問 題 245 グリセルグリシンの水溶液の何重量モル濃度のものが , 298K , 0.200 重量モル 濃度のグリシン水溶液と等圧的に平衡にありうるか . 11. 37 。 C , pH7 で ATP を加水分解する . ATP 十 H20=ADP 十 Pi( 無機リン酸塩 ). Kc = 1.30X105 ( c 。 = lmol に 1 の標準状態 ) である . △〃。 ー 20. IkJm 。 1 ー 1 として , 25 。 C での Kc を計算せよ . 12. スクロース B の XB = 0.100 の水溶液 ( 50 。 C ) 100Cm3 を水で 1000Cm3 に希釈し た . そのときのスクロース 1 mol 当たりの△ G0 を求めよ ( 表 10 ・ 2 を参照 ). 10. 13. NH4 + 十 CH ・ COO- CH ・ COO- N H3 + ・ CH ・ COO- CH2COO- フマル酸イオンアスパラギン酸イオン という反応の 300.5K での平衡定数は 1.95X102 である . ただし c 。 = 1m01 に 1. 、 H4 + とフマル酸イオンの初濃度がそれぞれ 0.30M , 0.03M であるとき , アスパラギン酸イ オンの平衡濃度を求めよ . 14. フマル酸イオンをマレイン酸イオンに加水分解する反応 CH ・ COO- CHOH ・ COO- 十 H20 = ー CH ・ COO- CH ・ COO- で , △ G 。 ( 298K ) = ー 3.68kJm 。 I ー 1 , A 〃。 = ー 14.9kJmol ー 1 である ( 標準状態 c 。 = 1 m 。 1 に 1 で ). 37 。 C での Kc を計算せよ . 15. 25 。 C で 1.00 重量モル濃度の水溶液中のグリシルグリシン G2 の活量係数は 10g ー 0.128 で与えられる . この条件下での G2 の 4 ー 4 。を求めよ . ニトロべンゼンは 0. 3atm , T = 371.4K で水蒸気蒸留することができる . 16. の T における H20 の蒸気圧は 0.937atm である . lkg の水と一緒に蒸留するニトロべ ンゼンの質量を求めよ .
2 ・ 3 圧力の低い気体 の比例定数は M, / RT である . もし M と T がわかっているならば , この比例定数から 気体定数を実験的に求めることができる . このの値はすべての理想気体で一定で 个ーー CC 田 ( 0 ) ロロ % 第 ロロロ 体積 温度 (c) 図 2 ・ 1 (a) 理想気体の PVT 曲面 . 実線は等温線 , 破線は等圧線 , 点線 は等体積線である . (b) PVT 曲面の ~ V 面上への射影 . 等温線が見え る . (c) PVT 曲面の ~ T 面上への射影 . 等体積線が見える あるので , いったんの値がわかってしまえば , ( 2 ・ 4 ) 式を使って様々な気体の lmol 当たりの質量 M を求めることができる .
228 の蒸気圧降下とギブズーデュエム式から得た値 朝 A 十 ) でこれを割ると 体を選んであることに注意すること . XA → 1 のとき , aA → XA かっツ A → 1 である . 0. % 65 = 0. 的 52 である . 溶媒である水の標準状態としては , 外圧が。のときの純粋液 したがって aA = 11. / 12.33 = 0. % 19 である . この濃度での活量係数はプ A = 0. % 19 / 水のモル分率 XA = 0. % 65 のスクロース溶液の蒸気圧を読むと , A = 11.86kPa とある . という温度を選んだ場合の結果を表にしてある . 純水の蒸気圧・ = 12.33kPa である . 略すれば , 水の活量な A は aA = ~ A / A ・から直ちに計算される . 表 10 ・ 2 には 323.2K は水の部分蒸気圧 ~ A に等しくなる . いま水蒸気の理想気体からの小さなずれの項を省 スクロース B は不揮発性なので , B を A( 水 ) に溶かした溶液の上で測った全蒸気圧 味ある物質の活量を求めるために上と同じ方法が使われる . 