危険性 - みる会図書館


検索対象: 原発の闇を暴く
236件見つかりました。

1. 原発の闇を暴く

プルトニウム 239 のおよそ二七〇倍以上になる。むしろ半減期が短いほうが危険なので す。 だから、「ヨウ素は半減期が八日だから大丈夫」「体外に排出されます」なんて言ってい る学者がいることが、私には信じられない。放射能は消えるのではなく、「放射性壊変」 といってはかの物質に変っていくのです。その過程で体内に傷を残せば、もうそれでガン 細胞が生まれて、体内で静かに増殖し、さらに転移して体をむしばんでゆく。それがガン のこわさだということぐらい、誰でも知っているでしよう。半減期が短いから安全、長い から危険というのは間違いだということを、日本人は知っておく必要がある。 「原発震災」は今後も必ず起こる 広瀬実を一言うと私は、東日本大震災が起こった時、最初は福島より青森県六ヶ所村の再 処理工場を心配していたのですよ。あそこは日本中の原発からすべての放射性廃棄物を集 めてきた最大の危険プラントで、福島原発事故で分った最大の教訓は、絶対にこのように 一ヶ所に危険物を集めてはいけよい、 ということです。六ヶ所村は今とても危険な状態に

2. 原発の闇を暴く

ら、日本政府がこれら企業に発電を指令すれば、一夜にして問題が解決します。私が総理 大臣であれば、ただちにその政策を実行します。そして、危うい既存の電力会社に電力を 依存する社会から日本を解放します。 もう一つ、福島原発事故で明白になったことは、一ヶ所に発電能力を集中すれば、予期 せぬ天災などによる危機的事態で、日本全体の経済が麻痺させられる、という危険性です。 そのことは被災地に限らず、日本国民が骨身にしみて分ったでしよう。したがって、電力 会社に電力を独占させず、これら大企業群に発電を実施させれば、日本全土に、自然と小 型の分散電源が生まれます。 明石原子力推進派は今まで、原子力が「安定供給の確保」「経済的効率性」「環境適合 けんでん 性」のすべてを満たすエネルギーの「優等生」だとして喧伝してきました。ところが福島 の事故でそのすべてが幻想であり、嘘つばちであったことが判明しましたね。原発がなく ても「安定供給」は可能なことが明らかとなり、「環境」は放射能で汚染され、経済的効 率性にいたっては、事故の賠償や後始末で、天文学的な数字の損失が予想されます。これ で、原発が優等生どころか、最悪の劣等生だったということが証明されれば、原子力推進 226

3. 原発の闇を暴く

はたいしたものだと思いました。それがジャーナリストだと思うのですよ。 今回はでも、まともな記者が一人も出ていないでしよう。科学文化部の山崎淑行 記者は、高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開の時に「世界が注目している」などと解説し てきた素人だし、水野倫之解説委員は、東海村 h00 臨界事故の時に中性子線が放出され ている危険性を警告しなかった人物です。 明石ただ、さすがに水野解説委員も今回は「国の危機」を感じ取ったのか、「東電は情 報を隠さずに出すべきだ」とニュース番組で発言していましたよ。そのせいなのかどうか 分らないけれど、しばらく画面から消えていた時期がありました。じきに再び解説者とし て復帰していましたが。 広瀬しかし彼らは、事故直後に関村のような学者を毎回登場させて、お説ごもっとも、 とやっていたじゃないですか。私は信用ならないね。みんな、よく選んだものだと思うぐ らい全員が原発の推進者、つまり利権者であってね、だから、ニュースでもワイドショー ごようたし でも、出てくるのは東電御用達の学者ばかりだった。藤田祐幸さんは長崎に移住している けれど、事故発生当夜にフジテレビでコメントし、「これから東京に行ってテレビ局から 124

