べ夫人 > ( 1876 ) , くニールス・リーネ〉 ( 188 のの 2 長編と , 短編 6 を残した のみで独身のまま若死したが , 死後 いよいよ名声が高く ( ことに詩人リ ルケが傾倒した ) , 日本でも近年読 3 () 3 をはしめ , 栄養価の高い種類の生産 ・が急増している。野菜の栽培は欧米 でも日本でも , 都市の発達とともに 進歩し , はしめは近郊園芸という形 をとり , 輸送機関の発達につれて適 地で販売を主目的とするより大規模 な栽培 ( 輸送園芸 ) が成り立つように なった。次いで各種生産資材の発達 につれ特殊な不時生産が各地で試み られるようになって , 促成栽培や抑 制栽培が初めは近郊地帯 , 次いで輸 送園芸地帯で行なわれた。 このよう な方法によって現在大都市では年間 はは、平均して供給されているが , 全 国的にみるとなお十分ではなく , 年 次による供給量や価格の変動も大き いので , このような欠陥を除くため の努力が重ねられている。とくに近 年の農村人口の移動は , 集約度の大 きい野菜栽培に労力軽減を余儀なく しつつあり , 省力化の研究が進んで いる。 / 青果市場 〔西〕 栄養と料理 〔成分と栄養〕栄養上の特徴として は 1 ) ビタミン類に富み , 2 ) 無機成分 とくにカリウム , カルシウムなどの アルカリ性成分が多いので他の酸性 食品 ( 肉類 , 魚貝類 , 穀物 ) の中和に 役だち , 3 ) 総してクロロフィルをお びただしく含み , 4 ) 有機酸 , とくに 葉酸も多く , 5 ) 繊維が多いため便通 を促進するのに役だつなど , 健康の 保持増進に欠くことができない。次 に各種野菜類の特徴をあげると , 1 ) 葉菜類ホウレンソウ , コマツナ , ツノヾ , キョウナ , シュンギク , セ リ , チシャ , キャベッ , ハクサイ セロリ , パセリなどは水分が多く実 質に乏しいがアルカリ性の無機成分 とビタミン A , C が多く B2 , 葉酸も ある。ホウレンソウにはシュウ酸か、 比較的多いが多食さえしなければ問 題はない。 2 ) 茎菜類アスパラがス , ウド , たけのこなどは比較的タンパ ク質に富む。 3 ) 花菜類カリフラワ プロッコリーなども比較的タン パク質が多い。 4 ) 根菜類貯蔵性に 富み冬季の端境期に役だっ。多く産 するものはダイコンでビタミン C と ジアスターゼを多く含み , ニンジン はカロチン ( プロビタミン A ) の給源 として適当である。サツマイモ , ジ ャガイモはデンプンに富み , カロリ ー源の食物として有用で主食の代用 ともなる。 5 ) 果菜類ウリ , トマト , ナスなどはビタミン A , C が多く果 実に類し , カボチャは糖質に富みカ ロチンも多い 〔取扱上の注意〕野菜は新鮮を尊ぶ ものであるからなるべく必要量だけ を求め , 買いだめをせす , 電気冷蔵 庫に収納する場合はよく水を切り腐 った部分をとり去り , ポリエチレン などの袋に入れて収納すると乾燥も せす移り香もしない。茎があるもの は根もとを水につけておくと新鮮度 1 月 ゴボウ , レタス , 2 月 第 1 表野菜の出回り期 ダイコン , ハス ( れんこん ) , ホウレンソウ , ャッガシラ , コマツナ , ワケギ , ヤマノイモ , カリフラワー ャサイ セロリ まれている。 〔山室〕 ミズナ , ニンジン , 豆もやし , ワケギ , ヤマノイモ , シュンギク , メキャベッ , セロリ , ダイコン , カリフラワー やさい野菜主食となる穀類に 対し , 副食とするために栽培あるい は山野で採集する植物のこと。古く は山野で採集するものを山菜 ( この ことばは今も残っている ) とか野菜 とよび , 囲いの中で栽培する園菜と 区別したが , 明治以降一括して蔬そ 菜とよび , 一般には野菜というよう になった。野菜は昔から保健食料と して重視され , 前 4000 年ごろエジプ トでエンドウ , ソラマメ , ゴマ , タ マネギが , また前 300() 年ごろに中国 で大豆の栽培された記録がある。さ らに西洋ではギリシア・ローマ時代 から 16 世紀ごろまでの記録に , また 中国や日本の本草書にもそれぞれ 野菜の生理的あるいは薬効的効用が 述べられている。 種類と分類 日本の野菜は , 諸外国に比べ多種 類なことが特徴であるが , ワサビ , ョウ ツノヾ , ヤマノイモ , フキ , ガ , ゴボウ , ウドなどを除き大部分 が中国経由で奈良 , 平安時代以後長 年の間に導入されたものであり , さ らに現在重要野菜とされている種類 の栽培は明治の初めの品種導入以降 に盛んになった。野菜類の分類には , 食品分類的方法 , 利用部分により葉 菜 , 茎菜 , 花菜 , 根菜 , 果菜などに 分ける一般的方法 , 栽培上の類似性 や植物学的分類を加味する方法など があるが , 熊沢三郎はこれらを総合 して , 1 ) 豆類 , 2 ) ウリ類 , 3 ) ナス類 および雑果類ナス , トマト , オク ラ , トウモロコシ , イチゴなど , 4 ) 塊根類ジャガイモ , サツマイモ , ハス , ショウがなど , 5 ) 直根 ュリ 類ダイコン , カプ , ワサビ , ン ジンなど , 6 ) 菜類ハクサイ , つけ 菜類 ; カリフラワー , キャベツなど , 7 ) 生菜および香辛類セロリ , パセ リ , チシャ , ウド , ミョウガ、など , 8 ) 柔菜セリ , ツ / ヾ , フキ , ホウ レンソウ , アスノヾラガスなど , 9 ) ネ キ、類ネギ , タマネギ , リーキなど , 1 の菌類マッシュノレーム , マッタ ケなどに分けている。 〔生産〕野菜はこのように多種類の 作物の集合であるため , 全世界にわ たっての生産状況などは知りがたい が , 日本の野菜生産量は 1962 ~ 64 年 平均で 1250 万トンをこえ , 国民 1 人 当り年間約 130 kg を消費することに なる。第二次大戦後は食生活の変革 に伴い , ダイコン , カプ , ナス , サ トイモなどは激減し , トマト , キャ べツ , カリフラワー , ホウレンソウ , チシャ , タマネギ , ニンジン , キュ ウリなどの緑色野菜やサラダ用野菜 3 月つくし , シュンキ、ク , コマツナ , 7 月 キュウリ , 6 月 5 月 - ア。ロ、 : / コリ 4 月 ャヾ、ソ , イモ , カリフラワー ツ / ヾ , 豆もやし , プロッコリ ウド , クワイ , ナガ アスノ、ラガス , メキ たけのこ , ウド , シュンギク , ツノヾ , フキ , ワラビ , クレソン , ラジシュ , アスノ、ラがス , レタス たけのこ フキ , ワラビ , ソラマメ , さやエンドウ , ホウレンソウ , レタス , ラジシュ , クレソン ジャガイモ , ソラマメ , さやエンドウ , さやインゲン , トマト , キャベッ , 夏ダイコン , ラジシュ ジャガイモ , ナス , キュウリ , タマネギ , さやインゲ い月サツマイモ , サトイモ , ノ、ス , ホウレンソウ , ノ、クサ ノ、クサイ , マッタケ , ノ、ツタケ , シメジ , セロリ 1 0 月サツマイモ , サトイモ , ダイコン , キャベッ , カプ , ミョウが , トウガン ツ , サツマイモ , サトイモ , 9 月カボチャ , すいき , トマト , タマネギ , 枝豆 , キャベ ョウガ , ショウが , ピーマン チャ , 枝豆 , 8 月ナス , キュウリ , トマト , タマネキ、 , シロウリ , カボ ン , ゴボウ , 枝豆 , ショウが , トマト , ヒ。ーマン , ラジシュ イ , カプ , ダイコン , ャッガシラ , カリフラワー , セロリ 1 2 月ハス , ホウレンソウ , ハクサイ , カプ , ダイコン , ンジン , ゴボウ , ャッガシラ , コマツナ , 長ネギ , セロリ リフラワー 注東京近郊のものを中心とする を保ちやすい。なるべくはしりもの や早場ものを用いす出盛りものを用 いることは栄養成分も充実しかっ安 価である。出回り期は上の表のよう であるが , 最近は温室や暖地栽培の ため一般に早くなり , いわゆる旬えゆ にはすれたものが多いが , 表のもの は自然のものの出回りを基準とし , 品種および時期は東京近郊のものを 中心、にしている。 〔野菜料理〕料理の上で野菜といえ ば山菜をはしめ , キノコや海草も含 まれる。野菜だけで独立した料理に なることもあるが , 魚や肉の付合せ とすることが多い。日本料理では酢 の物 , あえ物 , 煮物 , 蒸物などとし て欠くことのできぬ材料となってい ことに / 精進料理にすぐれた野 る。 菜の料理法をみることができる。西 洋料理では野菜料理はこんだての順 序からいうと , いちばん最後に供す ることになっているが省略されるこ とが多い。しかし , 肉や魚の付合せ としては欠くことができす , ロース トやグリル ( 網焼き ) 料理では青野菜 のサラダを添えるのがきまりとなっ ている。また最近は / 菜食主義の普 及からとくに野菜を主としてこんだ てを組むこともある。次に野菜料理 の料理上の注意としては / 清浄栽培 でないかぎり泥 , 細菌 , 虫卵 , 放射 能灰 , 農薬などの付着に注意する必 要があり , とくに生食する場合はよ く洗浄せねばならない。中性洗剤で 洗い , 十分に水洗いするとよい。切 カ
