たてじわ さな縦皺が、一見けわしいとさえ見える思いつめた色を、愛くるしい顔に与えていた。たとえば、 かっての軽薄さは跡も残っていなかった。婚約したほとんどそのとたんに、いいなずけが恐ろし い犯罪によって逮捕されるという、この気の毒な女性を見舞ったあらゆる不幸にもかかわらす、 ながわすら あるいはまた、その後の長患いや、今後ほとんど避けられぬと思われる恐ろしい判決などにもか かわらず、グルーシェニカがやはり以前の若々しい快活さを失くしていないことも、アリヨーシ ごうまん ヤにとってはふしぎだった。かって傲慢だった彼女の目に、今では、なにか柔和な色がかがやい ていた。だが、そうは言うものの、すっかり消えてしまわぬばかりか、むしろ心の中でつのって ンさえいる従来どおりのある心配が見舞ったりすると、その目がときおり、またもや一種の険悪な ワ イ炎に燃えあがるのだった。この心配の種は、相も変らず、カテリーナであり、病床に伏していた ときも、グルーシェニカはうわごとにまで彼女を思いだしたほどだった。いつでも面会に行ける 一はずのカテリーナが、まだ一度も拘置中のミーチャを訪ねたことがなかったにもかかわらず、グ しっと 第ルーシェニカが逮捕されたミーチャのことで彼女にひどく嫉妬していることは、アリヨーシャも 知っていた。これらすべてがアリヨーシャにとっては、ある種の困難な課題となっていた。なぜ なら、グルーシェニカはただ一人彼だけに自分の心を打ち明け、のべっ助言を求めるのだったが、 彼とて時には何一つ言うことができぬ場合もあったからだ。 すまい 彼は気がかりそうな様子で、彼女の住居に人った。彼女はもう家に帰っていた。三十分ほど前 ひじかけいす にミーチャのところから帰ってきたのだが、テープルの前の肘掛椅子から出迎えに跳ね起きた彼 女のすばやい動作を見て、アリヨーシャは、彼女が待ちきれぬ思いで待っていたのだと推察した。 テープルの上にカードがのっており、〈薄のろ〉のゲームがやりかけになっていた。テープルの
なか 「そうですね」テープルの前に坐りながら、アリヨーシャは言った。「お腹がペこペこなんです」 「あらあら。フェー ーニヤ、コーヒーをね ! グルーシェニカが叫んだ。「もうさっ きからコーヒーが煮立って、あなたを待ってますわ。ピロシキもちょうだい、熱いのをね。ねえ、 ちょっと、アリヨーシャ。今日はこのピロシキのことで雷を落されたのよ。刑務所にピロシキを 差人れに行ったら、どうでしよう、あの人はそれを突き返して、結局食べないんですもの。ピロ シキを一つそれこそ床にたたきつけて、踏みつぶしたりして。だからあたし、『看守さんに預け 弟ていくわ。晩までに食べなければ、執念深い憎しみがあんたを養ってるってことね』って言って、 けんか のそのまま帰ってきちゃったわ。また喧嘩しちゃった、本当の話。いつ行っても、必ず喧嘩になっ ゾてしまうの」 マグルーシェニカは興奮して、これらすべてをひと息にまくしたてた。マクシーモフはとたんに カおどおどして、薄笑いをうかべ、目を伏せた。 「今度は喧嘩の原因は何ですか ? ーアリヨーシャはきいてみた。 「それが全然思いもかけないことなの ! 考えてもみてちょうだい、あの人〈前の男〉に嫉妬し てね。『なぜあんなやつを食わせてやってるんだ。お前、あの男に貢ぎはじめたろう ? 』なんて 言うのよ。いつも妬いているの、のべっ妬いてばかりだわ ! 寝てるときも、食べてるときも、 妬いてるんだもの。先週なんぞサムソーノフのことまで妬く始末だったわ」 「だって〈前の人〉のことは、兄も知ってたじゃありませんか ? 」 「そうなのよ。そもそもの馴れそめから、今日にいたるまでのことを全部知っているくせに、い
