6. 熱力学の第 1 法則・ - ーエネルギー じる過程は , しばしば図 6 ・ 2 のようなインジケーター・ダイヤグラムの曲線で表され る . 図 6 ・ 3 平衡にある外圧 = ぞを変化させたとき , ある流体 て進むとき ( あるいは経ることができると考えて ) , A から B への過程は可逆過程 状態関数 , とⅥから計算できる . A から B への変化が系の平衡状態を一つずつ経 そういう場合の例を図 6 ・ 3 に示す . 平衡が保たれているときだけ , その仕事は物質の る . このときのインジケーター曲線は , この系の平衡曲線 (equilibrium curve) になる . 匕すなわち流体の圧力そのものに等しいという , 非常に特別な場合を考えたことにな 、一 V 曲線に沿ったーっーっの点がこの系の平衡状態にあたるとすると , = が常に (reversible process) であるという . こういう変化を実際に可 可逆過程は極限的なある理想的な場合でしかない . なぜなら , に , この気体は d だけ圧縮される . このように平衡経路は原理的に可逆的であるが , きに , この気体は dV だけ膨張する . もし圧力が平衡圧 ~ より非常にわずかに増えたと ようにしてやらなければならない . もし圧力が平衡圧より非常にわずかに減ったと くりと減らし , 各段階でピストン内部の圧力がビストン上の圧力にちょうど等しくなる 図 6 ・ 3 に示してあるような可逆過程で気体を膨張させるためには , 圧力を充分ゆっ とその系になされた仕事のインジケーター・ダイヤグラム 逆的に実行しようとすれば無限の時間がかかってしまうからである . 一定温度での理想気体では , ( 6 ・ 6 ) 式は特に簡単になる . = 記 T / V だから 6 ・ 4 理想気体の等温可逆的圧縮 となる . dw = —PdV ( 可逆 ) 平衡の場合に = ~ だから , ( 6 ・ 4 ) 式は ( 6 ・ 6 )
2 ・ 7 気体の漿縮ーー臨界点 させて酸素と窒素を液化させることに成功した . どんな気体でも , それ以上の温度では 圧力をいくら高くしても液化されないという臨界温度 (critical temperature) T, 。をもっ ている . その Tc において液化するのに必要な最小の圧力を臨界圧 (critical pressure) という . , Tc のときの気体の体積を臨界体積 (critical volume) という . , , Tc を示す状態の気体は臨界状態にあるという . , Tc, は気体の臨界定数 ( criti - cal constant) と呼ばれる . 種々の気体の臨界定数を表 2 ・ 3 にのせてある . 69.7 90.0 90.0 7. 11.37 22.06 55.44 23.7 表 2 ・ 3 臨界点のデータとファンデルワールス定数 a ) 物質 He CO 02 C2H4 C02 NH3 H20 Tc 33.3 1735.0 7.2 405.6 304.2 282.9 154.3 1 .0 126.1 MPa 5.16 5.04 3.51 3.39 0.229 105.0 18 1 31 Ⅱ 01 ー 1 61.6 40.1 72.0 94.2 127.5 74.4 1034 Ⅱ 16Pa1 Ⅱ 01 ー 2 3.45 24.7 820 553 422 453 1 151 141 186 1n31n01 ー 1 26.6 17.0 30.5 37.1 42.7 57.1 31.8 39.9 39.1 a) 2 ・ 10 を参照 . 臨界点近傍における気体の性質は , 1 9 年 , トーマス・アンドルーズ (Thomas Andrews) による二酸化炭素の一連の古典的な測定によってはじめて明らかになった . 図 2 ・ 4 には , 二酸化炭素の臨界温度 304.16K 前後の V 等温線の最近の測定結果を 示してある . Tc よりわずかに低い 303.56K での等温線を考えてみよう . 蒸気が圧縮さ れるにつれ , ~ ー V 曲線はまず AB に沿って変化する . この変化はだいたいポイルの法則 で表される等温線に近い . B 点に到達すると器壁がぬれはじめ液体が見えてくる . では液体状態と気体状態が共存して平衡状態を保っている . 