触媒 - みる会図書館


検索対象: 基礎物理化学 上
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1. 基礎物理化学 上

14 ・ 5 酵素による触媒作用 ん A = 召 K ()a は酸の解離定数 ) に従う一般酸の触媒反応の例もある . ほかにもいくっ か , 一般酸および塩基が触媒作用を示す反応がある . 水のような溶媒は酸としても塩基としても作用できるので , それ自身が触媒になるこ とがよくある . 以前には , ( 14 ・ 1 ) 式の島で表されるような触媒作用に関係ないと思 われていたものが , 実はたいていの場合 , 酸としても塩基としてもはたらく溶媒が触媒 になっている反応であることが多い . 14 ・ 5 酵素による触媒作用 酵素は生きている細胞によってつくられる特別な触媒である . 哺乳類の典型的な細胞 には 104 種の異なる酵素があると推定されている . プフナー ( E. B ⅱ chner ) は 1897 年に 生理化学的な反応の多くは必ずしも細胞の中だけでなく , 細胞から分けた液を試験管 の中に入れた状態 ( 切のでも起こることを最初に確立した . いままでに知られてい る酵素はすべてタンパク質である . その分子量は約 104 から 2X106gm 。いの範囲内に ある . 同じ球形の分子でも , その直径は 3 から 30nm まで大きく変わり , しかもその 実際の形は球からはずれることが多い . 酵素の触媒作用はみな特異的である . ウレアーゼは尿素 (urea) H2 ) 2C0 の加水分 解の触媒となる . 溶液を 107 としたとき尿素がわずか 1 程度に薄めた状態でもぎくの に , メチル尿素 (NH2) (CH3NH)CO のような置換尿素の加水分解の速度にはほとんど 影響を及ぼさない . ペプシンは , グリシルー L ーグルタミルー L ーチロシンというべプチドの 加水分解の触媒としてはたらくが , もしアミノ酸の中のほんの一つが D 型という正反対 の光学的配置をとっている場合や , ペプチドが L ーグルタミルー L ーチロシンというように ほんのわずか違っている場合には完全に不活性になる . しかしこういう特異性は絶対的 なものではなく , 多くの酵素は似たような構造の多種の基質ともある程度の作用はもっ ている . 酵素の反応速度論の機構は , 酵素 E が基質 S と複合体をつくるところから始まる . の式は 1903 年 , アンリ (Henri) によって初めて世に出て , 1913 年には ミノ、エリス (Michaelis) とメンテン (Menten) によって拡張され , さらに 1925 年にフ・リッグズ (Briggs) とホールディン (Haldane) によっても研究された . この型の最も簡単な機構は , E 十 S ES を 1 ん 1 E 十 P というものである . E と P から ES をつくる逆反応は多くの場合無視できるぐらに遅 く , どの反応でも CP] の非常に小さい初期の段階ではまったく無視できる . 酵素による触媒反応は通常特に速く , 酵素の濃度はいつも基質の濃度よりずっと低 い . その結果生成物が見えてくる速さは , 基質が消えてゆく速さにほとんど等しい ( す

2. 基礎物理化学 上

340 14. 触媒作用 る . シリンダーの中で触媒は滑りぶたのついた小さな容器に入っており , 反応する気体 にふれたり , 遮断されたりを繰返している . いま反応混合物が触媒にふれてその平衡点 が少しすれると , シリンダーの中の圧力も変化してヒ。ストンが動く . 触媒にふたをする と , 圧力は前の値に戻るので , ヒ。ストンも元の位置に戻る . 触媒の容器のふたの開閉を 繰返すと , ビストンは上下する . そしてこの系は連続した周期運動で仕事を続ける永久 機関になってしまう . これは第 1 法則に矛盾する . したがって触媒は平衡点を変化させ ることはできない . 触媒は反応の速度を変えるが平衡点は変えないのだから , 同じはたらきで正反応と逆 反応の両方を加速できるはずである . すなわちェステルの加水分解を促進する触媒は , アルコールのエステル化も促進しなければならない . ニッケルや白金のような脱水素触 媒は水素化のよい触媒でもある . ペプシンやパパインという酵素はペプチド結合を切る 触媒であるとともに , その反応生成物からこの結合をつくる触媒でもある . 触媒は , 通常それがないときの反応よりは低い活性化エネルギーをもっ別の経路 を提供する . この効果を図 14 ・ 1 に模式的に示してある . 新しい反応経路は正反応と逆 反応の活性化エネルギーが同じ大きさ△刃 a だけ下がっている . 通常の触媒効果は Ea を 下げることだが , 触媒は反応速度定数の式ん 2 = Ae ー E ・ / 肝の指数部分の前にある係数 A も変えることがある . Ea △ & 図 14 ・ 1 触媒は新しい反応経路を提供し , 正反応と逆反応の両方の活性化エネル ギーを同じだけ下げる 触媒には 3 種類の区別がある . 均質触媒作用 (homogeneous catalysis) では , 全部の 反応が同一の相内で進む . 不均質触媒作用 (heterogeneous catalysis) では , 触媒のきい た反応が 2 相の境界面で進む . 固体触媒による不均質触媒作用は接触触媒作用 (contact catalysis) ともいう . 相間移動触媒作用 (phase-transfer catalysis) では , 触媒は一方 の反応物を第 2 の反応物の相に移動させるはたらきをする .

