血管拡張 耳 き方 とた をえ 張与 拡を 管酬 血報 血管収縮 反対側の耳 4 しかし、人間を被験体とするシャビロ、シュ ワルツの・ハイオフィード・ハックによる心臓血昌 運動反応の制御に関する大部分の研究では、 フィード・ハックされる信号は、強化についての 「方向、内容、意味が被験者に教示されていない。 こうした場合には、第一に強化刺激が絶対必要 練習であること、第二に強化刺激は行動変容を目ざ = 別すその反応の変化との結びつきが強くなければ 法 のならないことが条件である。キンメルらの一連 運の研究やその他のアメリカの・ハイオフィード・、 血ックのほとんどの研究が、フィードバック情報 あるいは強化刺激の意味や方向性を被験者に告 ズ ネ げないで、行なわれている。 筆者およびその共同研究者らは、人間につい ての多くの実証的研究を行ない、動物ないし人 157 パイオフィ
よう努めて下さい」といい、さらに各試行後に心拍の変化の状況を被験者に知らせる。 第二群には、自分の心拍の変化を知らせないで、ただ心拍を遅くするよう教示する。 第三群 9 ィード・ハッグ群 ) には、最初の教示は何もいわないで、ただ、毎回の試行後に心拍変 化の結果のみを知らせる。その結果は前ページの図のようであった。 すなわち、ただ心拍を減少させるようにいわれるが、自分の心拍変化を知らされなかった群 と、、い拍の変化をさせるよう教示されないで、心拍変化だけを知らされた二つの群は、ともに 心拍の変化を実際にはほとんど示さなかった。 それに対し、自分の意志で心拍を遅くするよう努め、同時にその結果が知らされた群は、他 の二群とははっきり異なって、平均した心拍数の減少を示している。この事実は、前の実験結 果と同様、被験者の意図、意志、努力が、自律反応にも影響を及ばすことを示すとともに、 ード・ハックにおいても重要な役割を果たしていることを示唆している。 の要因がパイオフィ したがって、この手続きは一種の自己暗示とみることができる。いわゆる偽フィードバッグ と呼ばれる手続きと基本的には同じで、一種の暗示であるといえる理由でもある。しかし、禅 やヨガと異なって、訓練経験が少なければ少ないほど、訓練結果の外的フィード・ハッグ情報に よって反応の変容が促進されるようである。
意志が入りにくい実験的操作をとっている。強化因もその方向性や意味づけを被験者にあらか じめ教示しない手続きを用いている。この事実は、一方ではアメリカの行動主義の伝統やそこ に流れる、意識を対象とすることを回避しようとする研究者の無意識的態度がうかがわれる。 ミラーらが一貫して被験体として動物を用いていることは、意図や意志も働かず、強化 因の意味をあらかじめ教示されることが無意味であることと深い関係がある。 人間は、セルフコントロールやパイオフィ ードバッグの操作がとれることで、動物とは異な った特質があることを、ミラーらの研究と筆者らの研究との比較で、顕著な対照を示してくれ バック訓練法 163 パイオフィ
フィード・ハック技法を適用できないだろうか。それは日本にある禅・内観法・森田療法、ある いは僧たちの特別の修行である。日本だけでなくインドのヨガもそうである。まだこのパイオ フィードバッグの本質は十分解明されていないが、禅やヨガなどと共通の特質があるに違いな パイオフィード・ハック説で強調されたのは、血圧のように、私たちが自分の意志で直接上げ たり下げたりすることのできない、いわゆる不随意反応が、ある手続きによって随意的に制御 できるという、きわめてショッキングな事実の発見であった。 なぜ随意的制御が可能になるのか。 ある心理状態のとき起き、しかも自分の意志で制御できない生理的反応 ( 血圧や心拍、脳波な ど ) の変化を、人が認知できる生理的指標に瞬間的に変換し、その指標を被験者に提示する。 被験者はこの指標を認知する。つまり、意識しない身体内の特殊な感覚受容器による生理的変 化と、この認知が結びつくことになる。 その訓練をくり返せば、やがて意図的な努力で、身体的・生理的変化をも、随意的に制御す ることができるとするのがパイオフィードバックの理論である。
6 7 ①あまり意識して、身体、とくに肩を動かさ ないようにする。 ②女性では腹式呼吸が十分できない人が多い ので胸式呼吸でもよい。 ③呼吸のリズム調整は自己暗示だけでなく、 の 足 心の平静をとり戻し、心を落ちつかせる基 手 本練習の一つであることを心にとめる。 接④呼吸は〃コキュー 〃といっても、被験者に 両 よっては〃イキ〃といってもよい 着⑤呼吸のリズムは拍動にも、直接影響を及ぼ 面 背 すので、リズミカルな呼吸調整は弛緩訓練法 全体の練習にとっても重要である。 弛 ④身体緊張の教示 己 自 弛緩方法は一七〇ページに示したように五つ