この新事実はだれにとってもまったく思いがけぬものであることがわかった。町じゅうの者は もとより、修道院でさえ、だれ一人これまでそのことを知らなかったし、ミーチャですら知らな かった。人々の話では、ラキーチンは恥ずかしさのあまり自席で真っ赤になったそうである。グ ルーシェニカは、彼がミーチャに不利な証言をしたことを、法廷に人る前にどこからかきいて、 そのために恨んでいたのだった。ラキーチン氏の先ほどの名演説も、その高尚さも、農奴制やロ だんがい まっさっ シア市民社会の無秩序に対する弾劾も、ここにいたって全体の意見の中で、もはや決定的に抹殺 され、消滅されてしまった。フェチュコーウイチは満足だった。ふたたび神が力を貸してくださ 弟ったのだ。概してグルーシェニカに対する尋問はさほど永くかからなかったし、それにもちろん の彼女も特に新しいことは何一つ告げられなかった。彼女は傍聴人にきわめて不快な印象を残した。 ゾ彼女が証言を終えて、カテリーナ・イワーノヴナからかなり離れた廷内に着席すると、数百の侮 マ辱的な眼差しが彼女に注がれた。彼女が尋問されている間、ミー チャはまるで化石したように、 カ目を床におとしたまま、終始沈黙していた。 イワンが証人として出廷した。 五突然の破局 断わっておくが、彼はアリヨーシャより先によびだされるはずだったのである。しかし、その なお ときは廷吏が、証人は急病か何かの発作で今すぐには出廷できないが、癒りしだいいつでも証一一一口 をするつもりでいる、と裁判長に報告した。もっとも、どういうわけかそれはだれも耳にしてお 332
ったらしい手紙が届くようになったが、申し込む借金の額はしだいに減ってゆき、やがて百ルー プル、二十五ループル、十ループルにまで落ち、最後に突然、ポーランド人が二人してたった一 ループルの無心をし、しかも二人連署の借用証まで添えた手紙を、グルーシェニカは受けとった。 こうなるとグルーシェニカはふいに哀れになり、あるタ方、みずから一走りしてポーランド人の こじき ところに行ってみた。 , 彼女は、ポーランド人が二人とも乞食同然のひどい貧乏暮しで、食べ物も、 薪も、煙草もなく、下宿のおかみにまで借金しているのを見いだした。モークロエでミーチャか ら巻きあげた二百ループルは、とっくにどこかへ消えてしまったのだ。しかし、グルーシェニカ ンがおどろいたのは、ポーランド人が二人とも、だれの世話にもならぬと言わんばかりの、尊大な イもったいぶった態度で彼女を迎え、最上級のエチケットをふりまわして、大ぼらを吹いてみせた ことだった。グルーシェニカは一笑に付して、〈前の男〉に十ループル与えた。このことはその チャに話したし、ミー チャも全然妬かなかった。だが、それ以来、 一ときすぐ、笑いながら、ミー じゅうたん 第二人のポーランド人はグルーシェニカにとりつき、連日、金の無心の手紙で絨毯爆撃を浴びせる チャがはげしい ようになり、彼女もそのたびに少しずつ送っていた。それなのに突然今日、ミー 嫉妬心を燃やしたのだった。 チャに面会に行くとき、ほ 「あたしってばかね、あの以前の男も病気になったというから、ミー んのちょっとの間、あの男のところにも寄ってみたの」グルーシェニカがそわそわと落ちつかぬ チャに話してきかせたの。あの 様子で、また話しはじめた。「あたし、それを笑いながら、ミー ねえ、あのポーランド人たらギターをとって昔の歌をうたいはじめるのよ、あたしがほろりとし チャったら、いきなり跳ね起きて て舞い戻るとでも思ってるのかしらね、って。ところが、ミー