6 6 1 ワタ 府は国内の機械紡績業を保護育成す を , 副芽からは結果枝をだすが , るため綿花輸入税を撤廃し , 中国 , つの芽が同時に伸びることはなく , 主幹の下方からはおもに発育枝を , インドなどから優良安価な原料綿が 上方からはおもに結果枝を伸ばす。 輸入されており , そのため国内綿作 根は主根と側根からなり , 主根はふ は競争を続けることが困難となり , ワタの繊維細胞の発達。 上左は開花当日。上右 つう 1 本で地中深く達し , 上部から 現在では数 km2 程度の栽培面積しか 6 は開花後 24 時間。下は は細い側根が不規則にでる。子葉は ない現状である。 開花 2 日後の繊維細胞 腎臓形で , 本葉も第 3 葉までは欠刻 〔種類〕ワタは世界各地で作られ , がなく心臓形をしているが , 完全な 繊維をいう。ワタの繊維は種子繊維 そのおもな種類はアジアワタ , リク に属し , 細長くて強くねしれている 本葉は欠刻があって 5 片からできて チワタ ( アメリカワタ ) , カイトウワ おり , 欠刻にも浅いものと深いもの から , 糸に紡ぐのに適しているばか タ ( プラジルワタ , ベルーワタ ) , ェ りでなく , 水に対しても強く , 長も がある。花の外部に包があって , 包 ジプトワタである。カイトウワタ ( 海 ちする。また弾力があるのでふとん の縁はきょ歯状で 3 個の葉状片から 島綿 ) の綿毛はきわめて長く , 38 ~ 5 ( ) 綿としても用いられる。さらに脱脂 なる。がくは包と花弁の間にあり , mm で , 60 mm に達するものがあり , 気 トロセノレ 綿の原料ともなり , また 小さな杯状である。花弁は 5 枚 , 色 温が高く湿気の多い海洋気候に適し , ロースの原料として , 火薬 , 人絹 , セ プラジル , 西インド諸島 , 米国の一 は黄白色で , 開花翌日には紅紫色に ルロイドなどを作る。繊維を取り去 変わり , しばんでしまう。めしべは 部などに栽培されている。レース工 ったワタの実は 17 ~ 23 % の油を含有 業にはとくに重要なワタである。工 柱頭が長く伸び , 下部に卵円形の子 し , 綿実油をしばって食用油 , セッケ 房があり , 子房の中は 3 ~ 4 室に分 ジプトワタはカイトウワタの系統で , ン , ロウソクの原料とする。 / 綿織物 綿毛は 33 ~ 44mm くらいで , 繊細で紡 かれ , 1 室には 8 個の胚珠がある。 ワタとその栽培 この子房の発育したものがさくであ 績用に適している。主としてナイル ワタは元来熱帯性の植物であるが , る。おしべはめしべの基部を環のよ 川流域 , 米国西部に栽培されている。 栽培範囲が広く , 約 34 万第に及び , うにとりまき , 上のほうはいくつに 次に日本で作られているアジアワ 綿花生産量は 114 億トンである。そ タとリクチ ( 陸地 ) ワタとについての も分かれ花糸となり , その先端に黄 のうち米国がもっとも多く , 作付面 色な葯をつけている。種子はさくの べる。 1 ) アジアワ・タアジア諸国で 積が全世界の約 % , 産額は全世界の 栽培され , 子葉は小さく , 初期生育 中にあり , 胚珠の発育したものであ 花 約 3 ( ) % となっている ( 1963 ) 。もとも がおそく病気に弱いが , 生長後は病 る。卵円形で , 縦 0.75 ~ (). 85 cm , 横 と米国には自生種があり , コロンプ 虫害に強く , 花やさく ( 蒴 ) は下に向 0.45 ~ (). 6cm , 千粒重 80 ~ 90g ぐらい ス遠征以前から栽培されていた。し く特徴がある。早熟で開絮 ( さく で , アジアワタはリクチワタより / ト が裂けて中から繊維が吹き出すこと ) かし急に増加したのは最近 60 ~ 70 年 さい。また種子にはえている繊維は 来のことで , その歴史はわりに新し しやすいので , 雨の多い日本やアジ ワタ毛のはかに地毛うといってごく い。ワタの歴史がもっとも古いのは ア諸国に適する。綿毛は 9 ~ 2 ( ) mm く 短い毛がはえている場合が多い。 インドで , 前数世紀の文献にワタで らいで太く短くねしれが少ないので 〔繊維〕種子の表皮細胞が細長く伸 糸を紡いだことが記録されている。 紡績用には不向きであるが , 弾力に びたものであるから , 1 本の繊維が 界最良のワタを生産するのはエジ 富むので , ふとん綿や脱脂綿用に向 1 個の細胞である。開花当日は表皮 プト ( アラブ連合 ) で細糸紡績の原料 く。 2 ) リク . チワタアメリカワタと 層からわすか (). ()4 mm しかでていない もいわれ , アメリカにもっとも多く , 綿を供給している。最近ソ連もワタ が , 日カヾたつにつれて伸びていき , その他世界各地でも作られている。 の研究をはしめ , かなりの栽培を行 25 ~ 30 日で長さの生長は完了する。 なっている。中国は第二次大戦前米 植物体はアジアワタより大きい。生 伸長生長の間は繊維細胞膜はきわめ て薄いが , 伸長生長を終えると肥厚 国 , インドとともに世界の三大生産 育が盛んで , 花やさくが上を向いて 国であった。現在もかなり作ってい いるので雨害を受けやすく , 熟期が 生長をは七め , 内部にセルロースを 蓄積し厚さをましていく。開花後 40 る。このはか , 南米 , アフリカ , 欧 おそい。さくの構造からして開絮し ~ 50 日で肥厚生長も完了する。未 州諸国 , オーストラリアなど全世界 にくい性質をもち , とくに雨の多い 日本には向かない。綿毛は 13 ~ 33mm のときは円筒形をしていた繊維はさ にわたり栽培されている。日本にワ くが開いて乾燥すればへんべいにな で細くねしれが多く紡績用に向く。 タが伝わったのは 88() 年ころである 15 〔栽培の気候と土壌〕元来ワタは熱 り , ねしれができる。完成した繊維 が , 気候が不適で絶えてしまい , 種子果実 30 年ころまたもちこまれ , これが今 帯植物であるから , 夏の生長最盛期 の長さは , アジアワタでは 15 ~ 21 mm, リクチワタ にはかなりの高温を必要とし , 日照 日のワタ栽培のはじまりで , それ以 リクチワタでは 21 ~ 40 mrn である。繊 多く雨の少ない気候を好む。日本で 来各地に伝わり , 明治の半ばごろは 維のねしれの数はワタの種類により ワタ作に適した気候の地方は , 夏季 違うが , 数の多いはど細い糸が紡げ 約 10()() km2 も作られた。その後 , 政 降水量が少なく , 気温が高い瀬戸内 るので , 紡績価値が高い。 〔ワタの一生〕発芽には少なくとも 海地方 , および内陸的気候の山梨県 , 奈良県などの盆地である。ワタに適 12 ℃以上を必要とする。初期生育は した土壌は砂質壌土で , 排水の悪い ゆるやかで , 7 月になり気温が高く 粘上質土壌はもっとも悪い。そのほ なると伸長が盛んになり大いに伸び か火山灰土 , 開墾地の赤土などは酸 る。 8 月中旬にはまたゆるやかとな 性度が強く , またリン酸分や微量成 り , 下旬以後は生長がとまり , 成熟 分の不足から生育が悪く , つばみや 期間にはいる。この間 , 6 月下旬ご さくの落ちることが多い。反対にワ ろから主幹の葉柄基部から , 発育枝 や結果枝をだす。結果枝ははば水平 タはアルカリ性にはかなり強い作物 に伸びて各節につばみをつける。つ で干拓地などの塩分を含む土で , 他 の作物の生育に不適なところでもよ はみをつけてから開花までの日数は 20 日前後である。開花 , 受精した子 く生育する。 〔性状〕主幹は垂直にのびて各節か 房は , 発育してさくとなり , さくが ら芽をだし , 葉柄基部の上に , 主芽 十分成熟すれば , 水分を失って開き , と副芽があって , 主芽からは発育枝 中から綿を吹きだす。また咲いた花 ) 6 ゞ 6 アジアワタ ワタの繊維。 A は繊維 の先端部。 B は繊維が ひじように厚くなった もの。 C , D は成熟し た繊維。 E は死繊維
ロス のない。を a ( アー ) に近く発音する。 中部方言はプスコフ , モスクワ , べ ンザを結ぶ東西に細長い地域で用い られている。ロシア文章語 ( 標準語 ) は , このうち発音上北部と南部の特 徴をそれぞれ合わせもった中部方言 をもとにしたものである。文字は現 在 33 文字あり , 英語 , ドイツ語 , フ イタリア語などのゲルマ フンスロロ , ン語派 , ラテン語派に比べ , 文字の 上でも文法構造の上でもかなり違っ た趣を呈している。ソ連全体からみ ると , ソ連を構成する 15 共和国中 , 大口シア人を主体とするロシア連邦 共和国以外では , ロシア語はそれぞ れの固有の共通語に次ぐ第 2 共通語 として用いられ , 小学校から学んで 〔久野〕 ロシアりようり口シア料理帝 政時代のロシアで発達した料理をい い , 日本ではおもに民衆の料理が親 しまれている。また現在のソ連人の 食生活とはかなり趣を異にしている ようである。ロシア料理には二つの 要素があるといわれる。その一つは アジアからもたらされた食習慣であ り , 他の一つは東欧から伝えられた 食習慣である。そして , この二つの ものの混合のうえにロシア料理が成 り立ったとされている。しかし , ロ シア風とよはれる独特な前菜 / ザク スカのような洗練された料理が発達 したのは , ロシアで帝政が確立した 18 世紀以後と考えられている。欧州 の後進国といわれたロシアは 18 世紀 になると欧州の文物を急速に吸収し はしめ , フランスからも多くの調理 の技術者たちがロシア宮廷に招かれ , それまでかなりアジア的色彩の濃か ったロシア宮廷のテープルマナー メニューのうえに大きな改善をもた らしたといわれる。しかし , それま でにロシアに調理技術がなかったわ けではなく , すでに 16 世紀にはテー プルマナー , 酒類 , 食品の調理法を しるした著書があったといわれる。 ロシアは土地が広大で , 産物も多 様であるが , 北方に位置し , 冬季が 長いので , 食物の貯蔵にくふうを要 し , カビア , イクラ , ニシン , 野菜 の塩蔵法やサケ , ニシンなどのくん 製法が発達し , ザクスカのような前 菜に欠くことのできない備品となら た。また寒冷地の常としてスープ類 が愛用され , / ポルシチなどロシア の国民的調理ともよぶべき栄養価の 高いスープ類の数は 20 種以上にも及 んでいる。また , ロシアでは練り粉 料理 ( バイ風の料理 ) が発達し・てい て , 小麦粉で作った皮に野菜 , 獣肉 , 魚肉などの中身を包んだピロシキー は日本でもよく知られている。調理 法も揚げたもの , てんびで焼いたも の , 蒸したものなどいろいろあり , 形も大きさもさまざまである。