28 2. 物質の状態 1 6 OP T ( 2 ・ 22 ) 珉匕 T) はと T の両方の関数なので , ~ の変化に伴う v の変化は偏微分で表され る . すなわちに対するの変化を求めるときは T は一定に保たれている . 通常圧力 が増加すると体積は減少するので ( 6 巧 ) T は負の値をとる . したがって係数ßを使 いやすい正の値にするために , 上の定義式の中に負の符号をつけたのである . を一定として T の変化に伴う V の変化を使って物質の膨張率 (expansivity) が 1 V OT ~ ( 2 ・ 23 ) のように定義されるが , 熱膨張係数 (coeffcient of thermal expansion) とも呼ばれ る . とßはそれ自身 ~ と T の関数であるが , これらの変数があまり大きく変化しない 範囲ではしばしば定数とみなすことができる . V のような状態関数の全微分と , やßのような偏微分係数の間には便利な数学的関 係が成立している . V(P,T) を例にとると , ( 2 ・ 24 ) は重要である . が一定のとき , d = 0 であるから , ( 2 ・ 24 ) 式は 0 = ( 6 T dT + 応容器として密閉した容器を使う場合の安全性を確かめるためにも ( OP / OT 片の計算 力の変化 , つまり ( T 片を計算することができる . 化学薬品や気体の貯蔵や , 反 ある物質のと P がわかっていると , 体積を一定に保ったときの温度の変化に伴う圧 述べた経路をたどってみるとよい ) の値が得られることを示している . ( V を T と ~ の関数とみなしてグラフを描き , いま らを変えるというやり方である . ( 2 ・ 24 ) 式はこのような経路にそった変化から d る唯一の方法は , まずを一定に保ちながら T を変え , それから T を一定に保ちなが である . T が T 十 dT に変化し , かっ ~ が ~ 十 d に変化したときのの変化を計算す ( 愈巧愈 T 狃となるので次式が得られる . ( OV/ T ( OV / 6 均 T ( 2 ・ 25 ) 例題 2 ・ 6 50 。 C で細管のすき間がなくなるような水銀温度計が 52 。 C まで過 熱された場合を考える . このとき温度計の内部にかかっている圧力はいくらか . 水銀は 50 。 C で“ = 1.77X10 ー 4K ー 1 , ß = 3.80X10 ー 8kPa ー 1 である . そこで ( 2 ・ 25 ) 式を使うと , ( 3 / OT 片 = 町ß = 4 0kPa / K となる . △ T=2K の場合 , △ ~ = 9320kPa となる . この圧力ならば , いかにも温度計は破裂しそうである . この
15 ・ 6 反応速度の活性複合体理論 なわち活性複合体は , いろいろな面で普通の分子と同じであるが , 平衡配置にないとい う点だけが異なっている t. 活性複合体やその性質を表すときに↓という記号を使う . さてどんな反応でもつぎの二つの段階を通って起こると考えることができる . (1) 反応 物が接近して活性複合体をつくる . ②活性複合体が分解して生成物になる . この 2 段 ( エネルギー高い ) ( エネルギー高い ) 遷移状態 反応試薬 ( エネルギー低い ) 図 15 ・ 4 反応経路に沿ったポテンシャルエネルギー〔 J. E. LeffIer, E. Grunwald, "Rates and Equilibria 研 John Wiley & Sons, Organic Reactions lnc. New York ( 1 % 3 ) 〕 階の境をはっきりつけることはできないが , 動的に眺めれば反応はあくまでも滑らかで 連続的である . しかしこの反応経路に沿ったポテンシャルエネルギー曲面の最高点の領 域は遷移状態といって区別する . 15 ・ 6 反応速度の活性複合体理論 速度定数を活性複合体を使って定量的に表す式は , アイリング (Henry Eyring) に よって初めてかっ広範に展開された . この理論は化学反応たけでなく , 非常に多くの速 度の関係する過程 , たとえば液体の流れ , 拡散 , 誘電損失 , 高分子の内部摩擦などに応 用された . 反応速度をつぎの二つの性質を使って完全に定式化することができる . すな わち , ①反応物の性質 , ②それらが活性複合体をつくった遷移状態の性質 . 反応の 速度は , 活性複合体が単位時間にポテンシャルエネルギー障壁の上を越えてゆく数にほ この速度は活性複合体の濃度に , 複合体が生成物の側に動いてゆく平均の かならない ↑訳注 : もうーっ重要な点は , 活性複合体の基準振動のカの定数の中で一つだけが負の値をとり , それが反応の経路に沿った分子の動きに対応していることである .