303.55K において液体と平 衡にある C02 気体の圧力は ~ = 7250kPa である . この平衡状態の圧力を蒸気圧 (vapor pressure) という . さらに圧縮を続けると , 圧力は変化せずに体積が減少し , 点 C に到 達する . そこでは気体はすべて液体に変わってしまう . そこからの曲線 CD は 303.56K での液体の C02 の等温線である . 傾きが急なのは , 液体の圧縮率の小さいことを示し ている . 温度を少しずつ上げながら等温線を測っていくと , 不連続点 B と C の間が次第に近 づき , 3 .16K で両者はぶつかって , もはや第 2 の相 ( 液体 ) は見られなくなる . この ときの等温線の変曲点が C02 の臨界点になっている . これ以上の温度ではどんなに圧 力をあげても第 2 の相は現れない . すなわち臨界温度以上では , 物質は流動状態 (fluid
102 6. 熱力学の第 1 法則ー - エネルギー eX ( 6 ・ 3 ) である . はヒ。ストン自身とその上に置かれたものを合わせた重さによるカ F の大き さである . 平衡点では流体の圧力は尸 = = となるから , ビストンには差し引きして 力はかからず , したがって動かない . いまビストンに重りをのせると , 新たな関係は = > 尸となるので , ビストンは重力の方向に動き , 中の気体を押しつぶし , 気体の 圧力が上昇して新しい圧力 = 、になり , 平衡がふたたび達成されるまで続く . 系 図 6 ・ 1 一定体積の気体とその周辺部か ら系は成り立っている ヒ。ストンが下に動くにつれ , 仕事は気体になされる . その仕事の積分要素は dw=Fdr=—Adr= —PexdV ( 6 ・の である . みはヒ。ストンの面積で , d = ー A は体積変化の積分要素である . ヒ。ストン が距離 dr だけ動くと , 気体の体積は減少することに注意しよう . ゆえに d は負で , ( 6 ・ 4 ) 式の計算にも負の符号が入りこむ . したがって系になされた仕事は正とな 体積が巧からへ変化する間 , 外圧が一定に保たれていると , このときの仕事は る . ( 6 ・ 4 ) 式を積分して計算される . Pex d = ー , ( ー帰 = —Pex △ ( 6 ・ 5 ) 例題 6 ・ 2 10m3 の気体が , 103kPa という一定圧力の下で 5m3 にまで圧縮 されたとき , 気体になされた仕事はいくらか . = ( ー 1 x 103Pa ) ( ー 5m3 ) =5x 106Pam3 = 5x 106 」 もし体積変化が , ーっーっの段階で外圧の値がわかるようなかたちで行われたとする
2 ・ 14 相 あるし , 後者は膨張や圧縮のように温度や圧力の変化とともに連続的に起こる変化であ に由来している . 相転移は化学変化や物理変化のいずれとも異なる . 前者は化学反応で が起こったという . 相 (phase) という語は , 。外見 , みかけ ' という意味のギリシャ語 現をすると , ある定まった温度と圧力で系のある性質が不連続に変化したとき , 相転移 転移などの変化は , 集合状態の変化または相転移 (phasechange) と呼ばれる . 別の表 氷の融解 , 砂糖の水への溶解 , べンゼンの蒸発 , グラファイトからダイヤモンドへの 2 ・ 14 相 とめられている . くの目的のためには , これらのデータは通常圧縮率ßや膨張率の表のかたちにしてま 実験から得られた君 VT データに合うような固体の状態方程式も得られているが , 多 きりした界面が存在する . し , 液体や気体から固体への変化は常に不連続に起こり , 固体と流体の間には常にはっ と長距離にわたる秩序をもった二つの状態の間をつなぐ連続した経路は存在しえない 炭素 ). 気体と固体 , あるいは液体と固体の間には , そのような連続性はない . 無秩序 気体と液体の状態の間の連続性についてはすでに述べた ( たとえば図 2 ・ 4 の二酸化 きなひろがりをもっており , 長期間実質的な変化はしない . 数百個の分子程度の範囲に限られている . しかし固体では , 秩序だった配列の領域は大 するが , それとても 1 秒の何分の 1 も持続せず , その秩序だった配列の領域もたかだか 分子の会合を除けば , 分子の配列は乱れている . 液体中では , 分子は秩序だった配列を 気体では分子は空間をあらゆる方向に動きまわっており , どの瞬間にも , 一時的な 2 れが粘性流 (viscous flow) である . さな力を受けると , ーっの層の上を別の層が動くというかたちで応答する . すなわちこ 弾性変形する . すなわち外力をとり去れば固体は直ちに元の形に戻る . 