第 6 章資料の作成と引用・要約のルールー と「お手もとのレジュメをご覧下さい。その順序にそってお話しさせていただきます」と 述べてプレゼンテーションを進める。レジュメも話の展開にそった順序で項目が記されて いなければならない。全体に主要となる内容をまとめたもので十分だが , 結論は簡潔な文 章でまとめるようにしたい。 なお , レジュメは , 文書資料として配付することを前提に作成される。結論など , 重要 な内容は , 記録性という点からも , 正確で慎重な表現が求められる。 また , 個人情報や機密性の高い資料等を配付した場合は , 赤字で「要回収」と記して , プレゼンテーション終了後に回収するか , 同じく赤字で「マル秘」「貴職限り」などの印 章を押し , 他の人の眼に触れないような注意を促す。 ( 4 ) 提示資料の作成 ①提示資料の作成とコンピュータソフト レジュメの中に , 画像やグラフまた視覚的効果のある資料を入れて , ビジュアル化され た配付資料を作成することもできる。 しかし , 第 2 章での説明のように , 現在もっとも一般的で , 効果的かっ利便性の高いプ レゼンテーションソフトは , パワーポイントであると言える。 くパワーポイントでのプレゼンテーション〉の手順 a . タイトルを決定し , タイトルバーを作成する b . ポイントを箇条書きにする c . 写真やイラストなどを挿入する 。舌す原稿は , 1 分間に 300 字程度が基本である。スライドは , 1 分間に 1 枚を基 本とする。 。タイトル文字は , 44 ポイント , 文字は 32 ~ 20 ポイント程度とし , 身事情法は 1 スライドに過度に詰め込まないようにする。 。画像やイラストが , プレゼンテーションの内容を象徴しているものか , 注意する。 d . 結論は , キーワード化して , 完結に内容が伝達できるよう工夫し , 最後のスライ ドには「ご静聴ありがとうございました」といった結びの挨拶を入れる 一三ロ
7 8 ー基礎編 までもプレゼンテーションの準備のためであることを忘れず , 「集めたものの結局は使わ なかった」という事態は絶対に避けなければならない。また , 人の心理として , せつかく 集めた資料はできたらすべて使いたいということがあるだろう。だが , 漫然と資料を並べ るだけでは効果的なプレゼンテーションができないことは自明である。厳選した情報 ( 資 料 ) のみを引用 , あるいは提示する一方で「実はその裏に膨大な裏付けの資料がある」と いうことを相手にアピールするのが大切だ。 そのためには , 資料を集める過程で ( あるいは整理していく過程で ) , 特に引用や提示 の必要があると思われる内容・項目について予め抜き出しておく作業が必須となる。書籍 を精読する際に作成する「読書ノート」をイメージするとよいだろう。ページを読み進め る中で , 重要と思われる部分や引用できると思われる部分などがあった場合 , それを抜き 書きしていき , なおかっ , 自分のコメントも添えていくのが一般的な読書ノートであるが , それと同様の作業を集めた資料についても行っていくわけだ。また , プレゼンテーション の構成を考える際に役立つのが , 主な項目を抜き書きしたカードである。カードの大きさ は問わないが , 留意点は「必す 1 枚のカードには一つの項目」を意識することだ。 なお , パソコンが普及した現在 , ファイリングを含めてこれらの作業をパソコン上で行 うことが考えられる。スキャナ等の機器が備えられていれば , 資料の大半もパソコンに取 り込むことが可能で , いわゆる電子ファイル化して整理・保存できるからだ。ノートの作 成も , パソコン上で行っておけば追加 , 修正などの作業が容易となるばかりでなく , 実際 にプレゼンテーション用の資料やレポートを作成する際にも大変便利である。 ・自分が調べたいと思う事柄に関して , 収集した資料をファイリング , 内容 : ( 必要と思われる情報 ) キーワード : ( レポート等で立てた節や項の名称など ) 出典 : ( 資料の出典とともに , 書籍や雑誌ならば掲載ページを明記 ) カードの例 上で , 重要だと思われる項目をカード化してみよう。 分類した