子供 - みる会図書館


検索対象: 贅沢入門
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1. 贅沢入門

しいことなん 世間がここまで荒れてくると、子供をもっことが怖い、子供をもっても、 か、何もないのではないか : : と、一応感じてしまうのは、わからないでもない 正直にいえば、私だって、怖いのですよ。これから育っていくにつれて、何があるかわ からない、子供たちがどういう状況に遭遇するのか、どう育つのか、その一つ一つにたい して、自分がどう対応できるか、不安でしようがない、というのが本当のところです。物 書き仲間で、育児論を書いたりしている人がいますが、いい度胸をしているなあ、という のが本当のところですね。 でも、今のところ私は、正直に云うと「得をした」と思っているのです。 「得」といういい方は、よくないかもしれませんが、でも「得」と思ってしまうのは、子 供を育てていくーーまあ私の場合は、育ててなどというと家族に怒られそうですがーー要 するに育っていく子供とっきあっているとですね、何というのかしらね、人生を二度生き ている気分になるのですよ 二度生きる、という言葉は、わかりにくいかもしれません。 要するに、子供が育っていくのを見ていると、わかることがたくさんあるのですね。思

2. 贅沢入門

スが運営にあたっていますが、その余裕のある設計や、シンプルであたたかみのある内装 など、どれをとっても文句はありません。イタリア料理、和食、中華料理のいずれもきわ めて本格的 ( 和食のレストランでは、羅生門から越乃寒梅までの銘酒がリ 1 ズナプルな価 格で提供されます ) なもので、この地が標高一三〇〇メ 1 トルの場所にあるというハンデ など関係なしに、一流の水準で通るものです。 各部屋も、広々としていて、普通のツインでも、子供のべッドを入れても狭苦しくはま ったくありません。スキ 1 客用に、ウォ 1 クイン・クロ 1 ゼットがしつらえられて、バス ルームも広い さらに山に面した、大浴場がありますが、ここも常に磨きあげられたガラスと大理石か らなる見事なもので、湯量の豊富さとともに、文句のつけようがありません。リネンなど が上質であるのは云うまでもありませんし、プールとスパ、サウナも、しつかり装備され ています。 レンタル・スキ 1 も豊富にありますし、スキ 1 ・ロッカーも完備されています。 まあ、とにかく、文句のつけようかありません。私のように、始終内外のホテルに泊ま

3. 贅沢入門

Z ケ 若い人、とくに学生諸君などと話していて、よく子供のことを聞かれます。 それも、わりと率直に「子供を産んで、何かいいことがあるんですか、と。 まあ、こういう質問を受ければ、親がかりのクセに、あるいはついこの間まで親御さん の世話になっていたクセに、何を偉そうに、そういう事が聞ける立場か。だいたい子供を もっということにたいして、「損得」で語るとは何事か、と一喝しなければならないので すが : でも、まあ話をしてやるのです。というより、話したいな、と思う もちろん、彼らがそういう問いを発するのはわかるのです。

4. 贅沢入門

ら。 で、今、息子の誕生日とかいう節目に、天賞堂に行くわけですね。 やつばり、楽しいですよ。というか、子供よりも大人の世界ですね 価格としても、質としても。 でも、子供だって、最高のものはよくわかりますからね。 だいたい、そういうものですよ。最高のものが一番わかりやすいし、誰にでもわからな ければ最高とは云わない。 天賞堂の逸話で、すごい話があります。友人から聞いたのですがね 彼のアメリカ人の友達、大金持ちだそうですが、天賞堂に Z ゲージのレイアウトを注文 して送らせたそうです。 頼んだ人もまた、気になっていたそうです。やつばり、とてもデリケートなものですか で、どう送ってきたか。 どれほど大きなケ 1 スに、ショック・アプソー たら、まったく違った。 ーをつけて送ってくるか、と思ってい