液体が横から小 た容器に応じた形でおさまっている . 圧縮やずれと・いった小さな外力に応答して固体は は一定の形をとっている . しかし , 一般の実験室では , 気体と液体はそれそれの決まっ 体積をもっているが , 気体はどんな容器に入れてもそれを満たすようにひろがる . 固体 物質の 3 態は , その力学的性質の違いから識別される . 固体と液体はそれ自身一定の 2 ・ 13 固体 らない . め ( / OT 片を計算し , 到達圧力が安全限界内にあることを確認しなければな 例でもわかるように , 密閉した容器の中にある物を加熱する場合には , あらかじ
248 11. 相転移と相平衡 C02 気体に当たる . 圧力が増すにつれ , 体積は ab に沿って減少し , b 点にくると液相 の C02 ができ始める . この点での圧力は 5.70MPa で , 液相と平衡にある蒸気のモル体 積は = 230Cm3m01 ー 1 である . この液体のモル体積は c 点の Vm = 56.5cm3moI ー 1 で 与えられる . 直線 bc はたがいに平衡にある相を表す 2 点を結ぶ結びの線 (tie-line) であ る . この 293K の等温線は 5.70MPa のところで圧力が一定になり , 蒸気が完全に液体 になった c 点まで続く . この純粋な液相の c 点に圧力を加えると , 圧縮率が小さいので 等温線は急に上がり融点曲線と d 点で交わる . この点はほぼ 502MPa , 293K である . この圧力の下での液相 , 固相いすれの C02 の密度もまだ直接的には測られていない . ただしプリッジマン (Bridgman) は , この図の d から e 点までの凝固による体積の減少 値△ Vm が 3.94Cm3m0 に 1 になることは求めている . そこで d 点での液体の C02 の Vm を約 35Cm3m01 ー 1 と推定してやると , e 点での固体の C02 の m は約 31Cm3m01 ー 1 とな る . 等温線は固体の C02 をさらに圧縮すると ef という線に沿って上昇を続ける . 図 11 ・ 1 にはまた VT 曲面の君 T 面への投影図も示してある . この ~ T 図はよく 相律図 (phase rule diagram) として使われる . T 図に引かれた曲線上では , 2 相が たがいに平衡に存在している . 圧力を充分に高くしてやると , 液相一気相転移の臨界点 g のかなり上の方で固相の C02 が存在できる . 固相ー液相転移にも臨界点が存在するか否かについては議論が激し く続いているところである . 現在では否定的な答えの方がやや多い . その理由は , 固相ー 液相転移は一般に物質の構造の対称性に変化を与えるので , 対称性の高い結品構造から 等方的液相へ連続的に状態が変わるということは起こりえないのではないかということ にある . 11 ・ 3 相変化における熱力学関数の変化 純粋物質では化学ポテンシャルは単に物質の単位量当たりのギブズの自由エネル ギー Gi に等しくなる . 図 11 ・ 2 は相変化に際して Gi や他の熱力学関数がどう変化する かを示したものである . 例をもう少し具体的にすると , 純粋なスズ lm 。 1 の丑 , G , S , C ~ の値を標準圧。 = 101.32kPa 一定の下で T の関数としてフ。ロットしてみる . 灰 色スズ ( 立方品系 ) Sn 夜から白色スズ ( 正方品系 ) Sn への転移温度である 286.4K で , H,S, 協 Cp の変化は不連続的になる . すなわち , 〃 = 2.5kJm 。 1 ー 1 という転移ェンタ ルヒ。ーと = ー 3.34Cm3m0 に 1 という体積変化が得られている . ふつうは高温相が 大きな体積をもつが , スズの場合 , 白い Sn の構造の方が灰色の Sn よりは密度が高く なっている . ある元素が二つの異なる形で存在することを同素体性 (allotropy) があるという . ス ズの転移は互変異性的 (enantiotropic) 変化の一例であるが , これはある純粋物質の二