向う側の革張りのソフアに、寝床が敷かれ、ガウン姿で紙の三角帽子 ( 訳駐いラ ) をかぶ「たマ クシーモフが、甘たるい徴笑こそうかべてはいたものの、見るからに病気でめつきり弱った様子 で、半ば横たわっていた。この宿なしの老人は、二カ月前のあのとき、グルーシェニカといっし ょにモークロエから戻って、そのまま彼女の家に居すわり、それ以来そばを離れないのだった。 あの日、みぞれまじりの雨の中を彼女といっしょに帰りつくと、ずぶぬれになって怯えきった老 人は、ソフアに坐りこみ、おずおずと乞うような徴笑をうかべながら、黙って彼女を見つめてい た。恐ろしい悲しみにとざされ、しかもすでに熱病のはじまりかけていたグルーシェニカは、着 弟いた当初の三十分ほどいろいろな雑事にまぎれて、老人のことなどほとんど忘れていたが、突然 の何かのはずみにまじまじと老人を見つめた。老人は彼女の目に哀れつぼく、途方にくれたような ついしよう ーニヤをよび、老人に食事を与えるように言いつけた。昼のう ゾお追従笑いを送った。彼女はフェ よろいど マちずっと、老人はほとんど身じろぎ一つせずに自分の席に坐りとおしていた。暗くなって、鎧戸 ーニヤが奥さまにたずねた。 力を閉めにかかったとき、フェ 「あの、奥さま、あの方はお泊りになるんでしようか ? 」 「そうね、ソフアに寝床を敷いておあげ」グルーシェニカは答えた。 さらにくわしく問いただしてみて、グルーシェニカは、本当に老人がまさしく今まるきり行く 先のない身であることや、「恩人のカルガーノフさまが、これ以上お前の相手はしてられぬと、 はっきり申し渡して、五ループル恵んでくださった」ことなどを、知った。「じゃ、仕方がないわ ね、このままいなさい」同情の徴笑をうかべて、グルーシェニカはふさいだ様子で結論を下した。 彼女のその徴笑に老人は顔をひきつらせ、感謝の涙に唇をふるわせた。こうしてそれ以来、この おび
「あら、人間はだれだって必要なのよ、マクシームシカ、それに、どっちの人がより必要かなん て、どうして見分けられるの。せめてあのポーランド人がすっかりいなくなってくれればね、ア ーシャ、あの男まで今日は一匹前に病気になったりするんだもの。今日あの男のところにも 寄ってみたのよ。そうだわ、いやがらせにあの男にもピロシキを届けてやろう。あたしが届けも しないのに、 チャったら、あたしが貢いでるなんて責めるんだもの。こうなったら、いやが らせに届けてやるわ、いやがらせに ! ほら、フェ ーニヤが手紙を持ってきたわ ! ほらね、案 の定、またポーランド人からよ。またお金の無心だわ ! 」 弟事実。ハン・ムッシャローウイチは非常に長い、例によってきざったらしい手紙をよこし、その の中で三ループルの借金を申し人れてきたのだった。手紙には三カ月以内に必ず返済のことという ゾ借用証が添えてあった。借用証には。ハン・ヴルプレフスキーも連署していた。この種の、しかも マどれも同じような借用証を添えた手紙を、グルーシェニカは《前の男〉からすでにたくさん受け 力とっていた。最初は二週間ほど前、グルーシェニカが全快したころだった。もっとも、病気の間 ポーランド人が二人して容態を訪ねに何度か来てくれたことは、彼女も知っていた。グルーシェ びんせん ニカのもらった最初の手紙は、大判の便箋にしたため、大きな紋章で封をした長文のもので、ひ どくわかりにくい、きざな文章だったので、グルーシェニカは半分だけは読んだものの、さつば り何のことかわからずに、放りだしてしまった。それに、そのころは手紙どころではなかった。 この最初の手紙のあと、次の日には二通目が舞いこみ、その中でムッシャローウイチはごく短期 間だけ二千ループル貸してほしいと頼んできた。グルーシェニカはこの手紙も、返事をせずに放 っておいた。その後、今度はもうたてつづけに、毎日一通ずつ、同じようにもったいぶったきざ
