ある日 - みる会図書館


検索対象: 亡霊レストラン
98件見つかりました。

1. 亡霊レストラン

おも かなしい思いカ月 たか、日がたつにつれて、うす紙をはがすように、 のおくからうすれていったそうな。そうなると、くる日もくる日もひと りでいるのかさびしいというより、いささか、しんどくなってきた。三 いえ ど どめし 度三度の飯もっくらにゃならん。きるもののしまっ、家の中のそうじ、 いろりの火をけさぬようにすること、あれやこれや、みんなひとりでせ にゃならん。 「おらもまだわかいし、こらあ、あたらしいかかあをもらわにや、やっ てゆけんぞい によ一つ。ほ , っ せわ 世話をする人があって、あたらしい女房をもらうことにしたんだと。 しばらくのあいだはいっしょにくらしておったが、よそへでかせぎにい がみ むね 9 4

2. 亡霊レストラン

そんなある日のことだった。 まど えいご じゅぎようちゅう 窓からばかばかあたたかい日がさしこむ、午後の英語の授業中、エ じゅぎよう リサべートはねむけにさそわれて、黒板になにやらかきながら授業を する、ケイト・ウイルソンのうしろすがたをみていた。 すると、ケイトがふたりいるではないか。ねむけのせいかと、おどろ いて目をこすったが、やはりふたりいる。 きようしつ せいと 教室のあちこちで、ふたりのケイトをみた生徒たちがざわっきはじ 「もしかして、ふたりいたりして : じようだん と、冗談をいいあうようになっていた。 こくばん 1 1 3

3. 亡霊レストラン

かねは食っていけん。五日 , ハ日と、とまりがけででかけることがおおく よっこ。 ばん そんなある晩のことだ。あたらしい女房ひとりでいろりにあたって いると、灰の中から青い手がにゆーっとでてきて、 「あー、さむい、さむい」 にようぼ一つぼうれい といいながら、死んだ女房の亡霊が、すがたをあらわした。あたらし によう。ほ、つこえ い女房が声もだせないで、ガタガタガタガタふるえておると、 じよう むぎじよう 「やーえ、支三升あすき三升でかゆをこしらえろ。こしらえねは、お まえをとって食っちま、つぞ」 というので、おっかなくてしようがないから、いわれたとおりにかゆを に 4 小 , っほ、つ

4. 亡霊レストラン

執筆者紹介 ( 50 音順 ) おざわ きよ 群馬を中心とした民話を採集。著書に『あの世 小沢 冫月子 からのおくりもの』『高崎のむかしばなし』など。 けんもち ひろ 弘子 日伊の民話・児童文学を研究。著書に『クリン 剣持 王』『ピノキオ』『三つのオレンジ』など。 君子 日ロの民話を研究。著書に『かもとりごんべえ』 斎藤 『シベリア民話集』『ロシアの妖怪たち』など。 日独の民話を研究。共著に『世界の魔女と幽 高津美保子 霊』『走るお婆さん』。著書に『白雪姫』など。 つねみつ 民俗・ロ承文芸を研究。著書に『学校の怪談』 常光徹 『妖怪図鑑』など。 著書に『上総の民話』『くらっこ』『へつぶりむ 藤かおる すこ』『くらげほねなし』など。 著書に『現代民話考』『龍の子太郎』『やまんば 松谷みよ子 のにしき』「あかちゃんの本」シリーズ等多数。 みやかわ 著書に『春駒のうた』『夜のかげばうし』『つば 宮川ひろ き地ぞう』『天使のいる教室』など多数。 著書に『よみがえった水仙』『ねすみにわとり 望月新三郎 ねこいたち』『とんちばなし』など。 著書に『ちいさな村に汽車がきた』『海ガメ通 望月正子 信海太の夏』『てんにんのよめさま』など。 著書に『月夜野に』『三人組、ふしぎの旅へ』 森下真理 『三つの時計の物語』『花ものがたり』など。 プルガリア・マケドニア民話・児童文学を研究。 八百板洋子 訳書に『吸血鬼の花よめ』など。 よしざわかずお 著書に『民話の再発見』『民話の心と現代』、共 吉沢和夫 著に『佐渡の伝説』など民話論多数。 さいとう きみこ たかつみほこ とおる ふじ まったに もちづきしんざぶろう もちづきまさ もりした 、つ た お や