4. 原発の闇を暴く

明石福島の汚染水を、六ヶ所再処理工場に持っていくという話も出ていたらしいですね。 広瀬あれはとんでもない話だ。青森県の住民にとっては = = ロ語道断ですよ。さらに、六ヶ 所再処理工場と同じ最低の耐震性の大間原発で、プルトニウムとウランを混合した 燃料を全炉心で使う「フル >O>< 」をやろうというのだから、下北半島に対する住民の不 安は、ますます大きくなっていると思います。 >O>< 燃料を使う場合、中性子を吸収して 核分裂を止める制御棒の機能が低下することはもう分っているのです。今の青森は非常に こわい 明石青森県だけでなく、津軽海峡をはさんで対岸にある北海道の函館市だって大間原発 から一八キロしか離れていないですよね。事故が起これば北海道も巻き込んだ甚大な被害 になる。 広瀬二〇一〇年の年末ですよ、青森市に行って「世界的に太平洋プレートが動いている から大地震が間近だ、危険が迫っている」と話したのは。でも、それを食い止める前に地 震に襲われた。 明石すでに多くの人たちにとっての共通認識になってきたようですが、中部電力の浜岡 77 第一章今ここにある危機

5. 原発の闇を暴く

のだから、あの子たちは。ます子供と妊婦、若い女性は、もうこの連中を信じないで逃げ ること。それも何キロとはいえない、私は少なくとも福島第一原発から東京の距離二五〇 キロぐらいより遠くに逃げないと危ないと思っている。あとに残る人は、その危険性をち ゃんと認識した上で、あきらめて自分の人生を選ぶしかないとしか = 一一口えません。どうした らいいのかと尋ねられると方法はない。大事故が起これば方法がない、解決策がない、だ から原発に反対してきたんだ。被害は半永久的に続くというのが、原子力災害のおそろし しところだ。 明石不幸にして日本はそういう時代に突入してしまったのだ、というのが現実だと思い ます。でも、テレビや新聞は大変飽きつばいですね。事故発生から二ヶ月ほどが過ぎると、 事故はまだ収束していないし国土の放射能汚染が消えたわけでもないのに、福島原発事故 関連のニュースの数が極端なまでに減ってしまいました。 広瀬日本人は甘いよ。中国産の農薬野菜がどうとか、あんなに騒いでいた日本人に私は 言いたいですよ、何をあなたたちは騒いでいたのかって。毎日テレビをつけるとサプリメ ントだとか健康食品だとか言ってね。放射能をかぶった健康食品を食べたって何の意味も 63 第一章今ここにある危機

6. 原発の闇を暴く

者たちは、法律上「未必の故意」に該当する重大な犯罪者であって、被害者に代って、司 法がその罪を裁かなければならないはずだ。未必の故意は、過失とは違う。起こり得る危 険性を知っていながら、それを放置して、大事故が起こるべくして起こった、ということ だ。その結果、膨大な数の子供たちの肉体を放射能がむしばみ、これからの人生を生きて ゆくあの子たちの生命を危機にさらしている。 加えてマスコミには、東電による被害者賠償は「電気料金の値上げで資金をつくって」 おこなうなどという信じ難い、許し難い報道が流れている。罪を犯した加害者が、被害者 から金を集めて、被害者に賠償金を支払うとは、一体どういうことだ。なぜ、そのような 違法を日本人は認めるのか。日本は法治国家ではないのか。その責任者たちがまったく平 気で生きていることが、私にとっては許し難いことである。報道番組に出ている者たちが、 いまだに「原子力は必要です」としゃべり続けている。事故の原因や遠因をつくった危険 おおうそ な大嘘つきが、それを犯罪として追及されないようにと、今や「放射能は危なくない」と 叫んで、ますます子供の健康を危ない方向に誘導している。こうした山のような事実が、 目の前にある。この種の人間たちが、今もマスコミに徘徊している状況は、「一一 = 口論の自由」 9 まえがき

7. 原発の闇を暴く

ませばすむだろうという甘い考え方だから、世界中が日本の放射能垂れ流しに強い危機意 識を抱いて、日本の信用がなくなってしまった。長い間にわたって築いてきた日本プラン ドの信用は、取り返しがっかないところまできた。産業界や観光業界が立ち上がって原子 力を拒否しないと、この信用は取り戻せないでしよう。 それにもう一つ言いたいのは、「半減期」という一言葉に、日本人がだまされていること だ。ョウ素 131 の半減期が八日とかセシウム 134 が二年とか、御用学者も保安院も、 安全性を強調するために半減期が短いものだけ取り上げて、あたかも放射能が消えるかの ように言う。あれほど素人だましの言い方はない。半減期とは、半分に減るだけであって、 放射能は消えないのですよ。半減期が八日とかなり短いョウ素 131 でさえ、危険度が小 さいと言える一〇〇〇分の一になるまでには八〇日もかかる。約三ヶ月です。しかし今回 のように最初の放出量がとてつもなく大きければ、この数字だってまったく意味はない。 一〇〇〇倍の一〇〇〇分の一が、ようやく一だからね。大被害を出すセシウム 137 は半 減期が三〇年だから、一〇〇〇分の一になるには三〇〇年かかる。注目すべきは、最初の 放出量ですよ。