一グルーシェニカの家で 弟アリヨーシャは、商家の末亡人モロゾワの家に住むグルーシェニカを訪ねるため、ソボールナ のヤ広場に向った。今朝早く彼女がフェ ーニヤをよこして、ぜひ寄ってほしいと折り人って頼んで ゾきたからだ。フェ ーニヤを問いつめてアリヨーシャは、奥さまが昨日からなにか特にひどく心配 マそうにしていることを、ききだした。ミー シ チャが逮捕されて以来、この二カ月の間にアリヨー カヤは、自分から田 5 いたったり、ミー チャに頼まれたりして、しばしばモロゾワの家に立ち寄って いた。ミー チャの逮捕後、三日ばかりのちに、グルーシェニカは重い病気に倒れて、ほとんど五 週間近く病んでいた。そのうちの一週間は、意識不明で寝たきりだった。外出できるようになっ てから、もうほとんど二週間近くになるとはいえ、彼女はめつきり顔だちが変り、やつれて、黄 ばんだ顔になった。しかし、アリヨーシャの目には、彼女の顔がいっそう魅力的になったように きぜん 見え、彼女の部屋に人るときにその眼差しを迎えるのが好きだった。彼女の眼差しには何か毅然 とした、聡明な色が定着した感があった。ある精神的な転換がうかがわれ、何か二度と変らぬ、 みけん つつましい、しかし幸せそうな、揺らぐことのない決意があらわれていた。眉間にきざまれた小 第十一編兄イワン
「あのときだって信じていなかったわ ! 一度も信じたことなんかなくってよ ! あなたが憎く なって、ふいに自分にそう信じこませたの、あの一瞬だけ : : : 証一言していたときには、むりにそ う思いこんで、信じていたけれど : : : 証一言を終ったら、とたんにまた信じられなくなったわ。そ れだけは知っておいて。あたし忘れていたわ、自分を罰するために来たのに ! 」っい今しがたま での愛のささやきとはおよそ似通ったところのない、なにやら突然まるきり新しい表情になって、 彼女は言った。 ーチャのロ 「君もつらいよな、女だもの ! 」だしぬけに、なにかまったく抑えきれぬように、 グからこんな一一一口葉がほとばしりでた。 「もう帰らせて」彼女はささやいた。「また来るわね、今はつらいの ! 」 ロ彼女は席を立とうとしかけたが、突然、甲高い悲鳴をあげて、あとずさった。ごく静かにでは ピあったが、ふいに部屋にグルーシェニカが人ってきたのだ。だれも予期せぬことだった。カーチ 工ヤはすばやく戸口に向ったが、グルーシェニカとすれ違うときになって、ふいに立ちどまり、白 墨のように顔を青ざめさせて、ほとんどささやきにひとしい小声で呻くように言った。 「あたくしを赦して ! 」 相手はひたと彼女の顔を見つめ、一瞬待ってから、憎悪のこもった毒のある声で答えた。 「憎み合っている仲じゃないの ! どっちも憎しみに燃えてるのよ ! あんたも、あたしも、赦 す余裕なんかあって ? 彼を救ってくれたら、一生あんたのことを神さまに祈ってあげるわ」 ーチャがグルーシェニカをどなりつけた。 「赦そうと思わないのか ! 」はげしい非難をこめて、 「安心なさい、あなたのために救ってあげるから ! 」カーチャは早口にささやくと、部屋を走り 479
