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検索対象: マキアヴェッリ語録
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1. マキアヴェッリ語録

第部君主篇 一、将軍たちの進言には、常に耳を傾けねばならない。しかし、あなたが決意したこと は、可能なかぎり少数の者にしか、打ち明けてはならない。 一、将兵は、陣営にあるときは軍規を守らせ、守らない者は厳罰に処すべきだが、いっ たん戦場に出たら、希望と褒賞で鼓舞するだけで充分だ。 一、優秀な指揮官とは、必要に迫られるか、それとも好機に恵まれるかしなければ、け っして勝ちを急がないものである。 一、攻撃の重点は、まず、敵軍の最も弱い部分をたたくことからはじめらるべきである。 こちらの精鋭部隊といえども、敵の最強部隊にぶつけるような愚行は、絶対に犯してはな くぶんかはひるむものだからだ。 らない。味方が崩れたと見れば、最強部隊であっても、 一、戦闘がはじまってしまったら、決めた作戦どおりにことを運ぶほうが、安全である。 戦闘中にしばしば命令が変るようでは、配下の兵たちを混乱させるだけである。 一、予測しなかった事故は、立ち直るのに非常な困難をともなう。だが、あらかじめ考 えにいれておけば、たとえ不意を襲われたとしても、容易に立ち直れるものである。 かね 一、人間と武器と金とパンは、戦争の「神経ーである。 しかし、この四つのうちでより重要なのは、前二者だ。なぜなら、人間と武器があれば 一金とパンを得ることは可能だが、金とパンでは、人間と武器を得ることは不可能だからで ある。 111

2. マキアヴェッリ語録

いかに事実のみを報告するのが外交担当者の任務とはいっても、現場にいる担当者自身 の判断による意見と推測が加えられなくては目的を達せない。 これを効率よくやるには、情報網の整備が不可欠の課題となってくる。 要するに、任地での人脈づくりだ。あらゆる情報が集まるよう、友人を多くつくるのも、 立派に仕事のうちである。 これには、宴会もよいだろう。ゲ 1 ムの卓を囲むのも効果はある。私生活でもっきあい を広めておけば、あなたと対等でないほどに高い地位の人物とも、フランクに話をかわす 機会に恵まれることもあるものだ。 広く人脈をつくることは、あらゆる意味で重要なことである。一人が知らないことでも、 他の一人が知っているかもしれないからである。 人脈づくりの利点には、もう一つある。 あなたが広めたいと思うことも、彼らのロを通して、あなた自身が言う以上に効果的に 広まることが多いからなのだ。 外交担当者には、それゆえに、本国からも、どんなつまらないことにかかわらず、あら ゆる情報が送られねばならない。 情報収集とは、ギブ・アンド・ティクの法則による。ギブする可能性も与えずに、なん でティクを期待できようか 216

3. マキアヴェッリ語録

第一部君主篇 だが、弱体な指導者が二代っづいたとしたら、もしもフランス王国のように古くから体 制がきちんとしている国でない場合、維持さえも不可能になってくるのだ。 「政略論』 人間の為すあらゆることは、はじめから完全無欠ということはありえない はじめは、とるに足らない欠陥に思えたものから、時が経つにつれて障害が芽生えてく それゆえ、法律であれ制度であれ、現状に合うような手直しが、常に必要になってくる のである。 いかなる政体であろうと、国家というものは、はじめから完璧な組織づくりができてい 『政略論』

4. マキアヴェッリ語録

国家はすべて、いかなる時代であってもいかなる政体を選択しようとも関係なく、自ら を守るためには、カと思慮の双方ともを必要としてきたのであった。 なぜなら、思慮だけでは充分でなく、カだけでも充分でないからだ。 思慮だけならば、考えを実行に移すことはできず、カだけならば、実行に移したことも 継続することはできないからである。 『若干の序論と考慮すべき事情をのべながらの、資金援助についての提言』 わたしは、改めてくり返す。国家は、軍事力なしには存続不可能である、と。それどこ ろか、最後を迎えざるをえなくなる、と。 もしも、あなた方が、なぜわれわれに軍事力は必要なのか、フィレンツェはフランス王 『政略論』 182

5. マキアヴェッリ語録

その原因は、あらかじめできている準備を、訪れたその機に投入すべきかまたはしない ほうがよいかを見きわめる判断力にあると思う。 なんでもかでも、全力投球さえすれば成功するとはかぎらないのだ。 この際の判断力の良し悪しが、その人の人生がスムーズにいくか、それとも大変な苦労 に満ちたものになるかの、分かれ道であると思う。 軍の指揮官にとって、最も重要な資質はなにかと問われれば、想像力である、と答えよ この資質の重要生は、なにも軍の指揮官にかぎらない。 いかなる職業でも、想像力なしにその道で大成することは不可能だからである。 「戦略論」 「戦略論』 230