3. 基礎物理化学 上

角虫媒作用 触媒作用 (catalysis) という言葉は 1835 年にベルセーリウス (Berzelius) によって 初めて使われた . 彼はこう書いている . 。触媒 (catalyst) は , そのままでは進まない化 学反応を , それがその系の中にあるだけで進行させてしまうような物質である '. しかし 触媒作用の考えは , 化学の歴史のかなり初期にすでにあった . 錬金術師が求めた。賢者 の石 ' は , 病気を直し卑金属を金に変えることのできる神秘的な触媒といえよう . 実験室や化学工場などで , ほとんどすべての反応についてその反応速度を制御できる 範囲内におさえるような目的で触媒が使われている . 生きている細胞は , 代謝が比較的 低温でも進行するように , 数千のタンパク触媒 , すなわち酵素にたよっている . 酵素は 非常に特異的に反応の触媒作用をつかさどっているが , 化学者の方はそういう高度に特 異的な触媒をどう設計するかやっとわかりかけてきたところである . 14 ・ 1 触媒は反応の速度を変えるが平衡には影響しない 触媒は , スロットマシーンに使われるコインにたとえられる . そのコインは高い品物 を手に入れるのに使われた後でそのまま戻ってくる . 化学反応では , 触媒は反応機構の ある段階で入ってきてつぎの段階で出ていくだけである . この触媒作用の本質は , 入っ ていくことでなく , 何事もなく外へ出ていくところにある . ウイルヘルム・オストワルド (Wilhelm Ostwald) は , 触媒を。化学反応の速度を変 えるが , それ自身は最終生成物に入りこまないような物質である”と定義した . 彼は触 媒が化学反応の速度を変えるだけで , 平衡点の位置には何の影響も及ぼさないことを強 調したのである . オストワルドは , 熱力学の第 1 法則に基づいてこのことの証明を与え た . 体積の変化する気体反応 , たとえば N2 + 3H2 = 2NH3 という気相反応を考えてみよ う . 気体の混合物が , ピストンのついたシリンダーに入って平衡点に達しているとす

4. 基礎物理化学 上

14. 触嫌作用 受けとるところにある . だからプレンステッドとローリーのいい方にならうと , 基質は 酸触媒作用では塩基としてはたらき , 塩基触媒作用では酸としてはたらく . 別の例で , ニトロアミドの加水分解は塩基の影響は受けるのに酸触媒作用は受けな い . この機構は NH2N02 十 OH- = H20 十 NHN02- NHN02- = N20 十 OH- と考えられる . この場合 OH ーイオンだけでなく他の塩基も触媒としてはたらく . たと えば酢酸イオンは NH2N02 十 CH3COO- = CH3COOH 十 NHN02- NHN02- = N20 十 OH- OH- 十 CH3COOH = H20 十 CH3COO- のようにはたらく . 塩基 B の種類が違っても反応速度はどの場合も = 磊 [ B ] [ NH2 ・ N02] となる . フ・レンステッドは , 触媒定数ん B と塩基の解離定数 Kb の間につぎのような関係の成り 立っことを見つけた . すなわち , 磊 =BKbßまたは 10g 磊 = 10g お十 IogKb ( 14 ・ 2 ) こで , おと P は触媒の電荷の型がきまれば塩基の種類によらず一定の値をとる . した がって塩基が強くなるにつれ触媒定数は大きくなる . 図 14 ・ 2 はニトロアミドの加水分 0 プロビポン酸塩酢酸塩 安息香酸塩 フェニル酢酸塩 霎 80 一 logtkb ニトロアミドの分解への種々の塩基の触媒作用 図 14 ・ 2 がプレンステッドの関係式〔 ( 14 ・ 2 ) 式〕に従う 解のデータを示したもので , フ・レンステッドの関係式〔 ( 14 ・の式〕によく合っている . ニトロアミドの加水分解は , 塩基触媒の典型的な例である . ( 14 ・ 2 ) 式と似たような