15. 反応速度の理論 こに挙げた係数が剛体球モデルの式からどう導かれるかも出ているであ ろう . もちろん , 輸送過程の理論には , 剛体球モデルだけがあるわけではなく , 輸送係 してほしい . イ 2 = 2 ( 0.4 四 ) 6.02 x 1023m0 に 1 x 冗 3 28.1 x 10 ー 3kgmo に 1 x 1. x 10 一四 JK ー 1 x 273K 1 / 2 ( 15 ・ 6 ) 式および ( 15 ・ 8 ) 式から d2 = 2 ( 0.4 的 ) x ( T / 訒 1 / 2 / で , s ー 1 である . C2 珥分子を剛体球と考えるとその直径はいくらになるか . 例題 15 ・ 6 ェチレンの 273K , 100kPa における粘度は 9.33X10 ー 6kgm われている . 数から分子間力についての知見を導き出せるようなもっと実際の分子に近いモデルも使 ファンデルワールス定数みを使うもの 9.33 x 10 ー 6 ()g m-l s-l) 分子の直径を見積もるもうーっの方法として , d = 0.505 x 10 ー 9m = 0.505nm ゆえに = 0.255 x 10 ー 18 m2 直径の値を与えてある . すなわちみ = 4 = 4 ん ( 冗イ 3 / 6 ) から求めた値である . 求めるのに最も適しているであろう . 分子が球状でないとぎは , 分子の体積と同じ球の かの分子の直径をまとめてある . この二つの方法が , 化学反応速度論で使う衝突係数を 表 15 ・ 1 には気体の粘度やファンデルワールスのみの値のデータから求めたいくつ れは剛体球分子の分子体積の 4 倍に当たる . がある . みが気相中で分子の占める ( 排除 ) 体積だということを思い出してほしい 表 15 ・ 1 剛体球分子の直径 分子 CO C12 2 d/pm 気体の粘 度から 370 218 d/pm ファンテ・ノレワ ルスのろから 275 324 318 d/pm 分子気体の粘 度から Hg Ne 02 H20 d/pm ファン・デノレワー ルスのみから 314 316 2 15 ・ 4 衝突理論と実験 簡単な剛体球の衝突の理論は , 実験から得られる活性化エネルギーと組合わせて使う
角虫媒作用 触媒作用 (catalysis) という言葉は 1835 年にベルセーリウス (Berzelius) によって 初めて使われた . 彼はこう書いている . 。触媒 (catalyst) は , そのままでは進まない化 学反応を , それがその系の中にあるだけで進行させてしまうような物質である '. しかし 触媒作用の考えは , 化学の歴史のかなり初期にすでにあった . 錬金術師が求めた。賢者 の石 ' は , 病気を直し卑金属を金に変えることのできる神秘的な触媒といえよう . 実験室や化学工場などで , ほとんどすべての反応についてその反応速度を制御できる 範囲内におさえるような目的で触媒が使われている . 生きている細胞は , 代謝が比較的 低温でも進行するように , 数千のタンパク触媒 , すなわち酵素にたよっている . 酵素は 非常に特異的に反応の触媒作用をつかさどっているが , 化学者の方はそういう高度に特 異的な触媒をどう設計するかやっとわかりかけてきたところである . 14 ・ 1 触媒は反応の速度を変えるが平衡には影響しない 触媒は , スロットマシーンに使われるコインにたとえられる . そのコインは高い品物 を手に入れるのに使われた後でそのまま戻ってくる . 化学反応では , 触媒は反応機構の ある段階で入ってきてつぎの段階で出ていくだけである . この触媒作用の本質は , 入っ ていくことでなく , 何事もなく外へ出ていくところにある . ウイルヘルム・オストワルド (Wilhelm Ostwald) は , 触媒を。化学反応の速度を変 えるが , それ自身は最終生成物に入りこまないような物質である”と定義した . 彼は触 媒が化学反応の速度を変えるだけで , 平衡点の位置には何の影響も及ぼさないことを強 調したのである . オストワルドは , 熱力学の第 1 法則に基づいてこのことの証明を与え た . 体積の変化する気体反応 , たとえば N2 + 3H2 = 2NH3 という気相反応を考えてみよ う . 気体の混合物が , ピストンのついたシリンダーに入って平衡点に達しているとす