また ザクスカをつまみながら飲む強烈な 6 () 5 / ウォトカや , / サモワールの湯で , ちょうどよい濃さにして飲む紅茶 ; ライムギの粉で作った黒パンなどは ロシア料理特有の風味をもっている。 〔関〕 ろじさいばい露地栽培野菜な どの不時栽培のうち , 温床を用いた り , ビニルおおいをしたり , または 温室などの特別な保温設備を用いた りしないで行なう栽培法。野菜類を 不時栽培して市場に不時出荷する目 的は , 新珍なることによって高値を よぶにある。露地栽培もこれを目的 とするので , そのやりかたは促成栽 培や抑制栽培などの方法をとってい る。実際には , どこでも行なえるわ けではなく , 主として , 温暖地では 一成栽培を , 寒冷地 , 高冷地では抑 制栽培を行なっている。露地栽培さ れるものにはトマト , キュウリ , 工 ンドウ , インゲン , チシャ , カンラ ン , ダイコン , ハクサイなどがある。 〔武田〕 ろしゆっけい露出計写真撮影 のさいに被写体が受ける光量の度合 いを計って露出時間を測定する計器。 露出時間は場所 , 日時 , 天候 , 被写 体の明暗 , 感光材料の感光度 , 絞り , フィルタなどによって決定されるが , これを簡単に求めるものである。露 出表 , 露出計算尺 , 化学式露出計 , 光学式露出計 , 電気式露出計がある が , 現在ではおもに電気式露出計が 用いられている。電気露出計は受光 部のセレン光電池に光を受けると , 光の強弱に応して弱い電流を発生し この電流が電流計の指針に働いて光 量目盛を示し露出が測定される。電 気露出計には反射光式のものと , 入 射光式のものがあるが , 一般には反 射光式だけのものあるいは入射光と 反射光式に兼用できるものが使用さ れている。反射光式は被写体から反 射する光の強さを測定するもので , カメラに内蔵された露出計ははとん どこのタイプである。入射光式は被 写体の位置からカメラに向けて測定 このタイプ専用 するものであるが , のものは少ない。最近セレン光電池 より , 高性能をもつ硫化カドミウム CdS を受光体とした電気露出計が発 表された。このタイプの露出計はセ レンタイプのものに比べひしように 大きな電流をうることができるので , 光線の弱いところでも測定できる。 CdS 受光体はセレン受光体のものと 異なりみすからは起電力がないので , 1.3 ポルトの水銀電池が使用されて いる。この水銀電池は電圧変動率が 少ないので , つねに正確な露出が測 定できる特徴をもっている。〔池上〕 ろしゆっしよう露出症性行為 に関する性欲異常の一つ。異性に対 し , 自己の性器を露出 , ときには手 淫をしてみせることによって , 性的 な快感を覚えるものをいう。男子い・ 多いが , とくに精神薄弱者やてんか んその他の精神病者にみられる場合 カ { 多い ローション lotion 洗い : 青める , ふりかけるという意味のラテン語か らきたことばで , 広義には化粧料の 性質上の分類における液状のものの 総称である。 / アストリンゼントロ ション , / 、ンドローーションなどの 化粧水の類 , / オー・デ・コロンな どのような液体芳香品などが含まれ るが , とくに頭髪用としてのヘアロ ションをさすことが多い この中 には / べーラム , / ヘアト セットローションなどがある。ヘア ローションは頭髪に芳香を加えると ともに付着している汚物を除き , ふ けやかゆみをなおす。ふつう 70 % 程 度のアノレコーノレにレゾノレシン , カン タリスチンキなどの薬品を加え , 香 料を入れたものであるが , さらに発 毛や殺菌の効果を増すために薬品を ックである。ま カ日えたのカ { ヘアト た水を用いすアルコールにツバキ油 , ヒマシ油などを加えた油性のものも あり , 整髪料ともなる。またセット ローションはカラヤゴム ( インド産 のゴム状樹液 ) , マルメロ溶液など の固着剤を加えたものでパーマネン トウェープをかけた毛髪を形づける のに使用する。 〔高見沢〕 ろじん魯迅 ( ルーシュン ) 1881 ~ 1936 中国の作家 , 思想家。本名 は周樹人。あざなは豫オ。魯迅は筆 名である ( 筆名はこのはか数十にの は、る ) 。浙江省紹興の読書人の家に 生まれたが幼時に没落 , 貧困のうち に社会の冷酷さを味わいながら成長 1902 年日本 した。 1892 年に南京に に遊学 , 南京では当時の改革派の主 張にふれ , 日本では革命思想の影響 を受けた。とくにこのころ章太炎な どの影響もあって , 単純な進歩主義 を否定 , 社会 , 人間の根本的変革を 志向する思考方法の基礎が形成され た。日本では 04 年仙台医専で医学を 学んだが , やがて文学に転し , 五・ 四文学革命期にく狂人日記〉 ( 1918 ) を発表 , その後 / く阿 Q 正伝〉 ( 1921 ) , く故郷〉 ( 1921 ) , く祝福〉 ( 1924 ) , く孤 独者〉 ( 1925 ) などの小説 , 散文詩く野 草〉 ( 1926 ) , 多くの雑感などで中国 近代文学の中心になった。とくに雑 感は旧勢力に対する徹底した非妥協 性と , 現実に対する冷徹なリアリズ ムに貫かれ , 文学 , 思想史上独自の 地位を占める。日本文学 , ロシア・ ソビエト文学 , 東欧の被圧迫諸民族 の文学などの翻訳も多く , 学者とし ても一流で , 中国小説史研究の基礎 を確立した。中国近代文学の父とし て尊敬され , その葬儀は中国最初の 民衆葬として営まれた。 〔丸山〕 ロス James Clark Ross 1800 ~ 62 英国の極地探検家。北探検 家である叔父の John Ross ( 1777 ~
メロビング 2 3 2 ( 小 ) は国王ヒルデリヒ 3 世を廃して ける水分や温度ととくに深い関係が 修道院に閉じこめ , みすから国王を あるが , 細い網目がこまかく発生し 名のり ( / カロリング朝 ) , メロビン ているものか、良品とされている。成 グ朝は断絶した。 熟すると強い芳香を放ち , 糖度も高 〔本村〕 〔美術〕メロビング朝の美術は西洋 い。果肉の色により緑肉 , 白肉 , 赤 中世美術の発端をなすが , それはカ、、 肉の 3 種に分かれる。日本では静岡 , リア地方に存続していたローマ文化 , 愛知 , 山梨などの各県で温室栽培し , 周年出荷され , 高級くだものとして さらに , キリスト教美術にうかがわ れる東方的影響 ( ビサンチン美術 ) , 扱われている。カンタループは果実 およびゲルマン自身の芸術的傾向 , が堅く , 表面に深いみぞがある。芳 などの混合のうえに成立している。 香があるが , 日本での経済栽培はこ 彫刻では古代の伝統が強く , また建 くわすかで品質もよくない。冬メロ 築では遺構は少ないが , 文献によれ ンは果実に網目ができす , 芳香もな は、バジリカ式の聖堂が各地に建てら いが , 輸送によく耐える。網メロン れたらしく , このことはキリスト教 と同様に露地では栽培しにくく , お 語では近代歌曲のことをメロディ 化されたがリア ( ローマ文化 ) という 〔渡〕 もに温室栽培されている。メロンは mélodie という。 メロビングちょうメロビング朝 形がメロビング朝美術の主要方向を 果肉が粘質ち密で糖度の高いことが フランク王国最初の王朝。メロビン なしたことを推定させる。クロービ 必要であるが , 輸送に耐え , 外観を グ朝 Merovingian の名称はフランク 美しくするために , 完熟前に収穫し スが都バリにクロチルド王妃ととも に建てた聖使徒聖堂 ( のち聖ジュヌ て出荷し , 後熟して食べる場合か多 のサリ支族の首長メロービス M e r 0 - ⅵ s に由来する。その孫 / クロービ ビエープ聖堂 ) , 王記がオーセール い。成熟までの日数は品種によって ス ( 在位 481 ~ 511 ) のとき , ガ、リアを に・建造したサン・ジェ . ルマンよ 違うか、だいたい開花後 45 ~ 55 日くら どが知られ , 末期にはサン・ドニは いである。 中心とする王国を統一し , カトリッ 〔渡辺〕 しめ多くの修道院が開かれている。 クに改宗して教会の支持をも得た めん面仮面 , おもて , マスク ゲルマン特有の性向は貴金属工芸の ともいう。人間 ( 死者も含む ) , 動物 , しかし彼の死後 , 王国は慣習によっ 隆盛に示されるが , 写本装飾のミ 神霊などの顔面または頭部を表わす て 4 子に分割相続され , パリ , オル 造形物で , ふつう顔面につけて仮装 アチュールでは , ケルトのそれの抽 レアン , ソアソン , メッツの 4 王国 象的傾向にかなり強く影響されてい このうちソアソン王国 する。しかし , その装法をさらに分 に分裂した。 のクロタール 1 世 ( 在位 511 ~ 561 ) は , 類し , 顔につける狭義のマスク , 顔 る。しかし , エマイユ・クロアゾン 他の 3 王家の断絶とともに王国を再 ネに類似する色彩効果や動植物 , 人 の部分またはその上下のみをおおう 体の様式化 , 稚拙なデッサンなどは , 統一したが , 彼の死後 , 王国はふた マスケット , 着用を目的としないマ 金属工芸に通するゲルマン的なプリ たびその子どもたちの間で分裂し , スコイドに区別することもある。 オルレアン・プノレゴーーニュ王国 , ソ ミチプな力強さを物語っているとい 〔分類と発生〕面は用途から狩猟仮 アソン王国 ( ネウストリア ) , メッツ えよう。 面 , 戦争仮面 , 成年式仮面 , 死者祭 〔中山〕 王国 ( アウストラシア ) の 3 王国が現 仮面 , 雨ごい仮面 , 演劇仮面などに メロン melon ウリ不斗のククミ 出した。 3 国は互いに激しく抗争し その効果から威嚇仮面 , 模擬仮面に ス・メロ Cu c な m な M e / 0 に属するも たか、 , 7 世紀にはいってネウストリ 分類される。狩猟仮面は主として獣 ののうち , 中央アジア , 近東 , 地中 アのクロタール 2 世 ( 在位 584 ~ 6 29 ) 面で , 動物に仮装し , その行動や声 海沿岸などにはいって改良された品 が勝利を収め , 王国を統一した。