5. 亡霊レストラン

は じぶんひめ 自分の悲鳴で、わたしは目がさめました。 しゅうかんご それから一週間後のことでした。アーニヤが、 てをく れ、、しゝ 日におちて死んだの

6. 亡霊レストラン

そのときでした。 ぐんぶく 目のまえに、軍服すがたの むごん 人がすっとあらわれて、無一言 のまま、手まねきをするので す。それは、 こっちおいで こっちおいで っているようでした。 かお きよし 清さんは、その兵士の顔に みおばえがありました。子ど 1 く。 0 日 :

7. 亡霊レストラン

こんだな。そんなところへとびこんだら、わてはとけてしまう」 くび そういうと、首はふっときえてしまったと。 せつく その日はちょうど、五月の節句だったそうな。 せつく そんなことがあってから、五月の節句には、ヨモギとショウブをのき したにさすようになったんだと。 らーん 4 ゼうなんた・ れにしてを かし市古はいしい 58

8. 亡霊レストラン

・怪談レストラン編集委員会・ 松谷みよ子 ( 責任編集 ) 剣持弘子 高津美保子 常光徹 水谷章三 望月新三郎 吉沢和夫 ・協力・ 日本民話の会 ・シリーズデサイン・ たかいよしかす ( 京田クリエー 怪談レストランの 亡レストラン シ - ョン ) 怪談レストラン編集委員会・責任編集松谷みよ子 絵たかいよしかす 2003 年 6 月 1 5 日第 1 刷発行 2003 年 7 月 1 1 日第 3 刷発行 発行所・・・・・・株式会社童心社〒 1 60 ー 0008 東京都新宿区三栄町 22 容 03 ー 3357 ー 41 8 1 [ 販売 ] 03 ー 3357 ー 4402 [ 編集 ] 印刷・・・・・・光陽印刷株式会社製本・・・・・・株式会社難波製本 02003 Miyoko Matsutani, Toru Tsunemitsu, Kimiko Saito, Hiroko Kenmochi, Shinzaburo Mochizuki, Yoko Yaoita, Masako Mochizuki, Kazuo Yosizawa, Mihoko Takatsu, Hiro Miyakawa, Kiyoko Ozawa, Kaoru Fuji, Mari Morishita, Yoshikazu Takai published by DOSIN-SHA, printed ⅲ Japan ISBN イ -494-01072-3 NDC913 144P 17.3 x 12.3cm インターネットホームページ http: 〃 www.doshinsha.co.jp/

9. 亡霊レストラン

真夜中の閲 けっこん 結婚して、とおくにすんでいるむすめが、二日はど、あそびにきたと きのことです。 「かあさん、がポサポサよ。なんとかしたら ? 」 いうんです。 って、むすめかあきれたように、 「もうにに力がなくな「ちや「て、まとまらないの」 とい、つと、じゃあ、カッラかえばって。 まよなか み み ほうもんしゃ おざわきょこ 小沢清子 7 2

10. 亡霊レストラン

そんなケイトかおかしい、とうわさがたちはじめたのは、春先のこと 、、こっこ。 ほったん ひるやす ことの発端は、ある日の昼休みのことだった。 じよせいと 女生徒のひとり、エリサべートが、 「ねえ、ミス・ウイルソンがどこにいるかしらない ? ときいたときだった。 しよくどう 「いま食堂でみかけたわ [ と、ひとりかいったか、ど、つじにも、つひとりか せんせい おくじよう 「えーっ、そんなはすないわ。先生は、屋上で山をみていたわ」 といったのだ。 はるさき 1 1 1