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検索対象: 原発の闇を暴く
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1. 原発の闇を暴く

専門家を名乗る御用学者は「水素爆発で原子炉建屋は吹き飛んでも、圧力容器は健全だ」 と解説をしていた。が、しばらくすると圧力容器「健全」説は破綻し、メルトダウンして いたことが明らかになる。環境への放射能の放出量にしても、事故発生からの数日間だけ で実に七七京べクレル ( 行 x 川の乗べクレル ) にも及んでいるのだという。住民の健康被 害が顕在化するのも時間の問題だろう。 と思う。ただし、電力会社 そんな中、おそろしい本が出来上がってしまったものだ や御用学者にとって、ではあるが。 誰が見ても最悪の状況になっているにもかかわらず、それでも「安全」「大丈夫」と叫 び続けている人々がいる。これだけの事故を起こしてもなお「それでも原発は日本に必要 うそぶ だ」と嘯き続けている人々もいる。そんな彼らの正体をここまでストレートに暴いている 書籍は他にないだろう。 なぜ彼らはことさらに「安全」を叫び、原発を擁護しなければならないのか。その背景 とインチキ満点のカラクリが分ってしまえば、怒りの感情しか湧いてこない。今回、久し ぶりに広瀬さんととことん語り合って、ます私自身が大変勉強になった。 251 あとがきにかえて

2. 原発の闇を暴く

り返しているのです。 広瀬歴代の原子力安全委員会の委員長は、みんなどうしようもない。一九九〇年、当時 の内田秀雄委員長 ( 故人 ) が原発の安全設計審査指針を決定した際、「長期間にわたる全 交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮 する必要はない」と、事故の可能性を切って捨てています。 そして翌年、一九九一年二月九日に関西電力美浜原発二号機の蒸気発生器の細管でギロ チン破断事故が起こると、安全評価を担当していた内田は「やむを得ない事故だった」と して、まったくその深刻さを原発の安全解析に取り入れなかった。どんな事故が起ころう が反省がまったくない。想像力の欠如としか言いようがない。そういう人間が「安全」の 責任者なのだから、今回のような大事故が起こらないほうが不思議だ。 「深く陳謝」するなら五四基の原発を止めよ 明石元原子力安全委員長の松浦祥次郎、前原子力委員会委員長代理の田中俊一ら、政府 ぎんげ そうそう の委員として原発推進の旗を振ってきた錚々たる学者たちが、国民に対して連名で懺悔し 141 第二章原発事故の責任者たちを糾弾する

3. 原発の闇を暴く

論理的な反論ができない。情ないことに更田は、自分一人では勝てないと思ったのか、記 事への抗議を原子力安全委員会に要求している始末なのですね。実を言うとそうなること は、問題を提起した僕としても大歓迎だったのですが、残念なことに安全委は抗議してき ませんでした。あの時安全委と論争にまで発展していれば、福島でここまでひどい事龜し はなっていなかったかもしれない。 本来であれば、僕のやった事故災害シミュレーションなど、原発を安全に運用する義務弾 のある原発推進派の皆さんが「万が一の時のための備え」として、自らやっておかなけれを ばならなかったことなのです。僕の記事を中傷しておきながら、いざ事故が起こったとた んに「想定外でした」と責任逃れを図ろうとしても、言い訳になるものでしようか。ルポ ライターに過ぎない僕でさえ、事故とそれに伴う災害の規模を「想定」できていたのです事 から。 広瀬石川迪夫は、以前から、原発の安全対策について人を小ばかにしたような発言を繰章 り返しているけれど、一一一一口うことはほとんど外れている。 青森県六ヶ所村で再処理工場の試運転が始まった二〇〇六年、早々に機器のトラブルな