5. 基礎物理化学 上

38 14. 触媒作用 な事実が見つかった . すなわち小さな反応容器を使うほど反応速度が大きくなるのであ る . 容器にガラスの球をつめると速度はさらに増すが , 内側にパラフィンワックスで被 膜をつくると速度が遅くなる . この反応は気相中でおもに起こるのではなく , 反応容器 のガラスの表面で起こることがわかった . ガラスが触媒となっているのである . ギ酸の分解は界面反応によく見られる特異性の例の説明に使われる . この酸の蒸気を 熱したガラス管の中を通すと , 反応の半分は脱水 , 半分は脱水素反応になる . ( 1 ) HCOOH —> H20 十 CO ( 2 ) HCOOH ー→ H2 十 C02 反応管を A し 03 で満たすと , ( 1 ) の反応だけが起こるが , ZnO をつめると②の反応 だけが起こる . 2 種の界面が平行して異なった経路の反応を促進するため , 生成物の性 質は用いた触媒によって決まることになる . 界面触媒は通常つぎのような素過程に分けられる . ①反応物の界面への拡散 ; ② 反応物の界面への吸着 ; ③界面上での化学反応 ; ( 4 ) 生成物の界面からの離脱 ; ⑤生 成物の界面からの拡散 . これらの過程は続けて起こるもので , そのどれかーっが他より 遅い反応速度をもっと , それが律速になる . 過程①と ( 5 ) は通常は速いが , 活性な触 媒 , 特に多孔質の触媒を使うときは , この二つの過程が全体の速度に大きく影響する . 工業的な触媒の多くは多孔質の錠剤状なので , 細孔の直径や錠剤の大きさは , 全触媒界 面が反応に有効なように注意深く設計されなければならない . 普通 , 過程②と④は 過程③よりは速い速度をもっているが , この ( のと④が律速になる反応もいくつか 知られている . ときには , 反応の全部が界面で起こる代わりに , 液相からの分子が吸着 した物質と反応する場合もある . 界面反応の多くの速度論はつぎのような仮定をもとにうまく扱うことができる . ① 律速段階は吸着した分子の反応 , ②単位界面面積当たりの反応速度は反応生成物で覆 こういう接触触媒の速度論の解析をするためには , われた界面の割合に比例する . のが気体の圧力や液体の濃度などにどう依存するかを知る必要がある . 14 ・ 8 ラングミュアの吸着等温線 吸着等温線 (adsorption isotherm) というのは , 一定温度で平衡になって吸着して いる分子が界面のどれだけの割合を覆っているかを圧力や濃度の関数として表したも のである . 固体表面上の吸着は化学吸着と物理吸着の 2 種類に分けられる . 化学吸着 (chemisorption) は基質分子と固体表面の間に化学結合のできる場合で , ときには吸着 分子内の結合を切ってまでも新しい結合ができる . たとえば , Pt 上に吸着した H2 は , H ー H 結合を切って Pt—H という界面錯体をつくる . ある場合には化学吸着の段階で 活性化エネルギーが必要になる . 物理吸着 (physisorption) にはそれに対して , 蒸気が

