相続手続を行う際には、提出書類、申告書類などが期限 付きで決められています。遅れずに提出しましよう。 相続財産の名義変更へ 相続税の申告・納付 ( 相続開始後 2 カ月以内 ) 納税資産の準備 相続申告書の作成 遺産分割協議書の作成 遺産分割協議 遺産の評価・鑑定 遺産の調査 被相続人死亡年の所得税の申告・納付 ( 相続開始後 4 カ月以内 )
Section5 申告手続きの仕方 相続税の納付のやり方 Key CO れ c ー 相続税の申告書の提出には期限があります。税金も申告書の提出 と同時に納付することになります。 相続税の納付期限は、申告書の提出期限と同じく、相続開始の日 ( = 被 相続人の死亡日 ) の翌日から 10 カ月目の日になります。たとえば、平成 27 年 4 月 15 日が相続開始とすると、平成 28 年 2 月 15 日までに申告書を提出しな ければなりません。申告書の提出期限の日が土曜日、日曜日、祝日などの 休日に当たる場合は、次の最初の平日が提出期限になります。 相続税の申告先は被相続人の死亡した時点での住んでいた地域の所轄税 務署になります。相続人の住所地の税務署ではありません。 相続税を納付するのは相続税の申告をした人で、申告書に書かれた税額 を納めることになります。もし、納付しなければならない期限を過ぎてし まったときは、 2 カ月以内は年 7.3 % と前年の 11 月 30 日の公定歩合十 4 % のい ずれか低い割合、 2 カ月を超えたときは年 14.6 % の割合で計算した延滞税が 加算されます。さらに、申告しなかったりした場合などは税金が割増にな ります ( 右の表参照 ) 。 【納付書・領収証書の記入例】 ( 記人例 ) 圉ー 2 3 匣 5 ⑦ 3 0 領収済通知書 国税納籌資金 番 3 るイ・・ 0 圉 0 国 本税ロロ匚 E ロ@I司回巨 E 回回納期等ロ」コ [ わロ 信託の 名称 ロロは」ロ [ 北ロ [ 第ロロ。区分ロ既 ] [ わロ 重加算税 0 「領収証書」の裏面をよく読んで太毳の内を記第してください。 ( 申告区分 ) 該当項目に 0 印を付してください。 該当項目に」印 、一ロ朝ロロロロ よ爾ロロエロエロエロロ 0 しの 電定区分 - 顰ロ [ 工ロ」コロ CI コロロロロロ国ロロ り 住被相続人 xxx ( 電話番号△△ー△△△△ー△△△△ : 税 曲 0 ( ) 区△△町 x ー x ー x : に氈区竹番号 ) 左記丁計額を収しました。 ロ丁Ⅱ工ロ [ わロロロロ国 在相続人鈴本・郎 : 領収日付印 ) 〇〇区△△町 x ー x ー x 税 な処 ロ匚わ国巨 E 回蛔回鬪 い理 でし 氏被相続人 x x x 群合計額の金部には必す「」字を記新してください。 鈴木一郎 さ いの父相続人 本銀行本 - 支店 - 代理き人代蠖店第使局を含又は当税務著で第付してください。 券番号 スズキイチロウ 、′ : フリガナ ) 券受国 左の種の「納付番等し第電イ納税ーここ利用し、た : だ《物です。 「第税用第認番号」を人力してください。 し・こは、第 3 片の物収証・」興物をこ覧くださし、。 号 理 整 税務を番号 税務署名 税目番号 千百十億千白十万千百十円 数字は記人例を見て黒のポールべンで力を入れて粋からはみださないように記をしてください。 日 日 ・自 : 年 税目 ソソ・ク税 ノ 88 0 2 0 0
