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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

発率を下げるという、故ィアン・ スタッフは兼務、 年前から独自に ファルーン博士の提唱する統合 会議は週 1 回 退院促進にとりくむ 型精神科地域医療という考え方 作業療法士の渡邉忠義さんを まず、医師の渡邉理さんかやプログラムです。このアウト ら、アウトリーチ事業に取り組 リーチ事業にも、ささがわプロ中心に、事業の進め方をお聞き む以前のお話をお聞きしましジェクトでの経験が生かされてしました。 た。ささがわプロジェクト、と いるそうです。 毎日会議をすることはむずか しく、パソコンで日常の情報交 いう名称の退院促進事業を 2 年 み 換をしています。会議は週 1 回、 前に実施し、関連病院「ささが と の 勤務外で行うとのこと。日常の わホスピタル」に長期入院する チ 仕事との兼務は大変なことだと 約—oo 人の方が退院して地域 、す思います。スタッフの皆さんのト 生活できるように取り組んだそ物ー第 熱意が伝わってきました。 うです。病棟を閉鎖し、グルー の へ プホームや地域生活支援セン 話支援は、保健所からの依頼が 者 一 J あり始めることが多いです。 6 タ 1 、就労支援事業所をつくり、 、カ 熱 立早 退院した人の地域生活を支えよ か月を目安として地域の事業所 精 とつながったりすることで支援 うという試みです。その背景に あったのは、本人と家族を多職 、い、、い終了とします。これまで、Ⅳ名特 について支援を行い、現在継続 種の訪問支援で支えることで再 精神障がし堵への アウ、トリーチのとりくみ 精神障害者アウトリーチ推進事業とは、平成刀年 4 月から、厚生労 働省がはじめたモデル事業です。自宅にひきこもっていたり、自分号 では病気であるという認識がなかったりして精神科の治療につなが 年 らない人、治療が中断している人などを、多職種のチームで訪問し て地域生活を支えます。入院する人を増やさないことで結果的に病 床削減につながるという目的があります。平成四年度には、四自治体つ ね で引か所が実施しています ( 文末表参照 ) 。今回、その事業を行ってい ん る福島県のあさかホスピタルと、山梨県の住吉病院を訪ねました。 み こころのネットワークチーム「絆」 の訪問活動 ( 福島県郡山市 ) 1 あさかホスピタルは、福島県内科 ) には精神・神経科、精神 郡山駅からバスで分ほど、緑科救急、こどもの心外来、もの の多い国道沿いにあります。病忘れ外来などがあり、内科、 あさか 院の名前は所在地、郡山市安積児科、脳神経外科、歯科も併設 町笹川にちなんでいます。年されています。 の歴史をもっ民間精神科病院で 会議室で、 8 名のスタッフか す。総合診療科 ( 精神科、心療らお話を聞きました。 ASAKA HOSPffAL GROUF

2. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

族の困りごとを聞き、今本人が 中の人は 7 名です。平成年 1 いろいろな猫が集まっ 月から、こころのネットワーク どういう状態でいるのかを説明 て知恵と技術をだしあう します。 チーム「絆」として、福島県の アウトリーチチ 1 ムのリー 本人の関心が健康にあると 県中地域 3 市 6 町 3 村をエリア ダーをしている「退院支援室」知って、知能検査や性格検査な として活動しています。 スタッフ人のうちピアサの堀内さんからお話を聞きましどの健康チェックをしてはどう ポーターが 2 名います。た。もう 2 年も親子の会話がな かと提案、病院にきてもらい 法人アイ・キャンという、ささくひきこもっている人の支援例そこで臨床心理士の遠藤さんが がわプロジェクトの際にたちあです。その方は健康志向が強く、 かかわりました。一連のこうし げた事業所からもスタッフが参冬でも窓をあけてダンベルで運たことが、働きたいという希望 動してしまいます。 にもつながり、精神保健福祉士、 加しています。 堀内さんはまず「寒いねー」作業療法士のかかわりで、作業 253 人で週 1 回訪問し、週 1 回の会議をする、必要に応じという声かけからはじめまし所見学、作業所への通所へとっ た。いきなり窓をしめるのでは ながりました。信頼関係づくり て、他のスタッフがかかわると なく、本人の気持ちを尊重するに花見にでかけることもあった いう形をとっています。片道 分ほどが基本ですが、 1 時間以ことが大切なのですね。本人にそうです。 2 週間に 1 回定期受 は病気だという意識はなく、お診して、定期的な服薬にむすび 上かかる場合もあります。 母さんもお父さんもどうしてよっきました。 いかわからない状態でした。家看護師の堀内さんと精神保健 ができる自信がついたこと、そ 福祉士の紺野さんで役割を分担よとか、スタッフが同行してい し、健康面は看護師、社会資源たが、今は自分で作業所に通えのように思えるようになったの の活用は精神保健福祉士と、職るようになっていますよ、などは、本人がどう変わってきたか 種を生かしてかかわっていきま変化を伝えます。確かに、家族をスタッフがていねいに教えて くれたからと話されました。訪 した。訪問に向かう車中で前回としては、一緒に住んでいると、 問支援によって家族も元気にな の訪問のことを振り返ったりし変化に気付きにくいものです。 このように第三者に説明されてれるということがよくわかるエ て、それが自然と事前の打ち合 はじめてわかることがあると思ピソードだと思いました。 わせにもなるそうです。 み いました。 と 医師もピアサポーターも 家族への説明を の スタッフが訪ねてくれて、本 チ スタッフの一員として ていねいに 人の状態を説明してくれる、家 本人へのかかわりをすると同族の不安にも応えてくれる。訪次にお母さんと娘さんの例をト 作業療法士の阿部さんを中心 時に、家族にも、どのように変問支援ならではのよさだと思い の に、お聞きしました。支援対象へ 化があったか、今、どうかかわっます。 あさかホスピタルで年 1 回開は娘さんですが、お母さんは独 ているか、説明しながら支援を カ 障 進めます。なかなかよくならな催するシンポジウムで、お母さ特な考えを持ち、治療や訪問に 神 精 いのではないか、と考えるお父んから、発表があったそうで否定的でした。そこで、アイ・ 集 さんに、以前とくらべて、自分す。本人が変わってくれたこキャンで会うようにして、雑談 特 で爪を切るようになっていますと、今は、本人を応援することすることからはじめました。そ みんなねっと 2013 年 7 月号 8

3. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

多いことがわかる。これは病院 の中だけではわからないこと」 アウトリーチチーム など、チームで訪問することの 「シーフォファーレ ! 」 ( 山梨県市 ) 意義が熱心に語られました。 訪問によって本人、家族が支山梨県甲府市にある公益財団す。 5 月 2 日、甲府駅に車でチー えられるこの事業が診療報酬化法人住吉偕成会精神科病院「住 吉病院」が作ったアウトリーチムの藤江さんと森元さんに迎え され、全国で実施できるように チームは、病院内に拠点を置かに来ていただき、そのアパート なってほしいと思います。 み ( 取材と文 / 鈴木 ) ず、病院近くのアパートの一室に向かいました。まだ新しい一一 と の にチームの拠点を置いています。階建てのアパートの一階、 チ 表札には「夢」と「希望」をの部屋を事務室や会議室など シーフォファーレ にしています。白い楕円形のト つなぐ虹の上に「 Si puö fare! 」 の文字が書かれ、病院の名前もテープルを囲んで、チームス の なく、「アウトリーチチーム事務タッフ 6 名の方にいろいろな話へ 所」と書いてあります。ちなみを聞くことができました。 カ 障 に「シーフォファーレ ! 」と 神 経験を大切にする 精 はイタリア語で「何とかなるさ」 活動方針 集 の意味だそうで、映画「人生こ 特 こにあり」の原題なのだそうで 住吉病院は昨年 8 月アウト の時には渡邉医師が出向き、スみつけて危険な家屋から出てほ同時に、お互いに支え合えると タッフの一員として話をして、しい、ということでした。しか いうことが多職種チームの強み号 月 次第にコミュニケーションがとし、夫婦ともに精神疾患があり だと思いました。 年 れたら通院を勧めたそうです。家から出られない状態が続きま 訪問することの大切さ ピアサポーターの上遠野さんもした。何回も訪ねましたが進展 と っ 支援にかかわりました。自分のがなく、結果的には入院するこ 日常業務との兼務という多忙 ね 亠な 経験をいかし、服薬の重要さやととなったのですが、このようの中、この事業をすすめられる ん み 自分の治療経験を話しながら、 に訪問を拒絶されてなかなか会のは、そこにスタッフのやりが 通院することの大切さを共有すえないこともあります。こんな いと成果があるからだと思いま ることができました。年齢の若ときはスタッフも疲弊してします。みなさんに、この事業に対 い者同士で話があうことも効を いますが、会議をする中で、 しての思いをお聞きしました。 奏したそうです。 ろいろな知恵を出し合って乗り「顔の見える地域のネットワー 越えていくことができるそうでクができる」「ここから医療、 チームで支えあう良さ す。「こんなときチームで支え ここから福祉とわけない連携が 市の住宅課からの依頼で、訪あうことの大切さがわかりまできる」「本人・家族と同じ目 ねていくこともあります。震災す」とアイ・キャンの安西さん的で、いっしょに考え、行動で の影響で半倒壊の家屋に住んでは話しました。これまでの話をきる」「仕事への姿勢がかわり いる方の例です。この場合の目お聞きして、それぞれの役割を支援の力が高まる」「外に出て、 標は、とにかくはやく転居先をもってかかわれること、それと環境が整っていない生活の人が 望 希

4. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

する気持が伝わってきました。 富士吉田市の師をしていたあって生活がうまくいかない人 藤江さんも院長から声を掛けらなど、内容は難しいケースのよ 診察室で声を れました。地域の廸暑田な経験うです。その人に適切と思われ 掛けられて るチームメンバーが訪問しま を持ち温厚な人柄は誰からも信頼 看護師の資格を持っ渡辺さんされるでしよう。他に医師、看護す。丁寧に、ゆっくり時間を掛 は、家族として子どもさんのこ 師、作業療法士の人を含めて現在けて家族や当事者と話し合って とで診察室にいる時に、中谷院人だそうですが、皆こうして、 います。そんな中で家族が変 長に声をかけられチームの一員それぞれの経験を強みにしてい わっていくこと、当事者が打ちみ 解けていくことを実感するそう になりました。「なんで私が ? 」る面々だそうです。 と の とびつくりしたそうです。でも です。その変化がまたチ 1 ムメ チ チームの仲間に ンバーを勇気づけ、今度はこう 今は治療を拒否する人の両親に 支えられて かかわって、親の気持が本当に しようという次の計画に結び付 ウ いていきます。 よく分かると語ります。家族の 昨年 6 月の発足、 8 月からの の へ 1 月から訪問スター とは言え、まだ始まったばか 体験が今の活動に役立っている実務開始、 1 者 そうです。ピアサポーターとしトと、まだ誕生 1 年足らずのほ りのアウトリーチ活動、今日の カ 障 て係る山下さんも同じです。当やほやのチーム、現在 4 件の言葉かけは良かったのだろうか 神 精 事者を訪問して話が弾んだことケースにかかわって訪問活動を等不安になることもあるでしょ 集 がとてもうれしかったそうでしています。 う。そんな時チームが状況を共特 す。 服薬を拒否する人、被害感が有していて、いろいろな話がで リーチチームを発足させまし府県を通して委託されるもので、ターとしてチームの一員となっ た。この事業は、国の精神障害山梨県では現在、住吉病院のみています。 号 月 者アウトリーチ推進事業が都道で三市一町を対象に行われてい こうしてみると、経験者の視点 年 ます。 を活用しているのが印象的です 住吉偕成会は法人全体としてが、これも法人の「共生」という と っ リカバリーの理念を大切にし、 理念を大事にする姿勢の表れと ね な 避さまざまな支援を地域で展開し、言えます。 ん 住吉病院長の中谷医師は、「精み 個別の就労支援にも熱心に取り 組んでいます。 神科病院においてピアサポ 1 ト 現在、住吉偕成会では人を活動をどのように始め、定着させ 超える当事者が、職員として一るか、綿的困難を経験した人達 緒に働いているそうです。そのと一緒に働く経験から学んだこ うちの事務をしている青沼さんと」という論文を書かれているよ と、ソーシャルワーカーの小 1 うに、誰でもがピアの関係である さん・井手さんは、医療サービことを尊重しています。 メンバーは誰とでも平等の姿 スの経験者の視点を持ちながら アウトリーチチームに加わって勢で仕事をすることが求められ、 います。その他にデイケアに通っチ 1 ムメンバーそれぞれの話か ている山下さんはピアサポー ら、互いにチームメンバーを尊重

5. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

当日は、当事者、専門家の発厚生労働委員会にて参考人への担であり、その廃止は長年の家 一 = ロ、シンポジウムを通じ、罰則質疑がおこなわれました。参考族会の訴えが実現することとし を設けるのでなく病気の理解を人には当会の本條義和副理事長て大変評価すると述べました。 深める差別のない社会づくりのの他、石原康則氏 ( 全国就労移しかし一方で、医療保護入院の 必要性が話されました。一方、行支援事業所連絡会協議会 ) と際に「家族等の同意」が入った 危険を避ける運転支援システム池原毅和氏 ( 東京アドヴォカシ ことは、当事者と家族の葛藤が の開発状況について報告があー法律事務所 ) が意見陳述を行おこる問題を解決せず、非常に いました。 3 人の参考人が意見遺憾であると述べました。附則 り、事故が減少し病気や障がい を持っていても行動範囲が広がをのべた後、自民、公明、民主、 に規定された 3 年後の見直しの り、社会参加の機会が増えるこみんな、共産、社民の 6 党から中で、一般医療と同様に「家族 とにも期待がかかっています。質疑がありました。様々な質問等の同意」という文言をなくし、 が出される中、特に当会には、 代弁者等、当事者の権利を守る 精神保健福祉法の保護者制度のシステムをつくる必要性を訴え 一お知らせしま頁 廃止や、医療保護入院をする際ました。当会が本法案の成立に き に「家族等の同意」が入った点賛成することについて、「大変 動 の 0 国会で参考人として意見表明 についての質問が多く、議員の悩んだ末の話だった」と苦渋の 祉 福 関心の高さが伺えました。 決断に理解を示す議員の発言も 法案成立を訴える 健 保 障害者雇用促進法、精神保健本條副理事長は、保護者制度ありました。 神 また、障害者雇用促進法にお精 福祉法の改正案の審議が参議院は、精神病者監護法以来 いて、精神障がい者が雇用義務 で始まりました。 5 月日には、年以上続いた家族への過重な負 パネルディスカッションとして■緊急シンポジウム「事故をな 一知っておきたい一。 障害者差別解消法の成立意義やくしたいー病気や障害と自動車号 、精神保健福祉の動き 課題について、いくつかの団体社会の共存をめざして」 年 より発言がありました。 5 月Ⅱ日、日本てんかん学会、 ■日本障害フォーラム ( ) また、フロアからの意見とし日本てんかん協会の共催で開催 と っ 主催障害者差別解消法の成立て、当会の川﨑理事長は、障害されました。会場のガー ね 亠な を呼びかける緊急院内集会開催者差別解消法のガイドラインやデン竹橋には、障がい者、関係 ん み 5 月凵日、参議院議員会館に指針の策定において、当事者や団体、マスコミなど、約—oo て、「障害を理由とする差別の家族の求めるものになるよう意名が集まりました。 解消の推進に関する法律」 ( 障見を出し、反映させていくこと 一昨年のクレーン事故を契機 害者差別解消法 ) の今国会でのが重要であると発言がありまし に、一定の病気のある人の運転 成立を目指し、緊急集会がおこ 免許所持の在り方が社会問題化 なわれました。開催決定から短障害者差別解消法は、国連のし、現在、法制度の見直しが進 い期間しかありませんでした障害者権利条約批准のための仕められています。病気を理由に が、名を超える参加者が上げとなる法律です。今国会で罰を科することは差別にもつな 集まり、各党の国会議員の出席の成立、そしてその後の見直しがります。公共交通機関の未整 もありました。 も含め、重要性を再確認し、各備な地域においては、病気や障 まず、内閣府障がい者制度改国会議員へ呼びかけをおこない がいのある人にとっては、車は 革推進会議担当室長の東俊裕氏ました。 日常生活に欠かせないもので より概要の説明があり、その後、 す。 こ 0

6. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

これも、このチームの独立性 むしろ話題にしない根気強い会ようかと思っています」と目を 話、受診、受療にこだわらず、輝かせます。ラップとはと、ピアサポートの平等の精神、 生活の質を上げるための支援はと書きます。日本語訳では「元信頼され、任されているという どう報酬化するのでしよう。当気回復行動プラン」というアメ自由さと責任感・チ 1 ムワーク など様々なことが関係してるの リカで精神的な困難を経験した 事者の家を訪問すると、医療面 だけでなく生活全体が目に入り人たちが中心になって形づくらだろうと感じました。 ます。実際この人には薬が必要れてきた手法のことです。アメ 今後ケースが増えていくこと なのかと思うときもあるとか。 リカでは医療と組み合わせると が予想され、そのためにも現在み 今後、国がこのアウトリーチ有効性がある実践だと認められのケースに丁寧にかかわってい と の 事業を制度として報酬という形ているそうです。 ると語る藤江さん。実際困難な チ にしていくときに、チームの人 チームの中では相談しながらケースが増えていくと大変で たちの活動がきちんと評価され自由に考えることができるとメしようが、きっとみんなで乗り ウ ることを願わずにはいられませンバーは語ります。みんなの目超えていかれることと信じます。 の シーフォ へ ん。 が生き生きしていて、アウト アウトリーチチーム Sipuö 者 ファーレ リ 1 チ活動が楽しいという感じ fare! のみなさん、シーフォ カ 当事者・家族に 障 です。シーフォファーレ ! のファーレー 神 かかわることが楽しい 精 チームで当事者・家族にかかわ ( 取材と文 / 良田 ) 集 若いチームメンバーの青沼さることはやりがいがあると森元 特 んは、「私はラップを使ってみさんは言います。 き、安心感があると語るメン院に良い印象を持っていない人れます。 ーの話が印象的です。課題をは、精神科病院の名前に敏感に 地域の医療・福祉サービスの号 月 みんなで共有し、それぞれの立なります。病院から来た人から提供機関としてしつかりとした 年 場から意見があり、学び、気づ入院させられてしまうのではと信念を持つ、こんなアウトリー きがある、それが多職種チーム警戒感があります。そうしたこチチームが、全県、全国に広まっ と っ の良さなんだと感じました。 とに配慮して、住吉病院のアウてほしいと感じました。 ね な トリーチチームは、あくまで ん アウトリーチの活動は 病院の名前は み 「シーフォファーレ ! 」のチー 出さない 生活支援 ムとして訪問し話し、様々なか アパートの表札もそうだった かわりを持ちます。 国は、このアウトリーチ事業 ように、チームメンバーの名刺 当事者が選ぶ医療機関は「住を診療点数化して広めることを にも「住吉病院」の名前は書か吉病院」でなくていいという、 計画していますが、シーフォ れていません。病院の職員の人懐の広い考え方に基づいているファーレ ! のチームの人々は、 はそれ用の名刺を持っているのと聞きました。一方で住吉病院診療報酬というものに結びつか でしようが、アウトリーチチ 1 を退院した人には、病院内にあない活動が多くあると言いま す。 ムの仕事は病院のものと区別さる訪問看護が丁寧に対応してい れているようです。 るのだそうです。とかく病院の実際、当事者に会えるように 過去の嫌な医療での体験か作るアウトリーチは自分の病院なる前の、何回もにわたる家族 ら、治療を拒否していたり、病に結び付けがちなのではと思わとの面談、医療とか受診とかを

7. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

「会員が高齢化して思うような 「家族会」全国調査報告 活動ができない」「支援者がい 号 月 なくなってしまった」「新しい 年 《第 1 回》精神障がい者家族会の現状 会員を増やしたい」との声が多 く寄せられています。 伊藤千尋 ( 淑徳大学 ) ・高村裕子 ( みんなねっと ) と っ こうした全国各地の家族会の ね な 置かれている現状を明らかに 精神障がい者家族会の全国活動を拡げていきました。 ん 組織である全国精神保健福祉会 しかし現在、家族会は高齢化し、家族会はどのような支援をみ 連合会 ( 以下、みんなねっと ) は、 により、衰退状況にあるところ求めているのか、家族会支援の 設立して丸 5 年が経ちました。 が多いと言われています。そも重要性を働きかけたいという思 いのもと、みんなねっとが家族 家族会は 1960 年代から始まそも、精神疾患は親が中高年期 り、「わかちあい」「学びあい」「運になってからの発症が多く、他会に関する実態調査を実施しま 動」の三本柱を中心に活動を続の障がいに比べると親が高齢にした。これから 3 回にわたって、 こ出会い 今回の調査で得られた結果を報 けてきました。精神障がい者になってから、 " 障がい ~ し 対する福祉施策が遅々として進ます。高齢化だけでなく、病状告していきます。 まない中、家族会は「自分たちの安定しない本人を抱えながら、 家族会活動の現状 がやるしかない ! 」と自らを奮家族の力だけで活動するのは現 ①家族会員数 い立たせ、退院後の受け皿とな実的に厳しい状況があります。 る作業所づくりまで担い、その みんなねっとの事務局にも家族会員数は「 2 人 5 円人」 が最も多く 、 % を占めていま .. 」が・ 5 % を占めています。ます。一方で、「 o 回」という す。人未満の規模の小さい家会費以外の収入がない家族会も家族会も 1 割近くあり、「 15 族会が 4 割以上を占めているた半数を超えており、厳しい財政 3 回」と回答した家族会と合わ め、役員のなり手がいない等、状況が見えてきます。 せると・ 4 % がほとんど活動 マンパワー不足を抱えています。 できていない状況にあります。 ④例会の開催回数 ②会員数の増減 例会の開催回数は、「回以⑤例会の内容 ( 図 1 ) 例会の内容については、「近 ここ 3 年間の会員数の増減に上」が % と約 3 割を占めてい ついては、「減っている」が的・ 況報告 ( 自由に話す ) 」が・ 5 % 合 と 日 4 % と約半数を占めています。 と 9 割以上を占めています。次 ね会 月 一方で、「変化なし」が・ 8 % 、 いで「病気の治療や知識」が別・ な族 査ん家 ・ 9 % と回 年 「増えている」が円 8 % 、「親なきあと」が別・ み者 調 い会 0 フ / と続いています。家族会活動の 答している家族会が半数以上存 障家 ~ 6 在することにも注目です。 三本柱である「わかちあい」「学報 の 、ム神 7 日率 査 精刀 びあい」に関する内容が中心に 調 国 家一。の 1 、る月 ③年間の収支決算額 なっています。 全 体象目 , す間 2 況会 家族会の年会費の平均額は約 族 調調国調都 lu 調回 2 家 円となっています。昨年 ⑥家族会活動の内容 , 2 , 全 , 4 会 , 2 , 8 1 2 っ 0 4 5 度の撃文鯊額については「 2 万円 家族会活動の内容について 告

8. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

◆東京都家族代 ) る家族の方の思いが赤裸々に語背中を見せるため等です。 私の孫が統合失調症で病院に 〇られていて、私も共感すること来年は精神保健福祉士をめざ 号 月 します。一生勉強 ! 一生青春 ! 入院しております。幼い頃私が が多くあります。今後生きてい わ 年 育てたも同様です。孫の父親は くうえで参考にさせてもらうよ の 医師ですが神経内科が専門です うな内容もあり、大変ためにな◆愛知県フェニックスマン 本人代 ) ので、現在八王子方面の病院に と んっています。 っ み今後も「みんなねっと」に期某企業で障害者雇用により清入院しております。 「みんなねっと」大へん参考な 〇待を込めて読んでいこうと思い掃のアルバイトを週 3 日やって ます。 〇ます。 になります。若いとき罹患した み 〇 アルバイト入社して 1 年と 6 程重症だなど、それから薬のつ か月経ちました。就職活動は、 かい方、症状などについて詳し 〇日常生活 大手の就労支援センターを活用くありますので、大へん参考に 〇 しました。清掃のアルバイトは ◆東京都ベンネームタモリ なります。私が生きている間は 〇 大量に汗をかくので、ストレス取り続けます。生来明るい子な 家族元代 ) のに、どうしてこんな病気にな 〇社会福祉士の通信教育を受講発散にはもってこいです。 し、受験の苦しみを味わいまし約 8 年前、作業所から再スタったのか不思議です。 ートして、しつかり治療を継続 たが、念願かなって国家試験に 合格しました。 して本当に良かったと確信して◆石川県橋本清本人 ( 代 ) ます。人間はやはり、社会の 受講受験の目的は、ケーマネい 父と 2 人で暮らしていました ージャーの仕事に幅を持たせる中でもまれて成長する動物でが、父は腎臓摘出手術を受け、 ため、地域自立支援協議会の委す。自分は統合失調症、回復期今は鼻から栄養をとっている状 5 年以上です。 員として他障害や各種制度を知 態です。入院して 3 か月程経過 るため、当事者の長男に親父の いたしまして症状も安定してき ◆皆一県胡爽 ましたので、療養型の施設に移 ◆神奈川県佐伯紀雄本人 る予定です。今後、一人で頑張 代 ) 詩・その他 ってゆくつもりでおります。 「みんなねっと」は病気や家族◆愛媛県本人 ( 代 ) いっかまた出会うその日まで 会、精神保健福祉の動向などが 僕がそこにいるように わかり、非常に参考になります。 真珠の雨 日々の中に私達が アラ、雨が降ってる 心よりそえることの 〇 今日の雨は真珠の雨のようだわできる世界を 〇 ステキ わ 夢中になって声かけてる私 2 年先の君に の 雨さん雨さん 何から伝えられるかな 今とは違うよねー 画もっと沢山降って ん 計地球をうずめて下さいな 大切にできるかなあ 5 み 喜びも悲しみも力に変えて〇 , 一一室雨さん雨さん ロマンティックな声で 〇な 歌を歌って下さいな 「読者の皆様へ」 〇み 「ハロー」と言って 当会では本誌内容について、執筆 者への直接のお取り次ぎは致してお 「明るく生きていこう」と りません。内容についてのご意見ご〇一 大きなドラ声で 感想等は、投稿としてお寄せいただ 〇ペ さけんでくださいな ければ幸いです。また、「みんなのわ」〇者 コーナーにお送りいただいた各種文 もっともっと沢山沢山 書、作品等は原則としてお返し致し〇 降り続けて下さいな ませんので、ご了承ください 20 は・をト T 、忖朝石

9. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

「ちょっとだけお酒を飲むこそれから、さんは会社でこれ用が少なくて効果が強いとい まで良い仕事をしてきたことに ともあります」 う、新発売の高価な薬を勧めま 夜中に酒を飲むのは依存症に自信を持ち、お酒以外の楽しみす。しかし、 " うつ病は増えて 近いですよ。前の晩にも飲酒しを持ちましよう。 いないし、憂うつ感には昔から ますか ? 日刻」ー一 ( ~ ( まの安価な薬が少量で効く。と考 〈 " うつ病 ~ は少ない〉 えている臨床家も少数派ですが 「ビールを 556 缶飲みます」 さんは飲酒のせいで良眠で この頃は「うつ病でしよう存在します。 きず、倦怠感や意欲低下も出てか ? 」と言って受診される人は製薬企業と専門家たちが国の いるようです。ここで長く休職多いです。でも、その内の 85 機関やマスコミと同じ意見を言 すると、家に一人で居て酒量が 9 割は " 精神的疲れ ~ と " 憂うう時に、結局、自分たちの利益 増えてしまいます。特に寝酒はっ気分 ~ の範囲です。「うつ病になっている状況は原子力産業 いけません。睡眠薬や抗うつ薬までは行っていませんよ」と伝の場合とよく似ています。 で " 良い眠り , にしましよう。 えます。年休の範囲くらいで仕 ですから、自分の健康が気に 事を休むことが効果的ですし、 なる人はあふれる情報に惑わさ お の 抗うつ薬はほんの少しで良い効れることなく、自分は何に困っ ら き目です。 ているのか、どうすればそれを " うつ病が増えている ~ とテ克服できるのか、自分の状態を診 の レビや新聞で精神科の専門家た観察して、今自分にできる改善 街 ちが解説します。そして、副作策を試みていくことが大事です。 なければ、改善するはずの病気ね。原因のある時には、原因をす。紹介状では「血液検査は異 です。 < さんはうつ病だったと解決することが治療です。この常なく、身体的に悪い所はない。 号 月 してもなかったとしても、彼女場合財布を見つけたら、あっと休職させたほうが良いなら、精 年 を評価している上司の元で、今 いう間に憂うつ感は無くなりま神科で診断書を書いてくれ」と 度は能力を発揮できるでしょす。見つからなくて憂うつ感がのことでした。本人は半分休職 と っ 続く場合は、精神科へ行って抗するつもりです。 ーー = 、、は当うつ薬を飲むよりも、周囲の人質問をしていきましたが、両な 〈憂うつ気分の原因〉 み がなぐさめ、励ます方が良い。 親は本人の不調に気付いていな 憂うつな気分があったとして必要ならカンパをすると改善が くて、体のだるさは仕事に影響 も、それだけで " うつ病 ~ とい 見込めるでしよう。 するほどではないらしい。仕事 , っことではありません。憂うつ日ー一ョ物 0 に」はそんなに忙しくはなく、特に 〈うつ病でしようか ? 〉 な気分を引き起こす甲状腺など 心配事もないらしい の病気はないと確認したら、心 さんは歳の男性、両親とは一、・〕。一」 〈アルコール症〉 理的な原因の有無を考えましょ同居。一部上場企業の工場に勤 う。ずっと頭から離れない心配務しています。「眠れない。身不眠症のことを聞くと、「夜 事があったら、当然、憂うつな体がだるい」と職場の保健室を中に目が冴えて、寝られない」 気分です。 訪れ、産業医から「うつ病ではと言われる。 例えば 2 万円入りの財布を無 ないか」と言われて精神科への それはつらいですね、そんな くしたら憂うつになりますよ受診を指示されたということで時どうしますか ?

10. 月刊 みんなねっと 通巻第75号 2013年 7月号

トロールするのは案外、難しい。絵を描いていると、何かにと り憑かれたようになることもあって、自分でも思いがけないよ うな絵を描いてしまうことがある。どうしてこんな絵を描いた のか、描けたのか、よくわからない。そんな時、その絵を自分 のものとして受け人れられるかどうか。 ある人に、病気の時に描いた絵は、できれば人に見せたくな いと言われたことがあった。まるで自分じゃないみたい、 こん な絵は捨ててしまいたいと思うというのである。 ところで、最近の若い人の絵には、マンガやゲーム、アニメ の影響が感じられるものが多い。同じように二十年近く前、病 4 院に行くようになった頃に見た絵の中には、昔のぬり絵にでて くる女の子の表情そっくりなものがあって、描いた人がどうい う世代か見当がついた。 その人がどんな絵を描くかは、社会や生活環境と関わりがあ る。どんなに独創的と思える絵でも、時代の影響からは逃れら れない。上手下手ではなく、 しい悪いではなく、きのうを振り 返り、きよう、そしてあしたを考えるというような、あるいは 作者を、社会の一員として捉えるような、そんな絵の見方があっ てもいいのではないかと思う。 8 絵の見方 を 絵と文【織田信生 ( 土佐病院絵画講師 ) 絵 何年か前のカレンダーの絵の作者から、久しぶりに連絡があっ た。デイケアを卒業して、最近は作業所に通っている。自分に合っ た仕事で楽しい。それで絵はというと、あまり描いてない。 カレンダーに使わせてもらった絵は、まるで童話かゲームの ように、人の身体が大きくなったり小さくなったりするという 不思議なものだった。その後、そういう絵を何点か描いたが、 描いているうちだんだん絵が暗くなってきたのでやめて、静物 画を描いてみたがそれもいまはやめてしまった。 働ぎながら描くというのは大変で、無理にというなら描けな くはないが、 疲れて帰ってくると、普通、なかなか描く気分に なれない。 しかし、描けなくなる前、描いているうちこんな絵は描きた くないと決めたのはよかった。そんな風に、自分で自分をコン 17 絵を描く人たち みんなねっと 2013 年 7 月号 16