5. 贅沢入門

それとね、ここからが本題なのですが、息子も私も、行く「聖地」が同じなんですよ 天賞堂。 また、ここを訪れることになるとは。 今と場所が違い、私が子供の頃は晴海通りに面していませんでしたけれど。 ハ学校高学年の私にとって、天賞堂とイエナでしたね とくに天賞堂。 日曜の午前中にね、友達と待ち合わせて行くわけですよ 興奮しましたねえ。 もう、ありとあらゆる模型がある もう凝りに凝った木製の航空機とか一番ゲージのライプ・スティームとかもう目ん 玉がまん丸になるようなものばかり。 特に、天賞堂の鉄道模型を世界的なプランドにしている、まさに真鍮でできた芸術とい うべき、無塗装の特製機関車の壮観さ。子供の時に、行くたびに、大人になったら、天賞 堂の真鍮の O を買ってやろうと思っていました。

6. 贅沢入門

いだすこともたくさんある。かっての体験が忽然と想起されるとともに、子供心に漠然と 眺めていたさまざまな事柄の背後にあった、事情とか文脈が、よく理解できるのですね。 そうか、あの時、父親はこういう事に困っていたのだとか、これがあの騒ぎの原因だっ たのか、とい、つことかわかる さらに、ジェンダ 1 が同じ子供の場合には、自分が生きてきた過程を、そのまま生き直 すようなところがあって、それは、それは、面白いものです。 しろいろな側面がありますけれど、やはり遊びとか、玩具が大きいです この楽しさは、 ) ね で、遊んでいると、世の中というか、生活文化のようなものが、意外に安定していると いうか、持続性のあることがわかるのです。 下の子が男の子で、小学三年生なのですが、見ているとそんなに自分と変わらない。た しかに、ゲームボーイで「遊戯王」はやりますし、レゴを遊ぶのは同じでも、このごろの レゴは「スタ 1 ・ウォーズ」があったり、プログラムを組めたりするけれど、でもまあ自 分がやっていたのとそうは変わらない。

7. 贅沢入門

とができます。もっとも、子供たちにとっては、退屈な時間もかなりあると思いますが 今回は、北秋田から、青森を回りました。私としては、一番の楽しみは、内藤湖南の生 かづの 地に行くことでした。近代日本最大の人文学者といっても過言ではない、湖南を生地鹿角 はきちんと遇していて、鹿角先人顕彰館で、かなりしつかりした展示がされていて、感動 をしました。 ・わいか・し 顕彰館では、湖南とともに、和井内貞行についての展示にスペースか割かれていたので 209

8. 贅沢入門

行きも、実は、合宿の終了時に、子供を拾いかたがた、その上達具合を見るために、二 三泊をする、というところからはじまり、これまで七年に及んでいるのです。 たしかに多少の費用はかかりますが、しかしその費用に値する、今日稀な贅沢らしい贅 沢が味わえることを考えると、高くないとはいいませんが、なかなかにお値打ちである、 とは云えると思います。 すいていて、雪質のいいゲレンデ。非の一点もないホテル。そして央晴の雪景色。まっ たく贅沢とはこういうものではないですか

9. 贅沢入門

前に小学生の息子との、鉄道模型やプラモデルの愉しみについて書きました。 私は、もう一人子供がいます。息子より四歳上、つまりいま中学二年生の娘です。 娘というのは、やはりジェンダーが違うので、育つにしたがってつきあいにくくなりま すね。 いや、別に特に敬遠されているというのではないのです ( と、思うのですがね、気づい ていないだけかもしれませんが ) 。この辺りの機微は、いつの時代でも変わらないと思う のですけれど、どうしても、こちらの方が意識をしてしまうのですね。これは、本当にど 、つしよ、つもないことなのです と る 凵 O I O

10. 贅沢入門

ね。 ただ、レイアウトの上に、透明なプラスチックを被せただけ でも、中味がきちんと見えるようになっている そうすると、誰でも、中を見るとそれがいかに見事であり、かっ繊細かわかるわけです わかれば、きわめて丁寧に扱ってくれる 悪名高い、アメリカの航空機荷物の扱いにおいても、天賞堂の仕上げを見ると、最大限 の注意を払ってくれる、という強い自信と自負からの包装ですね それで、実際無傷で届いたそうです。 そういう、天賞堂の凄さが、息子の眼にどう映っているのか こんな想いをめぐらすことかあるだけでも、子供をもつのは「得」だな、と思います。 もっとも、お金はかかりますか 大人になったら、とい、つ機関車は、パテックとか、フランク・ミュラーとかの時計とた いして変わらない値段ですからねえ。 何とか、息子には頑張ってほしいとい、つところでしよ、つか