Section3 相続税の計算の仕方 相続税の計算のやり方 Key CO 〃 c ー 2 相続税額は、①課税価格の計算②相続税の総額の計算③相続人 それそれの納付税額の計算の 3 つの手順を経て算出されます。 相続税額の計算の流れについて理解しておく必要があります。相続税額 の計算は、次の 3 つの区分にしたがって進めます。 ①課税価格の計算 ②相続税の総額の計算 ③相続人各人の納付税額の計算 《ステップ①課税価格の計算》 課税価格とは、相続または遺贈で財産をもらった人のそれぞれにつき相 続税の課税対象になる金額です。相続人 ( または受贈者 ) 各人について 計算します。相続財産は、土地その他すべてを金額に換算して、課税価 格を計算します。お金に換算したら、その金額から、債務、葬式費用等 の非課税財産分を差し引きます。「みなし相続財産」い P91 ) があるとき は、その分を加算します。「相続開始前 3 年以内の贈与財産」い P91 ) およ び「相続時精算課税制度」い P118 ) の選択をしていればそれも加算します。 《ステップ②相続税の総額の計算》 各人の課税価格が算出できたら、その課税価格を合計します。この合計 額から基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を算出します。次に課税 遺産額を、仮に民法の法定相続分と同じ割合で相続したとした場合の金 額を相続人各人の取得金額とします。各人のこの金額に、税率を適用し てそれぞれの税額を計算します。そして、各人の相続税額を合計して、 相続税総額を求めます。 《ステップ③相続人各人の納付税額の計算》 最後に、実際の財産取得に対する各人の納付税額の計算をします。相続 税総額を相続人が取得した課税価格の比率に応じて各人に案分します。 この案分された額からそれぞれの相続人の控除額を差し引くと、相続人 それぞれの納付税額が算出されることになります。 88
1 2 ⑤妻の案分税額一 3900 万円 x ー = 1950 万円 1 子供の案分税額一 3900 万円 x ー = 975 万円 4 これで、各相続人の相続税が算出されたわけですが、これがそのまま納 付税額になるわけではありません。それぞれの相続人の事情によって控除 があるからですたとえば配偶者は、法定相続分または 1 億 6000 万円のどち らか多い額までは無税です。上の例でいうと、妻の受けついだ相続財産は、 法定相続分 ( 1 / 2 ) ですから、妻の納税額はゼロということになります。 参とめ・相続税の納税額を算出するまで ( 相続人一妻、子供 2 人 ) 課税価格合計 基礎控除額 Section 3 1 相続税額 1 1 2 子供亠 x ー 子供ー x ー 相続税額 相続税額 相続税総額 各相続人の実際に相続した比率で案分 子供の相続税額 妻の相続税額 子供の相続税額 税額控除 税額控除 税額控除 子供の納付税額 妻の納付税額 子供の納付税額
相続放棄… 相続放棄申述受理証明書 .. 贈与 .. 贈与契約書 .. 贈与税… 贈与税額控除 .. 贈与税の配偶者控除… 側方路線影響加算率… 230 宅地比準方式… 貸宅地 ( 底地 ) .. 第 2 次相続… 代襲相続… 貸借契約書… 大会社、中会社、小会社 .. 第一 ~ 第三順位… 第 1 次相続… た・な行 底地権割合 .. 第 14 表の記入例… 第 15 表の記入例… 相続税の申告 相続税の総額の計算… 相続税の速算表… 相続税の納付… 相続税評価額… 相続人… … 76 , 114 .... 45 , 224 相続人各人の納付税額の計算… 相続人全員の押印 .. 相続人相互の担保責任の指定… 相続人の確定… 相続の欠格… 相続の廃除… 相続の廃除と廃除の取消し .. … 186 … 187 … 88 … 92 … 188 … 164 , 172 … 17 , 19 … 17 , 18 … 168 … 209 … 170 … 88 … 14 , 16 , 18 … 42 , 43 相続分 .. 相続分の指定、指定の委託 .. … 24 , 29 , 170 … 30 , 31 , 164 … 209 … 209 … 30 … 114 , 146 … 116 , 117 ... 48 … 50 … 104 … 14 , 16 … 169 … 60 … 15 … 104 … 198 … 45 , 224 … 122 … 98 , 99 棚卸資産の評価 .. 