表 10 ・ 2 水とスクロースの活量 . 323.2 K のスクロース水溶液 10. 実在の気体と溶液 水 モル分率 XA 蒸気圧 /kPa スクロース 活量 aA モル分率 XB 活量 aB 1.0000 0.9940 0.9 4 0.9826 0.9762 0. % 65 0.9559 0.9439 0.9323 0.9098 0.8911 12.333 12.258 12.252 12.085 11.959 11.863 11.688 11.468 11.153 10.801 10.539 1.0000 0. 四 39 0.9934 0.9799 0. 97 0. % 19 0.9477 0.92 四 0.9043 0.8758 0.8545 0.0000 0.0060 0.0136 0.0174 0.02 0.0335 0.0441 0.0 1 0.0677 0.0902 0.1089 0.0000 0. 60 0.0136 0.0197 0.0302 0.0481 0.0716 0.1037 0.13 囲 0.21 0.3045 ースの ( 部分 ) 蒸気圧が測定できないぐらい低いので , 水溶液の蒸気圧測定から求めることができないのは明らかである . もしエタノールのよ スクロースの活量は , スクロ デュエムの式〔 ( 9 ・ 11 ) 式〕から dVA 十 BdßtB = 0 が得られる . ( 10 ・ 14 ) 式を使うとこ 濃度までの全領域にわたって溶媒 ( 水 ) の蒸気圧がわかっていれば計算できる . ギブズー スクロースの活量は , もし溶質 ( スクロース ) の濃度が XB = 0 から望みうる最高の ンリーの法則を基準にした , 標準状態の第 2 の定義を選ぶのである . ( 10 ・ 17 ) 式から計算するであろう . これに対してスクロースの場合は , 溶質に対するヘ うな揮発性の溶質を使う場合は , 純粋なエタノールを当然標準状態に選び , その活量を れは , となる . nA d ln aA 十 d ln aB XAdlnaA 十 XBdlnaB
11 ・ 6 高圧下の測定 四面体型のアンビルが内側に向いた四つのビストンをうまく支えている t. 合成ダイヤモンドが初めて市販するだけ量産されたときに使われたものである . 253 この装置は 図 11 ・ 5 高圧高温発生用四面体型アンビル , Tracy HaII の設計 実験室規模での ( 約 2X1011Pa という ) 最高圧は , 圧縮された気体や爆発によって発 生した衝撃波を試料の中を走らせるという動的な方法で , いずれも達成されている . 高 圧で高速の気体が試料物質を加速すると , その加速された物質は自分の慣性力で内部に 高圧を生じることになる . 数マイクロ秒のうちに , 全試料が高圧になり , 衝撃波の前面 が試料物質の中を通過すると後方に希薄波がひろがり , 圧力はまた低下する . 1961 年に アルダー (). J. Alder) とクリスチャン (). M. Christian) は , 高温下で衝撃波を与 えたグラファイト中に , ダイヤモンドが ( 一時的に ) できている証拠を見つけた . アル ダーは - われわれは 1 マイクロ秒の間だけ百万長者になっていた . ' という有名な台詞 を残している . カーネギー研究所 (the Carnegie lnstitution, Washington, D. C. ) の地球物理学研 究グループでは , モー (). K. Mao) と共同研究者が 1.7X1011Pa という静的な高圧を 達成した . 彼らは図 11 ・ 6 の装置に 2 個のダイヤモンドからできている高圧セルを用い ている . 光学的な測定も X 線を使った実験も , 圧縮された試料について行えるわけであ る . 圧力はルビーの蛍光スペクトル線の波長から求められる . このルビーの波長のス ↑訳注 : アンビルというのは金属をたたくための金とこをいうが . この装置では試料を高圧下 にはさみこむための日のようなもの .
