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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

るのです。 害年金です。障害年金は一定の定程度ありましたが、現在では 一方で、事業所に勤めている条件のもと、厚生年金保険の被 この制度を設けているところは 人が、精神疾患を発症して、仕保険者期間中に初診日があり、 決して多くないです。 事を休むことがあります。その障害認定されれば、障害厚生年 加えて、生活保障の諸制度と 場合、図 2 の中央右の障害年金金が支給されます。また、学生して、市バス等の無料乗車証の の受給を検討したいところですや無職、自営業主である時に初交付、独自の福祉サービスを実 が、障害年金を申請するために 診日があり、障害認定されれば施している自治体もあります。 。ネ診日から 1 年 6 か月の障 障害基礎年金が支給されます。 その際、それらの福祉サービス 害認定日を待たないといけませ また、所得保障には図 2 に一小を受けられる要件として、「手 ん。ところがその際、一定の条しているように、社会手当も含帳 1 ・ 2 級を所持している者」 件を満たせば医療保険から、こまれます。ただし社会手当は概等のように、手帳取得が条件に の 1 年 6 か月の期間、傷病手当して給付対象が限定的です。特なっていることが多いです。 金が支給されることになるので 別障害者手当は、障害年金 1 級 す。 と 相当の人の中でも、さらに重度防貧機能と保険事故に対する制 こ る と認められる人が対象となりま度としての生活保障 き 生 継続的な日常生活の制限に対しす。自治体独自の市民福祉金は、 図 2 に挙げている制度は、社 と て支給される生活保障 精神障害者保健福祉手帳 ( 以下、会保障で言えば、「防貧」機能 こ とはいえ、本人に対する所得手帳 ) が創設された 1995 年に位置づきます。つまり、貧困知 保障の中心に位置づくのは、障当時、実施しているところが一状態に陥ることを防ぐために、 ご覧ください。本人は、精神障 がいの特性として、疾病と障が 月 いの二つを併せ持っています。 経済的支援の全体像 5 そのニ 年 そのことから、前月号でお伝え ( 経済的支援特集④ ) したように、医療保障としての 日本福祉大学 青木聖久 医療保険や、医療費助成の必要っ みんなねっと理事 性が高まります。ただし、重要な なこととして、本人にとって医み 前月号では、精神障がいのあます。そして、改めて知ること療の必要性は、精神科に限らな る本人 ( 以下、本人 ) や家族にの大切さを、読者の皆さんと一 いということです。そのため本 とって、経済的支援の制度や緒に考える機会になれば幸いで人は、自治体独自の医療費助成 サービスがどのように位置づくす。 によって、医療機関で支払う自 かの全体像 ( その一 ) をお伝え 己負担額が不要なことを事前に しました。今月号では、その一一ストレス回避と障がい者としてわかっていれば、早目に歯科や として、前月号からの続編の生の制度やサービスを使う前段階内科等にかかることができま 活保障、さらには、実際に生活としての医療保障 す。そのことは同時に、医療機 困窮状態になった時にどのよう 前月号 ( 2016 年 9 月号 ) 関の受診の際の出費を心配する な制度やサービスが利用できの引ページの図 2 ( 精神障害者あまり「我慢して受診しない」 るのかについて述べることにしに対する生活保障の諸制度 ) をというストレス回避にもつなが 0 0

2. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

床を必要としない時代へと移っ来、大量の精神科病床は、精神日に至っています。 ています。入院を必要とする人と科医療費を膨らませ国家財政 ( 総 ・谷のー策の破綻 入院を提供する側 ( 精神科病床数 ) 医療費 ) を圧迫します。そのた わが国の隔離・収容の綿医療 すなわち " 需要と供給のバランス ~ め日本を除く他の先進諸国では、 196 0 年代以降の精神科医療政策は、長い間綿科病院の病床 が崩壊しました。 病床利用率の低下が深刻化しの進歩を契機に、精神科医療と精利用率が 8 % 台を維持すること によって成り立ってきました。し 神障害者の処遇の中心を " 地域 ~ ている背景はここにあります。 に移し、精神障暑を地域で支えかし精神科病院は、在院串著の減 る地域精神医療 ( 脱施設化 ) へ政少によって、病院経営が行き詰ま 国盟・谷の医療政策 入院中心の隔離・収容政策とは、策転換を行ないました。そして必り経営破綻の危機を迎えていま 精神科医療と精神障害者の処遇要がなくなった大量の精神科病す。これは、単に精神科病院だけ 望 の深刻な問題にとどまらず、入院 床を盟したのです。 の中心を精神科病院に置くとい 展 しかし日本においては、精神疾中心の隔離・収容政策が破綻して革 う政策です。そのため入院期間は 改 と いることを一小しています。 必殀に長期化し、しかも長期入患の在院患者数は、全疾患の % 状 現 次回 ( 第 8 回のⅡ月号 ) では造 院者を収容するために大量の精を占めているというのに、精神科 り過ぎた精神科病床の問題をみ療 医療費は国民医療費全体の数 % 神科病床が必要になります。 医 科 そして精神科病院は、医療的役と低く、国家財政を圧迫していなてみます。 神 精 いのです。そのためか、精神医療 割と住む場所の提供など福祉的 役割も担うことになるのです。元政策を見直すことがないまま今 患と診断されると多くの人たちは、在院患者の減少が避けられ減少する』と予測しています。 は新入院者になり、かつ一旦ない精神科病院の構造的問題が 号 月 3 隔離・収容の精神医療政策の 入院になると年単位の長期入あります。この問題を指摘して 破綻 院でした。しかも精神科病院 年 いるのが、新潟大学の染谷俊幸 の簡歳以上の高齢化の割合は、教授です。染谷教授は、日本精今日の万床は、 1954 年 と 1981 年で凵 % 程度と在院患神神経学会の機関誌「精神医学」の第 1 回綿 ~ 星実態調査の「要 者の確保は安定していました。 ( 年月号 ) の巻頭言収容者 ( 入院の必要あり ) 万な ん しかし今日では、新しく入院すで、『精神科医療施設の普及、人」を前提に構築されています。 み る人が減り入院しても短期入院精神科医の増加、薬物治療の進 1950 年代は抗精神病薬の本 です。また長期入院者の高齢化歩、社会復帰をめざす心理社会格使用前で、しかも地域に精神障 も、歳以上は % 、歳以上的治療などの総合的成果によっ 害者が住む場所も働く場所もあ は % ( 2014 年 ) と変化して、遅く生まれた人ほど精神科りませんでした。そのため精神科 ています。在院患者の " 一一極化 ~ 医療の前進の恩恵を受け、その病院にすべてを頼らざるを得な が在院患者減の要因です。 ため入院者は少なくなる』と指い時代でした。 摘しています。『 oaooo 年当 しかしこの間の精神科医療の 同在院患者減が避けられない構時と比較して社会資源が増減し進歩によ「て、今日では精神の病 造的問題 ないと仮定しても、 oaooao 年気や障害があっても地域での社 精神科病院の在院患者減が深 52030 年に、統合失調症の会生活が可能な時代になってき 刻な事態に陥「ている背景に在院患者数は半減 53 分の 1 にました。つまり、大量の科病 ( うじいえのりあき )

3. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

樹 茂 ・ : 自助グループの体験談は 本 批判は無しの言い 0 ばなし、で 連載粥回 精神科医の私も招待されて出席止められず、精神科病院に半年間 〈飲酒の体験談〉 の入院をしました。その時から断 しています。 「それが、酒が切れた時に田酒会に出席されています。 「わしは自分では『どうじゃ、 真っすぐに稲を植えたぞ』とんぼに行ってみると、稲がぐ 〈自助グループ〉 思っておって、『わしは酒を飲にやぐにやに曲がって植えられ 断酒会というのは、アルコー んでいてもちゃんと仕事ができとった。酒というものは体もう る。他のアル中とは違う』と大まく動かさんし、頭もダメにすル依存症の人たちが集まって、 酒を断っために自分たちで助け るもんよなあ」 威張りじゃった」と発表してい > さんは近くの工場に勤めな合おうという会です。薬物依存 る > さんは間歳くらいのおじい がら田んぼも作っておられたの症やギャンプル依存症は大変な さんです。 ですが、酒が切れなくなって退職病気で、服薬や精神科医との話 今日は、地域の断酒会が年 1 回の記念会ということで、町のになってしまった。それでも酒をし合いだけでは治療が難しいの です。私も、依存症の治療では バーツと嘔吐してはその場で寝 自分で治そうとする心が必要 入ってしまうしで。それを助け で、加えて、仲間と助け合う自 起こして体を拭いて寝床に運ん 助グループへの参加が必要、と で、大変でした。でも、朝起き 思うのです。この地域にも断酒 たら覚えてないんです。当たり 会はありますから、アルコール 前に会社に出勤して行くんで 依存に困っている方が受診され す。でも、そんなことが長く続 ると、本人や家族だけで悩んで けられるはずはありません。会 いないで断酒会に相談されるよ 社でも大失敗をして、アルコー うに勧めます。でも、嫌がる人 ル症の専門病院で入院治療する たちも多いのです。 ことになりました。本人は『も う絶対飲まない』と誓いますが、 〈家族の体験談〉 3 回も入院しています。ようや 夫が依存症の場合は、奥さん く断酒会に入り、今のところ断 お の もよく出席されます。長年の恨 酒しています」 ら みのこもった体験談には迫力が た。それが、代で課長になっードー【 ( 。 所 〈他人の話を聞く〉 あります。 た頃から外で飲んで泥酔して帰 「夫は酒好きで、結婚当初か りだしました。上着はどこかに 口下手で、短く終わらせる人街 ら家で晩酌を楽しんでいまし脱ぎ捨てているし、玄関でドもいます。 おマ っ ( c し 0 しげき 増本クリニック院長 みんなねっと 2016 年 1() 月号 24 1 ごロ

4. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

という目標ができてから 1 日 3 ①暴力はどんな理由があってもしています。彼自身にも " 良く 良くないこと 食。そして散歩と畑仕事。 ないこと ~ とい , っことを亠思識し 号 月 ②暴力をしたらすぐに謝ること始めたという実感がありました。 年 ③イライラしたときの対策 なぜ暴力になるのかと彼に聞 7 ・彼の暴力の経過 きました。 を、繰り返しました、 彼との付き合いが 2 年を経過 彼は、イライラが突然わき上と っ 8 ・暴力に対する対策を して、彼の暴力行為がどう変化 がり、どうすることもできない ね 一緒に考える 亠な したかですが : と言います。 ん み 実際のところ、大声を出す、 問題は③です。 母親がゴチャゴチャうるさ 時々母親に体当たりをする、と この頃になると、彼と私の関 、薬 ( 頓服 ) を飲んだら少し いう行為があります。 係性もできていて、私が彼し、一 こ率楽かもしれないと言う。 しかし、以前と違うことは、直な感想を一言えるという立場に 彼と話し合った結果の決めご 母親は訪問時に、この数日の本ありました。 と・丨ーイライラしたら、①コー 人の様子を報告してくれます。 彼との取り組みもいくつか実ヒーを飲む 2 コップに水を入 以下が私の訪問看護での暴力績を積み重ねています。 れて飲む③寝る に対する姿勢と対策です。 そこで、イライラの対策も彼 これを毎週の訪問で確認、 まず、暴力に対しては、母親と一緒に話し合うことになりま週間の予定表を作成し、一緒に から暴力のことを聞いたら、私した。 目標体重、イライラ時の対策を は、その時に母親に謝罪をして その際、彼も繰り返し暴力やノートに書いて渡すことにして もらいます。 威嚇するような大声に対し、何いる。 3 に関しては、顔を洗う、 訪問では一貫して、 度も話題にされ、謝罪も繰り返歯を磨く、薬を飲むなどから↓ つまり、訪問看護が開始されの目標としては駄目だと考えま 自転車をこぐに変化しています。 た平成年 9 月からは入院がなした。 9 ・暴力の対策と彼自身の 一番大切なのは、 いことです。 やりたいことそして母親 家族にとっては、今も時々威・本人が何をしたいのか、何に の希望 嚇され、大声をだされて大変なチャレンジしたいのか ・どんなことを楽しみたいのか 暴力は確かに一緒にいる家族状況は変わっていないのかもし もう一つ大切なことは、 にとっては重要な問題であり、れません。しかし、彼の暴力は、 。周囲も暴力とい 「入院」という形での問題解決・母親はどうなりたいのか ない方がいし つまり、本人 ( ここでは彼 ) はあくまで一時的で、本当の意 う問題行動を知ってしまった の希望を大切にすることと、母 味での解決はされていないとい ら、それをどうにかしないとい 親 ( ここでは一番の協力者と考 うことです。 けないということに力を注ぐこ えている ) の希望もくみ取って とになってしま , つ。 訪問看護で、暴力に対して行 ムロ いくことが、訪問看護では必要 実は、この事例を通して注目なうことは、 になると考えます。 してほしいことは、頻回の入退・率直に悪い事は悪いというこ 院です。 暴 ・内 庭 これは途中からのものです・やってしまったことは仕方が 叫訪問でのを縲する 家 ないが、謝罪をするということ。 が、【入院歴と訪問看護】 護 彼への支援は、変わりなく彼 ・効果があるかないかはわから 平成年 3 月月、 9 月—月 訪 ないが、対策を本人と一緒に考の目標であるダイエットを中心 平成年 3 月月 集 えること。 に、彼のできることを少しずつ 特 8 月下旬訪問看護開始 しかし、それだけを訪問看護広げていくという支援を行なっ 平成年 8 月現在に至る と。

5. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

さ、い る。病識が乏しく病院 代 な中。 す みを で へ行きたがらない子に の・ ~ 0 同 号 月 者擲ナ対して、頼みに行った 族 わ はりコ医者も連れてくれば診 年 」便る の わおすると一一一〕一つ。 み ' 9 の介 っ 警察への頼みに行っ ん と カ っ ても保健所に行ってく み 野ね : 当・。を」を第キを ださい、保健所へ行っ 〇 ん 都 ても親が頑張って病院 〇 み 〇 へ連れて行ってくださ 東 ◆ いと言う。縦割り行政 〇「みんなねっと」の感想 そのもので、家族はどうしてよ差別により、苦しみ続けること 〇◆静岡県坂部哲之家族代 ) いか分からない。保護者も高齢が多いと思います。 精神病者が健常者と同じよう 8 月号『みんなねっと政策委化し、身近に親類知人などいな 〇 員会の取り組み・下』の文中、 な事件を起こすと、テレビやネッ い場合、本当に困る。一日も早い 〇 使われない移送制度の内容は全移送制度がスムーズに行く社会トでは精神病者のことを面白お く同感です。この制度見直しに かしく、おおげさに報道します。 になることを祈ります。 ついて、現在厚労省の検討会で 確かに病気の症状により、善 審議しているとのことですが、◆福岡県有木温子本人代 ) 悪が多少判断できない状態の時 早急な具体策の立案が必要と考 7 月号『私と家族の手記』をもあると思います。でも、その えます。 事件を起こすきっかけとなる理 読んでーー 統合失調症の急性期の場合、 私たち精神障害者は病気に理由や背景は必ずあります。この 家族は驚きと同時にうろたえ解のない一部の人による偏見やようなことをきちんと理解せず 読者のページ に、精神病者を " きちがいし りませんでした。長い期間にわ持ち」がパワーを生むのです。 するのは、社会的に問題があるたって、いくら考えても、どうそのパワ 1 が社会の力となり、 社会が動いていく、それが神が と思います。病者は病者なりに、すれば助けられるのか、対策が いたとしたら考えたことなので 日々努力し、病気に負けないよ練れなくて諦めかけました。で はないでしようか うに病気とうまく付き合おうとも、今回の大きな事件が起きて、 逆に、全てにおいて全く人間 一生懸命に頑張っています。差犯人の考えていることが、神か の力というものが同じだったと 別や偏見はなかなかなくならならのお告げとは、全く逆だとい いと思いますが、せめて身近な したら、社会は混乱するのでは うことに気が付きました。 〇 人達には理解してもらい、安心 仮に、人間というものの、個々ないかということです。社会は 〇 して心おだやかに生活したいでの力が、すべてにおいて全く同成り立っていかないかもしれま わ す。 じだったとしたら、人間社会とせん。だから、様々な人がいる 投稿者のお母さんの大変さが いうものが、本当に成り立つのことが社会をつくっているのでな とても伝わってくるお話でした。 かとい , っことです。 す。弱い者の命にも非常に価値 ん 私も同じ頃に発症・診断されたの 力の強い者がいて、カの弱し があるということなのです。み で、当時の両親の気持ちも想像で者もいる。中くらいの者もいる。 き、心身ともにたいへんだった「様々な人がいるからこそ、人 地域の話題〇 : んだろうな—と思いました。 間社会というものが成り立って いるのではないかということに◆県単独医療費助成制度の請願〇み 気が付いた」ということです。書採択についての報告 日常生活 〇、一 強い者が弱い者を守ろうとす法人富山県精神保健福祉家族〇ペ ◆茨城県戸田俊明本人 ( 代 ) る。助けようとすることで、 連合会事務局長中村喜久男〇者 私は障がい者の力になりたかワーというものが生まれます。 1 年半ほど前、「富山県の精〇 ったのですが、どうしようもあ「何とかしてやりたいという気神障害者にも県単独医療費助成 、ロノし

6. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

間をとりました。そして、何かしかし、母親が家に帰ってくる それでも、投票用紙を作り、 あると真っ先に母親に相談をすと機嫌が悪くなるそうです。そ選挙に出る人たちの名前を並 るということもしていきました。れでも母親は健康体操を続けてべ、記入をする練習をくりかえ もう一つ重要なことは、母親 います。それを聞いて私はホッしました。彼は " 絶対に行かな がどうなりたいかという母親のとしました。 と言いながらも、「書くだ リカバリ 1 です。この時に大切 しかし、私はもう一度同じ質けだよ」と用紙に名前を書いて 問をしてみました。 くれました。 なポイントは、母親が主語にな るということです。よく、この 母親は「一緒に選挙に行って訪問時以外には、母親も協力 子が〇〇になってくれたら・ : とみたい」と言うのです。それかしてくれていました。 いう表現をすることがありますら、「一緒に旅行に行きたい」 私は、期日前投票なら自分が が、それは母親自身のリカバリー と言いました。 投票所まで行くこともできると とは言わず、彼への期待や彼へ その時期にはちょうど、成年提案をしていましたが、本人 ムロ き の希望になってしまいます。あ後見人をもうけている人には選は「行かない」と言うことを貫 向 いていました。しかし、あると くまでも母親がどうなりたいか挙権が認められた最初の国政選 ということが重要なんです。 挙が冬にありました。 き訪問に行ったら、彼が「選挙勦 ・内 彼の母親に、「お母さんは、 私たちは、訪問時に選挙に行 に行ってきたよ」「大変だった」 庭 家 これからどんなことがしたいでくことを話題にしはじめましと一言うのです。 護 一緒に選挙に行きたいという すか ? 」と聞くと、私は月 2 回た。もちろん彼にとっては初め 訪 健康体操に行って気分転換をしてのことで、どんなものなのか母親の希望が叶った瞬間でし ていると一一一一口う。その時の 2 時間は想像もできないので、真っ向た。その後もいくつか選挙はあ特 程度彼は留守番をしています。から拒否され続けました。 りましたが、「行かない」とい ていきます。 で、私は訪問看護ステーション への支援を行ないます。しか 現在は私が週に 1 回ともう一 に来る実習生や見学者、そしてし、中には家族と同居している 号 人のスタッフが 1 回、計 2 回 1 新しいスタッフを必ず彼のとこ人や、祖母と一緒に生活をして明 週間に訪問をしています。 ろに連れて行くことにしました。 いる人、兄弟姉妺と一緒に生活年 彼は、野球が好き、コーヒー 多くの人と交わる機会を持つをしている人、単身ではあるが が好き、ラーメンが好き、自宅ためです。 近所に家族がいたり、見貞ヾ 立不米大 1 刀—> と っ の前には大きな畑があるという家族だけの空間から訪問看護たり、祖父母がいたり、または ね 亠な ストレングスを訪問での支援のの私が彼の元に行くようにな大家さんや、よく気を配ってく ん きっかけにしています。 り、そして別のスタッフがまたれる近所の方がいます。その方み しかし、彼にはもう一つ大き彼のところに行くようになり、達とどのように協力をしていく なストレングスがありました。そして今度はいろいろな人が彼かという課題があります。もち それは、映画が大好きというこ と話をするようになる。 ろん、そんなことはやめて欲し とです。洋画、邦画を問わず映 「人と接することがイヤだ」と いと言われる場合もあります。 画が好きで、よくテレビの映画言っていた彼が、自分から自己 この事例の彼の場合は、中心 番組を観ていました。 紹介をして、一緒に会話をするになっている支援者は母親で 彼は、もう一人のスタッフがという時間も増えていきました。す。母親と私たちの関係性が重 訪問時に持参したアイバッド 要になってきます。母親との関 (iPad) で、映画の予告シーン ・家族への支援を考える係が上手くいかないと、彼との ( 3 分程度 ) を観ることを、毎 関係も上手くいきません。 回楽しみにしています。 訪問看護はもちろん依頼者で 私は、母親がどのように彼を 訪問も 1 年くらい経過したのある本人のところに行き、本人育てていたのかを十分に聞く時

7. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

ました。 ようになることを願って、退院落ち着きを取り戻しました。同 を待ちたいと思っています。 じ体験をもっ家族ならではの助 現在、息子は入院中ですが、 言も参考になりました。聴いて 面会時、病院のケースワ 1 カー 本人が穏やかな生活を送るにもらうことで、初めて相手の助 さんと話す機会を持っことで、は、家族自身が元気になる必要言を受け入れることができると 息子への私の接し方について振があると思います。 つくづく感じました。 り返っています。 私は、家族会の方に気持ちを さらに、地域の支援者の方々 病気のこと、対応の仕方など、 打ち明け、聴いてもらうことでに、本人も交えた話し合いをす 今まで勉強会や研修会で学んで る機会を設けてもらいました。 きたつもりでしたが、息子のた 家族会、支援者の方のお蔭で めと思い、やってきたことが適 孤立しないですみました。家族 切ではなかったのかなと思った が孤立しないこと、これが一兀気 り、話し合いが少なかったので になる秘訣と強く感じます。 はないかなど、いろいろと感じ 家族会のみなさん、いろいろ ています。 な立場で支援してくださった支 手 今後も息子との生活は続いて 援者のみなさんに、感謝の気持 の いきますが、病を背負っていく ちをこめて、この手記をしめく家 と 息子が、日常生活にストレスを くりたいと思います。ありがと ためずに安定した生活ができる , つ。こさいました。 ますが、私たち家族もたいへんでやろうとしましたが、気力、ままに話しました。 私の話を家族会の方は黙って号 で、疲労の高まりもピークに達体力を持続させることがむずか 月 しくなってしまいました。 聴いてくれました。その後も、 するような状態でした。 年 いろいろな助言をもらったり励 主治医から、「これ以上、町 悪化の具体的なきっかけは、内会長の仕事を続けることは無まされたりして、私のこころも と っ 町内で順番にまわってくる町内理」という判断もあり、任期をようやく落ち着きを取り戻すこ ね 会長の役をめぐってのことでし 3 か月程残し、町内会長の役をとができました。家族会につな がっていなかったら、私は一人み 免除してもらいました。 息子は 1 年間、頑張るつもりで悩みを抱えたままになってい 最初、本人は「 1 年間、頑張っ てやる」と意気込んで、町内会でしたので、こうしたかたちでたと思います。 また、市の保健師さん、相談 長の仕事をこなしていました町内会長をおりる格好となり、 が、障害福祉サービス事業所へさぞや不本意だったと思いま支援事業所の相談員さんから訪 問してもらって、本人も交えた の通所で体力を使った上に、帰す。 話し合いもしました。 宅後に町内会長として文書の整 最初は、頑固に入院を拒否し このような有り様に、私も混 理、配布等こなしていましたの 乱し、どうしたらよいかわかりていましたが、息子自身の体力 で、やつばり、たいへんだった ませんでしたが、日頃のつながも限界になり、話し合いの中で ろうと思います。 息子は、手伝おうとする私のりから、まず家族会の存在が頭入院治療を受け入れ、主治医か 言葉をはねのけ、なんとか一人に浮かび、息子の様子をありのら紹介状をもらい、入院となり 一三ロ

8. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

のが現実です。そこで、前述しと未来を生きるために必要なも たような制度やサービスを利用のとして捉えることができると することによって、経済的な課言えます。 題の軽減につなげることができ 一一つ目は、経済的支援の利用合 ロ ます。加えて意義深いこととしによる問題の位置と割合の変化と て、未来を志向できる、というです。本人や家族の中には、精立 ものです。人が見ているのは、神障がいを持っていることを問 「今」もさることながら「未来」題と捉え、四六時中そのことが です。本人や家族は、精神障が気になって仕方が無い、というめ 占 いによる生きづらさから、フル人がいます。このことを示しに し タイムの就労等の難しさを認めたものが図 4 ー①です。しかしら の ていたりします。ですが、未来ながら、人々の暮らしにおい が見えないと、たとえ生きづらて、問題は基本的に無くなりま害体 さからフルタイム就労は困難だせん。これは、ストレスに置き神し と思いながらも、それこそ生き換えても同様です。問題は無く 暮 4 ていくために無理な生活設計をすのではなくて、位置を変えた図 してしまいかねないのです。こ り、占める割合を小さくすると のようなことからも、経済的支 いうのが、最も現実的であり、 援は、本人や家族が等身大で今実態にかなった対応だと一一一一口える 以上のことをふまえ、次月号ており、実生活及び、未来への でしよう。 そのような中、本人は経済的より約 1 年間、私の親愛なる仲気持ちの変化が起こっているの か」等を想像することによって、 間である、研究者や実務家の社 支援の制度やサービスを利用 し、暮らしの選択肢が増え、仲会保険労務士より、具体的な事制度やサービスが現実のものと 間に出会い、夢中になって趣味柄を紹介していただきます。そして伝わることでしよう。「知る」 ことは大変深いです : ・ の際、「誰が、どんな想いで、 の話等をすることによって、一 かっとう ( あおききょひさ ) 時的にせよ、不思議と問題がどその制度を葛藤しながらも、い 、ロ・Ⅱ -1 こかに吹き飛んでいくように感かに理解し、実際の活用に至っ 一つカ障す じたりします。すると、図 4 ー 際しと保、 ②に示しているように、問題が ド義月弸研め筆 隅に移動していることに気づく る務 のです。さらに、活動範囲が広 著援翅 5 金 がると共に、多様な価値観 ( 就献 久的すあに年の 労や収入額に囚われない、人に 聖済版智共害士 用 木ら出越と障務 対する新たな価値観等 ) を認め弓 青のかん久あい険 者法聖でと保 ることによって、図 4 ー③に示 、福橋い しているように、暮らし全体が 神例は健高る 拡大し、問題の占める割合が小 精 ~ 書保、明 本神てに * 精え度 さくなったりするのです。 0 0 問題 ① 出典 : 青木聖久編 ( 2015 : 21 頁 ) みんなねっと 2016 年 10 月号 32 33 知ることは生きること

9. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

第後記 2016 みんなねっと三駄会主なスケジュール予定 , 1 日目 受付※当日は、事業所の授産製品の即売会も予定。 9 : ~ 受付 オープニングセレモニ 9 : 30 第①「広けようアウトリーチ」 1 1 : 15 ~ ~ 地域てくらす本人、家族によりそって ~ 1 1 : 30 開会式 1 2 : ・ ☆コーディネーター鈴鹿医療科学大学教授貴島日出見 第②「元気な家族会に ! ー 基調講演 1 3 : ~ ・ ☆コーディネーター日本福祉大学教授青木聖久 「誰でもわかる認知行動療法」 一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長 第③「安心してくらせる社会を目指して」 / 大野裕氏 ~ 差別解消法これからを対話しよう ~ ☆コーティネーター三重大学教授片岡三佳 みんなねっと活動報告 14 : 20'V みんなねっと理事長 / 本條義和 第④「はじめよう ! 若者への啓発を」 行政報告 ☆コーティネーター聖隷クリストファー大学准教授大場義貴 厚生労働省より ( 予定 ) 第⑤「ピアカフェ」 記念講演 15 : 40æ ~ みんなてしゃへろう ~ 「精神科アウトリーチ」 ☆ケスト松本ハウス ※定員 IOO 名 : 当事者限定 ( 不安な方は家族同伴可 ~ 入院に依らない精神医療の実現のために 千葉大学医学研究院特任教授 / 渡邉博幸氏 閉会式 分科会報告大会アヒール採択次期開催県あいさつ 1 7 : 終了※懇親会参加者はハスて移動 1 2 : 40 閉会 ( 予定 ) 懇親会 1 8 : 30æ 津センターハレス ( 都ホテル ) 『ビアサミット』 10 / 28 ( 金 ) 13 : 30 ~ 15 : 30 三重県総合文化センター中ホール お笑い芸人松本一、ウスさん来たる ! 住催 : ビアサポートみえ〈入場無料》 ) ◆申込先 F 猷 059 ー 225 ー 7633 ◆ E-Mail*tsu@mwt.co.jp 「参加証」なとの送付・連絡先 ( 勤務先・自宅 ) 10 月 27 日 ( 木 ) 2 日目 ■事務局では一日のほと休むことは大切だな、 んどの時間、パソコンをと身をもって実感してい る。 使って仕事をしている。 パソコン画面に集中す るあまり、仕事中はほと今月 ( 川月 ) はみんな んど体を動かさない。そねっとの全国大会が三重 のせいか肩こりと、最近県で開催される。 毎年事務局の私たちも では片頭痛が始まってし まった。肩こりについて参加しているが、事務局 を離れ、全国の家族の方々 は、先生に「肩がパキバ キだね」と言われてしまと交流できる貴重な機会 うほど凝り固まっている。である。大変な状況を乗 これ以上ひどくなる前り越えようと必死に頑張 に何か策を講じなければって来られた家族の方々 と、気が付いた時に少しとお会いすることで、 つも「事務局として自分 休憩を人るようにしてい る。体のあちこちをひねにももっとできることが ってストレッチしてみたある ! 」と、パワーをも り、お茶を飲んでほっとらっている。 今年の全国大会も大盛 一息ついてみたりと、ほ んの数分の休憩だけでも会となりますように : ( 齋藤 ) だいぶ体が楽になり、仕 10 月 28 日 ( 金 ) 分科会 1 1 : 45 ~ 編集後記 【「みんなのわ」へメールで投稿できます】読者のページ ( みんなのわ ) への投稿がメールでできるようになりました。投稿のメールアドレ スは minnanet.seishinhoken@outlook.jp です。※投稿される 方は、氏名、住所、年齢、性別、 ( 家族、本人、その他 ) をご記入ください。 なお、ペンネームで投稿される方はペンネームをお書きください。 月刊みんなねっこ通巻第 114 号 ( 2016 年 10 月号 ) 定価 300 円 発行日 2016 年 10 月 1 日 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 発行者公益社団法人全国精神保健福祉会連合会個人・年間 3 6 0 0 円 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170-0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 4 6 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL 0 3 ー 6 9 0 7 ー 9 2 1 1 FAX () 3 ー 3 9 8 7 ー 5 4 6 6 郵便振替 O () 1 3 0 ー O ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken.jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生 参加申込書 ( 宿泊なし用 ) 都道府県 所属団体 申し込み ( ふりかな ) 代表者 電話 FAX 参加種別・家族・医療福祉支参加希望する分科会懇親会お昼の弁当注文 性年援者、 - 般円 ふりがな ( 2 日目 9 : 309 7 , ) 円 1 食 1 ,OOO 円 氏名別齢当事者 58 円 第 1 第 2 第 3 1 日目 1 日目 2 日目 学生 1 ,OOO 円 希望希望希望 みえたろう ①② ( 3 ) 〇 例三重太郎男 55 家族 〇 〇 備考 12,000 円 ※宿泊のお申込みが必要な方は、別紙「大会案内パンフレット」にある「参加申込書 ( 宿泊用 ) 」にてお申込み下さい。 ※お申込みはéAX ・メールもしくは郵送にてお申込みくたさい。 ( トラブル防止のため、電話でのお申込みはお受けしておりません。 ) ※申込み・問い合わせは、『名鉄観光サーピス株津支店』電話 : 059 ー 225 ー 7676 FAX : 059 ー 225 ー 7633 〒 514 ー (XD4 三重県津市栄町 3 ー 141 ー 1 モアピル 5 階 E メール : tsu@mwt.co.jp 担当 : 鉞田 ( おのだ ) , 田口