い浮かべたりする、いわゆる意図的関与をし、心的ストラティジを用いた場合には、生体の反 応がフィードバッグされれば、い拍増加がいちじるしく起こるが、フィードバックなくしても生 じることが確証された。 フィード・ハック情報の働き ところで、今までの研究では、・、 ノイオフィード・ハッグが効果があるのは、自分の生体反応が 内受容性認知が起こると同時に、生体反応が外的な感覚信号に変換され、本人に感覚信号とし て認知されることが必須条件とされてきた。したがって、自分の生体反応がフィードバッグさ れないか、無関係な情報、偽の情報がフィードバックされても、生体反応を変化させる効果は贓 ないとされている。それは、外から受ける生体反応情報とわれわれの生体の中で脳に伝えられ る内受容性のフィードバッグ情報とが一致しないために、生体反応を変化させることができな いと説明されてきた。 これに対し、べィリンズは偽の情報をフィ ード・ハッグして、偽の情報の方向に生体反応を変 容することを実証したが、理論的にはこれについて明らかにしていない。沢崎らはべィリンズ とほぼ同じ実験手続きで心拍の偽のフィードバッグ情報を被験者に与え、被験者はそれが自分 161 パイオフィ
ときその反射を視覚的もしくは聴覚的信号 に変換する装置 ②動機づけ、あるいは報酬 ム 実験条件下の被験者でない限り、治療した スタ シグ い、なおりたいという意欲や動機づけがあ ク製 る。したがって、あらたまって特別な動機 づけは通常不要である。報酬も実験でない ドン 法 一セ限り、物的報酬は避ナこ、。、 をオしむしろ人では踈 フ教 すでに動機づけはあるので、心身の反応が 変換装置によって起こる視聴覚信号を知覚 すれば、その信号が報酬になる。たとえ ば、高血圧のクライエントならば、赤が血オ 圧の上昇、青が下降ということを前もって 教えておけば、青信号は自動的に報酬の役 ・キャツツ・ポー )
コントロール方法の不明確さ ハイオフィード・ハックという言葉は、今日ではきわめて多義的内容を含むようになってい る。それは、言葉自体がそうなったというよりは、むしろ、最初、単純な内容をもっ現象と思 われていたものが、実は一般化した原理・原則でさまざまな現象を説明したり、解釈したりで きるようになったためである。 つまり、 バイオフィード・ハッグを一般化する原則、法則性が、ある現象にしか適用できなか ったのに、やがて他の現象にも適用できるようになり、元来のパイオフィードバックの概念そ のものが拡張されてしまったのである。今日では、むしろ、もともと用いられていたパイオ フィード・ハックとは何かという問題さえ、議論の対象とされている。 ハイオフィード・ハック研究の第一人者シュワルツは、・、 ノイオフィード・ハックとい、つ一一一一口禾は一 九六〇年代末に生まれ、生理過程の随意コントロールを開発する方法とその理論を指すもので ノイオフィ ある、としている。さらに基本的には、・、 ードバッグとは、生理反応 ( または生理反応 バターン ) に関する情報を、光、音、触覚刺激といったかたちで被験者に提示し、それによっ て、刻々と変化する生理的状態を知らせるという生物・医学的手続きを指す。この新しい情 報、すなわちフィード・ハック情報の助けにより、被験者は次のフィード・ハック情報を変容・コ ードバック訓練法 151 パイオフィ
アメリカ人を被験者とする研究では、元来ネズミなどの動物実験から出発したためか、被験 者に対し、ある心理状態を作る意図的努力の教示をほとんどしていない。アメリカ人が禅やヨ ガ、瞑想訓練、自律訓練に弱いのは、案外このような主体の心理的訓練を無視する研究者の態 度が影響しているのかも知れない。 自己暗示の集約としての禅は、生理的変化の感覚的フィード・ハッグも報酬もないのに、脳波 の波制御 ( 安静状態 ) に成功している。この事実は、自己暗示のみによっても、身体的生理状 態の変容に導くことができることを臨床的に実証するものである。 意志による変容 このように、自分の心身の状態を、自分の感覚器官を通じて知りうると、元来制御できない はずの心身の変化が、自分の意志で制御できるようになるというのがパイオフィードバックと いう行動変容技法である。 しかし、それよりもこの技法からわかった重要な発見は、私たち以外の人や機械によって、 これが自分の心身の変化だと指示されれば、つまり暗示内容を与えられれば、その方向に心身 の変化が生じてしまう事実である。 ードバック訓練法 143 パイオフィ
つぎに信号の内容を注意集中の方向と関連さぜて説明する。つまり、青信号は血圧の下 降、情動の安定、心拍率の減少などを指示していることを説明する。 最初、装置の使い方、訓練の方法については、・、 ノイオフィード・ハッグの専門家などのもとに 行なわれることが望ましい。また、高血圧といっても、本態性高血圧などに有効とされ、その 他の高血圧症については、他の医療が有効であることはいうまでもない。近年ある種の偏頭痛 などにも適用して、成功している。いくつかの研究によると、動機づけがあるかないかは、そ の効果にいちじるしい影響がある。 アメリカで行なわれている方法では、グライエントや被験者に信号の意味を明らかにしない し、またリラグセイションや本人の注意集中などのさりげない意図的努力、つまり受動的集中 などをやらせない。 しかし、これはアメリカでは、座禅や瞑想訓練などの一般的知識や体験が 不足しているからであろう。日本においては一般の知識や座禅などに類似した訓練体験が多々 あるので、教示によったほうがより有効である。 ・ハイオフィード・ハック訓練に先立ち、あるいは併行して自己暗示のそれそれの練習をして も、効果は上がりこそすれ減弱することはない。 ードバック訓練法 149 パイオフィ