彼 をまねながら獲物のそばまで接近す 種群をさしてメロンというが , イ谷に の孫ダゴベルト 1 世 ( 在位 62 9 ~ 639 ) / マクワウリのうちの肉質のもろい るためのものであった。このような の時代も比較的安泰であった。しか 行動が狩猟儀礼としても行なわれ , 品種をメロンということもある。日 しこのころから , 北がリアでは農業 動物仮面をつけて舞踏が行なわれた。 本で栽培されているメロンは , 網メ 戦争仮面は頭部の保護とともに相手 生産がある程度進んで荘園が形成さ ロン ( ネットメロン ) , カンタループ , を威嚇するためのもので , 日本のか れはしめ , これを基盤とする豪族が 冬メロンの三つに大別できる。網メ メロビング朝の美術。 各地に台頭 , 王権を脅かすようにな ぶともこの系列の発達したものであ ロンはおもに温室内で栽培されるか 左はボアチェのサン・ る。未開社会では戦闘の前にこれを この傾向はことにアウストラ ら温室メロンとか , 芳香が強いので ジャン洗礼堂 , 7 世紀 った のもの。右は十字架に つけて踊り士気を鼓舞する。死者を シアに著しく , 宮宰の職を占めてい マスクメロンとかいう。果実力 { 成熟 かけられた殉教者を表 表わす仮面には死者の頭骨に着色加 たピピンの家系が諸豪族の代表とし すると果皮に裂け目ができ , これが わしたもので , ボアチ 工した似顔頭骨 ( 頭がい仮面 ) と , 死 てしだいに王国の実権を握るように コルク化して網目状になる。この網 ェのメルポードの地下 者にかたどった追悼仮面とがある。 なり , 751 年 , ついに宮宰 / ピヒ。ン 目の発生は果実の発育するときにお 祭室の石柱に描かれて いすれもメラネシアに多い。模擬仮 いる。 7 世紀の末ごろ 面は神霊を表現するもので , とくに 悪霊をかたどるものが多いが , 疫病 退故のため守護霊をかたどるものも ツゞ ある。中世欧州で刑の執行者が使用 した正義仮面も神の表現である。威 嚇仮面は悪霊や敵をおどす面で戦争 仮面 , 成年式仮面 , 疫鬼退散の面が ある。日本の根資料館には伎楽 面に似た奇怪な面が二つある。これ は関所を通る旅人をおどした面で , 時代は新しいが威嚇という面の機能 を語っている。演劇や舞踊の面の起 原も以上述べた信仰に関連するもの が多い。未開民族はよい神霊と悪い 神霊との争闘を仮面をつけた人間に 維」メロン 0 0
ムクドリ 1 9 3 ちらに属させるべきかはっきりしな いような物質もある。無機化学は対 象として無機物質を取り扱うが , そ れ独自の学問体系があるわけではな い。内容的には無機物の合成 ( 金属 の精練 , ヤ金なども含む ) , 構造化 学など広い意味の物性論 , 化学平衡 論 , 反応論などが含まれ , 有機化学 に比べやや理論化学的色彩が強い。 無機化学におけるいくっかの基本的 な概念は元素の周期律 , 金属と非金 むぎ〔麦〕イネ科のコムギ , オ オムギ , ライムキ、 , 工ンノヾク ( 各項参 属元素 ( 現在では典型元素と遷移元 素に分類し , 全元素の系統化が行な を神社の麦わらへビカヾ知られ , のち 照 ) を総称してムキ、類という。食料 , われている ) , 単体と化合物 , 元素の 同しく大森の麦わら細工が名物にな 飼料その他の利用面で重要な作物で 電気陰性度 , 化合物の化学結合性と った。大森ではトラなどの動物や , ある。とくにコムキ、はイネとともに 物性との関係 ( 気体 , 液体 , 固体の別 , がらがらやラッパなどのがん具をつ 人類の二大食料植物である。 イオン結品 , 半導体 , 金属 , ガラス 〔世界の麦作〕最近 5 ( ) 年間の世界総 くったり , 小箱にはったりし , 大き 質など ) , 反応の面では , イオン反 な細工をつくって見せ物にもした。 生産量の推移をみると , 小麦作の発 展が著しく , その生産量は約 2 倍に 応 , 酸 , 塩基と酸化遠元などである。 また兵庫県城崎温泉の麦わら細工 も名高い。 / 、別刷 ) がん具〔山田〕 応用分野は無機化学工業 ( 硫酸その 栽培面積は 50 ~ 6 ( ) % 増になった。と くに農業技術の進歩に伴い , 面積当 他の無機化学薬品 , 肥料 , ガラス , むくげ高さ 3 m に達するアオイ セメント , 耐火物 , 磁性材料など ) , 金 科の落葉樹で , 古く中国から渡来し , り収量が , 第二次大戦後急激に増大 庭木やいけがきに植えられている。 した。大麦は徐々にではあるが発展 属の製練や加工など。 〔落合〕 むぎこがし麦焦大麦をいり , 木は直立してよく分枝し , 木はだは しているが , ライムギ , 工ンノヾクは 灰白色を帯びる。葉は多くは 3 裂し ひきうすでひいて粉末にしたもの。 衰退の傾向にある。小麦は農作物中 て不正歯がっく。夏秋のころに葉腋 「はったい」あるいは香煎えともい 最大の栽培面積をもち , 世界耕地の に花をつけ , 花は径 5 ~ 6 で 1 日 う。砂糖を加えて食べてもよいが , 23 % を占め , これに続く稲の 13. 9 % , 熱湯を注いで , どろどろにして食べ でしばみ , 5 弁または八重咲きで , トウモロコシの 1 ( ) % , 工ンノヾクの 紅紫色 , 白色 , 底紅などの品種があ るのがふつうである。農村ではもち 3. 6 % , 大麦の 3. 7 % , ライムギの 4. 6 ろん , 都会でも , かなり近時まで普 る。白花品のつほみを干したものを % などを大きく引き離している。大 木槿花といい , 胃腸カタル , 腸出 及していたが , 現在では菓子の原料 , 麦は欧州が古くから生産の中心であ 〔大井〕 とくに麦落雁禀えのもとにされること 血 , 下痢などに用いる。 ったが , 最近はしだいに衰退の傾向 が多い。群馬県館林の「麦落雁」 , 岐 むくどり〔椋鳥〕燕雀く目ム にあり , 北米が増大傾向を示してい 阜県高山の「印譜落雁」などが知ら クドリ科の鳥。ッグミくらいの大き る。またアジアは 19 30 年以降 , 世界 れている。 / ( 別刷 ) 和菓子〔富永〕 さ。頭は黒く顔は白い。腰の白いは 最大の生産高を示し , ほとんど自給 かは全体灰かっ色で , 脚は黄色。雌 作物として作られている。ライムギ むぎちゃ麦茶麦湯ともいう。 は雄よりも淡色。日本各地にみられ オオムギやハダカムギを玄粒のまま はソ連が - 世界栽培面積の 57 % を占め る留鳥。ただし北海道と東北地方で よくいったものを煮出した , こうば ている。ェン / ヾクは北米 , ソ連 , 欧 は夏鳥。平地にすみ , 冬は大群をな しい風味のある飲料。昔は 5 ~ 6 月 州が多く栽培し , 世界の大部分を占 して暮らすが , 春になると 1 対ごと ころ , 新ムギで作り , 冷やして夏季 めている。なお , 日本の麦作の現状 に別れて繁殖する。樹洞や建築物 の飲料として用いられた。煎第茶の を 64 年生産額についてみると , 大麦 のすきまなどに営巣するので , 巣箱 ように使用のたびごとに湯を注ぐめ 約 81 万トン , 小麦約 124. 4 万トン , もよく利用する。地上や木の枝の上 んどうがなく , 一時に大量を作って ェンノヾク約 12. 1 万トン , ライムギは ではよく走る。雑食性でムクノキ , おけるので便利である。一般に夏季 きわめて少なく 1560 トンにすぎない。 ェノキ , ハゼノキ , センダンなどの の清涼飲料の代用として飲まれ , と 〔武田〕 むぎ牟岐〔町〕徳島県南部 , 海 実を食べ , またこん虫 , クモ , 淡水 くに生水の飲用不適の地方や幼少年 産巻員などをついばむが , こん虫や 部、郡の町。人口 919 ( ) ( 1965 ) 。市街 者向きのふだんの飲料として利用さ は太平洋岸にある漁港で , 沿岸 , 沖 その幼虫を食べる分量が多い。秋冬 れている。 〔川島〕 合漁業のほか , 遠洋漁業の根拠地で むぎわらざいく麦藁細工麦わ は水田でイネの刈株に潜むニカメイ もある。国鉄牟岐線の終点で , 以西 チュウを捕食したりするので , 1 年 らをさき開いて色染めなどして , 組 は室戸を経由して高知県の安芸市ま を通じて害虫退治のてがらは大きい。 んだり , はりつけたりする細工物。 でバスで連絡している。黒潮に洗わ 享保年間 ( 1716 ~ 36 ) に , 江戸駒込富 〔高島〕 れる海岸は八坂八浜の景勝地をつく り , また沖の出羽島では漁業のほ か , 観葉植物の露地栽培が試みられ 〔寺戸〕 ている。 むきかがく無機化学物質は通 常 , 便宜的に無機物質と有機物質と に分けられている。有機物質は炭素 原子を主体とする化合物 ( 一酸化炭 素 CO , 二酸化炭素 ( 炭酸ガス ) C02 , 炭化物などは除く ) で , それ以外の 金属および非金属元素およびその化 合物を無機物質といっている。しか しこの区別は明確ではなく , 有機金 属化合物 , 有機金属錯化合物などど ムクドリ ムクゲ 麦わら細工の作品例。 左は東京大森のトラ , 右は同しく駒込のヘビ