6. マキアヴェッリ語録

第一部君主篇 敵の計略を見ぬくことほど、指揮官にとって重要なことはない。 だが、このことほど優れた資質を要求される能力もないのだから、これに恵まれた指揮 官は、いかに賞讃されたとしてもされすぎることはないのである。 そして、敵の行動を予知するよりも、敵の計略を見ぬくことのほうが、容易である場合 か多い なぜなら、行動ともなると、遠くに離れていては予知など不可能なものだが、計略の予 知ならば、離れているほうがかえって有利なものだからである。 金銭で傭うことによって成り立っ傭兵制度が、なぜ役立たないか、の問題だが、その理 由は、この種の兵士たちを掌握できる基盤が、支払われる給金以外にないというところに燔 ある。 ようへい 『政略論』

7. マキアヴェッリ語録

ノ古代の共和制下のローマ人は、危機管理の対策として、次の制 度を整備していた : ノ歴史家の中には、ローマ人の考え出した臨時独裁執政官の制度 せんしゅ を、後の僭主出現の原因になったとして非難する人が多い。彼 らによれば、この制度さえ存在しなければ、ユリウス・カエサ ノかいかに他の称号で飾られようと、あの権力を手中にするこ とは不可能であったというのである。しかし : : : 5 ノ同じく国民の自由な選挙によって選ばれたにもかかわらず、な ディクタトー デケンウィリ ぜ臨時独裁執政官は国家に利益をもたらし、十人委員会は不利 益をもたらしたのであろうか : ノ為政者であろうと指導者と呼ばれようと、支配者の存在しない 社会は、あったためしはないのである : : : ル ディクタト

8. マキアヴェッリ語録

コンスル 共和制下のローマでは、執政官の位が平民にも与えられるようになってからは、この官 ヴィルトウ 職は、門閥や年齢に関係なく、ただその人物の力量によってのみ与えられた。 公職につくのに年齢が問題とされたことは、ローマでは一度もなかったのである。 その理由は、国家が必要としている人物に対しては、そのようなことは問題とするに足 らない と思われていたからである。 これについて議論は多々あると思うが、次のことは言えると思う。 まず、門閥無関係、についてだが、共同体のために役立とうとしている人物に、その任 命は門閥に関係なく、ただその人個人の力量によってであるという″褒賞〃を与えること なしに、その人物に全力を投入させることなど不可能だからである。 年齢にも、同じことが言えるであろう。 気力を失わせてしまうからである。 この「弱さ」が、強大な外圧によって吹きとばされでもしないかぎり、この種の国家は、 あいも変らず優柔不断をつづけていくことになろう。 『政略論』 174

9. マキアヴェッリ語録

第三部人間篇 人は、ほとんど常に、誰かか前に踏みしめていった道を歩むものである。先人が行なっ たことをまねしながら、自らの道を進もうとするものだ。 それでいながら、先人の道を完璧にたどることも、先人の力量に達することも、大変に むずかしい。それで賢明な人は、踏みしめた道にしても誰のものでもよいとはせずに、衆 に優れた人物の踏みしめた道をたどろうと努め、そのような人の行動を範とすべきなので ある。たとえ力量ではおよばなくても、余韻にぐらいはあずかれるからだ。 言ってみれば、これは、慎重な射手のやり方である。的があまりにも遠すぎ、自分のカ ではそれに達するのが不可能と思った場合、射手は的を、ずっと高いところに定める。狙 いを高く定めることによって、せめては的により迫ろうとするからである。 他者を強力にする原因をつくる者は、自減する。 「君主論』 203

10. マキアヴェッリ語録

第三部人間篇 吐く者が、会議の空気を支配するようになるのである。 亡命中の人間の言うことを信ずるのは、多大な危険をともなわずにはすまないことであ 彼らのロにする信義や誓約は、反古同然と考えてよいくらいだ。 なぜなら、彼らはいったん帰国すればすぐさま自分たちに都合のよい相手を見つけるこ とができるので、あなたとの間にかわしたことは、ただちに忘れ去られてしまうからであ また、亡命中の人間の言たるや、彼らの終局の目的である帰還実現の手段として、それ に役立ちそうな人の援助を得る目的でなされるものだから、実現不可能なことでもなんで も約束するものである。 そのような事情なのに、あなたが彼の言を信じて行動を起せば、結局は無駄骨に終るか、 悪くすればあなたの破滅になって返ってくるのがオチである。 「政略論』 「政略論』 213