地方税… 嫡出子… 二方路線影響加算率… 取引証明書 .. 特許権の評価… 土地信託制度… 土地活用事業システム .. 土地課税台帳の閲覧… 特別方式の遺言 特別障害者 ( 障害者控除 ) .. 特別縁故者… 特定事業用宅地 .. 特定居住用宅地… 登録免許税… 登録銘柄… 登記簿謄本… 登記申請書… 等価交換方式… 電話加入承継届 .. 電話加入権の評価 .. 転換社債… テンべロッノヾー 連れ子… 通帳… 直系卑属… 直系尊属… 調停調書… 調停… 調達価額… 中間農地… 2 割加算… は行 配偶者… 配偶者の税額軽減… … 75 … 12 … 19 … 48 … 54 … 194 … 194 … 14 , 27 … 14 , 16 , 27 … 169 … 74 … 132 … 130 ... 48 … 206 … 103 … 29 … 196 … 59 … 197 … 130 … 197 … 74 … 70 … 130 . … 36 … 169 … 134 , 138 … 134 , 136 … 193 , 197 … 14 , 27 … 96 , 97 … 98 , 99 , 100 , 101
実際に納付すべき相続税額を算出するための工程として は、大きく 3 つのステップに分けることができます。 を可をコ 相続税は発生しない 第 2 ステップ 課税遺産総額の算出 第 3 ステップ 差額課税遺産総額 相続税納付額の算出 課税遺産総額 相続人各人に分ける ( 法定相続分 ) A の相続税額 B の相続税額 相続税総額 C の相続税額 各相続人の実際に相続した比率で案分 A の相続税額 可 B の相続税額 C の相続税額 VII
参とめ・相続税の計算のやり方 ステップ① ・すべての財産を全部金銭に換算 課税価格の計算 ・換算した財産額一※①非課税財産ー債務お 相続・遺贈によって よび葬式費用の額 + ※②みなし相続財産 + 3 財産を受けついだ相 年以内の生前贈与 = 相続人各人の課税価格 続人各人別に計算 相続時精算課税制度の選択を受けていればその贈与 財産を加算する 相続税総額の計算 ステップ③ それぞれの相続人 の納付税額の計算 ・相続税額を実際に分割する割合で案分 ・各人に案分された税額一各人の控除額 = さまざまな控除額を 各人の納付税額 当てはめて、 1 人こ との納付額を算出 ※①非課税財産・・・ Section 3 ステップ② ・相続人各人の課税価格を合計する ・合計額一基礎控除 = 課税遺産総額 財産を受けついだ相 ・課税遺産総額を法定相続分で相続したと仮 続人全員の負担税額 定して各相続人の相続税を計算 の合計 ・各人の相続税を合算する ・・墓地や仏壇・仏具は非課税財産として認められ ています。ほかにも生命保険金や死亡退職金の 一定の金額も含まれます。 ※②みなし相続財産・・・被相続人が死亡したあとに入金される生命保険 金や死亡退職金などで、相続財産として、相続 財産に加算します。 89
また、相続税には「連帯納付の義務」というのがあります。財産を相続 や遺贈によりもらった人のいずれかが相続税の申告期限から 5 年以内に納税 しないときは、ほかの相続人が全員で連帯して納付しなければなりません。 そのため、各相続人が相続税を納付したことをお互いに確認し合ったほう がよいでしよう。 現金で一度に納めることが難しいようであれば「延納 ( ー P190 ) 」や 「物納← p 192 ) 」といった方法も選択できます。 申告後に、あらたに相続財産が見つかるといったケースもおこり得ます。 このようなときは、「修正申告」を行います。その逆のケースで、納付した 税額が過大なときは、「更正の請求」をして、払いすぎた分の税額を返還し てもらうことができます← p 34 ) 。 