自分プロジェクト - みる会図書館


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1. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

自分プロジェクトとは、 = = ロ葉を変えれば、自分で問題を見つけ、答えを考える「独 学」です。一日にひとっ何かを学ばうとする心持ちです。 何かしら学ぶのですから、そこには必ず工夫と発見があります。先生もいない一人 だけの取り組みなので、ちょっぴり大変ですが、それが醍醐味でもあります。 ープティーを淹れること」。 たとえば、僕の自分プロジェクトその一は、「おいしい ープティーを飲むのは、僕の朝の習置です。 日本茶、紅茶、中国茶、お茶というのはどんなものでも、雑に淹れるのとていねい に淹れるのとでは、まるで別の飲み物になります。 単なる朝のルーティンとして、ばっとお湯をさしただけのハープティーをひとくち 飲み、おいしくないので半分残すーーー・これでも生活に支障はきたしません。 ープティーを淹れる」という自分プロジェクトに、毎朝、真剣 しかし「おいしい に取り組んでいると考えたらどうでしよう ? おそらく、お茶を淹れるたった五分が、 工夫と発見のひとときに変わります。暮らしがすこし豊かになります。 「今朝は濃すぎたかな」などと、失敗してもいいのです。プロジェクトに失敗はっき もの、そこから見えてくるものが必ずあります。 第 1 章すこやかな朝ごはん

2. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

ープティーをおいしく淹れるよりも時間はかかりますが、それだけ長く楽しめる、 大きなプロジェクトだと僕はとらえています。七十歳くらいになって孤独と暇が訪れ たとき、ギターが気持ちよく弾けたら、さぞかしうれしいだろうと、わくわくします。 じっくり取り組んでいきたいので、すぐにマスターしてしまったら、むしろつまら ないとすら感じているのです。 どんな人も、何も考えず、流されながら暮らしていくのは、さびしいものです。 自分が何を目的として生きているかわからないのは、せつないものです。 そんなとき、たくさんの「自分プロジェクトーをもっていれば、朝、起きる目的も 見つかります。 すこし慣れてきたら、暮らしの工夫や趣味ばかりでなく、仕事や人間関係にも「自 分プロジェクト」をつくりましよう。するとやがては、自分の生き 方を、自分の手でコントロールできるようになるでしよう。 〇できるだけたくさん、「自分プロジェクト」を考えてみましよう。 〇プロジェクトはメモにして、いつも目につくところにおきましょ一つ。 第 1 章すこやかな朝ごはん

3. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

毎日が「自分プロジェクト はんのささやかなものでも、ごく小さなものでも、「うれしさ」がたくさんある一 日、力し ( そんな気持ちで、朝、目を覚まします。 幻さなうれしさがたくさんある一日であれば、ほんのりしあわせになります。そん な毎日がずっと続けば、生きているのが楽しくなります。 そのための僕なりの方法が、自分プロジェクトです。 自分プロジェクトとは、誰かに「やれ」と、言われたことではありません。 自分でしかつめらしく「やらねばならぬーと、决めたことでもありません。 仕事でも、 しいし、毎日の暮らしのなかの、些細なことでもいし 「これができたら、すてきだろうな、おもしろいだろうな、きっと新しい発見がある だろ、つな」 そういった小さなプロジェクトをいくつもこしらえ、あれこれやり方を工夫し、夢 中になって挑戦し、順番にクリアしていくことです。

4. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

失敗を重ねたからこそ、「よしよし、ちょっとお湯の温度を変えたら、いい香りが 出た」という具合に、うまくいく方法もみつかり、自信がつくのです。 「おいしいハ ープティーの淹れ方ーーーー・僕にとってはこれも立派な「発明」です。 人にはばかばかしいと笑われても、たかがお茶だろうと言われても、自分なりのさ さやかな発見がそこにあれば、毎日にリズムができ、仕事だってうまくいきます。 ところで、自分プロジェクトには、このように小さなものもあれば、大きなものも あります。 たとえば、僕の自分プロジェクトその二は、「ギターを弾くこと」。 もうすこし詳しく言うと、「大好きな一曲だけを、じっくり二十年くらいかけて、 気持ちよく弾けるようになりたい」という長いスパンのものです。 実を = = ロえば、僕はもう、その曲が弾けます。 しかし、自分が思う「いい感じの弾き方にはまだまだ届いていないので、繰り返 し繰り返し、その曲を練習しているのです。 コンサートに出るわけでもなく、プロになるわけでもなく、期限を切っているわけ でもない ただ、自分が納得するまで弾き続けるという「自分プロジェクト。

5. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

さ地よいリズム 流されて一日を送るより、自分らしいリズムで過ごしたい。 一日の行動を「自分プロジェクト」にしたい僕にとって、心地よいリズムは、こと のほか大切なものです。 今日やることを箇条書きでリストアップしたら、優先順位や効率だけを考えるので はなく、自分にとって心地よいリズムでこなしたいと思います。 まわりの影響は受けるものの、なにかをするときの動機は自分発でありたい、自分 のかかわることは自分でコントロールしたい、そう願っているのです。 僕にとって心地よいリズムは三拍子。すべては一・二・ 二・三の繰り返しで動 いていきます。 二・三ときたらそのまま四・五・ , ハと続くのではなく、次の一・一 一・三に取り掛かる といった具合。自分プロジェクトも仕事も三拍子で進めていきます。 たとえば『暮しの手帖』で「若い読者に強い印象を与えるような特集を組む」とい

6. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

第ー章 すこやかな朝ごはん 5 自分をととのえ、暮らしの基本をつくりましよう 5 毎日が「自分プロジェクト 「おはよう」の効用 ゆったりするための一時間 楽しみの発見・よろこぶ工夫・ 新しい自分を見つける近道 きよ、らかとい、つ・目」恬 実行する実行家 はじめに 5 目覚めたときの深呼吸 5

7. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

そのための工夫は、難しいことではありません。毎朝、今日やることを書いた、箇 条書きのリストをつくるだけ。 仕事でやるべきこと、自分プロジェクト、「娘とプールに行くーなんて、ちょっと したことも書いていきます。人は忘れやすい動物で、せつかく自分がやりたいと思っ た楽しいことすら、リストなしでは忘れてしまうからです。 リストができあがったら、簡単なことから実行していきます。できなかったら次の 日に繰り越し、翌日もできなかったら、その翌日に繰り越します。 全部が簡単なことではないので、繰り越しがえんえんと続くことも、ままあります。 それでも一向にかまいません。「繰り越している」という状態を自覚するだけで、ず いぶんと違うのです。 どうやら人には、できなかったことを「なかったこと」にしてしまう心の作用があ るようで、へたをすると、できなかったことを忘れる努力をしかねません。そこで、「や りたいけれど、できていないんだ」と確認することが、かなめとなります。 十九歳のときアメリカで、はじめてシステム手帳というものを見ました。六穴式バ インダーの手帳です。

8. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

これも立派な自分プロジェクト。試してみる価値はおおいにあります。 ニューヨークにいた頃、アパートの又借りをしていたことがあります。 家主の女の子はポーイフレンドの家に泊まることが多く、僕に自分の部屋を貸せば お小遣い稼ぎになる。僕もホテルよりアパートのほうが好都合だったのですが、それ はあくまで僕と彼女の取り決めです。本当は禁じられていたし、僕は外国人。入口に いる管理人は、僕が出入りするたび、ギロリとにらみつけていました。 「住んでもいないおまえが、なぜ朝晩、ここにいるのか ? 」と不審に思っていたので と話しても、信じてくれま しよう。僕が「友だちの家に泊まりにきているから : せん。やがて顔をそむけてコソコソするようになり、しまいにはアパートの出入りが ストレスとなってしまったのです。 いくら些細なことでも、毎日のことですから影響は大きくなります。悪くすれば、 小さな「苦手意識」が誤解を呼び、トラブルを引き起こすかもしれません。 僕は意を决しました。相手が自然に変わるなんてありえないのだから、自分から歩 ーでコーラを買って帰りま み寄り、心を開こうと。そこであるとても暑い日、スー した。そしてアパートの入口にいる管理人にははえみかけ、こ、 2 言ったのです。 第 1 章すこやかな朝ごはん

9. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

与えるスケール 人生で何をしたかは、どんな仕事をして、どんなものをつくったかでは决まりませ ん。大切なのは、どれだけ人に与えたかということ。 与えるといっても、ものではないと思います。生きていくための知恵、心やすらぐ 方法、新しいものの見方、こういったことをたくさん見つけ、たくさんの人に分け与 えることができたら、自分もしあわせになれると思うのです。 四十代という自分の年齢を考えると、人生のちょうど真ん中です。 真ん中まで生きてきた人間には経験があり、それを人に与えることができます。寿 命までまだ半分しか過ぎていないのであれば、蓄えてきたものを壊し、ゼロからもっ とすてきで新しいものを見つける勇気もあります。 だからまず、僕はかかわる人すべてに、何かしら与えたいと思います。自分一人で 引き出しにしまいこむことなく、惜しみなく与えようと决めています。それが僕の年 齢の、社会人としての責任だと考えているのです。

10. 今日もていねいに。 : 暮らしのなかの工夫と発見ノート

ゆったりするための一時間 いつもより一時間早く起きた朝は、ゆったりできます。 つもはバスに 朝ごはんをのんびり食べてもいし ていねいに顔を洗ってもいし 乗る道を、てくてく歩いて出かけてもいし 僕が八時に会社に行くのは、始業時間が九時十五分だからです。人より早いこのお よそ一時間は、自分だけのひととき。早くスタートを切れば、その日一日の仕事に余 裕が生まれます。 自分をゆったりさせるための時間は、ことのほか貴重です。自分ひとりでやらなく てはいけない仕事を、誰もいないうちにひととおりすませておけば、始業時間にやっ てくる職場の人たちと、しつかり向き合うこともできます。 僕たちの毎日は放っておくと、三十分かかる仕事を無理やり十分ですませようとい う競争の連続になってしまいます。しかし、「一時間余裕があるな」と思っていると、 そんな焦りから解放されるのです。 第 1 章すこやかな朝ごはん