8. 原発の闇を暴く

う。人命救助を阻んだ東京電力の罪は重いと思います。 そもそも国は、原発事故時における周辺住民の防災対策は「原発から半径一〇キロ圏内 までで十分」としてきたわけです。一〇キロを超える被害など起こらないと「想定」して きた。このことだけをもってしても、国は事故の責任から逃れることはできません。 広瀬マスコミで取り上げられない、そのような被害者の無念さこそ、最大の問題ですね。 福島には、すばらしい有機栽培を営んでいる農家がたくさんあった。私はそうした県内農 家の人たちに招かれて、原発の危険性を話したことがありました。その彼らが精魂こめて つくり上げた土壌を汚染してしまった。福島だけでなく、東北は日本の食料基地です。海 も山も、です。それがどんどん汚染されて出荷制限されていくのを見るのがつらい。原乳 も搾っては捨てられてゆく。私は大学に入った年、東北の開拓農場に働きに行って初めて 人生を教えられた人間なので、野菜の出荷制限は到底許し難い。地震、津波だけでもたく さんの被災者がいて、国を挙げてみんなで助けなくてはいけない時に、放射能のためにポ ランティアも入れなかった。誰もいなくなった二〇キロ圏内には、しばらく行方不明者の がれき 捜索にも入れなかった。ひょっとすると瓦礫の下でまだ生きていた人たちがいたかも知れ 19 第一章今ここにある危機

9. 原発の闇を暴く

かくはん ような作業をしたのですよ。その結果、今度は突っ込んだ攪拌棒が抜けなくなってしまっ のぞ た。危険で近寄ることもできないので、しかたなくカメラで覗いてみると、棒がひん曲が って、さらには炉の耐熱材として使われているレンガがノズル部分に落ち込んでいること も判明した。こんなマンガのような能力で、デッドエンド。 その結果、固化することもできないまま、高レベルの放射性廃液が二四〇立方メートル もたまってしまった。この廃液は強い放射線を出して水を分解し、水素を発生させます。 絶えず冷却して、完璧に管理をおこなわないと爆発する、きわめて危険な液体なのです。 この廃液が一立方メートル漏れただけで、東北地方、北海道地方南部の住民が避難しなけ ればならないほどの大惨事になる。私が原発の反対運動を始めた最大の動機は、一九七七る あ 年に、再処理工場の大事故について西ドイツの原子力産業が出した秘密報告書の内容に震 え上がったからです。廃液のすべてが大気中に放出されれば、まず日本全土は終ると見て 今 章 しいでしよう。こんな危険な場所で耐震工事をできるわけがない。 第 おまけに、六ヶ所再処理工場は今回のような津波の想定すらしていません。高台にある から大丈夫だというが、海岸からたかだか五キロくらいのところにあるのですよ。あそこ

10. 原発の闇を暴く

です。しかし、過保護に育てられてきた電力会社も、原発メーカーも、電力の自由化が進 めば高笑いしていられないでしよう。ここまで原発の危険性が公に認知される事態となっ たからには、反対運動にも勢いが付いて、そう易々とはつぶされないと思いますよ。 広瀬何よりも重要なのは、日本に原発はまったく必要ない、即時すべて廃炉にできると いう認識を日本人が持っことです。日本人の生活と企業に必要なのは、原発でも放射能で もなく、電気なのです。発電法を発明したのはイギリス人のマイケル・ファラデーなので あって、電力会社ではない。なぜ、その発電法を電力会社が独占して、ほかの業者を排除 する権利があるのか。 国民は一刻も早く、誰もが自由に発電し、危険性のない電気を自由に使える社会を求め て、声を上げるべき時です。次の大地震の到来を考えれば、一刻の猶予もありません。次 の原発震災から助かるために急いで求められているのは、国民一人ひとりの意識改革なの です。文化人が好きな道徳論は、生き残ったあとですればいし ガス台頭で原発はますます御用済みに 228