感情的 - みる会図書館


検索対象: セルフコントロール
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1. セルフコントロール

示をさり気なくくり返し、それが呼吸のリズムに影響するようにしたい。 ステップ 6 腹部温感練習 ステップ 3 の温感練習でも指摘したように、温感は温感の暗示そのもので、暗示が実現する ものではない。むしろ、温感暗示による心の平静さ、落ちつき、感情的、情緒的安定さによる 血管拡張から、血流量増大という経過を経て、実際の皮膚温が上昇する。 なか 自己暗示「お腹が温かい」では、まず、なにげなく、お腹に注意を向ける。そこの部分が温 かくなってくるような感じを持つ。もちろん、そういってもすぐ腹が温かくなるものではな い。頭の中で「お腹が温かいなあ」とつぶやくこともよい。あるいはお腹をカイロで温めてい ることや、コタッに入って、お腹が温かいことを想像してみるのもよい。 法 ステップ 7 〃頭寒足熱〃 ( 額の涼感 ) 練習 示 〃足熱〃の方は、すでにステップ 3 の温感練習で十分マスターできた。今度は額、あるいは頭暗 己 自 のほうがむしろ涼しい、あるいは冷えている感じをもつようにする。 暗示は簡単で、「額が涼しい ( くり返す ) 」である。しかし、単に涼しいといっても、それだ

2. セルフコントロール

しまえばよいと考えるだろう。つまり、結核菌 ( 原因 ) ↓肺結核 ( 結果 ) だから、肺結核の治療に は結核菌を撲滅することであるという考え方である。もちろんこの因果関係は誤っていない。 実は、この考え方は素人ばかりでなく、身体疾患にみられる肉体あるいは物質的な因果関係に 重点を置く医療従事者は、多分、この考え方に固執するに違いない。 だが、心理治療家は必ずしもそうはみない。確かに夫への嫌悪感、生活態度の不一致、子の 教育観の違い、まるでどれをとっても、夫に対する妻の心理的態度には、まったくよい所が見 出せない。このことが原因となって、夫のイメージを想い起こすだけで、胃の痛みという症状 に転換して、その悪感情を代弁することになったと考える。 ル ところが、原因がそうであるからといって、「夫に対し、笑顔で接しなさい」「もう少しあな たの夫を理解する態度をもったらいかがですか」「勤務中はできるだけご主人のイメージを想ン い起こさないようにしたら」等々のまるつきり、できそうもないアド・ハイスをカウンセリングフ ル の名において受けただけで、この原因がとれてしまうだろうか、もちろん答えは「ノー」であセ み る。 の 受け入れがたいアドバイス

3. セルフコントロール

人の心理は毎日毎日変化している。明日は、今日の変化の上に、また変化を積み重ねてい 原因が今日のできごとであっても、明日になって、今日のできごとを取り消すことはでき ない。人間の成長、人格の発展は、時間的に逆もどりできない、いわゆる非可逆的性格を持って いる。明日は新しい対人関係をもち、新しい場面に直面し、新奇な体験をもっことになる。心 理治療とか性格矯正は、昨日より今日、今日より明日というように、相談に訪れた時点で、い ろいろな拘束を受けた条件下でなされる。これは、身体を物質的にみて治療する薬物治療と心 理治療との違いでもある。 もう一つ、身体治療といちじるしく異なる点がある。それは、身体治療は論理的処置である のに対し、心理治療は情動的処置である点である。 「夫に対し、笑顔で接しなさい」「もう少しあなたの夫を理解する態度をもったらどうですか」 などというアド・ハイスを素直にそのまま受けて、即座に実行できるとすれば、その人は正常中 の正常な人であるだろう。大部分はなかなか聞き入れないどころか、感情的にさらに反発しか ねない。 2 + 2 4 を受け入れるのは、その人が論理的思考能力を持っているからである。誰 でも受け入れられる内容であるからである。 ところが、アド・ハイスが感情的内容を含み、その上、アド・ハイスを受ける人の感情的状態に