2. 物質の状態 意したい . 図 2 ・ 5 には , 第 2 ビリアル係数お ( T ) のいくっかの値を温度の関数としてプロット してある . B(T) の形を見れば , 気体の種類によって理想気体からそれそれかなり大き くはずれていることがわかる . 2 ・ 9 対応状態 臨界定数 , , Tc に対する匕協 T の比をそれそれ換算 (reduced) 圧力 , 換算 例題 2 ・ 5 キセノンでは Tc = 289.7K , = 5. MPa である . 体積 , 換算温度という . すなわち換算変数は ( 2 ・ 1 の である . をとり入れた換算変数 PR, , TR を使うことによってそれが可能となるからである . らは理想状態からのずれをはっきり知ることはできないのに対して , 現実の気体の性質 ず , 対応状態の原理は重要な意味をもっている . その理由は , 協 T の値そのものか わかるように , 普通の気体では 0.20 から 0.33 の間で変化している . それにもかかわら な尺 Tc はすべての気体にわたって同じになるはずである . 実際には表 2 ・ 3 から (principle of corresponding states) と呼んだ . もしこの法則が正しければ , 臨界比 てにわたって同じ式になるはずであるというのである . 彼はこの法則を対応状態の原理 こでは調べられた様々な気体すべ を指摘した . つまり VR=F(PR, (R) であり , 体の状態が換算変数 R , VR, TR を使った同一の方程式で非常によく近似できること 1 1 年ファンデルワールス (). H. van der Waals) は , 通常の圧力ではすべての気 実在気体の ~ T のデータを総括する一つの便利な方法は = T ( 2 ・ 18 ) で定義される圧縮因子 (compression factor) 名を導入することである . 高圧ガスの物性 を扱う化学工学の人たちは名因子が ~ や T によってどう変化するかを示すグラフをた くさん求めた . その結果わかったことは , かなりの高圧に至るまで , 名は換算変数 ~ R と TR によって決まる普遍的な関数になっている . 名 = 玖 R , TR) ( 2 ・ 19 ) いろいろな気体についてのこの因子の挙動 , すなわちいろいろな換算温度における , 名 = ~ 巧〃 T の値を換算圧力に対してプロットしたものを図 2 ・ 6 に示してある . この 図にある範囲の圧力では , えの値は約 1 % の範囲内で一致している . 応状態の法則をよく示している . これらの曲線は対 図 2 ・ 6 の圧
11 ・ 6 高圧下の測定 四面体型のアンビルが内側に向いた四つのビストンをうまく支えている t. 合成ダイヤモンドが初めて市販するだけ量産されたときに使われたものである . 253 この装置は 図 11 ・ 5 高圧高温発生用四面体型アンビル , Tracy HaII の設計 実験室規模での ( 約 2X1011Pa という ) 最高圧は , 圧縮された気体や爆発によって発 生した衝撃波を試料の中を走らせるという動的な方法で , いずれも達成されている . 高 圧で高速の気体が試料物質を加速すると , その加速された物質は自分の慣性力で内部に 高圧を生じることになる . 数マイクロ秒のうちに , 全試料が高圧になり , 衝撃波の前面 が試料物質の中を通過すると後方に希薄波がひろがり , 圧力はまた低下する . 1961 年に アルダー (). J. Alder) とクリスチャン (). M. Christian) は , 高温下で衝撃波を与 えたグラファイト中に , ダイヤモンドが ( 一時的に ) できている証拠を見つけた . アル ダーは - われわれは 1 マイクロ秒の間だけ百万長者になっていた . ' という有名な台詞 を残している . カーネギー研究所 (the Carnegie lnstitution, Washington, D. C. ) の地球物理学研 究グループでは , モー (). K. Mao) と共同研究者が 1.7X1011Pa という静的な高圧を 達成した . 彼らは図 11 ・ 6 の装置に 2 個のダイヤモンドからできている高圧セルを用い ている . 光学的な測定も X 線を使った実験も , 圧縮された試料について行えるわけであ る . 圧力はルビーの蛍光スペクトル線の波長から求められる . このルビーの波長のス ↑訳注 : アンビルというのは金属をたたくための金とこをいうが . この装置では試料を高圧下 にはさみこむための日のようなもの .
