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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

■今年度より新刊の「精そして、何よりその悩 神障がい者家族相談事例みや相談に懸命に対応し 集」に事務局担当としてている家族相談員の姿に 感銘を受けました。同じ 携わってきました。 立場の家族として悩みを この本は、精神障がい 者家族が、精神障がいの共感しながら、その人に 相談に応じている事例を沿った援助を考え抜いて 載せているのですが、そ行なっていることは素晴 し者とらしいことだと思います。 の中で、精神障が、 家族がとても大きな悩みそして嬉しいことに、 を抱えていることを切実精神障が、 し者家族や支援 者など多くの方から待ち に感じました。 精神疾患と向き合いな望んでいた素晴らしい書 がら生活している精神障籍だと好評の声をたくさ 力い者本人、その本人がんいただいています。 この書籍を通じて、精 苦しんでいることにどの よ一つに対処したらよいか 神障がい者本人と家族の 実態、その援助に真摯に 悩んでいる家族・ : 今回の書籍の編集に携向き合う家族相談員の姿 わり、精申章が、 し者と家を、広く多くの皆様にお 族が社会の生活で苦しん伝えできるようにしたい でいる実態を垣間見れたです。 ような気がし、とても勉 強になりました。 - 10 月 27 日 ( 木 ) 2016 みんなねっと三駄会主なスケジュール予定 ) 10 : ~ ・受付※当日は、事業所の授産製品の即売会も予定。 9 : ~ ・受付 9 : 30 第①「広げようアウトリーチ」 11 : 15 ~ オープニングセレモニ ~ 地域でくらす本人、家族によりそって ~ 1 1 : 30 1 2 : ) ~ ・開会式 ☆コーディネーター鈴鹿医療科学大学教授貴島日出見 第②「元気な家族会に ! ー 1 3 : ) 、・基調講演 ☆コーディネーター日本福祉大学教授青木聖久 「誰でもわかる認知行動療法」 - 般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長 第③「安してくらせる社会を目指して」 / 大野裕氏 ~ 差別解消法これからを対話しよう ~ ☆コーディネーター三重大学教授片岡三佳 14 : 20 ~ みんなねっと活動報告 みんなねっと理事長 / 本條義和 第④「はじめよう ! 若者への啓発を」 行政報告 ☆コーディネーター聖隷クリスト万一大学准教授大場義貴 厚生労働省より ( 予定 ) 第⑤「ピアカフェ」 1 5 : 40æ記念講演 ~ みんなてしやヘろう ~ ☆ケスト松本ハウス 「精神科アウトリーチ」 ※定員 1 OO 名 : 当事者限定 ( 不安な方は家族同伴可 ~ 入院に依らない精神医療の実現のために 千葉大学医学研究院特任教授 / 渡邉博幸氏 1 1 : 45 ~ 閉会式 分科会報告大会アヒール採択次期開催県あいさつ 17 : 終了※懇親会参加者はハスて移動 1 2 : 40 閉会 ( 予定 ) 1 8 : 30æ懇親会 津センターハレス ( 都ホテル ) 『ビアサミット』 10 / 28 ( 金 ) 13 : 30 ~ 15 : 30 三重県総合文化センター中ホール お笑い芸人松本ハウスさん来たる ! 住催 : ビアサポートみえ《入場無料》 ) ◆申込先 F 059 ー 225 ー 7633 ◆ E-Mail*tsu@mwt.co.jp 都道府県 「参加証」などの送付・連絡先 ( 勤務先・自宅 ) 所属団体 申し込み ( ふりかな ) 代表者 電話 FAX 参加種別・家族・医療福祉支参加希望する分科会懇親会 お昼の弁当注文 性年援者、一般 3 , (X 円 ふりがな ( 2 日目 9 : 30 ~ ) 7 ( 〕円 1 食 I,C)C)O 円 No. 氏名別齢当事者 58 円 第 1 第 2 第 3 1 日目 1 日目 2 日目 学生 I,OC)O 円 希望希望希望 みえたろう 家族 ①②③〇 例三重太郎男 55 〇 〇 10 月 28 日 ( 金 ) 2 日目 分科会 編集後記 ( 鈴木 ) 参加申込書 ( 宿泊なし用 ) 【ご寄付のお願い】当会の活動は、皆さんの会費を主な財源として いますが、活動資金が不足しています。より活動を充実していくた めに、寄付を募っています。ぜひご協力ください。 * 通信欄に「寄 付」とご記入ください。寄付金控除・税額控除の対象になります。 ■郵便振込 00130 ー 0 ー 338317 加入者名みんなねっと 月刊みんなねっこ通巻第 111 号 ( 2016 年 7 月号 ) 定価 300 円 発行日 2016 年 7 月 1 日 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 発行者公益社団法人全国精神保健福祉会連合会個人・年間 3 6 () 0 円 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170-0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 4 6 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL () 3 ー 6 9 0 7 ー 9 2 1 1 FAX () 3 ー 3 9 8 7 ー 5 4 6 6 郵便振替 O () 1 3 () ー () ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken.jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生 備考 合 1 2,C)CX) 円 ※宿泊のお申込みが必要な方は、別紙「大会案内バンフレット」にある「参加申込書 ( 宿泊用 ) 」にてお申込み下さい。 ※お申込みは、 FAX ・メールもしくは郵送にてお申込みくたさい。 ( トラブル防止のにめ、電話でのお申込みはお受けしておりません。 ) ※申込み・問い合わせは、『名鉄観光サーピス津支店』電話 : 059 ー 225-7676 FAX : 059 ー 225 ー 7633 〒 514 ー 4 三重県津市栄町 3 ー 141 ー 1 モアピル 5 階 E メール : tsu@mwt.co.jp 担当 : 鉞田 ( おのだ ) , 田口

2. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

士などの学識経験者とされてい 少し説明しておきます。 医療保護入院の基準があいま いなので、現在の精神保健福祉 「精神保健指定医」は、 5 年て、合計 5 名で構成されていま 号 月 法では 1 名の精神保健指定医の以上の臨床経験のある精神科医す。それぞれの委員は、普段は 年 が、措置入院か医療観察法の強他の職場に勤務していて、審査 診察で良いとされているのを、 2 クにー ) て一はー ) 。また、この制入院 1 ケ 1 スを含む 8 種類の会が開かれるときだけ集まりま と っ す。 5 人による 1 回の審査会で 法律を根拠にしている「精神医精神疾患治療例についてのケー ね —oo 通を超える報告書を審査な 療審査会」があるが、きわめてスレポートを提出して審査に受 しなければならないので、本人み かれば資格が得られます。 弱体であり、行政が運営してい るので患者の権利が守られない 「精神医療審査会」は、精神に会って確認するなどの手間は 、とか多一、 強制入院が行われ保健福祉法に基づいてすべてとてもかけていられません。 たときに提出される報告書の審の都道府県に設置されていま 査に圓日もかかっていて、人権す。委員の人数は一つのチーム地域の支援体制について 木全副理事長の意見は続きま 侵害が常態化しているのて改革が 5 人で、例えば東京都では 6 する必要がある」 チームが置かれていて、それぞす。 「地域の支援体制についてのみ れが強制入院の報告書の審査に との意見を述べました。 当たっています。 5 人の職種のんなねっとの意見をお伝えしま 蒋保健指定医と医番査会内訳は、 2 人は精神保健指定す。 ます、家族を支援の責任者に ここで、「精神保健指定医」医、 1 人以上は法律の専門家、 と「精神医療審査会」について、それに 1 人以上の精神保健福祉するのてはなく、国と地方自治 体が責任をもって必要とされる 地域ごとに整備して、医師、看以内に退院させられる例が目立 あらゆる支援体制を整える。へき 蔓師、公認心理師、精神保健福ち、家族が困窮している。家族 であること。 祉士、ピアサポーターなどによ が地域で看護てきなくなると入 院させられ、病院で生涯を終え 精神科病院の中の退院支援委る多職種チームを置き、そこか る人が多い。家族に頼、らなくて 員会には、地域の相談支援専門 、ら訪問を行な、つ・よ、つ・にしてほし 員などの支援者を参加させ、本 支援の対象に家族も加えて も地域で充実した生活ができる 人の意向に沿って病院側と連携ほし、 ように、地域の支援体制を一日 して退院支援を進めるべきであ その他、入院中の患者の人権 も早く、国と社会の責任で整え て ること。 てほしい。」 を守るために、本人から要請が っ 地域での支援体制のあり方に あれば「代弁者」を病院外の人材 このような意見を、厚生労働 ついては、心理的支援を充実さ から選んで本人の希望を実現す省の第 2 回検討会のヒアリング 取 の せるために相談窓口をたくさんるために行動してもらう制度をで木全副理事長が切々と訴えま 会 員 い。ムロ療において本した。 設けてあらゆる心配事の相談を 策 受け、傾聴を大切にして安心で人の人権を守るために、本人が治 政 レ」 ) るよ、つに、また、そこでケア療を又け付けないよ、つなと一に さて、ここで、これまでの 3 っ ね 亠な マネジメントがなされ、すべて は代わりに家族が医師から説明回にわたる政策委員会の審議の ん み のサービスが包括的に組み合わを受け、納得できてから治療を なかから、いくつかの主だった されて提供されるよ、つにしてほ 始めるよ、フな制度にしてほし、 テーマを拾って、その議論の様黻 しい。精神保健福祉センターを 最近は、入院してから 3 か月子を紹介します。

3. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

界に類をみない長期入院という同じである。現に多くの医療的持てる団体となれるように、活 状況下にある。これは、「精神ケアを必要とする人々も在宅ケ動していく。そのためにも国際 アで生活を送れるようになって的な視野をもち情報集約と発信 障がい者は危険」「精神病院に 入院させるべき」との科学的教きている。なぜ、精神疾患を持も重要な役割としていきたい。』 育の欠如とあいまって、社会的つものだけが、入院の必要がな 偏見や差別として形成され助くなっても病院に閉じ込められ「みんなねっと災害対策本部」 ていなければならないのか の設置について 長・増幅されている。そして、 4 月凵日前震、日本震が発 精神科特例に見られる低医療費また、何かのときに地域社会 制度体系は長期入院と表裏一体に受け入れられるようにするに生した熊本地震は、震度 7 以上 は、当事者、家族にのしかかるが 2 回観測され、今後の余震も の問題でもあることを忘れては ならない 過剰な負担の実情を伝え、啓発予測が出来ない状況にあり、甚 精神疾患があっても、人とし教育が大切である。偏見や差別大な被害を及ぼしています。当 て地域生活を送ることができるが除去されてこそ普通の生活を会では、災害対策本部を設置い 感覚を世間に浸透させることな送れる。これは何も精神疾患をたします。 き 被災状況については、熊本・ もつものだけでなく至極一般的 しに、人権侵害は解消しない。 動 必要なときに子どもを預け、必に共通することではないのか。 大分両県連への聴取、事務局長 要なときに医療が受けられ、必私たち「みんなねっと」は、当の熊本被災地視察視察 健 保 要な所得を得られる仕事や社会事者・家族が当たり前の生活を団として ) を通じて情報収集し 神 精 イ障制度を利用しながら、生活送れるようになるために会員のてまいりました。 を送るのは一般市民にとっても総意と創意で、社会に影響力を施設や福祉サ 1 ビスを利用さ 以下、事業計画「はじめに」解消法が施行された。市民間の お知らせします を掲載いたします。 差別に留まらず、障害者間の差号 『本会は、平成絽年Ⅱ月日別に対し、当会もこの促進と定 みんなねっとの活動 年 に前身となる特定非営利活動法着に寄与していきたい。 ■平成年度定期総会報告 人を発足させた。その後、平成とはいえ、歴然とある精神障が と っ 5 月日 ( 木 ) に東京セミナ年 7 月 1 日一般社団法人としい者当事者への人権侵害を絶対 ね ー学院で開催されました。 て設立、同年月日公益社団に許すことは出来ない。とりわな 今回の総会は、みんなねっと法人全国精神保健福祉会連合会け、精神保健福祉法 ( 精神保健及み 設立川周年、役員改選となる節として変更承認を経て、本年はび精神障害福祉に関する法律 ) に 設立川周年を迎えた。 目を迎えました。 おける、保護者に関する規定削 厚生労働省障害保健福祉部精精神障害者家族会は約半世紀除にともなって当然廃止される 神・障害保健課長田原克志氏、前の昭和年代に地域で悩めるべきであった医療保護入院が廃 顧問弁護士樫尾わかな氏、顧問家族が相談しあうことや精神科止されずにある。医療保護入院 税理士富岡美也子氏にご列席、病院で家族が学習することから に「保護者の同意」が「家族等の 誕生した。ここに社会にむけた同意」として形を変えて存続し 顧問の白石弘巳氏にもご参加い ただきました。 運動をすすめることが加わり、ている。家族扶養・自助が前提 平成年度重点課題 ( 5 月号癒し ( 相談 ) と学習と運動が家族とされているが、本来、公的責任 において社会的扶養・公助を原 4 頁参照 ) とした事業計画、予会の軸となった。 則としてしかるべきである。 算、決算、活動報告、災害対策 わが国の精神保健医療は、世 平成年 4 月には障害者差別 特別決議が承認されました。

4. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

私と、 手記、 統合失調症の娘と共に あゆみ続けて 23 年① ( 鳥取県 ) 濱崎智煕 そんな中、教授から、「夏休 みの早い時期に、家に連れて この 2 年間、私は、家に戻っ帰ったほうがいいのではない か」と言われたので、連れて帰 ても、いっ電話があるのかと心 配で、いつも服を着たままの状りました。そのため受診のとき 態で寝ていました。ですから敷には、京都に戻るというような 布団を敷いて寝たことは一度も生活になりました。 娘は、「風呂に入るように」 ありません。 と勧めると、やっと入浴すると 娘は顔色が悪く、髪はパサバ 家では相変わらず いう状態で、 : サ、月のものが巡って来ても、 , 、トイレの掃除もできず大変な状の寝たきり状態にあり、食事も 手 の 夜のみという始末でした。私が 態でした。 ときどき、友達が訪ねてきて勤務して家にいないときは、本家 心配してくれている様子で、大人の気分がいいときに起きてい たということもあったようです 学にも、たまに行っていたよう 娘が発病したのは幻歳の時で週間分の投薬で様子を見て、再 す。大学の 2 年生でした。 5 月び 1 週間後に受診するというこ です。深夜に教授より電話があとで、治療が始まりました。 りました。 「娘さんが大変です。混迷状 態です。至急、こちらにお出で しかし、 1 週間経っても、幻 ください。お願いします」 覚、睡眠障害があり、不安状態 私は、不安と心配でいつばい になり、心の動揺を抑えることのため食事も摂取できていない こともあるという状態でした。 ができませんでした。 私は、教授に娘の状態を伝え とりあえず行ってみないこと にはわからないので、夜中に一て相談をするために、時々、京 人、夢中で車を運転して、京都都に来ていましたが、そのたび に着きました。娘と一緒に大学に、食事を作り置きし冷蔵庫に へ行って、教授と話し合い、そ入れて帰るということをくり返 のまま、京都大学の精神科外来していました。 次に来るまでに、冷蔵庫が空 を受診しました。 私は、医師から「統合失調症になっているだろうと思いなが ら下宿に行くのですが、本人は、 ですよ」という説明を受け、 1 部屋のカーテンを閉め、べットです。 に横になったままの状態でし 」 0 みんなねっと 2016 年 7 月号 22 一三ロ

5. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

が聞こえない方が良い」と言わのはお母さんのせいかも知れなしよう ? 「私に悪いところがあったの れますのでリスバダ 1 ルでの調 い」と繰り返すようになってい 整です。この 3 年間は両親と暮ました。リスバダールを目いつでしようか ? 」 はか。は 「娘が " お母さんが怖い。と らし、家事手伝いなどをして少ばい飲んでみましたが、 かしくありません。ちょっと減言う時にどうしたらいいんで しずつ自信を持てるようになっ ておられました。でも、ほとんらしてジプレキサを足してみましようか ? 」 と悩み顔です。 ど家から外出せず、話す相手もしたが、 " 副作用の糖尿病が心 お母さんは娘さんが仕事を辞 両親に限られていました。ディ配 ~ と言われ、服用を中止され ケアにも誘いましたが、さんます。この薬は食欲を高める傾めたことを残念に思っておられ は来たくないと言われます。「病向がありますから、糖尿病の人ませんか ? 早く病気を治し には処方しません。糖尿病でなて、結婚して欲しいと願ってお 気の人と居ると、自分も病気に なりそうな気がする」という理 い人や食欲の強くない人には危られるでしよう ? どこのお子 さんもそれを分かって、親の期 由でした。 険な薬ではないのですが : というわけで、このところ *-a 待に添えない自分を責めるもの 〈幻聴の再悪化〉 さんの薬の方針は難しいことにですが、その気持ちがちょっと 方向を変えると、 " お母さんが もう一歩壁を越えられなかつなっていました。 たさんですが、半年前頃から住日Ⅱ 2 当灣 0 一 0 一 ) 「、】私を苦しめる ~ となるのです。 〈母さんが怖い〉 どうしても本人の苦手なこと 自分を責める声がまた強くな り、その上「私が病気になった 今回のお母さんの相談は何では、先に親があきらめるのが良 ・ : 自山に生きるのが基本ですが 自山が去なこともあります : 連載脚回 〈幻覚妄想状態〉 〈薬物治療〉 を受診されています。 2 、 3 日前に来られたばかり この時には「 " 罪を犯したん リスバダール中等量の服用を なのに、»-a さんのお母さんが一じゃないの ? ~ と言「て来る小始めたところ、ふらふらと外に 人で受診されています。 さい人がいる」と言われ、突然出て行くことは治まり、幻聴や *-a さんは高卒後公務員として笑い顔になったり、部屋の上の妄想も少し減りましたが、月経 働いていた歳代の女性で、約隅の方に目をやって何かを聞い が来なくなってしまいました。 5 年前、付き合「ていた恋人とている様子をされたりするのでそれで、薬を変更しましたが、 婚約をした頃に自分の行動に自した。幻聴と妄想とを体験してさんの幻聴にはうまく効きま 信を持てなくなり「私は犯罪者おられ、統合失調症の症状のさせん。いろいろ他の薬も試しま ではないか ? 」などと言うよう なかにおられていました。 したが、しつくりしません。 になっておられました。両親に さんが「生理が止まっても、声 ましもと しげき 増本クリニック院長 みんなねっと 2016 年 7 月号 26 増本茂樹 便 お の ら カ 一所 療 一三ロ の 街

6. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

連載 7 回 とができて、はじめて、本人や 家族は経済的支援を受けやすく なるのです。社会的コンセンサ ス ( 社会全体の理解 ) が得られ ることによって、本人や家族は、 胸を張って経済的支援を利用で きると言えるでしよう。 相談するのは気が引けます」と自分の最愛の家族が精神障がい 先月号でお知らせをしました 言う方がいます。だからこそ、を持っことになったならば ように、今月号より 1 年強 ( 私は、専門職の研修会で、利 回を予定 ) の期間をかけ、青木次のような文脈で理解をするこ とが大切だと思っているのです。用者のニーズがわからなければ、 及び仲間の研究者や実践家から、 精神障がいによる経済的課題「自分が利用者だったら、と考え 経済的支援特集をお届けします。 は、個々人の努力不足でもなけて下さい」と言うことがありま 今回は、「なぜ、経済的支援な のか」という、当たり前のようれば、家族単位で解決すべき事す。すると意外にも人は、自分 であり、でも、とても大事なこ柄でもありません。誰もが直面のこととなると「何とかしてみ とについてお伝えします。精神する社会的課題として、捉えるます」など、控え目な反応にな りがちで、それは、年齢が上が 障がいのある本人 ( 以下、本人 ) ことこそが重要となります。社 や家族の中には、「お金のことを会全体が、そのように捉えるこるにつれ、その傾向にあるよう です。 活レベルの生きるから生活て、人々は、結果の格差に対し ところが、そのあなたに中学の質のレベルの生きるに向けてて、不満を言っているのではな 生の子ども、あるいは、孫がい もちろん幸せは、経済的なこ く、機会の格差、つまり、機会 るとしたらどうでしようか。そとだけで満たされるものではあの平等にこそ関心を払っている ことがわかりました。要するに、 の子が、 5 年後に精神疾患を発りません。されど、精神障がい 症し、入退院を繰り返し、生きづ による思考障がい等から就労制人々は機会としてのスタートラ らさを抱えるようになったと想 限が起こり、就労による収入がインで不公平が生じることには 像してみてください。そうなる得られにくい人がいるのです。納得がいかないのです。 と、反応は急変し、現実的な問 そうすると、暮らしにおいて、 精神障がいによって、収入が低 題に目が向くことになるのです。不便が生じやすくなります。不くなれば、食生活等へ直接的に影 実は、私が経済的支援に取り便があるからと言って、不幸に響します。また、ストレスを解 組んでいる理由はここにありまなるわけではないです。でも、 消しようと思っても、経済的課 す。平たく一一一一口えば、人が社会で最愛の家族が幸せになれるよう題があれば、活動範囲が狭まり、 暮らすうえで、経済的なことは、 にと願い、少しでも不便の解消結果として、多くの社会資源、さ 、刀カ 最も現実的課題であるにも拘わに取り組もうとするのは、当たらには、価値観と出会う機会も らず、それが解消されずに、暮り前の想いではないでしようか。減ってしまうのです。要するに、 らしている人はたくさんいるの十数年前より、「格差社会」の経済的課題は、衣食住という日 です。 ことが取り上げられるようにな常生活レベルの差もさることな りました。その中での結論としがら、生活の質のレベルにまで 0 なぜ、経済的支援なのか ( 経済的支援特集① ) 日本福祉大学 青木聖久 みんなねっと理事 0 みんなねっと 2016 年 7 月号 30 31 知ることは生きること

7. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

差が生じてしまうのです。 大学卒業後 3 年間、電機メー は、その友人が、生きづらさに さらに続きます。本人に子どカーで勤務をした後、統合失調対して、肩に力を入れることな まふ もがいるとした場貪子どもは、症を発症し、闘病生活が始まり く語る姿が眩しかったと言いま 週末に様々なところに出かけるました。ところが、「働くことす。また、その友人が語った「気 ことによって複数の場を知ったさえできれば状況がかわる」と負わずに、自分らしく生きてい り、多様な人たちと親を介して出考え、無理してフルタイム労働ると、不思議と周囲は応援して 会うことによって、暮らしの多様に就いては調子を崩し、しばらくれる」という一言葉に、はっと く自宅から出られなくなり、そしたそうです。 生につくことになります。とこ 正直、これまで健さんは、人 ろが、それらの方法を知らない して、またフルタイム労働に就 と、後に様々な問題が生じた時のく、というようなことを年間を学歴や職業によって評価して いました。でも、その友人の穏 対処方法の選択肢を身に着けづぐらい繰り返していました。ま らくなってしまうのです。このよさに、アップダウンの暮らし方やかな表情を見た時、人生観が になっていたのです。ところが、変わるぐらいの衝撃を受けたと うに、暮らしに直結する事柄から、 言います。そこで、健さんは通 間接的な事柄に及ぶまで、多く健さんの友人が、障害年金を受 の機会を得るために、経済的基給しながら、精神障がいを開示院先の主治医や精神保健福祉士 することによって、職場から労 に相談をし、障害年金を受給し 盤が必要になると言えます。 始めると共に、障がいを開示し 働時間や人間関係に配慮されな がらパート労働をしていることた働き方をしようと考え、就労 経済的支援を活用した働き方 杉山健さん ( 相歳、仮名 ) は、を聞きました。何よりも健さん移行支援の事業所に通い始める ことにしたのです。 より兵庫で活動を共にしてきた 未来が見えないような社会は、 とぐちやすこ 弱くてもろいと一一一一口えます。そのピアサポーターの渡ロ泰子さん ような中、前述の健さんのよう が仲間から聞いたという次の言 経済的な安定と的な安定 あえて、前月号と同じことをに、経済的支援を活用し、基礎葉を紹介しています。それは、「精 書きます。 的収入に据え、プラスアルファ神安定剤より、生活安定剤が欲 国は年に「こころのの働き方という選択肢を知るこしい」いというものです。 渡口さんは、精神薬を否定し パリアフリー宣一一一一口」を出し、生とによって、精神障がいと付き 涯にわたって、国民の 5 人に 1 合った未来への生き方が想像でているのではありません。そう 人は精神疾患を体験すると発表きると共に、創造することがでではなく、本人や家族が地域で 安心、安定して暮らしていくた しました。となると、ほぼ全てきるのです。 の国民が、本人、あるいは、家 一方で、人は、経済的に安定めには、医療的な支援だけでは 族の立場になるのです。今、仮することによって、精神的な安不十分だ、と。そして、「生活安 に自分の身近に精神障がいのあ定につながります。経済的課題定剤」という言葉を用いて、生 る人がいなくとも、自分の子が、を抱えている人が、今と将来に活を支える経済的支援の制度やと こ あるいは、孫がその立場になるおいて、日々精神的な不安を抱サービスこそが重要だと言って る き いるのです。 くのは、当然のことではないで 生 可能性を全ての国民は持ってい と ( あおききょひさ ) ます。 しようか。私は、講演で経済的 こ る 自分及び家族が、ひとたび精支援の大切さの話をする際、必 ①青木聖久 ( 2 013 ) 『精神障害者の 知 生活支援』法律文化社、引頁 神障がいを持っことになれば、ずと言っていいほど、約年前 みんなねっと 2016 年 7 月号 32

8. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

政策に反映させる本格的な見直た地域精神医療への転換の動き機能自体が実質停止状態になっ しは一度もありませんでした。 を受けて、 19 6 0 年代前半には、てしまったからです。またこの混 そのため 19 5 年に制定し日本精神神経学会では精神衛生乱は、綿医療界全体にも悪影響 た綿衛生法は、綿法、精法の全面改正に向けた討論が始を与えたのは明確です。 神保健福祉法と法律の名称が変められていました。それは綿衛本来は、綿医療改革に指導的 わっても、綿医療政策の基本で生法の改正で、通院医療費公費負役割を担う日本精神神経学会の ある入院中心の隔離・収容の精担制度 ( 外来診療の無料化・外来取り組みは頓挫し、当人ムは、指導 神科医療や精神科特例などの精の促進 ) 、保健所の精神衛生事業的役割を果たせないまま今日に 神科差別を基本とする政策は変の開始 ( 師の訪問活動・精神至っています。その結果、日本は、 わっていません。 保健相談の開始 ) 、精神衛生セン 1960 年から本格的に始まっ ター・地」審議会の設置を各た欧米諸国での地域精神医療の 同かって頓挫した地域精神医療 望 都道府県に義務つけるなど、地域取り組みからとり残され、しかも 展 に向けた動き の 精神医療をめざす施策が具体化多くの問題を抱えた精神科病院 革 改 地域精神医療の動きについてし重要な第一歩が始まりました。 についても放置されたまま、今日 と 状 しかし、この動きは、 1969 に至ってしまいました。 も、日本において全くなかったわ 現 の けではありません。 年 5 月石川県金沢市であった第それでは今日の精神科医療は 療 抗精神病薬の普及による精神 回の日本精神神経学会の大混どうつくられたのか、次回の 8 月科 精 症状の軽減、それに伴う外来治療乱以降、止まってしまいます。学号でみたいと思います。 の前進、そして先進諸国で開始し会の混乱状態が長期化して、当天ム ( うじいえのりあき ) 方が根強く、それ故に精神科のなど医療従事者を地域に移動さ 1950 年に制定した精神衛 入院医療に頼る傾向が否めませせ、廃止された病棟に使われてい 生法は、その後 1965 年の綿号 月 ん。このような考え方が存在したお金を地域医療に使用するこ卑法の大幅改正 ( ライシャワー 年 続けるため、精神科医療即ち精とは容易でした。病院経営者から事件 ) 、 1987 年精神保健法制 神科病院への入院ということにの抵抗はなく、病院への経営保障定 ( 宇都宮病院事件 ) 、 1997 と っ なってしまいます。これは地域は必要ありません。また病院で働年「精神保健及び綿障害者福祉 ね に医療支援や生活支援を行なう いていた職員は公務員です。そのに関する法律」 ( 精神保健福祉法 ) な み 施設があまりにも少ない結果、入ため県が責任を持って、病院からと変わりました。 院医療に頼らざるを得ない状況地域への雇用転換ができました。 2 年心神喪失者等医療 にあることは勿論、先進諸国の地一方日本は、精神科病院の 8 割、観察法 ( 池田小学校児童殺傷事件 ) 域精神医療に大きく遅れている精神科病床の 9 割は民間病院でが制定されました。 現状が国民に知られていないこす。そのため先進諸国のように容 この間の見直しは、綿保健福 とも考えなくてはいけません。 易に精神科病院の大幅削減が行祉法の制定以外は、綿障生暑と なえない事情があります。 精神科病院の不祥事が契機でし 精神科病床の 9 割は民間病院 た。そうした理由での見直しだっ 国かろうじて行なわれた見直し ベルギーを除く先進諸国の病 たために、不祥事で厳しく指摘さ 院は、病院などの公立病院が しかし、日本でも、綿医療政れた部分の改正に止まっていま 圧倒的多数です。そのため精神科策の見直しが全くなかった訳です。残念なことに先進諸国のよう 病床を大幅盟し、医師や看護師はありません。 に綿科治療の進歩を、綿医療