4. 原発の闇を暴く

を伝えようとしてきた。僕は一〇年前、週刊誌「サンデー毎日」の連載で浜岡原発の事故 災害のシミュレーションもやりました。しかし、危ないぞとさんざん言ってきたことが結 局役に立たなかったわけで、大変悔しい思いをしているのです。 二〇〇七年に金曜日から刊行した『原発崩壊』の冒頭にも書いたのですが、僕は「想 かさ 定外」という言い訳が大嫌いです。この、ものすごく使い勝手のいい言葉を、権威を笠に 着る人々がこれまでどれだけ使ってきたか。案の定、今回の「フクシマ原発震災」でも、 「想定外」発言が飛び交っている。想定外だと言い逃れさえすれば、自分たちがやってき たことはすべて免責されると思っている。そんな彼らが原発の安全審査をしてきたわけで す。最低でも、そういう無能な人間は即刻総入れ替えすべきです。 広瀬そう、原発事故を想定さえできなかった素人をマスコミから一掃しない限り、日本 の将来はない。 明石もちろん、原子力の安全審査の現場からも一掃させるべきです。大学で原子力工学 を学んだと言って原発を推進してきた面々が原発に「安全」のお墨付きを与えたことで、 結果的にこの大事故を引き起こしたわけですから。原子力安全・保安院も原子力安全委員

5. 原発の闇を暴く

ー問題について何も知らないくせに、原発震災の渦中にいる福島の人々をどこまで愚弄し ているのか。こうした文言を見れば、原発推進の経産省官僚としか思えないでしよう。 明石規制といえば、保安院を監視する役目の原子力安全委員会が、事故直後からまった くろこ く姿を見せませんでしたね。非難されるまで「黒衣に徹してきた」 ( 班目春樹委員長 ) そう ですが、肝心な時に「黒衣」では、存在している意味などありません。事故の時こそ、保 安院以上の「主役」になるべきでした。 広瀬そう、出てくるのは保安院ばかりで、原子力安全委員会の連中は何をしているのか、 と思った。おかしいですよ。こんな大事故の際は、保安院ではなく、安全委員会が出てき て国民に説明するのが筋でしよう。彼らは原子力災害から国民を守る最高責任者なのだか ら。 明石四月五日の「朝日新聞」の記事によれば、安全委は四月四日に開いた定例会で「地 震後初めて保安院から事故の正式な報告を受けた」と言っています。しかも報告内容は 「すでに安全委が入手済みの情報ばかり」だったという。記者に質問されて、班目春樹委 員長は「保安院とのコミュニケ 1 ションが足りないと思っていた。今回の報告が改善の一 ぐろう 1 ろ 0

6. 原発の闇を暴く

放射線医学総合研究所 ( 放医研 ) “放射能安全論”の学者たち 放射線の有効利用 日本アイソトープ協会 内閣府 原子力安全・ 保安院 原子力 安全委員会 汚染水処理 クリアランス分科会 報告 etc. 京大原子炉実験所 東エ大原子炉工学研究所 東大工学部 原子力環境整備・資金管理センター 放射性廃棄物処分 (NUMO) 原子力発電環境整備機構 原子力 委員会

7. 原発の闇を暴く

安全デマを振りまいた御用学者たち 明石福島の原発が津波で全電源喪失してから、次々に起こる悪夢のような映像を人々は かたず テレビにかじりついて固唾を呑んで見てきたわけです。そこに、ふだん見慣れない原子力 関係の人間が続々と登場し始めました。「原子力安全・保安院」、「原子力安全委員会」、 「原子力委員会」、さらには連日のようにテレビに出て現状を解説する原子力工学の専門家 と称する者たち。一般の人たちも、最初はいったいどうなるのだろうと、彼らの会見や解 説に一生懸命耳を傾けていたと思います。 しかし、事態が深刻になるにつれて、「建屋に溜まった水素が爆発しただけで、原子炉 はすでに停止しているから大丈夫です。冷静な対応を」、「燃料は冷やされているから大丈 夫」といった、安全をことさら強調した解説は、 , 彼らにとって都合のいい″希望的観測〃 にすぎなかったことが一般市民にも露呈してしまった。炉心の燃料が溶け出し、あんな高 濃度の汚染水が海にジャプジャプ流れ出したら、誰だって「大丈夫であるわけがない。今 までの説明はいったい何だったのか ? 」と不審に思いますよ。