加 2 けないのでつぎのように表す . 理想溶液と希薄溶液 PB = kHXB または XB = 9. ( 9 ・四 ) ウィリアム・ヘンリー (William Henry) は 1803 年に , 気体が液体に溶けるときの 溶解度 (XB) の圧力 (PB) 依存性の広範な測定によってこの方程式を確立した . しか しへンリーの法則は , 気ー液系に限られることなく , いろいろな種類の非常に希薄な溶 液や , 希薄限界にあるすべての溶液に対しても成り立っている . 電解質のように解離性 の溶質に対するこの法則の変形については 10 ・ 11 で議論することにする . 数種の気体の水への溶解度の広い圧力範囲にわたるテータが図 9 ・ 5 に示してある . もしへンリーの法則が正確に成り立つならば , これらの溶解度曲線はすべて直線になる はずである . 実際に , He, H2, N2 などの曲線は 107kPa までは直線的に上昇している が , 02 についてはこの範囲内ですでに直線からのずれが見られる . 例題 9 ・ 6 潜水夫が 200m の深さまで , 4 % 02 ー 96 % He で海中と等圧にな るような気体をつめた潜水服に身をつつんでもぐる . ヘンリーの法則に従えば , この人の身体の組織の中で平衡に達している He のモル分率はいくらになるか . もし急に大気圧にもどるとしたら , 1cm3 の組織当たりどれだけの体積の気体が 出てゆくか . 水面下 2 m の圧力は ( 200m ) ( 103kgm ー 3 ) ( 9.81ms ー 2 ) = 1. % X106Pa であ る . 図 9 ・ 5 から水中の He に対するヘンリーの法則の定数は 1.5X1010Pa ( 訳注 : 原点から横軸 30 , 縦軸 20 までの直線部分を使う ) と読みとれる . したがって , ( 9 ・四 ) 式から , XB = 0. % xl. 96X106Pa / ( 1.5X1010Pa ) = 1.25X10 ー 4 となる . 大気圧下では XB = 0. % X101.3X103Pa / ( 1.5X1010Pa ) = 0.65X10 ー 5 となる . 人 間の組織の主成分が水であると仮定すると , 1cm3 の H20 は 1 / 18m 。 1 であるか ら , ( 1.25X10 ー 4 一 0.65X10 ー 5 ) x ( 1 / 18 ) m 。 1 = 6.6X10 ー 6m01 , すなわち標準状 態で 0.15Cm3 の He の気体を放出することになる . このように急激に組織中の He を放出したら致命的な“潜水病 ' になるかもしれない . 9 ・ 8 麻酔の機構 医療生理学でおもしろい話題の一つに , ある種の気体のひきおこす麻酔作用の機構が ある . クリプトンやキセノンなど多くの麻酔剤は化学的に不活性なのである . ところが どんな気体でも充分高圧になれば麻酔作用が出てくる . ジャック・クストー (Jacques Cousteau) が描くところの - 静寂の世界”は深海で起こった窒素ガス麻酔について忘れ がたい記述をしている . 少なくとも何人かの命がそれによって奪われている . 不活性気 体による麻酔は , いわゆる。潜水病”として知られる急激な減圧による症状と混同して
2 ・ 10 ファンデルワールス方程式 縮因子を使って 12.47MPa , 320K における Xe lmol の体積を求めよ . その値を 理想気体の値と比較せよ . R = 2.12 , TR = 1.10. 図 2 ・ 6 からえ = 0.42 であるから , znRT = ( 0.42 ) (lmol) ( 8.314JK ー lmol ー 1 ) ( 320K ) 12.47 x 106Pa = 8. % x 10 ー 5m3 理想気体の場合は , = 2.13 x 10 ー 4 m3. 25 1.0 TR = 2.00 0.9 TR = 1.50 0.8 0 0 -LY ゝ d z - 辟出 TR = 1.2 ll 0.6 TR = 1.10 0.4 ン タン素 ンンタ炭 タ。へプ化 プソへ酸 イニ水 体ロ望・△ー 気 0 素ンンレ。ハ タタチロ 窒メ工エプ九性 ・△。・圧存 3 算依 換数〕 算 9 の 3 子 縮 図 1.00 0.3 0 0.2 1 0 7 6 5 2 ・ 10 ファンデルワールス方程式 実在気体の挙動を記述するためにいろいろな状態方程式が案出されてきた . ( 2 ・ 16 ) 式のビリアル方程式は一つの例である . その中で最も有名でおそらく最も広く使われて いる方程式がファンデルワールスの出した式である . 彼は 1873 年に初めて非理想気体 の状態方程式を求める問題にとり組んだのである . 彼は不完全気体 (imperfect gas) に ついての分子運動理論モデルを案出した . その中では , 完全気体モデルの二つの基本的