【遅れたときや不正があったときの延滞税と加算税】 2 カ月超 14.6 % 遅れて納付したとき延滞税 2 カ月以内 [ ① 7.3 % ※①第の低いほう②前年の 11 / 30 の基準 割引率 + 4 % 期限内の申告で、税額が申告 もれなどで少なかったケース 過少申告加算税 なし で自主的に修正申告したとき 税務調査後の修正申告 期限が過ぎたあと、納税者が 自主的に申告した 税務調査後、納税者が自主的 に申告したとき 申告したが財産隠しや、事実 を隠ぺいしていたとき 申告せず財産隠しや、事実を 隠ぺいしていたとき Section 5 過少申告加算税 10 % または 15 % 0 % または 5 % 無申告 加算税 15 % または 20 % 35 % 重加算税 40 % ノ 89
Section5 申告手続きの仕方 7 延納のやり方 Key CO れゼー 納めなければならない相続税が巨額で、手元の現金で一度に支払 えないときは延納することもできます。 相続財産の中に占める現金や預貯金の割合が多ければ相続税の納付に支 障はないでしよう。しかし、現金や預貯金はわずかで、不動産がかなりの ウェイトを占めるときは、一度に相続税を納付するのは容易ではありませ ん。そこで「延納」という制度が設けられたのです。 相続税は現金で一括納付するのが原則ですから、延納は、下の表のよう な条件が必要になります。 延納金額が 50 万円未満で、期間が 3 年以下のときは担保は必要ありません。 担保として認められる財産の種類は限られています ( 下の表参照 ) 。担保は かならずしも相続した財産ではなく、相続人が以前から所有していた財産 ・国債、地方債 ・延納の担保として認められる財産 ・申告期限までに、延納申請書を提出する ・延納税額に相当する担保を提出している ・納税期限まで金銭で納付することが困難である ・納めなければならない相続税が 10 万円を超える ・延納が認められる条件 でも認められます。 ノ 90 ・保証人の保証 ( 税務署が認めたもの ) ・鉄道財団、工場財団など ・建物、立木、自動車、飛行機など ・土地 ・社債、その他株式などの有価証券 ( 税務署が認めたもの )
0 相続税 Q & AÄ 相続財産の評価・申告について 相続税はいったん税額を申告したらそれで OK というわけにはいきませ ん。過大および過少申告、はたまた、ほかに相続財産が見つかってしまっ たというケースもあります。申告後もしばらくは何かあるに違いないと考 えておきましよう。 Q 相続税を多く支払ってしまった A 申告した財産が少なく、相続税 ときはどうするの ? A 相続財産を過大に評価してしま い、相続税を多く払ってしまった ら、「納付税額」を戻してもらう ことができます。この場合の手続 きを「更正の請求」といいます。 更正の請求は、専用の請求書が税 務署にありますので、その書面で 行います。 更正の請求は、原則として、 申告書の提出期限から 5 年以内 となっています。それを過ぎる と、余分に払った税金も、返っ てこないことも考えられます。 申告の内容が正しいかどうかは、 1 年以内に確認しましよう。 Q 申告していない財産が見つかっ たときは、どうしたらいい ? 34 額が過少だったときは、修正しな くてはなりません。一般に、相続 税が少なかったというのには、だ いたい次の 3 つのケースが考えら れます。 ①申告していない財産が新たに 見つかった ②財産を間違って評価した ③相続税の税額を間違った計算 方法で行った これらの場合、正しい金額に 直した申告書を再度、提出する ことができます。税務署に「修 正申告書」という用紙が用意さ れていますから、この用紙に記 入して、修正申告します。 もし、過少申告したことに気 がついてそのままにしておくと、 税務署は「税務調査」を行い、 正しい税額を納めるよう、「更正」 処分をします。こうなると、延