4. セルフコントロール

元来、外からの視覚刺激は私たちの脳を活発化させる働きをもっているが、そのことは同時 に興奮状態をひき起こし、感情的、情緒的には不安定さをもたらすことになる。 それゆえ、眼をつぶって何も見えないということは、感覚的な働きが不活発になることだ け・にとどきらない。 心の感情的動揺をまず防ぎ、心理的安定感を増すことになる。その上、身 体を楽にした状態で、あまり身体を揺り動かさないならば、外界からの刺激は音だけである。 そこで、激しい騒音をしゃ断すると、心に平静さがもどり、感情に安らぎの状態が現われるの も、まったく論理的でもっともなことである。 心身のリラグセイションを十分行ない、筋の緊張が気になったり、注意がそちらに向くこと がないようにする。また、身体の一部に痛さやカュミなどがないよう、練習前に調整する。 瞑想練習はまず基礎練習から入る。ただし、重・温感などの試行を各ステップごとに分けて 行なわない。全体の練習過程の中で、各基礎練習試行を行なう。 法 基礎練習の終了後、特定の感覚にこだわらず、またイメージなどを用いないで、身体全体へ 示 の注意に切り換える。やや意識水準が下がるがそれでよい。拍動も平静になり、呼吸も吸気が暗 己 自 大きくなり、ゆっくりした呼吸となる。身体の特定の場所からの刺激もなくなり、身体全体が 安静化、安定化した状態になる。何かのイメージが浮かんでも、それにこだわらないで、浮遊盟

5. セルフコントロール

メンタルリ、 ーサルは動きがあるため、きわめて現実に近い。さればといって、現実にはと ーサルでは想像でき、感情、情緒の表現が自由にで ても起こりんないことでも、メンタルリハ きる。 方法は、イメージ練習とほとんど同じで、情景というより、状況として想像するので、そこ ーサルの課題が、抽象的であって にさまざまな現実に似た条件をいれやすい。メンタルリハ も、練習では、現実の状況の再演として想像してみる。 また、イメージ練習と同じように、単なる空想、深刻な感情、ショックを伴うこと、白昼夢 に陥ることなどは避けたい。 「人前で、話す」では、まず朝、家族と食事をし、新聞の話題を話し、会社で部下と朝の雑 談、仕事の打ち合わせ、上司に報告するなどに進む状況を思い浮かべるがよい。 ステップ瞑想練習 瞑想とまでいかなくても、まず眼をつぶってみよう。外界はしゃ断され、物は見えない。私 たちがもっている視覚は五感覚のうちでは、もっともその働きが活発で、鋭敏性において圧倒 的に他の感覚より優れている。

6. セルフコントロール

重要な番人である。 ところが、こんなに重要な働きをする神経であるのに、この神経の働きをわれわれは直接意 識して、さまざまな働きをするよう命じることができない。自分の心臓を速くしようと努力し てもまず不可能である。お腹の調子が悪いので、お腹の付近にある血管を広げて、血液量を多 あたた くし、温めようとしても、これもまずできない。冷や汗などかこうとしても、かけるものではな いが、教室で思いがけないときに当てられたり、そっとするようなことに出くわせば、冷や汗 が出ないように努めても自然に出てしまう。 その上、自律神経の働きそのものにはちっとも気づかない。人前で失敗をしたり、身の毛の よだっ思いをしたりすると、自律神経の働きで、血管が収縮し、血液量が減少する。そのため、 毛穴が収縮して、そのあと冷ややかな感じと、毛穴が狭くなった知覚が身の毛がよだっと感ず るのである。いずれにしても、われわれは自分の意志で、自律神経の働きをコントロールする ことができないのと同時に、自律神経の働きそのものを直接意識することができないのである。 その上、感情や情緒の大部分は、意識でコントロールできない自律神経と密接に関係してい ることが、いろいろな研究から確かめられている。心に悩みや葛藤がある人、あるいはノイロ ーゼになっている人は、不安や恐怖が強く、緊張が高いこともよく知られている。それゆえ、 なか

7. セルフコントロール

く始末が悪い。もちろん、テストの種類とか、実施場所の状況などによっても、あがりの状態 ~ いが出てくる あがりは、入社試験や入学試験の面接時にも、当然起こる。自分の名前や学校名を聞かれて いるのに、まったくトンチンカンな返事をしてしまって、そのときは無我夢中であったもの が、後になって、赤面の至りの思いにかられることがある。恥ずかしい思いにかられるどころ か、面接時には意識していたに違いないのに、どんな質問をされたか、どんな返事をしたか、 どんな人が面接者であったか、面接後に皆目忘れてしまっている場合もある。 このような場合には、多分相当あがってしまっていたのであろう。考えや記應、感情などが まったく・ハラ・ハラで、はっきりしたまとまりがないので、意識した記憶痕跡となって残らない のである。 試験や面接時のあがりに似ているものに、スポーツやゲームの試合中のあがりがある。普段 の実力が十分出し切れないのは、試合の時にのみ起こる感情的不安定性のためである。人前で の試合がとくにいちじるしいなどの点も、テスト不安ときわめて類似している。違うところ は、一方は頭脳の心理的活動であり、スポーツやゲームの試合は比較的、身体的運動である点 である。

