中国、韓国は放っておく 靖国神社への参拝に反対している人は、中国や韓国の気持ちはどうなるのかとおっし やるかもしれません。しかし靖国問題について彼らがいろいろというのは、実は害がな いからだろ、つと思います。 彼らとしてはこの件で文句をいうのが一番都合がいい。もしも日本にまじめに抗議し て、東芝は出ていけなどと言って、本当にそうなったら彼らも困るわけです。中国のほ うが損をする。一番実害がないのがこの問題なのです。 それで彼らは日本に文句を言える。日本人も、向こうは害がないから言っているんだ ろうとニコニコして聞き流せばいいのです。それをまじめに相手にする人がいるからや やこしくなる。余計なお世話です。放っておけばいい。 だれも損をするわけでもあるまいし、得をするわけでもない もしも首相が靖国神社に行ったから損をした、という人が日本にいるとすれば、そん な商売はするなと言いたい 716
韓国絡みで起こってくることというのは、必ず北朝鮮と込みにして見たほうがいい ともかく対日とい、つことで、両者が合同していると思ったほうがいい。実際に統一され ていなくても同じ朝鮮という国なのです。北の気を引くためにこっちと対決しているか もしれないし、それはもうどこで話をつけているかわかったものではありません。しか もそういう事情は絶対外に漏れないようにしているわけです。 実際には韓国の人が、どこまで北朝鮮派かわかったものではありません。内部で四分 六分とか、七分三分とか、そういうふうになっているだけのことです。しかし外から見 るときは、両者を込みにして見ておくほうがまともな見方だと思います。本当に心から 反北朝鮮と言っている人が韓国にどのぐらいいるか。ここは複雑です。つまり、一人一 抛人の中の気持ちが割れてしまっている。 の だから、私は安定するためには、北朝鮮と韓国が一緒になってしまうのが一番いいと 任 争思う。多分日本の「現実派」の人たちは、北朝鮮を中国が取り込んで、韓国は日本が取 戦 り込んだら安定すると思っているけれど、そんなにちょろいものじゃないという気がす 701
1 ロッパででき上がった国家概念です。それを東アジアで相変わらず持ち続けている。 この心理的な問題というのは結構大きいと思います。本質はここにあるのではないでし よ、つ , 刀 おそらく現在、親中国、親韓国という日本人は、どっちかというと、下手すると中国 のほうが我々より進んでいるというような錯覚があるのかもしれません。昔の人には、 当然別な意味でそういう気持ちがあった。向こうが先輩だという意識は明治時代まで間 違いなくありました。でも、それを今でも言っているのは昔の左翼思想の名残でしよう。 それは私がその左翼全盛時代に生きていたからよくわかることです。しかし本来は中 国や韓国に対して、「あんたらが今やっていることは、我々が , ハ十年ぐらい前までやっ ていたことで、おれたちはその先の次元に行っているんだよ」ということを言えばい のです。今あんたたちがやっている路線はまずいよということを日本が一一一一口えるはずなの です。それが本当の歴史の検証というものではないでしようか。 最近の反日運動をテレビで見ていたら「日貨排斥」という文字が出てきました。また 中国は日本相手に戦争をやっているよ、と嫌な気分になったものです。まさに戦前の中
ことがあります。五十年ぐらい前の時点でも中国には自分の村から一歩も出たことがな い人が人口の半分くらししオ 、 ) こ。逆にいうと、中国の村は、そうやっていても生きていけノ るところだった。それが今、近代化で壊れていっているのではないかというお話でした。 壊れつつあるとはいえ、まだ成り立っているならば、中国は相変わらず、毛沢東が言 った通り農民の世界です。そうすると、今日本にいろいろと言っているのはごく限られ た人たちだとい、つことになる。 中国の問題は常に彼らの内政問題です。こちらからすれば、中央政府、つまり中国人 の脳みそはがちゃがちや言っているけれども、身体に相当している部分、農村の人たち のことは何も見えてこない。中国が変化していくときは、内政問題として変化していく。 北京政府なんて鶏のとさかであって鶏ではないと思っていればいいのです。 統一をすすめよう 韓国が反日を何に使っているかといえば、中国とはまた事情が異なると思います。要 は反日が朝鮮統一問題の道具になっている。
よくいわれています。 これに加えて、もう一つ心理的に複雑な問題があるのではないかと思います。実は中 国、韓国、北朝鮮は、結局過去の大日本帝国というものを、暗黙のうちにまだ一種の理 想像として考えているのではないでしようか。特に北朝鮮はその典型です。 彼らは実は昔の日本のような国を理想としている。そのことは冷静に見ればおわかり になるはずです。軍事力を増強させて、経済力を強くしようとしています。中国や韓国 がやっていることはまさに戦前の日本の富国強兵路線です。結局、彼らは日本の真似を している。本来贈むべき相手をなぞっているということが暗黙の引け目となっている。 それが、おそらく一連の反日の背景にあるのではないかという気がしてならないのです。 地金正日あたりの本音は多分日本びいきでしよう。 の暗黙の引け目をもう少し噛み砕いていえばこうなります。「我々ほどの立派な者たち 争が格下と思っていたあの日本のまねをしているということが腹立たしい。先に富国強兵 戦 をやられちゃって、後追いせざるを得ない という気持ちです。当然のことながら富国 強兵などという考え方はすでに時代遅れです。そういうナショナリズムは十九世紀のヨ