232 10. 実在の気体と溶液 と Kx の計算値を表 10 ・ 4 に示してある . 表 10 ・ 4 クロロホルム溶液中 281.4K における N204 の解離 1 X ( N204 ) 18X ( N02 ) 1011KX c ( N204 ) 1 ( N02 ) m01 dm-3 1.03 1.81 2. 3.20 6.10 0.93 1. 1.47 1.70 2.26 8.37 9.05 8.70 9.04 8.35 平均 8.70 0.129 0.227 0.324 0.405 0.778 1.17 1.61 2.13 2.84 105K 。 1.04 1.13 1.05 1.14 1.07 平均 1. 四 この表には , 濃度 c を使って計算した平衡定数の値も入れておいた . N02 CN204 C Kx に合う標準状態を選ぶ場合の例として , 表 10 ・ 4 の N204 = 2N02 反応の Kx の値 い溶液の中と同じような状態である . になる . すなわち濃度は c 。 = lm 。 ldm ー 3 であるが , 溶質のまわりの環境はきわめて薄 ることになる . この場合っぎのような溶質の仮想的な状態を標準状態と定義すること 置いて , c → 0 のとき 7 → 1 , したがって Ka → Kc となるような活量係数 7 を新たに用い こうすると , a=c と Ka 式を適用したことを意味している . よく注意してほしい . こで Kc を使ったということは , 標準状態に新しく別な状態を選んで△ GO=—RTX を使う . —RTInKx = .20kJmo に 1 Kc に合う標準状態を選ぶ場合の例としては , 同じ表の長の値を使う . △ G (c) —RTInKc = 26.73kJ m01 ー 1 これらの例を見れば賢明なる読者はつぎのような注意を記憶にとどめるであろう . すな わち , 溶液中の反応の△ G 。値を使う場合には , その値がそもそもどういう標準状態を もとにして議論しているかを正しく認識していなければまったく意味がない . 10 ・ 10 水溶液中の生体物質の△研 生物化学的反応は , かなり厳密に pH とイオン濃度の定まった水溶液中で進行する . これらの条件は気体や無極性液体中での反応の通常の標準状態とはまったく違うので , 通常の熱測定の実験で使われる標準状態での熱力学的データを生理学的興味にあった条 件へどう関連づけるかという問題が生じる . たとえば , ある生化学物質の 298.15K の 結晶状態での△ G 尸を , 生成ェンタルビーと熱力学第 3 法則のエントロビーとから求め ることができる . その熱力学的データの例が表 10 ・ 5 に載っている .
分子のエネノレギー 。エネルギー ' という言葉は , ダランべール (d'AIembert) が 1745 年にフランス大百 科事典 (Encyclopédie) の中で使ったのが最初のようである . しかしエネルギーの概念 そのものはもっと長い歴史をもっている . 最初は力学に顔を出したが , やがて物質の熱 的性質や , 電気的化学的変化の記述にまでひろく使われるようになった . 熱力学の第 1 法則は , 完全にエネルギーに関することだけである . すなわちこの法則は , エネルギー はつくり出されもこわされもしないというエネルギーの保存則をうたっている . 物質の 物理的化学的変化に伴って出入りするエネルギーの様々な問題が熱力学によって扱われ るのである . この章ではエネルギーのいろいろな形態をとりあげよう . まず分子のエネルギーを古 典的なニ ートンの物理学で扱ってみる . つぎに化学者がいかにして分子のエネルギー を熱容量の測定をもとに研究したかを見てみる . 熱容量測定によって , エネルギーの古 典的な取扱いの欠点が明らかになり , 量子力学的な取扱いの必要性が示されることにな る . 4 章では , 分子のエネルギー準位の量子力学的な説明を与え , 分光測定によって得ら れた実験データがこの理論によっていかに説明されるかを示そう . 5 章では , ポルツマ ン分布の式の中に含まれている物理化学の中での最も重要な原理について説明する . の原理を使えば , 熱力学の基本的概念である熱平衡の概念を理解することができる . 分 子のエネルギー準位に個々の分子がどのように分布しているか , また熱容量という概念 が分子論的にどう理解されるかを学ぶ . 最後に , ポルツマン分布が温度の分子論的な定 義を与えるという重要な問題点に立ち至るであろう .