6. 基礎物理化学 上

14 ・ 7 界面触媒 349 の出力例である . この分子は大ざっぱにいって 5000X4200X3800Pm という軸長の回 転楕円体の形をしたコンパクトなタンパク質である . 分子の片側には深い裂け目があっ て , その中には基質の結合する活性部位がある . CPA は 1 分子当たり 1 個の亜鉛原子 を含み , その亜鉛はヒスチジン 69 , グルタミン酸 72 , ヒスチジン 196 というタンパク 質の三つのアミノ酸側鎖と結合し , 第 4 の配位子としては水分子がある . 酵素の典型的な基質としてグリシルー L ーチロシンがある . OH+H + NH.;—CH2—C + N—CH—COO O ー H OH CH2 ガラス容器中では容易に進むので , 初めは通常の均一な付加反応だと思われたが , 奇妙 レンの臭素化は例として面白い . H2C=CH2 十 Br2 → BrH2C—CH2Br. この反応は 470K で 均一な気相中や液相中で遅い反応の多くは , 固体の界面触媒があれば速く進む . ェチ 14 ・ 7 界面触媒 間が長くかかり過ぎてしまうが , ジグを使えば何事も素早く進むのである . る . もしその仕事をゆき当たりばったりにやれば , 全部の作業を正しくし終えるのに時 る . すなわち作業すべきものをつぎの操作に都合のよい場所に正確におさえこむ役をす くして反応を進めやすくするわけである . 酵素分子は器械工作のジグのような役をす 所に配置させて , そのつぎに活性化エネルギーを触媒作用のない場合に比べてずっと低 一般的にいって , 酵素ー基質複合体は反応にあずかるどんな部分も正確にあるべき場 できていない ーっの説明は非常にうまくいくが , 酵素触媒反応の速度の大きさについてはまだ説明が H20 ( 塩基性触媒としてはたらく ) の攻撃を助けるかする . 結局この酵素の機能の一つ う . グルタミン酸 270 の一 C00 ー基はペプチド結合の一 C = O を求核的に攻撃するか , いる間に , チロシン 248 の OH 基は近くのペフ。チド結合の一 NH に陽子を与えてしま まわりの溶媒の水分子から遮断してしまう . ペプチド結合の CO 基が Zn に捕えられて ド結合のカルポニル基に置き換わる . チロシン 248 の側鎖はパチンと裂け目を閉じて , い出されて逆に疎水性の領域に変化してしまう . 亜鉛原子の配位子の水は基質のペプチ なり変わるので , タンパク質分子の裂け目は , 親水性だったものから四つの水分子が追 してとり出し結晶構造を調べることができる . 基質が結合する際に酵素の立体配座はか この基質のペフ。チド結合はゆっくりと加水分解されるので , 酵素ー基質複合体を結晶と

7. 基礎物理化学 上

14 ・ 3 酸ー塩基触媒 14 ・ 2 気相反応での均質触媒 触媒のはたらきは反応物と中間体をつくることから始まる . 3 イ 1 この中間体は第 2 の反応 物と反応して生成物になるか , あるいは分解して直接生成物になる . この機構を少し抽 象的に描くとつぎのようになる . ( 1 ) A 十 C ーー→ (AC) ー→生成物十 C ② A + C ー→ (AC) , (AC) + B ーー〉生成物 + C こで C は触媒を表している . この基本的な機構をもっと複雑化した , いろいろな変形 のものもよくみられる . 第 1 の型の機構の例は , 第 3 級プタノールの気相中の脱水に対する HBr の触媒作用 である . (CH3) 3C ー OH ーー (CH3) 2C = CH2 十 H20 触媒が存在しないと , アルコールは 700K 以下ではほとんど反応しない . これに少量の HBr を加えると , 500K でも急速な分解が起こる . 触媒の入らない反応は 1 次反応で , —dCt-BuOH]/dt=k1Ct-BuOH], ただし速度定数はん 1 = 4.8X1014eXP ( ー 32700 / T ) s-l である . HBr があると速度の式は—dCt-BuOH]/dt=k2Ct-BuOH]CHBrJ となり , ん 2 = 9.2X1012eXP ( ー 152 / T) s-l dm3 m 。 1 ー 1 である . 速度が触媒の濃度 CHBr] に比例する ことに注意してほしい . この場合の触媒は , 分解の活性化エネルギーを著しく下げた . この触媒効果の機構として ,t-BuBr という中間体の生成が律速段階になっていることが 考えられる . すなわち t-BuOH 十 HBr—i t-BuBr 十 H20. この後でト BuBr は素早く分解 し , 触媒 HBr を発生してつぎの反応のサイクルに入る . t-BuBr → (CH3)2C=CH2 十 HBr. 環境問題で重要な反応には , オゾンの気相分解で CI 原子が触媒としてはたらくもの がある . この反応はつぎのように進む . CI 十 03 → CIO 十 02 , CIO 十 0 → Cl 十 02. 酸素原 子は紫外線によって 03 か 02 が光化学分解するときに出てくる . 成層圏 ( 地上 10 ~ 50 (m) では , オゾンの濃度は百万分のいくっかしかないが , 太陽から放射される紫外線 を吸収するという重要な役割を果たしている . フレオン ( CFC13 , CF2C12 など ) は , スプ レー用の噴霧剤として使われてきたが , 安定な化合物だから成層圏まで拡散して , そこ で光化学分解し CI 原子を生じる . だからこのスフ。レーをたくさん使うと , この塩素が 触媒した分解反応によって成層圏中のオゾンの減少が起こりうる . その結果弱められず にきた紫外線のために , 皮膚がんが大幅に増加する可能性が生ずる . この予防のため米 国などでは塩素を含んだスプレーの噴霧剤の使用が禁止されている . 14 ・ 3 酸 - 塩基触媒 均質触媒の例のほとんどは溶液の中で研究されている . 酸ー塩基による触媒作用によっ て , 溶液中のいろいろな反応の速度が変えられる . この分野での最も古い研究には ,

