動処理に対し て相補的な編集コマンドを揃えていることも重要である . ( 4 ) ワードプロセッサ 通常 , オフィス用として使用されている装置であっても , 地名 , 記号などの 人力に最適化されていればよい . 特に , 漢字入力に対しては , 第 2 水準の文 字 , 名称の人力に工夫の余地がある . また , 名称の種別や , 縦書き / 横書きな どの制御コードの人力を必要とする場合もある .