226 10. 実在の気体と溶液 きるようになっていなければならないのである . 10 ・ 7 溶液中の各成分の標準状態 ( 10 ・ 16 ) 式を実際の問題に応用する前に , 溶液中の各成分の標準状態を定めなけれ ばならない . 普通に使われるものでは , 2 種類の標準状態がある . 希釈を続けるにつれ , 溶媒はラウールの法則に従うようにだんだん理想溶液の振舞いをするようになる . 溶質 の方は , ヘンリーの法則に従うような振舞いにだんだん近づいてゆく . ーっの標準状態 (I) は , したがって極限でラウールの法則に従うように , もうーっの標準状態 ( Ⅱ ) はヘ ンリーの法則に従うように定められる . どの溶液のどの成分についても , どちらの定義 が便利かどうかを調べて選択すればよい . 標準状態 (I) を溶媒の方の成分に合わせて選んだ場合 この場合 , 溶液中の 1 成分 A の標準状態は , 圧力を , 温度は問題で与えられた温度での純粋液体か純粋固体の 状態にとればよい . 活量はしたがって ( 10 ・ 1 の =XA となる . したがって理想溶液では , どんな溶液でも XA → 1 の極限で XA = aA であ 標準状態をこう選ぶことによって , ラウールの法則〔 ( 9 ・ 22 ) 式〕 , は aA = / ・ な場合は , A の代わりにムを使えばよい . 充分正確な結果が得られる . もし A の蒸気が理想気体の振舞いから大きくずれるよう 純物質 A の蒸気圧に対する溶液上の A の分圧君 A の比にとることで , たいていの場合 となる . ただし A ・は全圧が 101.32kPa のときの純物質 A の蒸気圧である . 活量を , 活量係数 xrA を aA = X7AXA と定義すると , XA → 1 のとき A → 1 となる . ( 10 ・ 18 ) 標準状態 ( Ⅱ ) を溶質の方の成分に合わせて選んだ場合 この場合標準状態は , 希釈 の極限 XB → 0 で aB → XB になるように選ぶ . ヘンリーの法則が成り立っ限り , 図 10 ・ 3 に見られるように fB=kHXB ( 10 ・ 1 の である . 標準状態はヘンリーの法則の線を XB = 1 まで外挿すると得られる . かくして , 標準状態でのフガシティーはヘンリーの法則の定数ん H に等しくなることがわかる . fB0 = 非理想気体の場合と同様に , この標準状態は仮想的な状態である . ( 10 ・ 2 の これをつぎのよう な物理的な表現で考えることができる . すなわち純溶質 B ( XB = 1 ) が溶媒 A の中で無
68 4. 分子の量子レベル 4 ・ 6 波数 : 分子のエネルギー準位の単位 SI 単位系の J を分子の量子化されたエネルギー準位の単位として使ってもよいが , 分光学の領域では , cm-l という単位をもっ波数 D = スー 1 の方が広く使われている . 吸収 や発光に伴う光子のエネルギーは , 分子の二つのエネルギー準位間の差 , ん = ( 2 ー ( 1 = △ ( に等しい . 光子の振動数ンよりは波長スの方が測定しやすい . ン = c / スを使うと , △ E = ん = ん c ( 1 / ス ) = んジである . ただし c は真空中の光速である . したがって波数 = 1 / ス はんというファクターを通してエネルギー量子△ ( に比例する . J と cm-l の間の変換 は ( J 単位のエネルギー ) = ( 1.9 x 10 ー X3Jcm ) ( cm ー 1 単位の波数 ) である . 分光学では振動数の単位にヘルッ (Hz) を使う . これは 1 秒間 (s-l) に 1 周期とい う値で , ハインリッヒ・ヘルツ (Heinrich Hertz) に因んでいる . 彼は 1 圏 8 年に Karls- ruhe 工科大学で , 電磁波の存在を実験で最初に示した人である . 4 ・ 7 回転エネルギー 3 ・ 5 で二原子分子の古典的な回転運動について考察した . 波動力学の要請によって エネルギー準位がどのように決まるのかを考えてみよう . 図 4 ・ 7 は , 原点から一定距 離 r だけ離れた換算質量″をもった粒子に許される回転運動に対応する波を図式的に 表したものである . 分子の慣性モーメントは一 = 世 2 である . ″の接線方向の速度を とすれば , 角速度は = ツ r で , 回転の運動エネルギーは ( , = 4 = ん 2 である . 量子数 (rotational quantum number) と呼ばれる量で , = 0 , 1 , 2 ・・・という値をとる . ド 2 に一致しなければならない . つまり , み = 2 すなわちス = 2 Ⅳである . は回転 回転する粒子の定在波のパターンができるためには , 波長の整数倍が軌道の円周 てこわれてしまう ( 破線 ) ル . み = 2 ”でなければ波は干渉によっ 図 4 ・ 7 回転する粒子を表す定在波のモデ