に接しているために , 粘着体は花粉 塊の頭のはうから突出した形になる かの相違 ) , 4 ) 茎が無限生長をして 花序は側生する ( 単軸分枝 ) か , そう ではない ( 仮軸分枝 ) かの相違などで , まかい属 大きな分類がなされる。 を分ける分類は前述のように蕊柱と 花粉塊の形態差を重視し , 属内の種 の分類にはしん弁や葉の形態が使わ れる。それよりももっとこまかい園 芸上の種 ( おそらく分類学的には品 種かそれ以下のクロンであろう ) に は , 花の微妙な色彩の差が名の相違 となるとみてよい。次に分類の例を あげる。 A. 2 おしべ類おしべ 2 本が蕊柱の 両側にふくらんでみえる。花粉塊は 粘質 , 蕊柱の先にある心臓形の突起 は第 3 番めのおしべが変形したもの , アッモリソウ , クマガイソウ , 園芸 でいうシプリベジウム ( 正しくはノヾ フィオペジルム ) か・これにはいる。 AA. 1 おしべ類おしべは 1 本だけ が残っている。大部分のランはこ にはいり , B と BB に分けられる。 B. バシトネ類おしべの葯は蕊柱の 先端に全面的につづき , したがって 花がすんでも落ちない。また花粉塊 は粒質で , 足のほうに粘着体がっく。 茎はすべて仮軸分枝。キソチドリ , ハクサンチドリ , サギソウなどが れにはいる。 BB. アクロトネ類お しべの葯は細い柄でつき , 蕊柱の先 端のへこみの上におおいかぶさる。 したがって花がすむ前にこの細い柄 のところから落ちやすい。粘着体は 花粉塊の頭から出る。多くのランは これに属し , C と CC に分けられる。 C. 粒質花粉類つぶつぶした花粉塊 をもち , たいてい仮軸分枝 ( バニラは 例外 ) 。フタバラン , シラン , キンラ ン , ネジノヾナ , シュスランなどがこ れにはいる。 C C. ロウ質花粉類ロ ウ質の花粉塊をもつ。大部分のラン , こにはいり , D と DD に分けら は一 れる。 D. 仮軸分枝類茎は花序でとまるか , または花序のついた枝状の茎でとま る。ュウコクラン , マキシラリア , カトレア , レリア , セッコク , デン ドロビウム , フアジュス , 工ビネ , プノレポフィノレム , シンビジウム , シ ュンラン , カタセッム , リカステ , ゴンコ・ラ , チゴーくタノレム , オンシジ ウム , オドントグロッサムなどがは いる。 DD. 単軸分枝類茎はどこま でも伸びうる。サルカンツス , アン グノレカム , フウラン , コチョウラン , ノヾンダなどがはいる。 〔日本のラン〕日本は地勢と気候の 関係から , 面積の狭い割りにはラン の種類が多く , 15() 種はどを産する。 房総半島 , 伊豆半島から紀伊半島 , 四国および九州へかけては亜熱帯性 のランが分布し , 南にいくほど種類 がふえる ( ダイサギソウ , フウラン , 4 4 0 ムギラン , カンラン , コクラン , シ ュスラン , - 尸コ・ラン , ョウラクラン など ) 。それぞれ東南アジアに近縁 種がある。またコオロギラン , ナギ ラン , シランのようにヒマラヤと共 通の属も多い。一方 , 中部地方の亜 高山帯から北海道へかけては北米や 欧州の亜寒帯に共通で , コフタバラ ン , フタノヾラン , サギソウ , アオチ ドリ , アッモリソウなどはわすかの 相違はあるが同じ種類である。ショ ウキラン , クマがイソウ , トケンラン などは日本における代表的な特産種 である。 〔前川〕 園芸品種 〔東洋ランと洋ラン〕ラン科植物の うち , 園芸的に栽培されているラン は大別して洋ラン ( 西洋ラン ) と東洋 ランとに分けられているが , そのお もな種類は , アジアの熱帯 , 亜熱帯 地方に約 70()0 種 , 中米地方に約 300 ( ) 種を産する。しかし , それらのうち でもっとも多く栽培されているのは カトレア , シプリベジウム , シンビ ジウム , デンドロビウム , オンシジ ウム , ファレノブシス , ミルトニア , セロジネ , ジゴペタラム , レリア カランセ , エピデンドラム , ノヾンダ などであり , 営利的にはカトレア , シプリベジウム , シンビジウム , デ ンドロビウムが圧倒的に多い。それ ぞれ自生地の環境はひどく違うが , 今日の栽培種は自生種そのものは少 なく , 20() 年前から英国で交配改良 されたものが多いので性質も原種と はかなり違ったものになっている。 1 ) カトレア ( 略号 C ) 1818 年にプラ ジルで発見されたものであるが , 他 属のランと交配されたものを総称し てカトレアとよんでいる。プラッサ ポレ , レルア , ソフロニチスなどはそ の片親となっており , それぞれ , プ ラソカトレア , プラソレリオカトレ ア , レリオカトレア , ソフロカトレ ア , ソフロレリオカトレアなどとい われている。カトレア系統のランは , 花が美しく性質はしようぶで温室ラ ンでは最高であり , 原種の生育環境 にならって , 冬は日中 22 ℃ , 夜間 15 ℃ を保ち , 植込みにはミズゴケとオス マンダを半々に混ぜたもので排水を よくし , 温室内を湿度 80 % 見当に調 節して栽培する。植込材料の過湿は 有害であり , 花や野菜に用いるよう な肥料はまったく使用しない。葉柄 の基部はバルプと称し , ふくれてお り , 雨季の生長期中に養水分をたく わえて乾季の乾燥に備え , 革質の葉 も水分の蒸散を少なくしている。根 は気根で空中に露出するが , 乾燥さ せることはよくない。夏の日光はよ しすおおいで軽減し , 冬はガラス屋 根に石灰をぬった程度で直射日光に はあてないようにする。 2 ) シプリベジウム ( 略号 Cy p. ) 熱帯 アジアではインド , ビルマ , マラヤ , ポルネオ , 南米ではコロンビア , ェ クアドノレ , ベルー , ポリビアなどの 山地の樹陰で空中湿度の高い地方に 原種が自生している。温室は半地下 式とし , 冬は 1() ~ 2 ( ) ℃を保つのがよ いが , 低温に耐える力があり , 代表 種インシグネ種は乾燥ぎみに保てば 凍らない程度で越冬する。光線は半 光線程度 , 植込材料はミズゴケ 7 ( ) ~ 80 % , オスマンダ 20 ~ 3() % がよく 極度に乾燥させないほうがよい 料は地生ランのため , 汕かす , 骨粉 を等量にわら灰 1() % を混ぜて腐熟さ せたものを・置き肥とする。花は黄 , 緑 , 白 , 桃色系のじみな模様や班点 , しまなどがあり , 一般にしぶい調子 が多く , 冬 ~ 春に開花するものが多 いが , 夏に咲くものもある。植えか えは , 優良種は毎年 , 強健種は 1 年 おきとし , その花期に応して花がす んだあとがよい。 3 ) デンドロビウム ( 略号 D e n. ) イン ド , マラヤ , フィリピン , オースト ラリア , 中国に原産するもので , 日 本のセッコクなどもこの同属のラン である。茎が直立するものにインド , 中国産のノビレ種があり , 品種は多 い。オーストラリア産のファレノブ シス種 ( 通称デンファレ ) は , 秋から 冬に咲き , 花が美しいので最近圧倒 的な人気がある。そのほか , 半直立 性のもの , 垂下性のものもあり , 花 色は紅 , 白 , 黄などが主である。茎 は多くの節からなり , 多くは柳葉で 乾季の乾燥によって花芽を分化する。 植込みや株分けは花の直後がよく , 高芽は 12 ~ 15cm に伸びて , 気根が 6 cm ほど伸びたころに分離するのがよ く , その他の時期には生長を停止す ることがある。植込材料は , ミズゴ ケ単用またはオスマンダ 20 % をまぜ る。繁殖は古い茎を 2 ~ 3 節に切り , ミズゴケに伏せておく。 4 ) シンビジウム ( 略号 C ym. ) 日本 , ビルマ , インド , 南中国原産の地生 ランで , 熱帯では標高 1500 ~ 20()0m の高所に自生する。日本で古くから 栽培されているシュンランやスルガ ラン , 台湾のホウサイラン , イッケ イキュウ力なども本属中のランであ るが , 日本 , 中国産のものを東洋ラ ンという。東洋ランとよばれるのは , このシンビジウム属のものだけであ る。葉は長く , 茎は肥大して球形と なっており , 花茎は一般に長く 1 m に及んで数十花をつけるものがある。 花色は白 , 黄 , 緑 , 緑白色 , かっ色 などで , 班点や条班のあるものもあ り , 上品である。東洋ラン系のもの は花は小さいが , 芳香が強い。栽培 は保水 , 排水ともに良好なものに植 えることが必要で , 木炭片 , はち片 , オスマンダ , 砕石などが植込材料と されている。灌水は春から夏の半 ばごろまでの生育期には多めに , 新 芽の生長が停止するころには乾燥さ
3 2 2 70 年甲斐県 , 翌 71 年山梨県となった にも恵まれて北陸の代表的温泉とさ 〔自然〕県中央の甲府盆地はフォッ れ , 設備のよい旅館が多い。わん , サマグナの一部にあたる陥没盆地で , 盆 , さらなどの漆器を生産する。ま 標高約 250 m にすぎないが , 西側に た山中節は古い盆踊甚句が民謡化し は赤石山脈 ( 南アルプス ) が 3000m の たもので , 元禄年間ごろから浴客の 標高をもってそびえ , これを越える 興をそえるためにうたわれるように 交通路はほとんどない。盆地の北東 なった。国鉄北陸線大聖寺駅から北 〔千葉〕 陸鉄道の電車が通しる。 は関東山地が 2 ( ) 0 ( ) m 以上の標高で連 なり , これも大きな障壁となってい やまなかこ山中湖山梨県南部 る。その間の地溝部が、北の八ガ岳 , にある / 富士五湖の一つ。湖面標高 982 m , 面積 6. 5 km2 , 最深 13. 2 m 。 南の新しく隆起した第三紀層の御坂 山地に境された甲府盆地で , 県の人 周囲は 13.5km で湖岸線は半円形を呈 ロの大部分は笛吹 , 釜無の二大河 し , 出入が少なく , 北西方から桂川 川か・つくったこの扇状地平野に生活 が流出する。冬季は結氷し , スケー 主。雌は淡赤かっ色で尾は雄の % く している。両川は盆地の南端で合流 トやワカサギ釣りでにぎわう。五湖 し , 富十川となって赤石 , 御坂両山 中 , 最東端に離れて位置するが , 富 らい。キジの雌より赤みが強く , 尾 地の間に峡谷をつくり , 静岡県には 士吉田市街などからのバス交通は便 羽の先端が白いので区別される。日 いる。御坂山地の南には , 富士山の 本固有の鳥で本州 , 四国 , 九州に産 利で , 南岸の旭日が丘にはキャン すそ野がひろがり , 両者の間の標高 し , 九州の中部以北のものは雄の赤 プ地があり , また湖一周のサイクリ ングも楽しめる。 / 富士箱根伊豆国 10 ( ) ()m の高原に富士五湖がある。東 みが強いのでアカヤマドリ , 九州の 部は相模が川の上流卞は川の流域で , 中部以南のものは腰の部分が光沢あ 立公園に含まれている。 〔松山〕 河岸段丘上に集落が発達して郡内地 やまなかさだお山中貞雄 1909 る白色なのでコシジロヤマドリと ~ 38 映画監督。