8. セルフコントロール

には、自分の意志・意図によって、その歪みの矯正を図るという点で、セルフコントロールの 一種である。自己概念の歪みとしての劣等感情や神経衰弱症状に悩むグライエントは、他人か ら、いかに自分の劣等感情が真実でなく、そう思い込んでいるにすぎないと、理論的に説得され ても、それにすぐ応じ、従うことはできない。だからといって、自分の意志で、この劣等感は 不当なもので、自分の思いすごしだから間違っていたと気づいて、真実の自己にもどすことも できない。わずかに残るセルフコントロールの力を基に、訓練やカウンセリングによってセル フコントロールの力を強くして、制御することが可能になるのである。 クライエントのある心身症状の除去や矯正は、その症状や障害を直接変容しようと意図する セルフコントロールによって成功するとは限らない。むしろ、その変容と直接関係はないが、 自分の意志による訓練や心身の変容過程をもっことによって、結果的に随意的制御ができるよ ル うになる。心身の随意的弛緩訓練による不安・恐怖反応の軽減などは、このセルフコントロー ルによって可能となる。 ン コ つまり、症状や反応を除去しようとする意図とは直接関係をもたない身体の弛緩訓練は、そ ル れ自体は自分の意志や意図によって行なわれる。この身体弛緩訓練は、不安反応の軽減や注意 セ 集中の効果をもたらすので、結果的には、随意的にコントロールできなかった不安・恐怖反応

9. セルフコントロール

知覚像の変容 ところで、さんとの二回の面接から、最初は夫婦のお互いの生活態度の理解不足、趣味の 不一致から、子どもへの接し方、しつけ、教育観の不一致と進み、最近では、顔を見るのもい や、せき一つでも気にさわるという。少しむずかしい言葉でいえば、さんは対人知覚の歪み から、今では感情的、情動的障害を引き起こしている。治療はまずこの感情的動揺、情動的不 安を安静化すると同時に、自分から相手の姿を見る知覚像を変えることが、もっとも有効であ ることがわかる。ちょうどカウンセリングと催眠暗示を一度に実行すれば、もっとも効果があ がるというケースであった。その効果的治療法とは自己暗示法である。 治療者は、自己暗示法そのものを実施するのではない。そのやり方を最初に説明、指導する だけである。自己暗示法では、なによりも自分から直すという力が体験されることである。そ の上、自宅でできる便利な方法である。 また、どんな有効な暗示でも、それを受け入れる器がなければならない。その器を提供しょ うとするのが自己暗示法の目標である。 さんは、筆者の説明をまったく素直に聞き入れ、まず相談室で練習してみたが、こちらが 期待する結果が出なくて、すまなそうな顔をしながら、不安と自信のなさの気持ちを持った。

10. セルフコントロール

が存在する。しかし、勤務日以外、時間外の私的な関係においてもタテ関係が支配していると ころに、重大な問題がひそんでいる。こうした私的な場をも支配するタテ関係は、実はきわめ て不安定で、かっ、もろい性質をもっている。というのは、両者の主な結びつきは上から下へ の一方通行である点である。とくに、私的な対人関係でもっとも重要な感情や情緒の相互交流 がほとんど望めないで、一時的に特定の情報だけが、上から下へ流れるだけに終わってしまう。 それに対し、ヨコ関係では、感情、情緒の人対人の相互交流が盛んで、孤立感や孤独感を持 っことはきわめて少ない。 しかし、人の性格によっては、たとい、職場や学校、サーグル、趣味の集まりなどでヨコ関ル 係が確立していても、その中にとけこめない、引っ込み思案になる、極端に内向的な人がい ン る。こういう人にとっては、あるときにはタテ関係のほ、つが心理的に安定することがある。ま コ た、劣等感が強い人は、こんなことをいうとバカにされる、無知だ ル セ と思われると思い過ごし、人と接するのを恐れる人もいる。 と また、もともと内向的だが、ある機会に他人から、「あなたの顔な の ~ ′い」とか、「あれ、顔が赤くなった」などといわれて、別に顔 が赤くならなくとも、その言葉がもとで赤面恐怖になり、友だちを タテ関係