8 ・ 8 蒸気圧は温度でどう変わるか または定積分の形で 2 1 ln ー△ v 1 T2 169 ( 8 ・ 27 ) この式から , 1 , TI と蒸発のエンタルヒ。ーの値がわかっているときに , T2 における蒸 気圧 22 を計算することができる . として概算してよい . いまの場合は , △丑 , = ( 90 ) ( 353 ) = 31800J mol-l で , ( 8 ・ この例のような近似計算では , トルートンの法則を使って△〃 , の値は 90Tb ある . どの圧力まで減圧すればべンゼンは 330K で沸騰するか計算せよ . 例題 8 ・ 3 べンゼンの沸点 ( 圧力。 = 101.3kPa における ) は 353.2K で 27 ) 式から 101.3 kPa ln 31800J 8.314JK ー 1 3 K 1 353 K ー 0.755 となるので , 2 = 47.6kPa が得られる . になるわけだから , この場合△ , = 27000Jmd ー 1 の値を使って困ることはない の増加の割合を過大評価することになる . しかしこれは逆に安全係数を増すこと る . したがってこの問題でもし Tb における△丑 , の値を使うならば , T による君 合は大きいことがわかる . ェーテルの温度が Tb より上がると , △ , は減少す ( 8 ・ 25 ) 式から , △ , が大きければ大きいほど蒸気圧の T による増加の割 点で 27. OkJmoI ー 1 である . いったドラム缶を安全な状態に置ける最高温度は何度か . ェーテルの△は沸 の圧に耐えられるような , アルミのドラム缶に貯蔵しておく . このエーテルのは 例題 8 ・ 4 ジェチルエーテルの沸点は 307.6K である . ェーテルは 1 kPa であろう . したがって ( 8 ・ 27 ) 式から 103 101.32 ln ー 27 000 1 8.314 T2 307.6 が得られる . この結果 T2 = 393K となる . もちろんわれわれは爆発するような圧 力に近づきたくはないのだから , 少なくとも 2 という安全係数をかけるのが妥当 であろう . すると 5 x 102 101.32 ln ー 27 000 1 8.314 T2 307.6 で , T2 = 362K となる . このエーテルのドラム缶はこの温度を越えるようにして その式の形をしている . こうすると B の中の△ , は一定ということになる . 蒸気圧データは通常 1 Ⅱ = A ーお / T のような式で記録されているが , ( 8 ・ 26 ) 式も はならないことになる . しかし実
1 12 ・ 16 熱容量 12 ・ 16 熱容量 cv の値は U の式を T で微分することによって容易に得られる . Cv=(OU/OT)v. 理 想気体の C ~ の値は C ~ = C / 十となる . 並進運動の Cv に対する寄与はどの場合でも古典論的な値である . 二原子分子 では , c の中の回転と振動の寄与は , つぎのように定義される回転と振動の特性温度 (characteristic temperature) を使って表すと便利である . 研 8 冗 2 表 12 ・ 5 にはいろいろな分子の特性温度を示してある . 表 12 ・ 5 回転と振動の特性温度 9v/K 分子 er/K 分子 er/K ev/K 2.88 3374 6215 2.07 2256 4394 42.7 15.02 4227 808 0.351 12.02 3787 463 0.116 32 9.06 0.0537 308 ( 12 ・ 41 ) ( 12 ・ 42 ) 02 HCI HBr HI 1.0 下、 ( ち」 ) ゝ 0 LO 0 0.5 0 0 2 0 1 0.5 1 0.5 2 0 (a) 図 12 ・ 3 (a) 二原子分子気体の Cv に対する振動の寄与 . (b) 同じく回転の寄学 . 破線は 古典論のエネルギーの等分配則からの予測値を示す 図 12 ・ 3 には二原子分子の振動と回転の熱容量を T/9v と T/6r の関数としてそれぞ れ図示してある . T がほぼ 26 になると C = 1 という古典論の値に近づく . [ ある温 度領域では Cv ( r 。 t ) が古典論の値を越えることがあるが , それはどう説明されるのだ ろうか . ] (b) 例題 12 ・ 8 表 12 ・ 5 の , と e , の値を使って , N2 の Cv(vib) と Cv(rot) が古典論的な値尺の半分になる温度を求めよ .