8. 基礎物理化学 上

14 ・ 4 一般酸ー塩基の触媒作用 k0H-Kw = 十 + [ H + ] 十 CH + ] 3 ( 14 ・ 1 ) となる . となる . ( = [ OH ー ] [ H + ] = 10 ー 14 として , その温度依存性は無視する . ) すると , 1 20 。 C で pH 11 のとき , ん 2 [ OH ー ] = ん 2 ( 10 ー 3 ) = 4.51X 10 ー 6 s-l 30 。 C で pH 10 のとき , k2COH-] = ん 2 ( 10 ー 4 ) = 1.35 x 10 ー 6 s ー 1 = ん 1 20 。 C では , ん 2 = 1.31X1011eXP ( ー 31. の = 4.51X1 『 mo に ls ー 1 30 。 C では , ん 2 = 1.31X1011eXP ( ー 29.9 ) = 1.35X10 ー町 m01 ー 1 s-l だけの時間がかかるか . また 20 。 C で pH11 の場合はどうか . セトンアルコールが , 30 。 C で pHIO の溶液の中で分解して半分になるにはどれ この反応速度定数はん 2 = 1.31 >< 1011eXP ( ー 9070 / T) dm3 mol-l s-l である . ジア (CH3) 2C (OH) ・ CH2 ・ COCH3 十 OH- = 2 CH3 ・ CO ・ CH3 十 OH- 例題 14 ・ 1 ジアセトンアルコールの分解には OH- イオンが触媒となる . めることができるのである . る . したがって酸と塩基の両方の溶液についての実験から , 磊、と島 H - の値を別々に求 だし , H + と OH ーの触媒定数が 1010 も違うという , よほど特別の場合は除いての話であ による触媒作用と , 薄い塩基中での H + による触媒作用は無視できるぐらい小さい . た るにつれて , COH-] や CH + ] は 1012 倍もの変化をする . だから薄い酸の中での OH- 0. IM の塩基の中では COH-] は 10 ー lmol い 1 となる . つまり薄い酸から薄い塩基へ移 Kw は約 10 ー 14 ( m01 に 1 ) 2 だから , 0. IM の酸の中では COH-] は約 10 ー 13mol い 1 で , = 0.154 x 106S = 42.7h ( 20 。 C , pH = 11 ) ん 1 = 0.513 x 106S = 143h ( 30 。 C , pH = 1 の ln 2 質 ) へ陽子が移動することである . 一方 , 塩基が触媒作用をもつのは , 基質から陽子を 酸が触媒としてもつ一番大事な性質は , 酸から基質 (substrate, 触媒作用を受ける物 や OH- と同様に , 他の酸や塩基も触媒として有効に使える . はみな酸で , H + イオンを受け入れるような分子はみな塩基と定義した . だから H30 + プレンステッド (Brønsted) とローリ (Lowry) は , H + イオンを外へ出せる分子 14 ・ 4 一般酸 - 塩基の触媒作用 OH ーだけが触媒としてはたらく . 他の酸や塩基はあまり有効ではない . れから生成物ができるというものがある . 水溶液中のエステルの加水分解は , H30 + か H30 + や OH ーによる特別の触媒作用の機構には , イオン化した中間体ができて , そ

