なるどころか頑固になるばかりだ」と言う。 しかし人生を大きな目で眺め、人生はその人の気質に支配されるものだということ を考慮に入れれば、両者の言い分はそれぞれに真理をついている。素直な人ならば、 経験を肥料にして自制心を働かせ、自己鍛練を重ねればさらに成長するだろうが、つ むじ曲がりな人間は、、 しくら経験を積んでも何の収穫もなく、もっとひどくなるだけ のことだからである。 「てらいのない笑い声を聞かせてくれ」と、ウォルタ 1 ・スコットはよく言ったもの だった。そして、そういう彼自身、大らかに率直に笑った。彼は誰に会っても親切な 言葉をかけ、彼が示す暖かい思いやりはそよ風のように広がって、偉大な名声から連 想されがちな威圧感やよそよそしさを追い散らしてしまった。 メルローズ僧院の遺跡で働いている管理人が、作家ワシントン・アーヴィングにつ ばいてこ、つ衄っている 「あの方は時々仲間を大勢連れてここにお見えになりました。いつも決まって、 " ジ 分 自ョニ ジョニー ハウワ 1 はどこだー / と私の名をお呼びなさるんで、すぐにそ れがわかりました。私が出て行くと、必ず冗談や楽しい言葉をかけて挨拶してくださ