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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

率が重要になります。その経営指 標によると、病床利用率が % を号 精神科医療の現状と改革の展望 月 超える状態は、交通信号に例える 昭和大学烏山病院家族会あか会監事 氏家憲章 社会福祉法人うるおいの里・理事長 と「青信号」で経営は安泰です。年 とも % は「黄色信号」が灯り と 汪意の段階に入りますが、まだ っ 《連載》第 7 回病院存亡の危機を迎えた精神科病院 ね 経営は可能です。 8 % 台を切って ん わが国は、先進諸国で唯一、 医療政策に直結する問題でもあ % 台に入ると「赤信号」が灯り、 み 入院中心の隔離・収容の精神医ります。精神科病院の現状をみ経営は「危険ライン」に入ります。 療政策を継続している国です。てみます。 田 % 台を数年間放置すると倒産 そのため精神科病院は、自ずと の危機に陥ります。 ①精神科病院の経営指標 隔離・収容の精神医療政策の " 要 ~ となっています。ところ病院収入の 9 割前後を入院料い病床利用率の推移 がその精神科病院は、在院患者収入で占めているのが精神科病 精神科病院の病床利用率を歴 減の進行によって、その先行き院です。このため在院患者数が精史的にたどると、定床を上回る に大きな暗雲が漂い、一部の病神科病院の経営の明暗を決めて 10 % 台の時代は 19 8 6 年 院では経営危機に陥り出してい います。精神科病院の経営指標 ( 診 に終焉し、病床利用率が % 台 ます。これは、精神科病院だけ断 ) では、定床に対する実際の在の時代は年に終わりま の問題にとどまらず、国の精神院患者数の割合を示す病床利用した。そして年後半か の精神科病院は認知症を大量に床利用率の低下からみても、精 らは % 台に突入しているとい 抱え込むことで、経営破綻を防神科病院の患者数 ( 病床利用率 う実態にあります。 3s 台 ) を追求する経営は崩壊 いでいるのです。 が始まっているのです。 い認知症を除くと % の病床利 岡一番病床利用率の低い山梨県 用率 図深刻化する在院患者減の背景 は四 % 2 014 年の精神科病床定床 述べてきたように、精神科病 2013 年の全国平均の病床 数は芻万 8 千床で、在院患者数 ・ 3 % です。都道府院の在院患者の減少は、病院存 は万 9 千人です。すなわち病利用率は圏 床利用率は・ 5 % ですが、この県別でみると、病床利用率が一亡の危機が心配されるまでに進 中には 5 万 3 千人の認知症の在番高い県は富山県で・ 7 % 、んでいますが、その背景には何 があるのでしようか 院患者が入っています。他の先一番低い県は山梨県で四・ 5 % 進諸国では、認知症の人たちをです。都道府県の内訳は、 国進む在院患者のニ極化 % 台は都道府県で、 % 台 精神科病院に入院させることを 9 。 精神科病院の在院患者の減少 は県その内 % 以下は 7 県で 行っていないので、それに照ら が進んでいる背景のひとつに、 して認知症を除いてみると、在す。この状況をみるとそう遠く 院患者数は万 6 千人になり病ない時期に全ての都道府県の病新入院者の減少と短期入院化が 床利用率は・ 8 % になります。床利用率が % 台になり、しかあり、更に長期入院者の高齢化 この利用率では病院の経営は成も間 % 台突入の県が一層増えるが著しいことがあります。 1980 年頃までは、精神疾 ことは必至です。このように病 り立ちません。そのため、多く 17 精神科医療の現状と改革の展望

2. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

床を必要としない時代へと移っ来、大量の精神科病床は、精神日に至っています。 ています。入院を必要とする人と科医療費を膨らませ国家財政 ( 総 ・谷のー策の破綻 入院を提供する側 ( 精神科病床数 ) 医療費 ) を圧迫します。そのた わが国の隔離・収容の綿医療 すなわち " 需要と供給のバランス ~ め日本を除く他の先進諸国では、 196 0 年代以降の精神科医療政策は、長い間綿科病院の病床 が崩壊しました。 病床利用率の低下が深刻化しの進歩を契機に、精神科医療と精利用率が 8 % 台を維持すること によって成り立ってきました。し 神障害者の処遇の中心を " 地域 ~ ている背景はここにあります。 に移し、精神障暑を地域で支えかし精神科病院は、在院串著の減 る地域精神医療 ( 脱施設化 ) へ政少によって、病院経営が行き詰ま 国盟・谷の医療政策 入院中心の隔離・収容政策とは、策転換を行ないました。そして必り経営破綻の危機を迎えていま 精神科医療と精神障害者の処遇要がなくなった大量の精神科病す。これは、単に精神科病院だけ 望 の深刻な問題にとどまらず、入院 床を盟したのです。 の中心を精神科病院に置くとい 展 しかし日本においては、精神疾中心の隔離・収容政策が破綻して革 う政策です。そのため入院期間は 改 と いることを一小しています。 必殀に長期化し、しかも長期入患の在院患者数は、全疾患の % 状 現 次回 ( 第 8 回のⅡ月号 ) では造 院者を収容するために大量の精を占めているというのに、精神科 り過ぎた精神科病床の問題をみ療 医療費は国民医療費全体の数 % 神科病床が必要になります。 医 科 そして精神科病院は、医療的役と低く、国家財政を圧迫していなてみます。 神 精 いのです。そのためか、精神医療 割と住む場所の提供など福祉的 役割も担うことになるのです。元政策を見直すことがないまま今 患と診断されると多くの人たちは、在院患者の減少が避けられ減少する』と予測しています。 は新入院者になり、かつ一旦ない精神科病院の構造的問題が 号 月 3 隔離・収容の精神医療政策の 入院になると年単位の長期入あります。この問題を指摘して 破綻 院でした。しかも精神科病院 年 いるのが、新潟大学の染谷俊幸 の簡歳以上の高齢化の割合は、教授です。染谷教授は、日本精今日の万床は、 1954 年 と 1981 年で凵 % 程度と在院患神神経学会の機関誌「精神医学」の第 1 回綿 ~ 星実態調査の「要 者の確保は安定していました。 ( 年月号 ) の巻頭言収容者 ( 入院の必要あり ) 万な ん しかし今日では、新しく入院すで、『精神科医療施設の普及、人」を前提に構築されています。 み る人が減り入院しても短期入院精神科医の増加、薬物治療の進 1950 年代は抗精神病薬の本 です。また長期入院者の高齢化歩、社会復帰をめざす心理社会格使用前で、しかも地域に精神障 も、歳以上は % 、歳以上的治療などの総合的成果によっ 害者が住む場所も働く場所もあ は % ( 2014 年 ) と変化して、遅く生まれた人ほど精神科りませんでした。そのため精神科 ています。在院患者の " 一一極化 ~ 医療の前進の恩恵を受け、その病院にすべてを頼らざるを得な が在院患者減の要因です。 ため入院者は少なくなる』と指い時代でした。 摘しています。『 oaooo 年当 しかしこの間の精神科医療の 同在院患者減が避けられない構時と比較して社会資源が増減し進歩によ「て、今日では精神の病 造的問題 ないと仮定しても、 oaooao 年気や障害があっても地域での社 精神科病院の在院患者減が深 52030 年に、統合失調症の会生活が可能な時代になってき 刻な事態に陥「ている背景に在院患者数は半減 53 分の 1 にました。つまり、大量の科病 ( うじいえのりあき )

3. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

に 2 階の部屋にいる彼は、壁を 一通り契約の説明が終わる 号 蹴ったり、床を蹴ったり、窓をと、私は彼のいる居間に行きま 3 ・利用者の様子 月 叩いたり、大声を出しはじめる。 した。彼は、テープルをプラス チックのコップでガンガンと叩年 母親からの情報では、とにか彼の部屋は穴だらけ。 く暴力行為が大きな問題行為彼の部屋で、母親が衣類の整き、大声を出していました。「何 と で、家族としては荒れ続けると理や寝具の交換を行なっているしに来た」「帰れ」「ぶつ殺すぞ」。 っ ね 警察や親類を集め、「車に乗せと、自分の部屋に入ったと暴力 私は彼の隣の椅子に腰掛け、 な 病院に連れて行く措置入院」を振るう。 自己紹介を行ないます。訪問看ん の繰り返しで現在に至るという 彼は、頻回の入退院の結果、護に週 1 回来ることも説明しま ことでした。主に母親に対する自宅でも紙おむつを着用してい す。彼は予想通り「来なくても 暴力が中心で、母親が台所にます。尿意がわからなくなって いい」「帰れ」を繰り返します。 いたのです。 立っていると後ろから蹴飛ばし 私は、とにかく彼と関係生を たり 、叩いたり、包丁を握って 横道にそれますが、彼は、す作らなきゃならないと必死でし いる後ろから包丁を引っ張る、 べての入院が措置入院で、まずた。 階段を上がってくる母親を突き入る病室が保護室になります。 これは、私の初回訪問ではよ 落とす、などケガの絶えない行そうすると、「紙おむつに抑制」く聞くことですが、彼に「今、 動を話してくれました。 がセットの治療になります。そ一緒に何かしたいことはありま 自分が母親を呼んでもすぐ対の結果が、排泄は紙おむっとい すか ? 」と聞きました。意外な 応してくれない、すぐに返事が う生活から抜け出せなくなってことに彼は「コーヒーが飲みた いました。 ないということで暴れ出す、父 い」と即答してきました。 親が仕事から帰ってきたら、急 話を戻します。 私は、母親にお願いして、コー ヒーを飲むことにしました。母入院中は看護師さん、自宅では来週も顔を出させてくださいと 親が出してきたのはインスタン母親がコ 1 ヒーを作っているの一一一口うと、「じゃあ 2 週間に 1 回」 トコーヒーの大きな瓶で、彼のです。つまり、自分の好きなとと言われます。 私は、「またコーヒーを一緒 氏名がマジックで大きく書かれきにコーヒーを飲もうとしても に飲みましよう」というと、あっ ていました。それが、入院中彼相手の都合に合わせて飲むこと さり来週の訪問が許可されまし が飲んでいたコーヒーだとすぐしかできないということです。 わかる物でした。 はじめは私がコーヒーを作り 私は彼にコーヒーを作ってもました。母親は牛乳を冷蔵庫か らおうと声をかけました。彼はら出してきて、この牛乳をコー 4 ・訪問の展開 声も出さず作ろうとします。しヒーに入れてほしいと希望しま しんせん した。 私の訪問は、彼とのコーヒー かし、彼の手は振戦が強く、コー を一緒に飲むという目標で、も ヒーカップにコーヒーが運ばれ 牛乳と、砂糖が入ったコー 」こまとんどこぼれてしまい る前し ( ヒーを訪問初回に一緒に飲むこ う一つの目的は、ストレングス ました。 とになりました。 アセスメントでした。 そのストレングス、をたくさ 彼は自分でコーヒーを入れる 私の初回訪問は契約と ( 実際 ことができなかったのです。た には彼からのサインは 2 回目のん探すことが彼との訪問が成り くさんの薬のせいで、強い振戦訪問時にもらいました ) 彼との立っ唯一のきっかけになると感 コーヒーでした。 じていました。 がでているためでした。すぐに ろれつ 彼と別れるときに「じゃあ、 彼は、呂律が回らず、話してい 彼がコーヒー好きとわかりまし たが、そのコーヒーを彼は自分また来週来ます」というと、もることがよく理解できず母親が そう一言わず頻回に通訳をしてくれました。 で作ることができないのです。う来なくてもいし ストレングス【その人の強み、興味、特技、長所 」 0 7 特集訪問看護が家庭内暴力とどう向き合うか

4. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

ました。 ようになることを願って、退院落ち着きを取り戻しました。同 を待ちたいと思っています。 じ体験をもっ家族ならではの助 現在、息子は入院中ですが、 言も参考になりました。聴いて 面会時、病院のケースワ 1 カー 本人が穏やかな生活を送るにもらうことで、初めて相手の助 さんと話す機会を持っことで、は、家族自身が元気になる必要言を受け入れることができると 息子への私の接し方について振があると思います。 つくづく感じました。 り返っています。 私は、家族会の方に気持ちを さらに、地域の支援者の方々 病気のこと、対応の仕方など、 打ち明け、聴いてもらうことでに、本人も交えた話し合いをす 今まで勉強会や研修会で学んで る機会を設けてもらいました。 きたつもりでしたが、息子のた 家族会、支援者の方のお蔭で めと思い、やってきたことが適 孤立しないですみました。家族 切ではなかったのかなと思った が孤立しないこと、これが一兀気 り、話し合いが少なかったので になる秘訣と強く感じます。 はないかなど、いろいろと感じ 家族会のみなさん、いろいろ ています。 な立場で支援してくださった支 手 今後も息子との生活は続いて 援者のみなさんに、感謝の気持 の いきますが、病を背負っていく ちをこめて、この手記をしめく家 と 息子が、日常生活にストレスを くりたいと思います。ありがと ためずに安定した生活ができる , つ。こさいました。 ますが、私たち家族もたいへんでやろうとしましたが、気力、ままに話しました。 私の話を家族会の方は黙って号 で、疲労の高まりもピークに達体力を持続させることがむずか 月 しくなってしまいました。 聴いてくれました。その後も、 するような状態でした。 年 いろいろな助言をもらったり励 主治医から、「これ以上、町 悪化の具体的なきっかけは、内会長の仕事を続けることは無まされたりして、私のこころも と っ 町内で順番にまわってくる町内理」という判断もあり、任期をようやく落ち着きを取り戻すこ ね 会長の役をめぐってのことでし 3 か月程残し、町内会長の役をとができました。家族会につな がっていなかったら、私は一人み 免除してもらいました。 息子は 1 年間、頑張るつもりで悩みを抱えたままになってい 最初、本人は「 1 年間、頑張っ てやる」と意気込んで、町内会でしたので、こうしたかたちでたと思います。 また、市の保健師さん、相談 長の仕事をこなしていました町内会長をおりる格好となり、 が、障害福祉サービス事業所へさぞや不本意だったと思いま支援事業所の相談員さんから訪 問してもらって、本人も交えた の通所で体力を使った上に、帰す。 話し合いもしました。 宅後に町内会長として文書の整 最初は、頑固に入院を拒否し このような有り様に、私も混 理、配布等こなしていましたの 乱し、どうしたらよいかわかりていましたが、息子自身の体力 で、やつばり、たいへんだった ませんでしたが、日頃のつながも限界になり、話し合いの中で ろうと思います。 息子は、手伝おうとする私のりから、まず家族会の存在が頭入院治療を受け入れ、主治医か 言葉をはねのけ、なんとか一人に浮かび、息子の様子をありのら紹介状をもらい、入院となり 一三ロ

5. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

樹 茂 ・ : 自助グループの体験談は 本 批判は無しの言い 0 ばなし、で 連載粥回 精神科医の私も招待されて出席止められず、精神科病院に半年間 〈飲酒の体験談〉 の入院をしました。その時から断 しています。 「それが、酒が切れた時に田酒会に出席されています。 「わしは自分では『どうじゃ、 真っすぐに稲を植えたぞ』とんぼに行ってみると、稲がぐ 〈自助グループ〉 思っておって、『わしは酒を飲にやぐにやに曲がって植えられ 断酒会というのは、アルコー んでいてもちゃんと仕事ができとった。酒というものは体もう る。他のアル中とは違う』と大まく動かさんし、頭もダメにすル依存症の人たちが集まって、 酒を断っために自分たちで助け るもんよなあ」 威張りじゃった」と発表してい > さんは近くの工場に勤めな合おうという会です。薬物依存 る > さんは間歳くらいのおじい がら田んぼも作っておられたの症やギャンプル依存症は大変な さんです。 ですが、酒が切れなくなって退職病気で、服薬や精神科医との話 今日は、地域の断酒会が年 1 回の記念会ということで、町のになってしまった。それでも酒をし合いだけでは治療が難しいの です。私も、依存症の治療では バーツと嘔吐してはその場で寝 自分で治そうとする心が必要 入ってしまうしで。それを助け で、加えて、仲間と助け合う自 起こして体を拭いて寝床に運ん 助グループへの参加が必要、と で、大変でした。でも、朝起き 思うのです。この地域にも断酒 たら覚えてないんです。当たり 会はありますから、アルコール 前に会社に出勤して行くんで 依存に困っている方が受診され す。でも、そんなことが長く続 ると、本人や家族だけで悩んで けられるはずはありません。会 いないで断酒会に相談されるよ 社でも大失敗をして、アルコー うに勧めます。でも、嫌がる人 ル症の専門病院で入院治療する たちも多いのです。 ことになりました。本人は『も う絶対飲まない』と誓いますが、 〈家族の体験談〉 3 回も入院しています。ようや 夫が依存症の場合は、奥さん く断酒会に入り、今のところ断 お の もよく出席されます。長年の恨 酒しています」 ら みのこもった体験談には迫力が た。それが、代で課長になっードー【 ( 。 所 〈他人の話を聞く〉 あります。 た頃から外で飲んで泥酔して帰 「夫は酒好きで、結婚当初か りだしました。上着はどこかに 口下手で、短く終わらせる人街 ら家で晩酌を楽しんでいまし脱ぎ捨てているし、玄関でドもいます。 おマ っ ( c し 0 しげき 増本クリニック院長 みんなねっと 2016 年 1() 月号 24 1 ごロ

6. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

という目標ができてから 1 日 3 ①暴力はどんな理由があってもしています。彼自身にも " 良く 良くないこと 食。そして散歩と畑仕事。 ないこと ~ とい , っことを亠思識し 号 月 ②暴力をしたらすぐに謝ること始めたという実感がありました。 年 ③イライラしたときの対策 なぜ暴力になるのかと彼に聞 7 ・彼の暴力の経過 きました。 を、繰り返しました、 彼との付き合いが 2 年を経過 彼は、イライラが突然わき上と っ 8 ・暴力に対する対策を して、彼の暴力行為がどう変化 がり、どうすることもできない ね 一緒に考える 亠な したかですが : と言います。 ん み 実際のところ、大声を出す、 問題は③です。 母親がゴチャゴチャうるさ 時々母親に体当たりをする、と この頃になると、彼と私の関 、薬 ( 頓服 ) を飲んだら少し いう行為があります。 係性もできていて、私が彼し、一 こ率楽かもしれないと言う。 しかし、以前と違うことは、直な感想を一言えるという立場に 彼と話し合った結果の決めご 母親は訪問時に、この数日の本ありました。 と・丨ーイライラしたら、①コー 人の様子を報告してくれます。 彼との取り組みもいくつか実ヒーを飲む 2 コップに水を入 以下が私の訪問看護での暴力績を積み重ねています。 れて飲む③寝る に対する姿勢と対策です。 そこで、イライラの対策も彼 これを毎週の訪問で確認、 まず、暴力に対しては、母親と一緒に話し合うことになりま週間の予定表を作成し、一緒に から暴力のことを聞いたら、私した。 目標体重、イライラ時の対策を は、その時に母親に謝罪をして その際、彼も繰り返し暴力やノートに書いて渡すことにして もらいます。 威嚇するような大声に対し、何いる。 3 に関しては、顔を洗う、 訪問では一貫して、 度も話題にされ、謝罪も繰り返歯を磨く、薬を飲むなどから↓ つまり、訪問看護が開始されの目標としては駄目だと考えま 自転車をこぐに変化しています。 た平成年 9 月からは入院がなした。 9 ・暴力の対策と彼自身の 一番大切なのは、 いことです。 やりたいことそして母親 家族にとっては、今も時々威・本人が何をしたいのか、何に の希望 嚇され、大声をだされて大変なチャレンジしたいのか ・どんなことを楽しみたいのか 暴力は確かに一緒にいる家族状況は変わっていないのかもし もう一つ大切なことは、 にとっては重要な問題であり、れません。しかし、彼の暴力は、 。周囲も暴力とい 「入院」という形での問題解決・母親はどうなりたいのか ない方がいし つまり、本人 ( ここでは彼 ) はあくまで一時的で、本当の意 う問題行動を知ってしまった の希望を大切にすることと、母 味での解決はされていないとい ら、それをどうにかしないとい 親 ( ここでは一番の協力者と考 うことです。 けないということに力を注ぐこ えている ) の希望もくみ取って とになってしま , つ。 訪問看護で、暴力に対して行 ムロ いくことが、訪問看護では必要 実は、この事例を通して注目なうことは、 になると考えます。 してほしいことは、頻回の入退・率直に悪い事は悪いというこ 院です。 暴 ・内 庭 これは途中からのものです・やってしまったことは仕方が 叫訪問でのを縲する 家 ないが、謝罪をするということ。 が、【入院歴と訪問看護】 護 彼への支援は、変わりなく彼 ・効果があるかないかはわから 平成年 3 月月、 9 月—月 訪 ないが、対策を本人と一緒に考の目標であるダイエットを中心 平成年 3 月月 集 えること。 に、彼のできることを少しずつ 特 8 月下旬訪問看護開始 しかし、それだけを訪問看護広げていくという支援を行なっ 平成年 8 月現在に至る と。

7. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

す。電話を入れてもらうことを会ったら挨拶をする、実習生を困っている家族がたくさんいる 提案した時は、彼は電話をかけ連れて行ったら自己紹介をすけど、どんなアドバイスをして ることができなかったので、一る、電話での彼はとても丁寧なあげられますか ? 」 すると彼は、「そうは言って 緒に私の職場携帯に電話をかけ言葉で話をします。 も理由があって、話をよく聞い てもらうというトレーニングを てあげてほしい」と言いました。 ・最後に したのです。 「自分はイライラする時の理 彼は 2 年間電話を毎日私にか 由がよくわからないけど、お母 暴力は画期的に減少するとい け続けていたので、電話をかけ さんがうるさいから」と一一一口いま うことはできていません。ただ、 るとい , っことは自信があったよ うです。ただ、呂律がまわらな目の前の彼の変化は母親がびっす。暴力は立場により捉え方が い彳が、自分の名字を名乗ってくりするものであり、たくさん違うということも事実だと思い ムロ も相手は聞き取れなかったらしの変化と笑顔が母親の変化にもます。 き どちらが先かわかりません 向 いです。しかし、彼は成長してつながったと考えます。両親に 力、彼が変わると家族が変わる いて、繰り返し自分の名字を伝も余裕ができてきたのだと思い のか、家族が変わると彼が変わ勦 えて、見事に出前を取るというます。 ・内 庭 暴力というのはとても厄介なるのか。ただ、訪問看護のよう 試練を乗り越えていました。 家 護 母親曰く、今までの彼はたぶ問題行動と捉える家族と支援者な全くの他人が入ることは、何 ん、腹を立てすぐに電話を切っ側の感情がある一方で、私は彼らかの変化を起こすきっかけに 訪 ていただろうと話していましにこのような質問をしてみましなるということです。 ( はらこひでき ) 特 「あなたと同じように暴力で それ以外にも、近所の人と う彼は、その都度選挙に行ってかに頻度は減っていると思いまということもありました。 くれています。 す。しかし、暴力的な態度がな それは、以前までの人とは交 くなったわけではありません。 わりたくないという彼には想像 陰彼の変化と訪問看護 もできない行動でした。 私たちと彼は、会話をしたり、 母親が体調不良で寝込んでい 彼は訪問看護を受けることで、体を動かしたり、一緒に工夫をるときには、自分で出前を取り、 いろいろな変化を起こしました。 したり、考えたり、ピンチを共支払いをする。父親が入院中に 【彼の一一一口葉】 有したりしながら、彼の希望の母親が面会に行っているときに 「自分はよく笑うようになっ実現を積み重ねていきました。 も、自分で出前をとることを母 その結果、彼のできることが た」「訪問看護は楽しい」「イラ 親は自信を持ってお願いできる イラが減った」「いい話し相手が格段と増えたのです。 ようになりました。 新聞を読むようになった。テ できた」と言ってくれています。 出前は彼にとってハードルが 【母親の一一一口葉】 レビのドラマを集中して見られ高いことでした。まず、彼は電 「よく話をするようになった」るようになった。父親が入院し話を自分でかけることができま しつもは車で両見 「興奮や暴力がなくなった」「よたときには、、 来せんでした。たまたま私は 2 年 く笑うし話をするようになった」と行っていた病院に母親と 2 人ほど前から時に 1 日の報告電 「訪問の頻度はちょうど良いと思で、電車とバスを乗り継いで行っ話を入れてもらうということを う」「訪問を楽しみにしている」たり、一人で病院を出てしま、 ししていました。目的は彼のお昼 と言ってくれています。 母親が彼を探す場面もありまし寝予防でした。彼は、昼寝をす しかし、暴言や威圧的な行動たが、彼は通行人に駅の方向をると夜中に大声を出し始め母親 は相変わらずありますが、明ら尸 き一人で駅まで行っていたりの睡眠の妨げになっていたので みんなねっと 2016 年 10 月号 14

8. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

私はそれもまたチャンスだと〇日に便が出る、〇月〇日床屋、け入れてくれました。 私の訪問は、母親からの情報号 思い、母親からの情報収集も積処方された薬、精神科受診日、 で知ったことを彼に提案し行な 泌尿器科受診日、歯科受診日 : 極的に行ないました。 年 うことになります。 など彼の歴史がよくわかるノ 1 トがたくさんありました。 5 ・母親との関係作りが大切 と ①バッティンクセンターに行く っ 私は母親の思い、母親の世話 ね 母親は、自分の出産が鉗子分の仕方がよくわかりました。彼何を一緒にしたいですか ? ん み 娩だ「たこと、自分の体格が彼にと「ての一番の支援者は母親彼の答えはバッティングセン なのです。私はその母親と関係ターに行きたい、でした。 を自然分娩にしてやれなかった 彼がまだ病気で入退院を繰り ことを強く悔いていました。自生を作ることを、訪問の目標と 返し始めた頃、彼ととっても仲 分の責任で彼の人生が障害者としました。 の良かった親戚のお兄さんが しての人生になってしまったと バッティングセンターに連れて 6 ・訪問看護開始 何度も私に話してくれました。 行ってくれたそうです。 もう少し母親のことを話すと、 また、彼はとても、野球好きで、 私の訪問の初期目標は、 彼がⅣ歳の時に初回の入院を経 プロ野球、大リーグ、高校野球 ①彼と一緒にコーヒ 1 を飲む 験します。その時、退院で主治 について、とても多くの情報を 医に言われたことは「お母さん 2 彼のストレングスアセスメン 持っていました。毎年発行され がしつかりしないといけない」 る選手名鑑も購入していました。 ということだったそうです。そ③母親と仲良くなる ムは皮に、バッティングセン れ以降母親は、彼の出来事を細訪問は私の提案で週 2 回にし かにノートに記録を始めます。ます。彼は反対することなく受ターに一緒に行くことを提案、 そこのラーメン屋は大盛りで、近所の自動販売機で缶コーヒー それに対する返答は即答で でした。 墮女でした。とにかく日程を調整を買うという散歩を始めます。 バッティングセンターでは、 して 1 度一緒に行きました。彼は その頃には、自分でインスタ バットを振るがなかなかボ 1 ル真っ先にラーメン屋のおじさんントコーヒーも入れられるよう になっていました。 がバットに当たらない。そして、とおばさんに挨拶をしました。 肩で息をするようになり、自分 ラーメン屋のおばさんは「長彼の家の前には広い畑があり い間姿を見ないのでどこかにます。彼の母親は家庭菜園を趣 の体力が低下していることを実 感します。 引っ越したのかと思っていた」味にしていました。 「楽しかったけど、僕はこんなと彼に声をかけていました。彼 私は、彼と一緒にその畑の一 に体力が落ちてしまっている」はうれしそうにラーメンを食べ部を借り、一緒にミニトマトを ましたが、 とショックを受けたようです。 作ることにしました。 とても早食いでした。 彼には、水やり、草取りを担 「彼はもっと体力をつけなけ ムロ キ」 ればならない」と表現します。 3 次の訪問看護との取り組み当してもらいます。母親も一緒 向 タイに協力をしてくれました。 彼のバッティングセンターは 自分は体力をつけたい、。 カ 年ぶりでした。 ェットをしたい、と表現します。 2 か月で目標達成。 暴 ・内 彼の体重が 3 瓸減りました。 庭 入退院の結果、体重は瓸以上 家 図ラーメン屋 増えます。瓸の体重を 3 瓸落約東通り、一緒にラーメンを食 護 彼は小さいときからよく通っとすことを目標にして、達成しべに行きます。 訪 ていたラーメン屋があります。たらラーメンを食べるというこ 次の目標が瓸。 彼の二つ目の希望はラーメンをとにしました。 彼は退院後 1 日 4 食食食特 食べに行きたい、でした。 そのために私は散歩を提案、べていました。体重を減らそう

9. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

第後記 2016 みんなねっと三駄会主なスケジュール予定 , 1 日目 受付※当日は、事業所の授産製品の即売会も予定。 9 : ~ 受付 オープニングセレモニ 9 : 30 第①「広けようアウトリーチ」 1 1 : 15 ~ ~ 地域てくらす本人、家族によりそって ~ 1 1 : 30 開会式 1 2 : ・ ☆コーディネーター鈴鹿医療科学大学教授貴島日出見 第②「元気な家族会に ! ー 基調講演 1 3 : ~ ・ ☆コーディネーター日本福祉大学教授青木聖久 「誰でもわかる認知行動療法」 一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長 第③「安心してくらせる社会を目指して」 / 大野裕氏 ~ 差別解消法これからを対話しよう ~ ☆コーティネーター三重大学教授片岡三佳 みんなねっと活動報告 14 : 20'V みんなねっと理事長 / 本條義和 第④「はじめよう ! 若者への啓発を」 行政報告 ☆コーティネーター聖隷クリストファー大学准教授大場義貴 厚生労働省より ( 予定 ) 第⑤「ピアカフェ」 記念講演 15 : 40æ ~ みんなてしゃへろう ~ 「精神科アウトリーチ」 ☆ケスト松本ハウス ※定員 IOO 名 : 当事者限定 ( 不安な方は家族同伴可 ~ 入院に依らない精神医療の実現のために 千葉大学医学研究院特任教授 / 渡邉博幸氏 閉会式 分科会報告大会アヒール採択次期開催県あいさつ 1 7 : 終了※懇親会参加者はハスて移動 1 2 : 40 閉会 ( 予定 ) 懇親会 1 8 : 30æ 津センターハレス ( 都ホテル ) 『ビアサミット』 10 / 28 ( 金 ) 13 : 30 ~ 15 : 30 三重県総合文化センター中ホール お笑い芸人松本一、ウスさん来たる ! 住催 : ビアサポートみえ〈入場無料》 ) ◆申込先 F 猷 059 ー 225 ー 7633 ◆ E-Mail*tsu@mwt.co.jp 「参加証」なとの送付・連絡先 ( 勤務先・自宅 ) 10 月 27 日 ( 木 ) 2 日目 ■事務局では一日のほと休むことは大切だな、 んどの時間、パソコンをと身をもって実感してい る。 使って仕事をしている。 パソコン画面に集中す るあまり、仕事中はほと今月 ( 川月 ) はみんな んど体を動かさない。そねっとの全国大会が三重 のせいか肩こりと、最近県で開催される。 毎年事務局の私たちも では片頭痛が始まってし まった。肩こりについて参加しているが、事務局 を離れ、全国の家族の方々 は、先生に「肩がパキバ キだね」と言われてしまと交流できる貴重な機会 うほど凝り固まっている。である。大変な状況を乗 これ以上ひどくなる前り越えようと必死に頑張 に何か策を講じなければって来られた家族の方々 と、気が付いた時に少しとお会いすることで、 つも「事務局として自分 休憩を人るようにしてい る。体のあちこちをひねにももっとできることが ってストレッチしてみたある ! 」と、パワーをも り、お茶を飲んでほっとらっている。 今年の全国大会も大盛 一息ついてみたりと、ほ んの数分の休憩だけでも会となりますように : ( 齋藤 ) だいぶ体が楽になり、仕 10 月 28 日 ( 金 ) 分科会 1 1 : 45 ~ 編集後記 【「みんなのわ」へメールで投稿できます】読者のページ ( みんなのわ ) への投稿がメールでできるようになりました。投稿のメールアドレ スは minnanet.seishinhoken@outlook.jp です。※投稿される 方は、氏名、住所、年齢、性別、 ( 家族、本人、その他 ) をご記入ください。 なお、ペンネームで投稿される方はペンネームをお書きください。 月刊みんなねっこ通巻第 114 号 ( 2016 年 10 月号 ) 定価 300 円 発行日 2016 年 10 月 1 日 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 発行者公益社団法人全国精神保健福祉会連合会個人・年間 3 6 0 0 円 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170-0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 4 6 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL 0 3 ー 6 9 0 7 ー 9 2 1 1 FAX () 3 ー 3 9 8 7 ー 5 4 6 6 郵便振替 O () 1 3 0 ー O ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken.jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生 参加申込書 ( 宿泊なし用 ) 都道府県 所属団体 申し込み ( ふりかな ) 代表者 電話 FAX 参加種別・家族・医療福祉支参加希望する分科会懇親会お昼の弁当注文 性年援者、 - 般円 ふりがな ( 2 日目 9 : 309 7 , ) 円 1 食 1 ,OOO 円 氏名別齢当事者 58 円 第 1 第 2 第 3 1 日目 1 日目 2 日目 学生 1 ,OOO 円 希望希望希望 みえたろう ①② ( 3 ) 〇 例三重太郎男 55 家族 〇 〇 備考 12,000 円 ※宿泊のお申込みが必要な方は、別紙「大会案内パンフレット」にある「参加申込書 ( 宿泊用 ) 」にてお申込み下さい。 ※お申込みはéAX ・メールもしくは郵送にてお申込みくたさい。 ( トラブル防止のため、電話でのお申込みはお受けしておりません。 ) ※申込み・問い合わせは、『名鉄観光サーピス株津支店』電話 : 059 ー 225 ー 7676 FAX : 059 ー 225 ー 7633 〒 514 ー (XD4 三重県津市栄町 3 ー 141 ー 1 モアピル 5 階 E メール : tsu@mwt.co.jp 担当 : 鉞田 ( おのだ ) , 田口