い 320 ック重合体 5 アタクチック重合体 355 294 アインシュタインの結晶モデル 11 , 40 , 59 アインシュタインの関係式 アイリングの式 373 アイリング , H. 368 , 371 ン 3 アイソタクチックポリプロビレ あ , アイゲン , M. アイソタクチ 159 , 317 エネルギー関数 130 硫黄 の相図 % 0 イオン化ェンタルビー 1 次相変化 250 1 次反応 311 の速度式 312 擬ーーー 317 一次標準 2 一重項四 5 1 変系 32 一定熱和の法則 116 119 液体へリウム の相転移 2 SI 単位系 1 , 3 STP 16 枝分かれ連鎖 331 工ッソン , W. 8 工ディントン , A. 144 エネルギー 37 とエントロビー の散逸 326 一般酸ー塩基触媒作用 3 インジケーターダイヤグラム 103 要れ″ ro 234 圧縮因子 24 圧縮率 27 圧力 5 , 18 , 1 換算ーー 24 圧力依存性 平衡定数の一一 圧力一組成図 204 アポガドロ定数 4 , 81 アミノ酸 の活量係数 2 の熱力学的データ アルキメデス 8 アルダー , B. J. 253 R 枝 73 鉄 268 アルミノケイ酸塩 3 182 ーれ一 00 234 ウィノレ′、 / レミ ウォーゲ , P. 宇宙 L. F. 233 の膨張 1 必 全ーーーのエントロビー 3 , 2 137 , 系の 反応の エネルギー分布 エネルギーの保存則 108 1 , 294 エネルギーの等分配則 51 , 122 107 277 と熱容量 149 と時間の矢 143 と確率 1 とエネルギー 1 工ントロビー 1 四 , 131 , 148 , 水の一一一の温度依存性 112 122 反応の の温度依存性 120 と内部エネルギー 115 109 , 161 工ンタ / レビー ェルゴードの仮説 276 MKSA 単位系 1 分子集団の一一 アレニウス , S. A. 331 , 2 アレニウスプロット芻 3 鞍点 0 3 253 アンドルーズ , T. 21 アンペア アンビノレ 運動エネルギー 運動力学 と統計力学 272 液晶 251 液相曲線 204 液体 同士の溶解 2 の凝集カ 27 溶け合わないーーの蒸留 161 , 162 239 宇宙の 希ガスの 全宇宙の 第 3 法則 理想気体の 161 , 162 281 137 153 , 154 132 ェントロビー関数 1 , 1 ェントロビー増大の法則 159
2 ・ 12 圧縮率と膨張率 2 / 1 ~ ( 実測値 ) ( 2 ・ 21 ) 式からの PV ( 計算値 ) 1.001 10 1 . 01 50 100 1.04 1.28 200 1. 500 1.35 1000 1.35 C02 のファンデルワールス方程式を使って計算した理論的等温線を図 2 ・ 4 に破線で ity) が定義される . 温度一定の条件下で , ~ の変化に伴う v の変化を使って物質の圧縮率 (compressibil- 2 ・ 12 圧縮率と膨張率 密度が充分大きくなった状態で , 蒸気が液体に凝集する要因となっている . ンデルワールス方程式の中の 4 項で表されるが , 温度が臨界温度 Tc より下がり , 系の 距離分子間力の重要性を強調してくれる . 液体において短距離にはたらく引力は , ファ ファンデルワールス式は , 液体と気体の間の状態の連続性と臨界点の存在を示唆し , 短 いとしても , それは液体状態の本質を知ろうとする場合に貴重な役割を果たしている . しかしたとえファンデルワールス方程式が液体の VT 間の関係を正確に表していな 分よい理論的な状態方程式を得る段階には至っていないのである . 総和と考えてはいけない . このような理由から , 液体については気体の場合のように充 のエネルギーに比べてともに大きい . さらに液体の凝集力は分子間の相互作用の単なる 分子間の引力や斥力をもたらすポテンシャルエネルギーは , 液体中の分子の並進運動 温度と容器の体積が変化しない限り , 2 相の相対的な量は変化しなくなる . 状態では , 液体が蒸発する速さは , 蒸気が液体に凝縮する速さにまったく等しくなり , か . 圧力 , 温度 T においては液体と気体は平衡を保って共存している . そのような べての液体が蒸気になるか , 2 ) 圧力がその温度 T における液体の蒸気圧に達する その液体のいくらかは蒸発する . 蒸発はつぎのどちらかの状態になるまで続く . 