京都に生まれ , 19 方 ( 南 , 北都留郡 ) を形成 , 国中 よばれ , それぞれ亜種として区別さ れる。留鳥で主として山地にすみ , 32 年のく抱寝の長脇差 > を監督第 1 とよばれる甲府盆地との連絡は国鉄 作として , 以後 , 外国映画の構成を 下草の密生した低木林や流れの近く 国道の両笹子トンネルによる。その とりいれた巧みな技術と新鮮な発想 ほか北東部の一隅に多摩川上流の渓 の杉 , ヒノキの林に多い。ヤマドリ により独特の時代劇映画を築く。代 谷が含まれる。気候は内陸性で , と が母衣を打っとか , ホロロ , ホロロ と鳴くというのは , 雄が地上にうす 表作にく盤嶽の一生〉 ( 1933 ) , く街の くに降水量が少なく , 春秋の農作物 入墨者〉 ( 1935 ) , く百万両の壺〉 ( 19 の結実 , 収穫期の乾燥した日射の多 くまって両翼を振ってポト , ポト , 35 ) , く国定忠治〉 ( 1935 ) , く河内山宗 い天候が水稲 , 果樹の生産に適して ポトという音を立てる動作で , これ 俊〉 ( 1936 ) などがあり , く人情紙風 いる。北部の八が岳山ろくと南部の は繁殖期に雌を , 他の時期には同類 船 > ( 1937 ) を最後に日華事変に動員 五湖地方はいすれも高冷地で , 郡内 を集めるための動作といわれる。ヤ 〔登川〕 地方はやや降水量が多い。 マドリははとんど鳴かない。植物質 されて戦病死した。 〔産業〕耕地面積は約 459km2 で , そ が主食で , こん虫もついばむ。 / ( 別 やまなかしかのすけ山中鹿之助 の 37.6 % を水田が占めるが , 県の主 刷 ) 鳥類 生没年不詳。戦国時代の武将。名は 〔高島〕 要産業は自然的条件が適することと やまなうじ山名氏室町時代の 幸盛。通称甚次郎 , のちに鹿之助。 東京市場に近接することとを利用し 守護家。一色 , 赤松 , 京極の 3 氏と 尼子氏の臣で 1566 年尼子義久が毛利 たブドウ , 桃 , カキなどの果樹栽培 交替でイ寺所身い所司となり , 四職と 氏に滅ばされてから尼子勝久を奉し であり , とくにブドウは 12 世紀末に 称せられた。本姓は清和源氏で , 新 て主家再興に奔走し , 再三出雲 , 伯 勝沼付近で自生プドウが発見された 耆うにはいったが毛利氏に敗れて京 田義重の子義範が上野 , 国多胡郡山 のにはじまるといわれ , 1875 年以後 都に走り , 織田信長にたより主家再 名を領し山名三郎と称したのに始ま 米国種 , 1941 年から岡山県のネオマ 興をはかった。 77 年豊臣秀吉の中国 る。南北朝内乱期に時氏 ( 1299 ? ~ スカット種などがとり入れられ , 栽培 征伐に従い , 勝久を奉して播磨の 1371 ) は足利給尊氏に従って軍功を 地も勝沼周辺から , 甲府 ~ 石和翳さの 上月城を守ったが , 毛利氏の攻撃に 重ね , 但馬 , 因幡 , 伯耆警う , 丹 あい落城 , 勝久は自刃し , 鹿之助は 北部斜面や低地まで拡大されて , 19 山中貞雄 波 , 美作の守護職を安堵された。 捕えられ備中合ノ渡で殺された。 64 年には栽培面積 33. 83km2 , 実収高 そののち一族で 11 カ国の守護を兼ね 〔福田〕 46436 トン ( 全国一 ) にのばった。出荷 六分一殿とよばれた。しかし , 山名 やまなし山梨〔県〕本州のほは、 量は実収の約半分で , その大半は京 氏の勢力削減を意図する足利義満の 浜市場に送られる。桃は栽培面積 挑発によって同族相争う明徳の乱と 中央 , 中部地方の東部にある県。面 23. 5km2 , 実収高 35690 トン ( 1964 ) で , 積 4463. 48km2 , 人口 763194 ( 1965 ) 。 なり , その領国を失い , 伯耆 , 因幡を 福島 , 岡山に次いでいる。扇状地は 富士山の北部にあたり , 甲府盆地を 残すのみと . なった。持豊 ( / 山名宗 果樹栽培以前は桑園が多く , いまで 除くと , ほとんどが山地の内陸県で 全 ) は嘉吉の変に功をたて , 勢力を回 も郡内地方の山腹や段丘面で栽培さ ある。県庁所在地は甲府市。 復して幕府の要職についたが , ま れ , 甲府をはしめ各地に中小の製糸 〔沿革〕かっての甲斐ま国にあたり , もなく細川勝元と対立して / 応仁の 平安時代における荘園の発達が武十 工場がみられる。山地は県面積の 74 乱をおこし , 西軍の大将となった。 % を占め , 林業は有力な財源である の興隆を促し , なかでも甲斐源氏が しかし乱後山名氏は急速に没落し , 鎌倉 , 室町時代を通して勢力を伸展 が , 奧地林や風致保安林の割合が高 やがて豊国のとき徳川家康に仕えて させた。甲斐源氏から出た武田氏は , く , 八ガ岳山ろく , 野呂川流域 , 富 但馬村岡に 6700 石を与えられ , 子孫 代々守護職となって甲斐を統治し , 士山ろくなどで活発に行なわれる程 第 ) し、一つし、オご 〔福田〕 晴信 ( 信玄 ) のとき最盛期を迎えたが , 度で , 製材 , パルプ用材が大部分で やまなか山中〔町〕石川県南部 , やがて織田信長に滅ばされ , のち徳 ある。鉱産資源も , かっては金や水 江沼郡の町。人口 13876 ( 1965 ) 。大聖 川家康の支配するところとなった。 品の産出があったが , 現在はともに 寺川中流の山地を占め , 中心市街は 江戸時代には一時柳沢氏が封しられ 衰え , 比較的多いセッコウ , ケイ石 河岸段丘上の温泉地として名高い。 たが , 金山があり , また要害の地で 温泉は行基が発見したと伝え , また のほか , マンがン , ゲノレマニウム , あったため , 幕末まで長期にわたり 硫化鉄が少量採掘されるにすぎない。 白鷺ノ湯の別名がある。泉質はイ 天領とされ , 藩は置かれなかった。 18 水力資源の面では , 桂川や富士川の オウ泉 , 苦味泉 , 泉温 45 ℃。渓谷美 ヤマナウジ ・ゑドを、 : 担をト 南西方に富士山をのぞ む山中湖。南都留郡山 中湖村に属し , 避暑地 としてにぎわっている
1 0 3 具を中心とする鍛冶の町として著 場などがあリ , 中京の臨海公園とし 寒さにはきわめて強い。木は大木と 名となり , 現在でも全国生産額の過 て知られる。美浜町の河和えう , 伊良 なる。枝は細く短く密生する。葉は 半を生産し , 全戸数の 20 % が金物業 湖岬 , 師崎の各港と , 湾口にある 小さく , 翼葉ははとんどない。果実 に関係をもつ。灘五郷に供給する 篠島を結ぶ航路および蒲郡 ~ 鳥羽 は 4 ( ) g ぐらいで果皮はたいへん薄く 酒米の産地でもある。加古川市とは 間 , 福江 ~ 半田間の航路がある。渥 むきやすい。風味は淡泊である。 12 ~ 国鉄加古川線および三木線で , 神戸 美湾の奥 . には西浦温泉などの観光地 1 月に熟する。本種の一品種で 11 月 市とは神戸電鉄で結ばれるが , 最近 があり , 知多半島の奥には半田と高 ド旬から熟するスルがユコウ ( 駿河 ほ神戸の衛星都市的性格が強い。広 柚柑 ) はやや大果では味が強い。 浜の間に長さ 651 m の衣浦大橋がか 野には大ゴルフ場がある。〔末尾〕 〔ミカンの果実〕ミカンの果実は子 〔勝俣〕 かる。 みき三木〔町〕否川県イく田郡 , みかん〔蜜柑〕 房の肥大したもので , 果皮と果肉と ミカン科の / 柑 讃岐平野の一部と南部の山地を占 橘矯類の一属 ( 柑輛属 ) をふつうミカ からなっている。果皮の表皮細胞層 める町。人口 24 ( ) 16 ( 1965 ) 。市街は高 ン類とよんでいる。多くの種類があ には油胞と有色体があリ , 未熟の間 松と大川郡長尾町とを結」 : 長尾街道 り , いすれも果樹として栽培され , はクロロフィルがあって緑色を呈し の街道町から発展し , 紡績 , 畳表 , 果実を食用にする。 ているが , 成熟するにつれてカロチ ミカン類には , 歯プラシ , 漆器などの工業が営まれ ノイドのため黄色または黄だいだい ウンシュウミカン , 早生ウンシュウ , る。農村部では , ・サトウキビ , 養蚕 色になる。内層は海綿状組織をなし キシュウミカン , コウジ , / ポンカ の導入による彡角経営が行なわれて 白色である。この部分の細胞は不規 ン , / クネンポ , / タチ / ヾナなどが きたが , 現在ではともに微し , 扇 ある。 則な形でアメーバ状細胞とよんでい 状地の砂質壌を利用したスイカ , 〔ウンシュウ ( 温・月、 l) ミカン〕中国か る。細抱間隙が大きい。果肉部は 近郊農業としての野菜載培が盛んと ら昔遣唐使がもって帰った柑橘の実 8 ~ 12 室に分かれ , 各室はふくろに とくにスイカは良質を 生から生したものと考えられている なってきた 包まれ , 果汁はその中にある細長い もって知られ , 阪神の市場に送られ 日本原産のミカン。日本の気候風土 果肉細胞に含まれている。各果肉細 に適し , 今日栽培されている柑橘の る。局松へは高松琴平電鉄長尾線で 胞にはそれぞれ柄があって , ふくろ 連絡し , 通勤者も多い。 内の維管束に連なっている。維管東 〔高〕 約 80 % を占めている。ウンシュウミ は果心部および内皮を走るものが集 みききよし三木清 1897 ~ 1945 カンと早生ウンシュウとを合わせて , まって果柄部を通じて , 枝の維管東 哲学者。兵庫県生まれ。京都大学哲 1964 年の栽培面積は 1013km2 , 生産量 学科で西田幾多郎に学び , 欧り・ l•l に留 と接続している。 は 123 万トンに達し , これは , 日本の 〔ミカンの手入れ〕ミカンの栽培は 学 , ハイデッが一らに師事 , 「存在の 果実の生産 460 万トンの 25 % を越え 歴史性」を追求した。 1926 年帰国 , 習 種類によって異なるが , 全般的にみ ている。木はやや矮性で , 枝は開き , 年法政大学教授。く人間学のマルク ると海岸の傾斜地を利用した南西暖 とげはふつうは認められない。葉は ス的形態 > - など多くの論文でヒュー 大形で , 翼葉ははとんどない。花は 地が主である。苗木の植付けは 3 月 マニズムの場力、らマノレクス主義に 新しい枝の先と葉腋に 1 個すつつく 中旬ごろがよい 3 ~ 5 年で花をつ 接近 , 知識人に影響をリ・えた。 