10. 月刊 みんなねっと 通巻第114号 2016年 10月号

のです。そこには語られていなじ悩みを持つ者同士で毎日支え幻聴が少なくなっても、自室に い理由があるのでしよう。それ合って、やっと止められるもの閉じこもっているだけでは人生 は突っ込んで聞かないで、ただ、のようです。 を実現したとは言えないでしょ 『あなたも私と同じような苦労 それでも、断酒会で断酒をう。 をして、そして今はがんばって誓った人のうち、 1 年後に断酒長期の慢性状態の患者さんで いるんですね』というのが断酒をしている人は— % しかい は現実から遊離してしまい、「東 会のやり方なんです。 ないそうです。そうしてその後、京に行って、結婚したい」など 断酒できなかった人が短期間でと実現不可能な願望を言い続け 〈大変な病気〉 亡くなった、と聞くことも多 いることがあり、それを聞くこと 薬物依存症やギャンプル依存です。 はつらいです。 断酒会の体験談では、自分が 〈苦労した、と語ってみよう〉 みが生じた時に、暗い気持ちの 苦労してきた現実や今思ってい 軽減を求めたことから始まり、 統合失調症と躁うつ病も大変ることをリアルに語っておられ その魔カから抜けられなくなるな病気です。この場合も「自分ます。私は、うちの患者さんた お ものです。 は病気ではない」と、がんばりちにも現実に努力してきた体験ら 認知行動療法や精神分析など過ぎることが病気の克服を難しを語ってもらい、それを批判無 所 療 も役立つのでしようが、頻回のくします。 しに聞くようにしたい、と思う の 面接を何年も続けて通うことは この二つの病気では薬がかなのです。 お金の面からもできません。同り効きますが、服薬して妄想や 「断酒 5 年です。離婚して妻と謙虚の気持ちを持って、正直ことを話していくのです。 が出て行った時に小学 4 年と 2 であろうということを目標にし 月 〈同じ苦労をして〉 年の娘を連れて行きました。そます。アルコール依存症の人は 年 やはり間歳くらいの県の職員 の時の娘の悲しそうな顔が忘れ本来はやさしい気の弱い人では あっても、アルコールを手に入を定年まで勤めた方が、 られません。以上です」 「私のは、いわゆる一気飲みつ れるために、人の気持ちを無視 精神科医が時々出席して聞い ね 亠な ていると、衝撃的な波乱万丈のし、うそをついて、自分勝手でです。電車通勤していました ん み 物語にびつくりしますが、断酒不誠実なことばかり繰り返してが、帰りに駅に降りたら一直線 会というのは週 1 回あって、近いますからね。そういうことをに酒屋に行って、カップ酒を くの他の会にも参加するので、変えていかなければならないのキューツとやっていました。仕 事中もそればかり思っていまし 大体毎回同じ話になるようでです。 でも、大きな目標が簡単に実た」 す。おもしろい話をする必要は そばで、奥さんがウンウンう なく、他の人の話を聴き、自分現するはずはありません。です のことを話して、断酒をする気から、断酒会では体験談を語るなずいて聞いておられます。こ 持ちを確認するのがポイントで時に、『自分のことしか言わなの話だけなら、定年まで仕事を い』『他人の批判をしてはいけ勤め上げたのだから、まあ、良 す。 いんじゃないですか ? とも思 亠な 〈自分の気持ちを話す〉 ばなしにする』という約束をしうのですが、この人はそれでも 断酒会では、思いやりと寛容ます。そうして、率直に自分の何年も断酒会に通っておられる 二一口