1 ) す 粋な液体を , 凝固点以上の温度 T に保った容積一定の排気した容器の中に入れると , 以下では , 液体と気体は異なった相として平衡を保った状態で分離して共存できる . 純 易に流れる . 臨界温度 T 。より高い温度では液体と気体の区別はなくなる . しかし T 。 液体と気体はともに流体 (fluid) である . いずれもちょっとした力を加えただけで容 2 ・ 11 液体 る . 臨界点では , 極大と極小の 2 点は一つの変曲点に収東している ( 問題 21 を見よ ). に合わないが , 連続なぞ ( の曲線はこの領域の中で極大値と極小値の両方を示してい 示してある . ファンデルワールス方程式は気相と液相の共存する領域ではー V の挙動
126 事を計算せよ . 6. 熱力学の第 1 法則ーーエネルギー △ f = 6.03kJ m01 ー 1 , △〃 = 40.67kJ mo に 1 ( 0 。 C ) = 0.9170 , ( 0 。 C ) = 0.9999 , ( 100 。 C ) = 0.9583gCm ー 3. 仕事の値を△ーや △〃と比較せよ . 5. 固体 C021kg を 0.1m3 の圧力調製弁付きのスチール製の筒にいれる . 周囲の温 度は 25 。 C である . C02 がすべて蒸発したとき , 筒の中の圧力はいくらになるか . もし , 弁を開けて大気と通じるようにすると , 圧縮気体が拡散するときに周囲に対して及ぼす 仕事はどのくらいか . 6. 理想気体を 1 から 10 まで , (a) 圧力 = 100kPa で一定に保ちながら , (b) 1000 → 500 → 200 → 100 kPa と 3 段階に , (c) 300 K で等温可逆的に , ( の 500 K で等温可 逆的に , 膨張させた . このそれそれの場合において周囲に及ぼした仕事ーを計算せ よ . 7. C = の理想気体 1m01 を 300K にて 1000kPa の圧力でとじこめた . 圧力を 急に 100kPa にすると気体は断熱的に膨張する . 気体の温度は最終的にはいくらになる か . 周囲に及ぼす仕事ーはどのくらいか . 8. アルゴンは Cp = 20.79JK ー 1m01 ー 1 である . (a) 273.15K において 22.414 ーから 50.000 ーに等温的かっ可逆的に 1m01 のアルゴ ンを膨張させた . 佑△ U と△〃を計算せよ . (b) 273.15K から出発し , (a) の場合と同じ体積範囲を断熱可逆膨張したときのの , △ U, △と△ T を計算せよ . この膨張のぞーフ。ロットを描け . 9. 内部に電熱器をもっている一定容量の断熱容器に C02 を 0.100kg 入れてある . 温度を 300 K から 400 K に上昇させたとき , C02 気体の△ U はどのくらいか ( 表 6 ・ 2 を参照せよ ). 10. つぎの反応が起こり , 塩化ビニルができる . C2H2(g) 十 HCI = CH2CHCl(g) , △。 ( 298K ) = ー 100 kJ m01 ー 1 化学量論的な反応において , HCI を lkg 使ったとき , 反応容器を 25 。 C に保つに必要な 15 。 C の冷却水の質量を求めよ . 11. 80cm3s ー 1 の速さで断熱管の中を 25 。 C , 100kPa のアンモニアが流れている . アンモニアは 0.50W の加熱した線の上を通過して管を出るときには 29.1 。 C になって いる . 1 mol の NH3 あたりの Cp と Cv を計算せよ . 12. 炭化タングステン WC を , 過剰に 02 が存在するポンべ熱量計中で燃やした : WC(c) 十身 02 = W03 ( c ) 十 C02. △ U0 ( 298K ) = ー 1192kJ m01 ー 1. △日。 ( 298K ) はどのく らいか . もし , 純粋なタングステンの燃焼の△〃。 ( 298K ) が一 837.5kJmol ー 1 である とすると WC の△。 ( 298K ) はどのくらいか ( 表 A ・ 1 を参照せよ ). 13. 2C02 十 2NH3 = 2H20 十 2N0 十 C2H2 という反応の△。 ( 298K ) を計算せよ . 14. ビクトリア滝の高さは 120m である . 滝を落ちる水の運動エネルギーが , もし すべて熱に変換するとしたならば , 滝の一番上と一番下で水の温度はどのくらいちがう