11. 相転移と相平衡 ケールは , 正確な衝撃波の実験で , ある種の金属の体積変化を X 線であらかじめ測っ た結果を使って補正される . 光学的 スリットに合うよ 円形の うな長方形の断面 断面 ・光学 ファイ モノクロ バー束 メーター 己録計 一三ロ かる一 一守タ サをル レらフ フォトマル He-Cd レーザー 減衰偏光子 Nd-YAG レーサー レーザートラップ ーー 1.06 gm の Nd-YAG レーザー ダイヤモンドセル ー◆ー可視領域の熱放射 ダイヤモンドには -7 ー 0.69 m のルビー蛍光 さまれた高圧試料 ー←ー 0.44 gm の He-Cd レーザー X-Y-Z ステージ矢印は光の進行方向に向いている 半透明鏡 311 半透明鏡 116 He-Ne レーザー 照明光源 図 11 ・ 6 高圧下の物質の分光学的観察のためのダイヤモンド製高圧セルと実 験装置 ( カーネギー研究所地球物理学研究グループ ) 11 ・ 7 高圧下の物質 水を高圧で測定した結果 , 図 11 ・ 7 の相図に見られるような結果が得られている . 通 常の氷 ( 氷 I) は圧力をかけると融点が下がり , 2X108Pa で 251K という点にまで達 する . さらに圧力を上げると氷 I は氷Ⅲという新しい相に転移し融点は圧力とともに 上昇しはじめる . 氷には全体で 6 種の多形が見つかっている . 水の相図に見られるよう に三重点が五つある . 約 2X109Pa の圧力下では , 液体の水は 373K 付近で氷Ⅶになる . 氷Ⅳは示してない . タマンによってその存在が示唆されたがプリッジマンはそれを確 認できなかった . いろいろな鉱物の高圧下におけるデータがもっとあれば , 地球化学的に重要な多くの 疑問が解けることになるであろう . 氷山が大海に浮かんでいるように , 山地は , 圧力に よって容易に流れうる変形しやすい一種の岩盤の上に浮いている . 地殻の軽い物質とそ の下の高密度物質の間の不連続な場所としてモホロヴィチッチ (Mohoroviöié) または単
3. 分子のエネルギー 容量を定義するためには△ U / △ T の△ T 無限小の極限をとる . すなわち △← 0 AT lim △ U ( 3 ・ 22 ) この極限は実験的にも測ることができて , C=dU/dT と書かれる . この測定の際に , 温度の上昇によって試料の体積が膨張して周囲を押しやる方にエネ ルギーが使われてしまわないように , 試料の体積を一定に保っという条件のあることを 強調しておこう . この条件は気体の場合は , 温度による体積変化の割合が大きいので特 に重要である . そこで熱容量も定容の C / というような指定を行いその定義にも ( 3 ・ 23 ) というような偏徴分の記号を使う . この記号 C は , 系の状態変数の一つである体積 が一定に保たれたときに T とともに , 内部エネルギー U がどう変わるかを測った量で あることを表している . したがって (0U/0T)v は決まった実験操作に基づいた物理的 な概念であることを表している . 熱容量の SI 単位は , 絶対温度当たりのジュール JK-I である . C / が示量変数であることに注意されたい . すなわちそれは物質の量に依存する量で ある . 物質の量が 2 倍になれば Cv も 2 倍になる . 各物質に特有の量として , C / の値 は lm 。 1 当たりの量 Cv な (JK-lmol-l 単位 ) で記載される . 歴史的には , 熱容量の概念は熱 (heat) の概念と結びつけられていた . 上の実験もつ ぎのように述べられたであろう . 抵抗のある電線の中で電気工ネルギー 12 は熱に変 換され , その熱は電線を通って中にはいりそのまわりの媒質に伝わり , そこで熱量計の 内容物の温度を上昇せしめた , と . 熱容量 C / から内部エネルギー U に関することがどのようにわかるのであろうか . ( 3 ・ 23 ) 式という U との密接な関係をうたった定義式を通していろいろなことがわかる のである . 熱容量は物質が温度の上昇とともにエネルギーを蓄える力がどう変わるかを 測った量である . 例として古典的なエネルギーの等分配則を使って計算したエタンの内 部エネルギーについて考えてみる . 例題 3 ・ 6 から , mol のエタンに対して予想される エネルギーは U = 21 〃 T である . したがって予想される熱容量は = 2 すなわち -CU = 21 愈 ( 21 〃 T ) OT / となる . 実際に C / を測ってみれば , エネルギーについてのこの理論的予想が正しいか どうかがわかるはずである . 予想された C / = 2 尺は温度に無関係ということである . 3 ・ 10 気体についての Cv の実験値 体積を一定にして気体の温度を上げると , 気体は分子の並進 , 回転 , 振動という運動
