韓国絡みで起こってくることというのは、必ず北朝鮮と込みにして見たほうがいい ともかく対日とい、つことで、両者が合同していると思ったほうがいい。実際に統一され ていなくても同じ朝鮮という国なのです。北の気を引くためにこっちと対決しているか もしれないし、それはもうどこで話をつけているかわかったものではありません。しか もそういう事情は絶対外に漏れないようにしているわけです。 実際には韓国の人が、どこまで北朝鮮派かわかったものではありません。内部で四分 六分とか、七分三分とか、そういうふうになっているだけのことです。しかし外から見 るときは、両者を込みにして見ておくほうがまともな見方だと思います。本当に心から 反北朝鮮と言っている人が韓国にどのぐらいいるか。ここは複雑です。つまり、一人一 抛人の中の気持ちが割れてしまっている。 の だから、私は安定するためには、北朝鮮と韓国が一緒になってしまうのが一番いいと 任 争思う。多分日本の「現実派」の人たちは、北朝鮮を中国が取り込んで、韓国は日本が取 戦 り込んだら安定すると思っているけれど、そんなにちょろいものじゃないという気がす 701
足りすぎてもいけないということもわかってきた気がします。でも、ある程度の衣食を きちんと保障するのがいかに大事なことかというのは、どんな社会でも当然です。 北朝鮮に対するいろいろな批判を聞きます。私もまったく好きではありません。でも 問題の根本には、北朝鮮の人間に衣食が足りていないということがあります。日本人並 みにとは言いませんが、ある程度楽に暮らしていないと話は通じません。だから彼らに 礼節を要求しても無理です。まともな考え方を要求しても無理なのです。 小泉首相が訪朝した際、北朝鮮からお土産に大量のマッタケを貰った。それが問題と されて結局捨ててしまったことがありました。私はそれに腹が立った。マッタケをとっ た人の気持ちを考えてみろ、せめて返してやれと思いました。 何も金正日が自分で摘んだマッタケではない。だれか向こうの労働者が摘んだわけで しよう。それは彼らの血税です。 いくら気に入らないからといって、それを捨ててしまうというのは少なくとも衣食足 りている人間がやることではない。礼節とはそういうものです。返すのが面倒なら日本 人の衣食が足りない人にあげればよかったのです。
よくいわれています。 これに加えて、もう一つ心理的に複雑な問題があるのではないかと思います。実は中 国、韓国、北朝鮮は、結局過去の大日本帝国というものを、暗黙のうちにまだ一種の理 想像として考えているのではないでしようか。特に北朝鮮はその典型です。 彼らは実は昔の日本のような国を理想としている。そのことは冷静に見ればおわかり になるはずです。軍事力を増強させて、経済力を強くしようとしています。中国や韓国 がやっていることはまさに戦前の日本の富国強兵路線です。結局、彼らは日本の真似を している。本来贈むべき相手をなぞっているということが暗黙の引け目となっている。 それが、おそらく一連の反日の背景にあるのではないかという気がしてならないのです。 地金正日あたりの本音は多分日本びいきでしよう。 の暗黙の引け目をもう少し噛み砕いていえばこうなります。「我々ほどの立派な者たち 争が格下と思っていたあの日本のまねをしているということが腹立たしい。先に富国強兵 戦 をやられちゃって、後追いせざるを得ない という気持ちです。当然のことながら富国 強兵などという考え方はすでに時代遅れです。そういうナショナリズムは十九世紀のヨ
0 ハ力の壁 死の壁 新「エコノミック・アニマル」は 潮褒め言葉だった 〔⑧誤解と誤訳の近現代史 韓国人は、 こ、つ考えている 田愚問の骨頂 養老孟司 養老孟司 多賀敏行 中原英臣 佐川峻 話が通じない相手との間には何があるのか。「共 同体」「無意識」「脳」「身体」など多様な角度か ら考えると見えてくる、私たちを取り囲む「壁」 死といかに向きあうか。なぜ人を殺してはいけ ないのか。「死」に関する様々なテーマから、生 きるための知恵を考える。「バカの壁」に続く 養老孟司、新潮新書第一一弾。 「ウサギ小屋」は日本の住宅の悪口ではない。 マッカーサーの「日本人は十二歳」発言の伝わ らなかった真意とは。明治天皇からブッシュま で、歴史のなかで誤解された言葉の数々。 「日本は一番嫌い。でも見習いたい」「北朝鮮と 仲良くしたいけれども、統一するのはご免」 「韓流」プームの真っ只中、気になる隣人 たちの無視できない本音を読み解く 「答えが出ない」「煮詰まっている」のは頭が悪 いからではない 悪いのは質問のほうである。 この世にはびこる愚問を斬り、世界的発見、歴 史的発明を生み出した賢問を見つめなおす。
一時的に厄介でも、北と南がくつつけば話はわかりやすくなります。どのみち同じ国、 同じ民族、同じ言葉なのです。 朝鮮が南北に分かれているということは、面倒が多いだけです。この問題は本来は旧 ソ連とアメリカが責任を持たなければいけない。彼らは、世界中に戦争を起こしたまま で、後は知らんぶりをしてばかりです。 憲法第九条と後ろめたさ 結局、中国に関して日本は傍観者でいいのではないかと思います。大陸問題に口を出 さない。そのかわり、自分の利害というのをはっきり見る必要がある。変な親中国も変 な反中国も要らない。安易な友好政策というのは、日本にとって意味がないかもしれま せん。敵対する必要はないけれど、何も日中友好が一番であるとか、わざわざいう必要 はありません。つかず離れずでいいのではないかと思うのです。 ただし中国の言っていることに正当性がないということと、こちらが潔白であるかど うかは別の話です。人間がよく陥るのは、自分が正しくないといられないという過ちで 102
ことがあります。五十年ぐらい前の時点でも中国には自分の村から一歩も出たことがな い人が人口の半分くらししオ 、 ) こ。逆にいうと、中国の村は、そうやっていても生きていけノ るところだった。それが今、近代化で壊れていっているのではないかというお話でした。 壊れつつあるとはいえ、まだ成り立っているならば、中国は相変わらず、毛沢東が言 った通り農民の世界です。そうすると、今日本にいろいろと言っているのはごく限られ た人たちだとい、つことになる。 中国の問題は常に彼らの内政問題です。こちらからすれば、中央政府、つまり中国人 の脳みそはがちゃがちや言っているけれども、身体に相当している部分、農村の人たち のことは何も見えてこない。中国が変化していくときは、内政問題として変化していく。 北京政府なんて鶏のとさかであって鶏ではないと思っていればいいのです。 統一をすすめよう 韓国が反日を何に使っているかといえば、中国とはまた事情が異なると思います。要 は反日が朝鮮統一問題の道具になっている。