反日をどう考えるか 私には戦争責任はありません。総理大臣の中でも小泉首相の世代からは戦争の記憶が ないでしよう。少なくとも戦争の関係者ではない。本人の記億のないことについてあれ これいうのはおかしなことです。実感がないから、当時のことなんかわからない。私に 責任がないならば若い人に戦争責任があるはずがありません。 中国や韓国が日本の戦争責任について言い募り、それに対して日本人が反発するとい う状況が続いています。額面どおりに受け取れば、彼らは被害者としての心情をぶつけ ているということになります。また、戦略として反日を唱えているという説も一般的に 6 戦争責任の問題
男女の問題 なぜ女は強いのか男は極端政治家の夜動物も安定している 子供の問題 たたき込むことの大切さ 少子化はなぜ起こるのか「らしさ」が消えた 子供中心で考える大人の都合子供には手入れ「ああすればこうなる」 式とは子供と株は違、つ いじめは都市が作った大人のいじめ 戦争責任の問題 反日をどう考えるか 北京政府を相手にせず統一をすすめよ、つ憲法第 九条と後ろめたさ世論調査は怪しい被害者根性 靖国の問題 靖国参拝の何が悪いのか 私の抱えた靖国問題解剖体の慰霊国立宗教 の誕生すっきりしなくていい 中国、韓国は放っておく 708
えば仕方がない。しかし、それは結局あなた方の損になるのですよということしかこち らとしては = = ロえないのです。 何も日本人のしたことを許しなさいと言っているわけではありません。お父さんが日 本兵に殺された中国人がたくさんいるのはたしかです。その人たちはもちろん被害者で す。でもその意味では私も戦争の被害者だと言っているのです。 中国はあれだけの国力と大きな国土を持っていて、清朝のときにもっとどうにかでき なかったのですか、とこちらは言わざるを得ません。彼らはそこを一番言われたくない しか のです。韓国もそうでしよう。自分たちが日本の先輩だ、兄貴だと思うのはいい。 し、ではなぜその先輩が日本より先に何とかならなかったのかと言いたくなる。 題彼らは、日本人はずるいからうまくやったんだというかもしれません。しかし彼らの の国でも少なくとも指導者的立場の人はずるくあるべきだったでしようという話です。 争自分が不幸なのを人のせいにしていても何も解決しない。それは人生を考えれば常識 戦 でわかることなのです。 107
でも右のほおを打たれて左のほおを差し出そうとする人が実際にどれだけいるか。い るわけがない。ブッシュ大統領は典型的なクリスチャンだと言われていますが、やって いることを見れば、どこがクリスチャンなんだと思うでしよう。左のほおを殴られたら、 こんばう 相手の頭を棍棒でぶん殴るみたいなことをやっている。 被害者根性 アメリカがイラク人に「おまえらはフセインの被害者だ」と言っています。それで向 こうが全員「そうだ、俺たちは被害者だ。アメリカが救世主だ」と思ってくれればいい けれど、絶対にそうはいかないのです。本来、被害者というのは本人が意識しない限り はた 被害者ではないのです。傍から見ていくらひどい目に遭っていても関係ありません。 私は戦争については自分のことを被害者だとしか思っていません。当たり前です。 学校の二年生の頭に朝から爆弾が降ってくるし、食い物はない。空襲警報が鳴れば防空 壕に逃げ込む。要するに被害しか受けていないから、被害者です。 その考え方でいけば、中国、韓国が被害者だと延々と言い続けるのも仕方がないとい
けんかしても何にもならないけれども、ただ仲よくしましよ、つと言っても意味があり ません。友好というときは、自分のためにもなることをしないと続かない。必然性がな くては意味がない。 中国の首相もそんなことがわかっていないほど馬鹿ではないと思います。反日は政策 の一環としてやっているわけです。中国共産党というのは結局革命で、武力で天下をと った。正当性は腕力にしかないというのが彼らの根本にあるわけで、その点には十分注 意する必要があります。 むしろ北京政府の正当性とは何かということについては、日本政府は絶えず意地悪く 尋ねてみるべきでしよう。直接そう聞かなくて回りくどい言い方でもいいのです。新し 抛く誕生した中国共産党だと主張しているけれど、それならばなぜ清朝の歴代の皇帝が住 のんでいた紫禁城に幹部が巣くっているのか聞いてみればいいのです。 争第一、日本は中国共産党政府に対して一切借金を負っていません。別に今の共産党が 戦 支配している統一中国と戦争をしたわけではないのです。 東京外国語大学の学長をやっていた中国の専門家、中嶋嶺雄さんにこんな話を聞いた