10 ・ 10 水溶液中の生体物質の△研。 298.15K でのアミノ酸とペプチドの熱力学的データの 233 表 10 ・ 5 1.9 DL ーアラニン DL—アラニルグリシン L ーアスノくラギン酸 グリシン グリシルグリシン DL—ロイシン 1.0 DL—ロイシルグリシン 1.0 ータ 化合物 kJ m01 ー 1 一 3.6 ー 777.8 ー 973.6 ー 528.4 ー 745.2 ー 640.6 ー 0.2 結品状態 J K-I m01 ー 1 ー % 7 ー 812 ー 431 ー 975 ー 1310 △ & 。 水溶液 △ G に kJ m01 ー 1 ー 372.0 ー 489.5 ー 731.8 ー 370.7 ー 490.4 ー 349.4 ー 469.9 溶解度 液のモル ( 飽和溶 濃度 ) 0.126 0.07 3.33 0.0377 3.161 △ Gf0b) 。 kJ m01 ー 1 1 .046 0.73 0.78 0.729 0. 5 ー 373.6 ー 491.6 ー 723.0 ー 372.8 ー 490.8 ー 343.1 ー 4 .4 a) F. H. Carpenter, 工ス襯 . C ん劜 Soc. , 82 , 1120 ( 1 % のから採録 . 同書には元のデ を載せた文献リストがある . b) 塹 = 1 で双極子イオン ( 例題 10 ・ 6 参照 ) の状態を標準状態と仮定 . 2. 溶質の活量が飽和の状態の asat から標準状態での値 4 = 1 に変化したときの△ G ているから , この過程で△ G = 0 である . 1. 結晶を水に溶かして飽和溶液をつくる . 結晶と溶質は飽和溶液中で平衡になっ (w) へはつぎの 2 段階で容易に計算できる . 常は重量モル濃度スケールで活量が 1 の状態 , = 1 がとられる . △研。 ( c ) から△ G 尸 の溶質としての△ G 尸 ( w ) の方の値が必要となる . それに合った標準状態としては , 通 られる . だから化合物の結晶状態での AGf0(c) の代わりに , その化合物の水溶液中で 生物化学的反応の起こりやすさは生理学的な水溶液中での反応の△ G を測定して定め を計算する . AG = RTln 1 ー犬 TIn ( サ司 ( 10 ・ 26 ) この計算を行うには , 飽和溶液の重量モル濃度のほかに , その濃度における活量係数だ けがわかっていればよい . すなわち , △ Gf0 (w) = △ G 尸 (c) ー RTln ( サ・・ 例題 10 ・ 5 298.15K でのグリシンの水への溶解度は 3.33 M で , ー 370.7kJmo いである . AGf0(w) を計算で求めよ . 表 10 ・ 5 からサ = 0.729 だから ( 10 ・ 27 ) 式を使って △ G 尸 (w) = ー 370.7 kJ m01 ー 1 ( 10 ・ △ G 尸 (c) ー ( 8.314 x 10 ー 3 kJ K-I mol-l) ( 四 8.15 K) ln ( 3.33 x 0.7 四 ) ー 370.7 ー 2.2 = ー 372.9kJmo に 1
230 10. 実在の気体と溶液 ( 10 ・ 24 ) 式を利用した計算で水の活量を求める便利な方法に等圧法 (isopiestic me- thod)* がある . 水の活量を求めるためにいくつかの参照となる点を選ぶ . スクロース 溶液はこの目的にかなっている . 参照溶液の一つと活量のわからない溶液をそれそれふ たのしていない容器に入れ , それらをデシケーターのような真空にした容器の中に置く ( 図 10 ・ 5 ). 水は蒸気圧の高い方の溶液から蒸発し , 蒸気圧の低い方の溶液に凝結する . 0 H20 測定試料 スクロースラ容ラ夜 図 10 ・ 5 揮発性の溶媒の活量を不揮発性の溶質と混ぜて測 定する等圧法 これは二つの溶液の水の蒸気圧が同じになって平衡に達するまで続く . この等圧点 (iso- piestic point) では , 二つの溶液の中の水の化学ポテンシャル , したがって水の活量も 等しい . そこでこの二つの溶液の組成を測る . その結果 , 濃度のわかった x の溶液で の水の活量が ( それと平衡になった ) スクロースの水溶液の水の活量と同じになってい 表 10 ・ 3 298.15K の水溶液中のアミノ酸とペプチドのモル活量係数 重量モル濃度 , 化合物 グリシン 0. 1 0.9 必 0.913 0.8 0.812 0.782 1.005 1.007 1.012 1.024 1.027 アラニン 0.989 0.9 0. 5 0.959 トレオニン 0.951 0.944 プロリン 1.019 1.028 1.048 1.097 1.149 1.205 ←アミノカプロン酸 0.971 0.951 0.942 1.002 1.072 グリシルグリシン 0.912 0.879 0.828 0.745 0.6 グリシルアラニン 0.935 0.912 0.883 0.855 Platford, "ExperimentaI Meth0ds lsopiestic ” , in Activity 事実験の詳しいことは , R. F. Coefrients of Electrolyte Solutions, ed. , R. M. Pytkowicz, CRC Press, Boca Raton, FIorida ( 1979 ). 1.0