3 ( ) 年 が , 後者は落下しやすい。花弁は 5 けるようになるが , 若木のうちは果 枚 , 白色で葯はしなびていて , 花粉 共産党同情者として検挙 , 以後教職 実をたくさんつけないから , 木を大 を辞し , 西田哲学の影響下に「不安 きくするように努める。枝の間引き , ははとんどないか , あるいはまった 切詰めは過度にならないようにし , の思想」などを論し , ファンズムに くない。果実の大きさはふつう 80 ~ l()()g , 扁球形で , 皮は薄くむきやす は「東亜協同体論」で対しようとした 枯れ枝はかならすとっておく。肥料 は春 ( 2 月下旬 ~ 3 月下旬 ) に堆肥と い。肉質は柔らかく多汁で甘酸適和 45 年治安維持法で再検挙 , 9 月獄死。 鶏ふんを , 夏 ( 6 月下旬 ~ 7 月上旬 ) している。花粉がかかると種子がで 著書は 0 ヾスカルにける人間の研 に過リン酸石灰 , 硫酸カリを , 秋 ( 収 きるが , 種子がないと落果するナシ 究 > ( 1926 ) , く歴史哲学 > ( 1932 ) , く人生 穫直前 ) に硫安および過リン酸石灰 , 論ノート〉 ( 1941 ) など。 やリンゴと異なり , 種子なしで十分 〔田崎〕 大きくなる。系統として在来系 , 池 硫酸カリを施しておく。そうか病の 、キサ mixer ・般に工業原料 田系 , 尾張系 ( 改良ウンンユウとも 防除には開花の前後に石灰ポルドー や食品を粉砕 , 混合 , かくはんする 液を , カイガラムシ駆除には初夏の 機械をいう。単にミキサといえば , ・ | よぶ ) などがあり , これらからまた ころ石灰イオウ合剤を散布する。 コンクリートミキサをさすこともあ たくさんの優良なものが生ヒ , 栽培 るが , 家庭で使う食物の粉砕加工用 / ( 別刷 ) くだもの 〔大野〕 されている。 の電気ミキサをさす場合が多い。野 みき三木〔市〕兵庫県中央南部 〔早生ウンシュウ〕ウンシュウミカ 菜 , 果実などを粉砕混合することに ンの枝変わリでできたもので , 一般 の市。 1954 年市制。人口 38542 ( 1965 ) 。 よリこれらの生ジュースをはしめ , に樹勢は弱く , ウンシュウミカンよ 加古川の支流美嚢会う川にのぞみ , 別 ダイコンおろし , とろろ , あん , ジ ) 矮性で , 枝の節間は短く , 発生数 所氏の城下町として栄えたが , 1580 ャム , 黄粉きな , 魚粉 , ペーストなど 、は多く密生する。葉は小さく色も淡 年羽柴秀吉の西国征伐のさいに別所 を短時間につくることができる。回 ーい。果実はウンシュウミカンより 20 ~ 氏が滅ばされたため袞えた。その後 転数は毎分 13 ( ) ( ) ( ) ~ 2 ( ) ( ) ( ) ( ) , 駆動には のこぎり , かんな , のみなど大工道 3 ( ) 日早く色づく。果皮は薄く裂果し たり , 日やけを生しやすい。味は淡 、カンのいろいろ 泊で , とくに酸味が少ない。 〔キシュウ ( 紀州 ) ミカン〕中国原産 - ィー 0 ん で , 明治の中ごろまで , すなわちウ 、ンシュウミカンの普及するまでは , かなリ作られていた。枝は細く密生 ; し , ほうき状の樹姿となる。葉は細 は小さい。果実は扁球形でふつう 2 ( ) ~ 30g 。果皮はきわめて薄くむきやす , 12 月中 , 下旬ごろ成熟し , 酸味 。少なく甘味が多い。おもな変種に無 核キシュウ , 平キンユウがある。 ; 〔コウジ ( 柑子 ) 〕日本在来の柑橘。 左力、ら早生ウンンユウ : 「川早生 ) , キシュウ ミカン , コウジの実 花
藩置県で , 版籍奉還後っくられてい ろくが指定されているが , あまり進 た仙台 , 角田 , 登米 : の 3 県を合併し 展していない。林野面積は 450 ( ) km 2 で て仙台県とし , 翌年宮城県と改称し , 東北 6 県中最低であり , 広葉樹林の 割合が多く , 木炭以外は生産がふる さらに範囲をひろげて現在にいた わない。水産業・は金華山沖の漁場を 〔自然〕奥羽山脈が西側にそびえ , 東にひかえ , 漁獲高は約 25.6 万トン ( 1964 ) で東北 6 県中首位を占め , そ 北東部には北上山地南部の丘陵性山 地が南北に走り , その先端は牡鹿をか の半ばはサンマである。カツオ , マ 半島となって太平洋に突出している。 グロの水揚げも・多いが , 経営の大部 また阿武隈高地が県の南端を占め 分は零細である。漁港は塩釜 , 気 仙沼矗んなど全国的規模のものをは もな疾患としては , 中耳炎 , 内耳炎 , ている。県中部の仙台平野は , 松島 耳管閉そく , 鉛やニコチンなどの中 じめ , 女川 , 石巻 , 渡波 , 閖上 - 丘陵によって北の仙北 , 南の仙南平 毒 , 婦人科疾患 , 心臓および血管の などがある。カキ , ノリなど浅海養 野に 2 分され , 北は北上川 , 迫ざ川 , 殖も , 松島湾および三陸海岸で盛ん 疾患などがある。まれに耳鳴りを他 江合川 , 鳴瀬川の沖積平野 , 南は阿 で , 松島湾の種ガキは対米輸出品と 人が聞くことができるものがあり , 武隈川 , 名取川 , 七北田の平野で なっている。鉱業は県北西部の細倉 . これを他覚的耳鳴りといい , 内耳付 ある。仙北平野は低平で , 貝塚が内 に日本第 2 位鉛 , 亜鉛鉱山があり , 金 陸部の奧深くまで存在しており , 先 近の血流高 : や耳小筋のけいれんなど 〔河村〕 は東の北上山地の大谷鉱山 , イオウ 史時代にはその一部が海であった による。 は鳴子に産する。亜炭の埋蔵量が多 モサ、 mimosa ミモサは / オジ とを示している。仙南平野は盆地性 いが , 鉱山はいすれも小規模である。 キ、ソウなどの属名であるが , 俗称ミ で , 角田 , 白石 , 村田などの盆地が モザという / アカシアは , ハナアカ 工業面では中小企業が圧倒的に多く ひらけている。北上山地の東海岸は シア ( ギンノヾアカシア ) である。オー なかでも水産加工業がその大半を占 リアス海岸であるが , 牡鹿半島の西 ストラリア原産の高さ 15 m の常緑高 める食料品工業の工場が , 全工場の からは砂浜海岸が福島県境まで続き , 4 ( ) % を占めている。これらの水産加 木である。花は黄色をなし , 30 個の その中部に松島丘陵の先端にあたる 工工場は漁港都市に集中している。 小花が集合して球状の 1 個の花にな 沈降性の松島湾が方形にくいこんで 大規模な工業としては石巻のパルプ . る。 2 ~ 3 月に咲くので , 冬の切リ いる。気候は東北 6 県中では比較的 仙台の特殊鋼 , ビールなどがあるに 温暖で , 仙台での年平均気温は 11.2 花として , 房州や伊豆などの暖地の すぎず , 化学 , 機械 , 金属工業は立 露地に栽培されている。実生 1 年苗 ℃。西の奥羽山脈の影響で , 冬季は を定植するが , 2 年苗以上は移植し 快晴が続き雪は少ない。奥羽山脈上 ちおくれ , 工業地帯も形成されてい にくく , 種子は 15 分間煮沸してから の火山蔵王要ぅ , 船形などは雪が多く , 仙塩総合開発特定地域が指定 まけは、よく発芽する。 され , 工業立地条件の整備がはから 冬は樹氷ができる。夏は南ないし南 〔浅山〕 みやいりがい〔宮入貝〕殼の高 東の風が吹き , 山形 , 福島 , 盛岡の れているが , 港湾や工業用水の条件 さ 8 mm, 直径 3 rnm くらいの小形の淡 各市より最高気温は低く , 降水量も がととのわす , その造成は遅々とし 水産巻員。殼の表面はかっ色で各螺ら 多い海洋性気候を示している。 ている 層は丸くふくれている。茨城 , 静岡 , 〔都市・交通〕県中央部にある仙台 〔産業〕耕地面積 143 ( ) km2 で , その 山梨 , 岡山 , 広島 , 福岡などの諸県 うち水田は約 76 % を占め , 牧野およ 市は人口約 48. 1 万で東北第 1 位であ の水田ゃあせのみぞなどから知られ り , 他に塩釜 , 石巻 , 気仙沼の漁業 び林野面積が少ないので , 農業の重 ている。この員は / 日本住血吸虫の 都市と , 農村に囲まれた古川 , 白石 点は水稲栽培に置かれている。この 中間宿主で , これによる病気ははじ 名取 , 角田などの小中心都市がある 傾向は藩政時代からあり , 各河川下 め広島県の片山地方の風土病として 国鉄東北本線が白石 , 名取 , 仙台 , 流の低湿地の十拓が古くから行なわ 知られたため片山病といわれ , この 塩釜を連ねて北に抜け , 古川 , 石巻 れており , 明治以後も水田増加政策 員をカタヤマガイともいったが は県中央部を南東 , 北西に抜ける が進められてきた。仙北平野は排水 れを研究した宮入慶之助の名からミ 羽東線と石巻線の 2 国鉄線で結ば 不良地帯が多く , 無数の沼が散在し ャイリガイというようになった 仙ロ , 塩釜 , 石巻は同仙石線によっ ていたが , その多くは干拓されて消 て連ねられる。気仙沼は岩手県の 〔奥谷〕 失した。米の生産高は 482 ( ) ( ) ( ) トン ( 19 関から同大船渡線が通している。ま みやぎ宮城〔県〕東北地方中部 , 64 ) で , 東北 6 県中 , 秋田県の 56.6 万 宮城県 ( 補 ) 仙台 , 塩 た仙北には宮城 , 、スと宮城中央交 トンに次ぎ , 仙南の一部では裏作も 釜 , 石巻を中心とする 太平洋側の県。面積 7285.71km2 , 人口 仙台湾臨海地区が新産 行なわれている。畑作物では大麦 , の軌道があり , それぞれ瀬峰 ~ 登オ 1753126 ( 1965 ) 。人口密度は 24 ( ) 人で , 業都市に指定され , 発 他の東北諸県よりはるかに高い。県 間 , 石越 ~ 細會間に通じている。 小麦 , ジャカ、、イモ , サツマイモ , 大 展している。 庁所在地は仙台市。 庁所在地の仙台には国立東北大学 豆などが主である。