やってます』すると大日一那さまは子供のように全身をびくりとさせて、『こことはどこだ ? ど はず こにいる ? 』と息を弾ませはしたものの、まだ信用なさらないんです。『あそこに立っておいで です、ドアを開けてください ! 』とわたしが言っても、窓からわたしを眺めて、半信半疑の様子 で、ドアを開けるのを恐れていらっしやるんです。これは俺をこわがっているんだな、とわたし まどわく は思いましてね。こつけいなことに、突然、例のグルーシェニカがいらしたという、窓枠をたた く合図を、旦那の目の前でやってみようという気になったんですよ。ところが、わたしの言葉は 信用なさらなかったようなのに、わたしが合図のノックをしたとたん、すぐさまドアを開けに走 弟ったじゃありませんか。ドアが開きました。わたしは中に人ろうとしかけたんですが、大旦那さ のまは立ちはだかって、ご自分の身体で通せんぼをしているんです。『あれはどこだ、どこにい ゾる ? 』わたしを見つめて、ふるえているんですよ。いや、俺をこんなに恐れてるんじゃ、まずい マな、と思いました。部屋に人れてもらえないんじゃないか、大声をたてやしないか、あるいはマ カルフアが駆けつけるとか、何事か起りやしないかと思うと、わたし自身も恐ろしさで足の力が萎 さお えてしまいましてね。そのときはおぼえていませんが、きっと真っ青な顔で大旦那さまの前に立 っていたことでしようよ。わたしはささやきました。『ほら、あそこに、窓の下にいらしてます、 ごらんにならなかったんですか ? 』『それじゃお前が連れてこい、連れてきてくれ』『でも、こわ がってらっしやるんです。叫び声に怯えて、茂みに隠れていらっしやるんです。行ってお部屋か らご自分で声をかけてあげてくださいまし』大旦那さまは走って、窓のところに行くと、鑞燭を 出窓に置いて、『グルーシェニカ、グルーシェニカ、そこにいるのかい ? 』と声をかけました。 そう叫びながらも、窓から身を乗りだそうとはなさらず、わたしから離れようとしないんです。
明けるつもりだったんだ。だって、お前に相談せずに何が決められると思う ? 俺にとってはお 前がすべてだからな。俺はよく、イワンは俺たちより偉いなんて言うけれど、お前は俺の守護天 使だよ。お前の決定だけがすべてを決するんだ。もしかすると、いちばん偉いのはイワンじゃな 、お前かもしれないな。実はね、これは良心の問題なんだよ、最高の良心の問題なんだ。あま り重大な秘密なんで、俺は自分ひとりで解決できずに、お前に話すまで一寸延ばしに延ばしてき たほどだよ。それでもやはり、今決定するのはまだ早い。判決を待っ必要があるからな。判決が 出たら、そのうえでお前が運命を決めてくれ。今は決めずにな。今話すけど、お前はきくだけに 弟して、結論を出すなよ。そのまま黙っていてくれ。お前に打ち明けるのは全部じゃない。細部は の省いて、アイデアだけ言うから、黙っていてくれ。質問も、行動も厳禁だぜ、いいね ? もっと ゾも、お前のその目をどこへ向ければいいんだろう ? いくらお前が黙っていたとしても、お前の マ目が結論を語りそうで、心配だよ。ああ、それがこわいんだ ! アリョ ーシャ、きいてくれ。実 力はイワンが脱走をすすめているんだ。詳細は言わない。万事、手筈がついて、すべてうまく運ぶ ことになっている。黙って、結論を言うなよ。グルーシェニカを連れてアメリカへさ。だって、 グルーシェニカなしに、俺は生きていかれないからな ! それに流刑地で彼女がどうやって俺に 近づけてもらえるだろう ? 流刑囚でも結婚させてくれるだろうか ? イワンはだめだと言うん だ。でも、グルーシェニカがいなけりや、俺はつるはしを持って地の底で何をすりやいい ? そ のつるはしで自分の頭を打ち割るくらいが関の山じゃないか ! だが一方、良心はどうなる ? なにしろ苦しみから逃げだすわけだからな ! せつかく神のお告げがあったのに、神のお告げを 斥けることになるんだ。せつかく浄化の道があったのに、まわれ右しちまうんだからな。アメリ しりぞ てはす