9. 月刊 みんなねっと 通巻第111号 2016年 7月号

2016 7 月号通巻第 111 号 ( 表紙の絵】。 - 織田信生 お知らせします 特集 みんなねっとの活動 2 みんなねっと「政策委員会」の取り組み① 医療保護入院と家族の同意、患者の移送問題と早期退院などについて、どう考えるか ( 野村忠良 ) 6 精神科医療の現状と改革の展望 【連載第 4 回】精神医療政策を見直さない日本 ( 氏家憲章 ) 18 私と家族の手記「統合失調症の娘と共にあゆみ続けて 23 年①」 ( 濱崎智煕 ) 街の診療所からのお便り【連載 11 の ( 増本茂樹 ) ・・自山に生きるのが基本ですが自山が不安なこともあります・・ 知ることは生きること ( 連載 7 回 ) なせ、経済的支援なのか ( 経済的支援特集① ) ( 青木聖久 ) 30 真澄こと葉のつれづれ日記 ( 第 64 回 ) 34 みんなのわー一読者のページ・地域の話題 36 22 26 知っておきたい精神保健福祉の動き / 特集 / ( 投稿 ) 私と家族の手記 / 連載 ①街の診療所からのお便り / 連載②精神科医療の現状と改革の展望 / 連載 ③知ることは生きること / 連載④真澄こと葉のつれづれ日記 / みんなのわ ( 読者のヘージ ) ほか ・「月刊みんなねっコこれまでの特集の・ ・ 2014 年■ 2 月号 : 働き続けるために一一自分に期待できる働き方 3 月号 : 薬を減らすガイドラインへの期待 4 月号 : その人のできることを実現するための就労支援 5 月号 : 本人・家族をともに支える訪問家族支援【その①】 6 月号 : 本人・家族をともに支える訪問家族支援【その②】 7 月号 : 奈良県で福祉医療制度が実現 8 月号 : いきいき家族会 9 月号 : 障害者差別をなくす地方条例をつくろう 10 月号 : 高齢化する精神障がい者にどんな支援が必要か 1 1 月号 : メンバーとスタッフが協働して運営するクラブハウス 1 2 月号 : 「あなた病気の人、私治す人」から「私も家族の一人です」となって見えてきたこと ■ 2015 年・ 月刊みんなねっと ~ 毎月こんな内容でお届けします ~ 1 2 月号 : 戦後 70 年と障害者権利条約 ( 藤井克徳 ) 11 月号 : 日本でも本人と家族をともに支援する家族支援の実現を 1 0 月号 : 精神障がい・精襯呆健の正しい教育を一世界の教科書比較 ( 山田浩雅 ) 9 月号 : 全科が無料になる医療費助成一地域家族会のとりくみ 8 月号 : 家族をひろげ元気にする家族相談活動ー愛知の経験から ( 木全義治 ) 7 月号 : グループホームの運営ってどうなっているの ? 6 月号 : 精神障がい者」にも交通運賃の割引を 5 月号 : 精神障がい者の「住まい」を考える一英国の居住支援から学ぶ ( 上野勝代 ) 4 月号 : 地域医療の発展をめさした「府中こころの診療所」を訪ねて 3 月号 : 精神障がい者の地域移行と地域生活を考える 2 月号 : 精神障がい者同士で結婚して 11 年目のわたしたち 1 月号 : 身体・知的障がい者と同等の交通運賃割引制度の実現を求めて FAX での申し込みもお受けします (FAX 番号 03 ー 3987 ー 5466 ) にお振り込みください ( この場合、振込手数料は自己負担願います ) 。 の振込用紙の場合、「 () () 1 3 0 ー O ー 3 3 8 3 1 7 みんなねっと」宛て さい。「通信欄」には、ご希望の号を記入してください。郵便局に備え付け 「 300 円 x 冊数十送料 80 円」の金額を巻末の振込用紙にてお振り込みくだ ・月刊みなねつのノヾ、、クナンパーのお申一方湾・ 6 月号 : 精神障がい者と家族ーそれぞれが自立し、ささえあうために① ( 白石弘巳 ) 5 月号 : 精神障がい者と家族ーそれぞれか自立し、ささえあうために① ( 白石弘巳 ) 4 月号 : 家族だからできる家族支援『家族による家族学習会プログラム』 ( 岡田久実子 ) 3 月号 : 障害者総合支援法施行 3 年後の見直し ( 本條義和 ) 2 月号 : 精神障害者と差別解消法 ( 池原毅和 ) 1 月号 : 世界から見た我が国の精神保健医療福祉 ( 長谷川利夫 ) ・ 2016 年■