4 響第を第 相手をかえてレスリング。 むずか 遊びはかんたんそうに見えますが、実はとても難しいものです。とく に、年齢の違う子どもたちが遊ぶためには、年上の子どもが年下の子ど もの力に合わせてあげなければなりません。年下の子どもがこわがらな いように、すわったり、動きをのろくしたりして、わざと自分を追いか あいて ちょうはつ けさせます。相手をくすぐったり、大げさな身ぶりをして、挑発する ことも必要になります。 なかま だから、うまく遊ぶには、いろんな仲間と遊んだ経験が必要なのです。 遊びはどちらかの気分が乗らなかったら、長く続けることができません。 どんなに力の強いものでも、遊びを相 きようせい , 手に強制することはできません。楽 しくなければ、遊びにならないからで びようどう す。遊びの世界ではだれでも平等で す。そして、ゴリラは人間に負けない ぐらい、遊び好きなのです。 おとなのレスリング。 じつ ねんれいちが ひつよう けいけん つづ 23
シルバーバックの背中ですべり台遊び。 子どもたちは、シルバーバックの白い背が大好きです。白い毛にさわ ってみたり、毛づくろいをしてみたりします。なれてくると、びしやび しやと背中をたたいてみたり、すべり台にしたりして遊びます。 けつ シルバーバックは決して怒らず、やさしく子どもたちを見守っていま らんぼう す。あんまり遊びが乱暴になると、こほっ、こほっとせきのような声を 出して子どもたちをいさめます。 あそ 1 8
ゴリラの遊びにはいろいろな種類があります。小さいときは、ひとり で胸をたたいたり、ぐるぐるまわりをしたりして遊びます。友だちがで きると、追いかけっこやレスリングが多くなり、草の上をごろごろ転が ります。だるまさんのように丸い体は、じようずに転がるようにできて のぼ います。長いうでを立てていばって歩いたり、少し高いところに登って たいしよう 胸をたたく、お山の大将ごっこがあります。友だちの腰につかまって くねくねと歩く、ヘビ歩きもします。 つ新み歩 あそ むね ヘビ歩き。 20
ルん なちす き赤く れ抱 んな をす さだんま ちま がす赤だ ちで たらすすが もかまで声 どだりき 子全なず好」笑 、安くびな はばよ良遊うつ J にれ仲もそく とてしこ わにちと楽く まばたははこ のそもちに < 笑い顔で遊ぶ子どもたち。 んのどたりこ さク子もたく 父ツにどあこ おバぐ子。く 一すり 赤ちゃんを抱く子どもゴリラ。
せきどうちょっか 赤道直下のアフリカに は、日本のような四季があ りません。森はいつも緑の 葉におおわれ、かわるがわ る色あざやかな花やおいし みの いフルーツが実ります。そ ゆた あじ んな豊かな自然を味わいな あそ なかま がら、遊びながら、仲間と いっしょに歩いていくのが ゴリラの暮らしなのです。 お母さんからお父さんへ 子育てがバトンタッチされ ることで、子どもたちはそ れを覚えていきます。お父 ゆうえんち さんはまるで遊園地。そこ で子どもたちは、やさしく たくましいお父さんに見守 られながら、仲間や自然と うまく付き合うことを覚え ていくのです。 おぼ ゴリラのすむ山と森。 森の中ではハイラックスが昼寝をする。
けんかの仲裁。 遊びに力が入りすぎたり、同じ食べ物を取り合ったりすると、けんか が起こることがあります。けたたましい叫び声がして、けんかをいさめ るこほっ、こほっ、こっこっという声があちこちから起こります。する と、たちまちお父さんのシルバーバックが地響きをあげてやってきて、 けんかに割って入ります。シルバーバックににらまれると、どんなけん しす ちゅうさいめいじん かもまたたくうちに静まってしまいます。お父さんは仲裁の名人です。 どんなけんかでもえこひいきすることはありません。必す、けんかを しかけた方をいさめ、体の小さい ほ 子どもを保護します。だから、子 よわ どもたちが弱いものいじめをする ことはありません。子どもたちは、 しんらい 信頼できるシルバーバックのそば で、安心して遊び続けることがで きるのです。 あそ さけ じひび かなら つづ 26
。、 : , →第を当ま一 イ ' , ら ゴリラのべッド。 まいばん ねむ 毎晩、べッドをつくって眠るのは、 オランウータン、ゴリラ、チンパンジ しゅうせい ーに共通な習性です。でも、地上の べッドをつくるのはゴリラだけです。 大きなシルバーバックがいれば、肉食 のヒョウやハイエナがやってきても大 丈夫だからでしよう。 シルバーバックが死んだりすると、 とたんにメスや子どもたちは木の上に べッドをつくるようになります。大き な体をしたゴリラにとっても、木の上 は最も安全な世界なのです。 じようぶ もっと 木の上のべッド。
い、ン / ふ朝ー お母さんは、赤ちゃんを 1 年間は決して手 うでだ 放しません。どこへ行くにも太い腕で抱いて 歩き、赤ちゃんがよちょち歩き始めると腕の つもど 中に連れ戻します。赤ちゃんは子どもたちゃ 若いメスたちの人気者。みんなやってきて顔 をのぞきこみます。手を伸ばして触れてみた り、中には抱き上げようというメスもいます。 こうきしんおうせい けいけんゆた 経験豊かな母親は、ときどき好奇心旺盛な あす 若メスたちに赤ちゃんを預けることがありま す。若メスたちは赤ちゃんを運んだり、世話 したりしながら、子育てを学んでいくのです。 わか はこ まな 母親と赤ちゃん。 1 5
ー 7 ノ一を シルバーバックの示威〔しい〕行動 ( 力強い姿を見せて敵をおいはらう ) 。 むね とっしん よくしらない人間に出会うと、ゴリラのオスは胸をたたいて突進して うで きます。 200 キログラム以上の巨体が立ち上がり、長く、太い腕をのば したら、とても大きく見えます。 せなか おとなのオスは、背中が雪のように白く、シルバーバック ( 銀の背 ) は きようめい と呼ばれます。胸は太鼓のように張り、のどから胸の下に広がる共鳴 袋が大きな音を響かせます。はうあーっというほえ声と、ぼこぼこぼ こぼこという胸をたたく音が森にこだまします。森中が大きく揺れるよ うな気がして、思わず、逃げ出したくなってしまうのです。 きよたい ひび ぶくろ