8. 原発の闇を暴く

島根原発三号機の建設にゴーサインが出てしまった。 広瀬安全審査をする側の保安院も原子力安全委員会も、みんなグルだからね。 明石当時、安全委員会の「耐震指針検討分科会」委員をしていた神戸大の石橋克彦教授 は、お手盛りであまりに無責任な審査の実態に激怒して、二〇〇六年に委員を辞任しまし こ。石橋教授は「原子力における活断層研究の世界は異常だ。非常に特殊なごく一部の人 が牛耳っている。電力側と審査側の両方に同じ少数の専門家が深く関わっているという、 信じがたいことがまかり通っている」と僕にもおっしやっていました。むろん、衣笠を指 してのことです。 広瀬もちろん、石橋先生の参加を悪用して、あたかも正しい議論がおこなわれたかのよ うに演出しようとしたのが原子力安全委員会の意図だが、石橋先生のような良識を持った 信頼できる専門家がどんどん離れていくのは、逆の意味でこわいことだね。彼らの思い通 りにことが進んでしま , つ。 明石衣笠の取材を続けていったら、島根原発だけでなく、それはもうあちこちで活断層 をカットした「過小評価」をしていたことが明らかになったのですよ。北陸電力の志賀原 185 第二章原発事故の責任者たちを糾弾する

9. 原発の闇を暴く

原子力マフィアによる政官産学のシンジケート構造 広瀬明石さんも私も反原発の立場で活動してきたけれど、その体験上言えることは、彼 らは全部グルだということですよ。今回、原発は安全だ、放射能は大丈夫だと言ってきた 人々はみんな裏でつながっている同じ穴のムジナです。 原子力マフィアというのは、要は、政・官に原子力関係の産・学が癒着した原発推進者 る す ばかりの共同体、つまりシンジケートです。言ってみれば、独占企業の電力会社の潤沢な 弾 そうくっ カネを回し合うことでつながっている運命共同体で、利権の巣窟といっていい。安全なんを て、まるで真剣に考えていない。原子力の研究分野では、東大工学部、東エ大原子炉工学 者 任 責 研究所、京大原子炉実験所の研究者たちが原子力推進の三大勢力で、やたらテレビに出て の 故 安全デマをふりまいていたのも、ほとんどここの御用学者たちだった。 事 電力会社はこうした大学の研究者たちに共同開発や寄付講座といった名目で、うす汚れ原 とおば 章 。し力し原発が安全かと遠吠えし、 たカネを配るわけです。その見返りとして研究者たちょ、、ゝこ たと 電力会社から毎日餌を与えられた飼い犬になってキャンペーンを張る。こういう譬えは犬第 に失礼なぐらいだ。原発を管理する経済産業省と文部科学省は、電力会社に原発の許認可

10. 原発の闇を暴く

三月二六日に運転四〇年の寿命を迎えようとしていた福島第一原発一号機について「最長 六〇年の運転可能」という報告書を提出した、張本人が関村ですよ。ところがその福島第 一原発一号機でメルトダウン事故が起こると、 Z テレビにコメンテーターとして出ず つばりで「原子炉は冷やされている。冷静な対応を」などと見当違いの発言をくり返した。 ほかにも関村は、経産省管轄の原子炉安全小委員会 ( 通称・炉小委。原子力安全委員会委員長 る の班目春樹が、この炉小委の委員長も二〇一〇年六月まで兼任。委員メンバーは東大教授陣が多数け を占める ) の委員を務めるなど、原子力政策を率先して推進してきた人物だから原発に不を ち 利なことを一言うわけがない。 この炉小委が、公式資料として原子炉の安全設計について検 者 任 討課題を出しているけれど、そのほとんどの条項に「耐震設計を除く」と書いてあるので 責 の 故 すよ。耐震性を考慮しない案のどこが安全設計なのだ。 事 発 それにしても、関村の″解析能力〃しし こま呆れたね。三月一四日に >OX 燃料を使用した 原 章 三号機が水素爆発を起こし、建屋の鉄骨がグニャグニヤになるほど破壊されたというのに、 第 二七日には 翌日の Z 「ニュースウォッチ 9 」では「炉心溶融はありえない」と言い 冷却水漏れの可能性を聞かれて「その可能性はきわめて低い」と言い、高濃度の汚染水が