9. 基礎物理化学 上

14 ・触媒作用 酸化触媒の多くは , セラミックの支持台の上に乗った白金族の金属からできている . しかしこれらの金属の価格がその応用の限界をも自ら狭くしている . 別の種類の例とし て , 特別な種類の酸化触媒の BiM004 を挙げる . これはフ。ロビレンからアクロレインを っくるときに使われる . CH3—CH=CH2 十 02 ー今 CHFCH—CHO 十 H20 酸素の同位体 180 を使った実験から , アクロレインに入る酸素原子は , 結晶の触媒の中 の酸化物イオンからくることが示された . M0043 ーは O をプロピレンの基質の方へ移す . すると , 気相からきた 02 は Bi の位置を酸化し , そこから酸化物イオンは M004 基の酸 素を追い出してしまう . 溶液中の酸による触媒作用は 14 ・ 3 で議論した . 多くの重要な触媒はアルミノケイ 酸塩という固体酸のような役割を果たしている . もし A13 + イオンが Si4 + イオンの代わ りに入ると , 結品構造中に酸性の部位が生じる . 水のないときはルイス酸が , 水のある ときはフ・レンステッド酸ができる . この酸性の部位はカルポニウムイオン中間体を経て 炭化水素の分解や異性化反応の触媒となりうる . たとえば AI の位置は強いルイス酸と (a) ク (b) (c) 図 14 ・ 8 Si02 単位が重合してホージャサイトになる . ホージャサイト構造のゼオライト触媒は , 分子の大き さに基づいた特異性を示す〔 A. W. Sleight' & 加 208 , 895 ( 198 の . ⑥ 1980 by the American Associa- tion for the Advancement Of Science 〕 してはたらき , 電子対を一つ受けとる . 0 0 RH 十 Al—O—Si—>R + H- : Al—O—Si 0 M + 0 M + アル ミノケイ酸塩酸触媒の最も重要なものはゼオライトの結晶構造をもとにしてい

10. 基礎物理化学 上

XIV ・ 2 速度論の実験的方法・・・ 13 ・ 3 反応の次数の概念 13 ・ 4 換算速度定数・・・ 13 反応の分子次数と反応次数・・・ 13 ・ 5 ・ 6 反応機構 13 1 次の速度式・・・ 13 ・ 7 2 次の速度式・・・ 13 ・ 8 ・ 9 反応次数の決定 13 ・ 10 対向反応・・ 13 逐次反応・・ 13 ・ 11 ・ 12 並行反応・・ 13 ・ 13 化学緩和 13 ・ 14 流通系中の反応 13 定常状態と散逸過程・・ 13 ・ 15 連鎖反応ーー臭化水素の生成・・ 13 ・ 16 フリーラジカル反応鎖・ 13 ・ 17 ・ 18 鎖状反応の枝分かれ一一一爆発反応 13 ・ 19 反応速度の温度依存性・・ 13 反応速度の温度依存性の例・・ 13 ・ 20 ・・・ 307 308 ・・・ 309 ・・・ 310 311 ・・・ 312 ・・・ 314 316 ・・・ 317 ・・・ 318 ・・・ 320 320 323 ・・・ 326 ・・・ 327 ・・・ 329 330 ・・・ 331 ・・・ 333 ・・・ 334 14. 触媒作用 触媒は反応の速度を変えるが平衡には影響しなし 14 ・ 1 気相反応での均質触媒 14 ・ 2 ・ 3 酸ー塩基触媒・・ 14 一般酸ー塩基の触媒作用 14 ・ 4 酵素による触媒作用 14 ・ 5 酵素の構造ーーカルポキシベプチダーゼ A 14 ・ 6 界面触媒 14 ・ 7 ・ 8 ラングミュアの吸着等温線・・・ 14 ・ 9 不均一界面上への吸着・・・ 14 14 ・ 10 界面反応の機構・・ 問 題 9 1 1 CO 行ー 0 ワり 0 ー