野菜類では仙台 国鉄丸森線 ( 福島 ~ 〔沿革〕大化改新後陸奥 g 国となり , ハクサイの名が高く , また冬にはホ はしめ九つの大学があり , 東北の文 槻木間 56km ) の新設工 現在の多賀城町に陸奥国府が置かれ , 化の一中心地になっている。また叶 ウレンソウがかなりとれ , 北海道に 事が進行中。 軍政の根拠地となった。 9 世紀には 移出している。しかヒ他の野菜類は 央官庁の出先機関 , 中央商社の支 いって東北経略の拠点は北の胆沢 比較的少なく , 仙台の消費を十分に がここに集まり , 政治的 , 経済的 ( に移ったが , 多賀城は平安時代前期 まかなえす関東から移入している。 もその中心となっている。 を通じて政治の中心、であった。平安 〔観光〕日本三景の一つの松島や , 白石付近の挑 , 利府のナンのはかは 時代後期からは , 奧州藤原氏の勢力 果樹栽培も活発ではないが , 亘理 東北農民の信仰の対象であった金 山をもち , また西部の山地は南の / が強大となり , この地の東北地方に 郡の海岸 , 石巻付近の海岸の砂丘地 おける中心的地位は衰えた。源頼朝 にはリンゴ , ナシ , ブドウが栽培さ 原から北の駒ノ湯まで豊富な温泉 : の藤原氏討伐後 , 葛西気、氏が奥州総 恵まれている。蔵王国定公園をは れ , また小牛田えご付近の水田中にも 奉行として石巻に居城し , 戦国時代 め , 奥羽山ろくには冬のスキー ブドウ , ナシの栽培地が若干みられ の紅葉 , 夏の登山の適地が多く , には古川に根拠地を置く大崎氏 , 仙 る。源平時代には名馬の産地であっ 台平野南部に勢を伸ばしてきた伊 形県へぬける蔵王工コーラインは たが , 現在は牛 5. 7 万頭 , 馬 9 ( ) ( ) ( ) 頭 達 , 相馬両氏がこれに加わって争 くに利用者が多い。また , 県北部 が役用に使われ , 乳牛は 3. 4 万頭に 乱が続いたが , 1600 年以後 , 仙台の 海岸は / 陸中海岸国立公園に属し 増加した。集約酪農村区として , 北 伊達氏が政をしいた いる。桜の名所阿武隈川の槻木 1871 年の廃 西部の栗駒呂山地と南西部の蔵王山 2 を ( ハナアカシア ) ミャイリがイ
ユウカショ 果実 3 3 3 ゆうかお〔タ顔〕アフリカ , イン よって経営されるものもあり , 多く ドの熱帯地方原産で , 中国をへて日 の白・貨店はその屋上に顴客サービス 本に渡来したウリ科の一年生つる草。 の一環として設置しているが , 原則 果実を食用にするために栽培される。 としては無料で公開されるものであ 茎は長く他物にまつわリ , 軟毛を有 る。施設はかならすしも広大な面積 し , 叉状に 2 分した巻ひげがある。 を要しないが , 数多く設けられるこ 葉は有柄で心臓形 , ごく浅く掌状に とが望ましく , 幼児についてはその 誘致距離は 2 ( ) ( ) ~ 3() ( ) m とすることが 裂け軟毛でおおわれる。夏に葉腋か 理想である。近年の傾向としては , ら花柄を出し , 白色 5 深裂の花 1 個 児童の空想力や創造力を助成するよ を頂生する。花には雌雄の別があリ , うな器具や材料を提供することが推 夕方開いて朝しは、むのでこの名があ 奨されている。近代的な造形美を子 る。ヒルガオ科の / ヨルガオもユウ もっていたからである。だか、江戸末 どもの遊びの機能と結び合わせたも ガオとよは、れるので注意を要する。 期には , 格式と費用だけが高くて停 若い果実は野菜として取り扱われ , 滞した遊廓よりも , 自由で安易な私 のとして , デンマークのニ ーーノレ・セン 煮食 , つけ物などにする。また成熟 によって , 1952 年に試みられたプレ 娼街のほうが活況を呈するようにな ースカルプチュア ( 遊戯用彫刻 ) があ った。元来 , 遊廓は私娼禁止の手段 した果実の果肉を薄く切って乾燥し る。また放置された建築材料を用い であり , 遊廓には私娼の探索権も与 て / かんびようとする。さらに , よ て , 自由な工作をさせる場所として , えられてあったが , 幕府の売春対策 く熟した果実は皮が堅くなるので , 1943 年にコペンノ、一ゲンに作られた の不徹底さもあって , 遊廓類似の場 果肉をとリ去って乾燥 , 加工して炭 所は少なくなかった。宿駅の飯盛 アドベンチュアガ、一デン ( がらくた 入れや茶器に利用する。なお , キュ 公園 ) などがある。 女や町芸者 , 茶屋女の売春も黙認さ 〔北村〕 ウリ , スイカなどのつる割れ病に抵 ゆうかい誘拐正式には略取と れた。明治以後に各地方警察の取締 抗性が大きいので , つぎ木用の台木 誘拐 ( 補 ) 1963 年にお こった「吉展ちゃん事 いっしょに略取誘拐といわれる。暴 下にはいってから急増し , 1924 年に とされ , とくにスイカの栽培にひろ 件」を契機として , 剏 全国 544 ヵ所になった遊廓には , そ 行または脅迫によって人を保護され く利用されている。種子にはこまか 法に身代 ( みのしろ ) 金 れらの潜在遊廓が公認された例が多 ている生活環境から離脱させて , 自 い毛があって , 吸水しやすいが発芽 誘拐の条文が新たに設 所要日数が 1 ~ 2 週間で長、く , 発芽 い。都市 , 観光地にとっては , 社ム 分または第三者の支配のもとにおく けられ , 身代金をとる 施設または繁栄策として遊廓創設の ことが略取であり , 事実を偽って人を がふぞろいになりやすい。種子の発 目的で誘拐した場合は ことに軍隊と密接な関 希望が強く , 錯誤におとしいれ ( 欺罔こう ) , または 芽適温は 25 ℃で , 関東地方では 3 ~ 無期または 3 年以上の 懲役という重刑を課せ 係があり , また遊廓の財政的魅力の 甘言によって判断を誤らせること 4 月に種をまいて育苗し , 5 月に定 られることになった ( 刑 大きかったことも見のがせない。し ( 誘惑 ) によって同様のことをするの 植 , 7 ~ 8 月に収穫する。野菜とし 225 ノ 2 ) 。 かし明治以後の遊廓は , 社交場とし が誘拐である。刑法上 , 略取誘拐罪 ての栽培は関西 , 北陸地方に多く , か ての地位を芸者たちの花柳界 , さら んびよう用の栽培は栃木 , 群馬の各 として処罰される。 1 ) 未成年者を略 県で多く行なわれている。〔渡辺〕 取または誘拐した場合は 3 カ月以上 にカフェー , キヤノヾレーに奪われ , 大部分は単なる売春街にすぎなくな 5 年以下の懲役 ( 刑 224 ) , 2 ) 営利 , ゆうかく遊廓売春営業を公認 明治末期からは廃娼運動が起 猥褻または結婚の目的でなした った された特定区画。売春を必要悪の一 こったが , 46 年の占領軍指令による 場合は 1 年以上 10 年以下の懲役 ( 刑 種とをえながらも , 社会風教上から 225 ) , 3 ) 日本国外に移送する目的で 公娼制度廃止まで存続し , その後も これを制限する必要を認め , 取締り なした場合は 2 年以上の有期懲役 特殊飲食店街 ( 赤線区域 ) として残っ に便利な公娼集娼制を採用すると たが , 58 年 4 月に売春防止法の全面 ( 刑 226 ) に処せられる。以上のこと きの指定居住地である。日本では , 施行により完全に消滅した。 / 売春 を幇助した者 , 営利または猥褻の 遊攵屋の集団居住は鎌倉時代に始ま / 遊女 目的で略取 , 誘拐された者または被 〔原島〕 るが , 16 世紀未の京都柳町 , 大阪新 売者を受けとった者も処罰される。 町の遊に至ってその性格を明確に ゆうかしようけん有価証券財 〔遠藤〕 この制度を継承した江戸幕府 産権を表示する証券で , 証券と権利 ゆうかい融解結品状態にある は , 全国に約 2 ( ) ヵ所の遊廓 ( 傾城、 それ自体とが密接不可分の関係にあ 固体が加熱されて液体になる変化を 町 ) を公認したが , 規模 , 様式の点で り , その権利を行使するには券面の 融解といい , 液体から固体になる凝 呈示が必要であり , 証券所持人は権 江戸の / 吉原 , 京都の / 島原 , 大阪 遊地として江戸時代 固の逆現象。氷から水への変化がそ の新町の三都遊廓が他を圧していた 利者と推定される効果が与えられた から名高かった吉原は , の一例である。融解の起こる温度 これらの遊廓では周囲をみぞで囲み , 証券。したがって権利を譲渡するに 18 世紀中ごろには 2 ( ) ( ) 0 ( 正確にいえば固相と液相が共存す 通行を大門の一方ロとし , 町役を は証券それ自体を渡せばよく , あた ~ 3 ( ) ( ) 0 人の遊女をかか る温度 ) を融解点または単に融点と 免除するなど , 都会の一画に特殊社 かも証券それ自体が一つの価値ある えていたという。これ いい , 純物質に固有な値である ( / 熱 ) 。 会として隔離する政策がとられた。 財産のようにみられることからこの は西村重長作の浮絵で このため有機化合物が純粋であるか く新吉原夜見世之風景〉 その中にあって , ほかに遊興施設が どうかを確かめる一つの方法として なかったために , 遊廓は単に売春地 融点測定法が用いられる。融解に伴 帯である以上の性格をもつに至った。 う熱量変化を融解熱といい , 通常 直接遊女屋へ客を迎えす , 置屋から 吸熱である。融解点は圧力によっ 遊女を招いて飲食遊興を提供する揚 屋やその変形の吉原の引手茶屋な て変化するが , これはクラベイロン・ クラウジウスの式 dp /d T = / T 」 V どはその一例である。揚屋へ招かれ ( 」レは 1 モルの物質の融解前後の体 るのは太夫とよばれる高級遊女に 積変化 , T は絶対温度 ) に従う。徹視 限られ , その客も上流階級の者が多 的には加熱による分子の熱運動が分 かったので , 音楽 , 舞踊 , 遊芸 , 文 子間に働くカより大きくなるために 芸など広範な分野に洗練された技能 分子が一定の配列をとらなくなる変 知識が要求された。江戸時代の芸術 化が融解であるが , 高分子物質の場 の多くが遊廓となんらかの関連をも 合には分子内の熱振動による二次的 っているのも , 遊廓が芝居と並ぶ二 な相転移 ( 融解 ) もある。 大娯楽機関として , 社交場的要素を 〔落合〕 花 雄 果実 ' 雌花 / ノ ュウオ