先進諸国 - みる会図書館


検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

の状況で明らかですが、精神医す。日本を除く先進諸国は、連 連載第 7 回「病院存亡の危機 療改革の機は熟しています。 載第 3 回「精神医療政策を見直を迎えた精神科病院」で明らか した先進諸国」で明らかですが、 なように、わが国では、隔離・ ( 2 ) 改革を進めるニつの道 19 年代からの抗精神病薬収容の精神医療政策の " 要 ~ の の本格使用によって、それまで役割を担っている精神科病院 政策や制度は、一度構築したの " 精神科病院への入院中心 ~ は、経営が行き詰まり一部の病 ら半永久的に続くことはあり得から " 地域生活中心 ~ へ精神医院では崩壊が始まっています。 ません。社会の変化に対応し改療が可能になった変化と、精神この事態は、精神科病院への入 革することによって政策や制度科病院への入院中心の隔離・収院中心の隔離・収容の精神医療 は、社会に貢献し、存続が可能容 ( 施設収容 ) の精神医療政策政策の破綻でもあります。その となります。特に日進月歩の医を反省し、隔離・収容の精神医ためわが国も隔離・収容政策の 療は、適時見直しが不可欠で療から地域精神医療へ政策転換政策転換が避けられない事態に す。改革の進み方は一一通りありを行いました。 陥っています。 ます。 しかし追い込まれての改革 ②政策が破綻し追い込まれてのは、決して楽観はできません。 ①先取リし改革を積極的に進め改革 る もう一つは、政策・制度の破綻 ( 3 ) 予想される 3 つのケース 一つは情勢の変化を把握し、 によって、改革に追い込まれる 先取りして改革を進める道で道です。 ( 1 ) 機は熟している - ' 《在院患者の万人は 1 年以上、 Ⅱ万人は 5 年以上、約 7 万人は 号 精神科医療の現状と改革の展望 月 2 年以上、 3 万 4 千人は年以 昭和大学烏山病院家族会あかね会監事 年 氏家憲章 社会福祉法人うるおいの里・理事長 上異常な長期入院です。しかも 精神科特例と精神科差別がある と ため " 安かろう・悪かろうの入っ 《連載》第信回日本に精神医療改革の展望はあるか 亠な 院医療 ~ です。 ん み この間の連載で、わが国の精療との間には、現状の放置が許 在院患者の " 凵人に 1 人 ~ が 神医療政策は、今日の時代に対されない格差があります。日本毎日隔離 ( 保護室 ) か身体拘束、 応できず賞味期限が切れているを除く先進諸国では、 " 入院医 3 分の 2 の人たちが自由に病棟 ことがお分かりいただけたと思療中心 ~ から " 地域生活中心 ~ の外に出られない閉鎖病棟で います。この状況を打開するたへ転換し、たとえ入院になってす。他の先進諸国で当たり前 ( 常 めには、精神医療政策を今日のも平均在院日数は日で 1 か月識 ) になっている地域生活を進 時代に対応できるように改革が 以内の入院です。精神の病気やめる体制構築は全く進んでいま 不可欠です。 障害があっても、地域で医療支援せん。 と生活支援によって、社会生活が しかも精神疾患・こころの健 普通におくれます。 康問題が国の最優先課題になっ 一方わが国の現状は、平均在院ていますが、対応する精神医療 日本と他の先進諸国の精神医日数は 281 日 ( 2014 年 ) で、は役割を果たせていません。こ わが国の精神医療政策は、行 19 精神科医療の現状と改革の展望

2. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

き詰まり矛盾も激化しています。 もう一つの方策は、認知症のの現状は、国が病床減策を積 そのため新たな対応が必要に人たちを精神科病院に大量に収極的に講じなくても在院患者号 月 なっています。今後予想される容する構想です。すでにこの構減の進行によって、精神科病院 年 三つのケースを考えてみます。 想は、 2015 年 1 月に新オレの自壊は避けられない事態に陥 ンジプランで、認知症の人たちっています。精神疾患は全在院 と っ ①新たな在院患者を探す道 への循環型支援など精神科病院患者の % を占めていますが、 ね 亠な 第 1 のケースは、在院患者のの介入によって、精神科病院へ精神科医療費は国民医療費の 5 ん み 減少による経営危機を、新しい の本格的収容の道がひらかれま % です。そのため今までは、 患者確保によって危機打開を図した。この構想では、高まる精精神科医療費は医療費削減の対 るケースです。その方策の一つ神科医療の社会的役割が果たせ象にはなりませんでした。しか ません。先進諸国の認知症施策しこれからは、社会保障費の一 は、精神科病院の病棟を改修し、 グループホームなどの居住系施や国内でも地域ケアで積極的に層の削減のため精神科医療費 設に収容し、長期入院者を長期取り組んでいる方向と正反対では、決して聖域ではなく削減の 施設収容者に切り換える構想です。そのため厳しい批判の声が対象になっています。 す。最近の代表例は「病棟転換高まり、いずれは破綻の運命で 残念ながらその事態はすでに す。 始まっています。精神科入院医 型居住系施設」の構想です。 療費は、ピーク時比 1173 億 この構想は、 2016 年月 円の減少、精神科医療費全体で 末現在実施「ゼロ」という状態②精神科医療費削減の道 第 2 のケースは、精神科病院は 780 億円と大幅減少となっ にあり、破綻の運命です。 ています。一方精神障害者が地神科差別を基本とする精神医療神医療の社会的役割を果たし、 域で暮らすための精神障害者の政策の破綻です。そのため現状精神医療の新たな展望を切り拓 福祉費は一向に増えていませを打開するためには、精神医療く道でもあります。 ん。地域で、医療支援と生活支政策を今日の社会に適切に対応 今後の行方の " カギ ~ 援体制の構築がないまま、精神できる政策に切り換えることが 上記のどの道に進むか、それ 病床だけを削減することは、先必要です。 進諸国のように地域で、医療支精神科病院は治療的役割に徹を決する要因は、一つは精神医 援と生活支援で精神障害者を支し、治療機関としての機能強化療の現状を憂い改革を望む人た 援する地域精神医療の構築はでを図る。そして住む場所などのちの取り組みがどう進むのかに きません。 福祉的役割は、地域に移し福祉あります。 もう一つは政治の動向です。 施設に任せることが必要です。 「精神科特例」と「精神科差別」政治が " 個人の尊厳 ~ を大切に ③精神医療改革の道 第 3 のケースは、精神医療政など差別的扱いを解消し、一般する政治に変われるか、です。 次回 ( 3 月号 ) は最終回です。 策の " 要 ~ の役割を担ってきた病院と同水準の医療体制にする 「改革の展望を示す新しい動き 精神科病院が、経営は行き詰まことです。当たり前のことを普 り破綻が始まっています。この通に行なえる精神医療政策へ政が起きている」でみてみます。 ( うじいえのりあき ) 事態は、戦後数年間続けてき策転換することです。この道こ た精神科病院への入院中心の隔そ、当事者や家族そして国民の 離・収容政策で精神科特例と精期待に応える唯一の道です。精 21 精神科医療の現状と改革の展望

3. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

者はいなくなるはずですが、新 これに対して、平成年 4 月を加えて、地域に移し定着して たに 1 年以上の入院患者が同じの精神保健福祉法の改訂で医療いくことについても、両方の中 数の 5 万人入ってくるので、長保護入院体制の見直しがなされ核にあるのがアウトリーチの仕 期の入院患者はなかなか劇的にました。基本的に新たに入院す組みです。 は減らないという状態です。 る医療保護入院の方は、 1 年以 退院促進には二つの面があり 内に退院させるよう義務付けらます。長期入院の方の解消と、 れ、退院促進のための体制を病新たな長期入院の方を作らない ということ、その二つの目的をめ 地域包括ケア・多職種協働院の管理者が整備することにな っ・ りました。 達成するためには、地域移行・ チ療 用 それから、長期の入院患者の早期退院をする、そういう仕組 る援援一医援利 切 図支支護リ護支度 を住活介ト看労制方は、自宅を失くしていたり身みを作らなければならない。そぜ 居生ウ問就的 ア訪 公内の関係も途絶えていたりしれがアウトリーチです。 チ て、病院が住所になっていたり そのアウトリーチに付随し 退 もします。そういう方たちを退て、安全に安心して長期に住めア 期 て う患肖 行院性止院支援するのは大変時間がかかる住まいを確保することや、日 お よ院マ。移退人急防 ・るし、人手もいります。新たな常生活を手伝う仕組みや、就労 神 精 長 長期入院の方を作らないために支援、できる限りの公的制度を 集 も、そして、すでに長期化して利用すること、こういった包括 特 いる方を、いろいろなサポート的なケアをして初めてアウト みんなねっと三重大会記念講演より 精神科においてアウトリーチは 特なぜ大切か、どう進めたらいいか① 千葉大学医学研究院特任教授渡邉博幸 今月号と来月号の特集 行、仕組みの工夫をどのように 今日の話は大きく三つに分か は、渡邉博幸先生の「みん れます。最初はなぜ今精神科のしているのかということを紹介 なねっと三重大会」におけ させていただきます。 アウトリーチが大事なのかとい る記念講演を①①に分けて う総論的な話です。一一番目は、 1 ・アウトリーチとは お届けします。 私が千葉の旭中央病院で取り組 んだ精神科病棟のダウンサイズ◆退院促進 今、精神科の 1 年以上の長期 の話です。縮小してアウトリー チに支援を移していくという経在院患者は、約万人ぐらいに 験を話します。最後に現在、学減っていると考えられていま じかい 而会木村病院という民間病院です。そのうち、毎年 1 年間で退 取り組んでいる精神科単科の病院する方が約 5 万人います。そ 院で行うアウトリ 1 チへの移うすると、 4 年間で長期入院患 みんなっと三重大会で記念 講演を務めた渡邉博幸先生 みんなねっと 2017 年 2 月号 6

4. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

会の勉強会に参加するようにな りました。 ピアサポート研修会・ : 第 4 回 目、 2015 年に受講します。 かって娘は、人がたくさんい 先日、自分からすすんで、体 大学における家族会の勉強会るところに出るのを大変きらい験入所しようかということを言 ました。 ・ : 2 年目を受講しています。 一人で相談に行くようにな また、各地区・家族会の研修 社会福法人 < の作業所ができりました。 た時も絶対に参加せず、 家族会は、親が活動すると、 1 年くらい行けませんで いっか子どもにも思いが流れ、 した。 少しずつ活動が広がっていくと しかし今は、 < 事業所思います。 に母親と同伴で週 1 回、 会長から子どもさんを連れて 昼まで通所するようにな来なさいとうるさくなるほど言 り、 2 年前からは、一人われていましたが、やっとそれ で週 2 回の通所ができるが実現することになりました。 手 ようになりました。 私たちは、一足飛びにはでき の 現在は、地域活動支援ませんが、一歩一歩で前進すれ家 と センター パソコン教室ば、勝利をかちとっていけると ( 週 1 回 ) に通えるよう 信じています。 私と、【 手記 病気の子と共に ( 香川県 ) 幸いを願う親 会にも参加しています。 娘は大変おとなしい、音楽の 歳入院 ( 精神科 ) 7 か月 大好きな子どもでした。また本入院退院後、保健所のすす号 月 を読むのが大好きで、友人と多 めでデイケアに通うも 3 か月 年 くかかわることも少なかったよ でやめる うに思います。 ・保健所のすすめで、現在の < と っ 小学校・中学校・高校・短期家族会に入会する。 ね 大学と進んで参りました。そし 亠な ・ < 家族会に入り保健所主催の ん み て、短大を卒業して進路を決定家族教室での勉強会 するときに失敗しました。同時・病気に対する知識の獲得 期に父親がリストラにあい、 家・誰に相談し、どこへ行ったら 庭の雰囲気が大きく変わってし よいか理解 まい、娘の心が不安定になって ・社会資源の利用 しまいました。やがて娘は通院・病院の利用、クリニックの利 することになりました。 用 その後娘は、次のような経過平成になって、地域から保健 をたどりました。 所が引くようになると、地域家 歳外来通院 ( 精神科 ) 族会の活動が活発になり、家族 になっています。 一三ロ

5. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

2016 みんなねっとフォーラム ■はじめまして。十月に 担当者に加わり、今年の 一みんなねっと事務局に入参加者からも協力者が生 りました松本と申します。まれています。子どもの 私の母には昔から妄想立場の悩みは親の立場の があり、その為に普通の方の悩みとはかなり違い 一家庭とは違う育ち方をします。 受けてきたダメージも てきたと思います。 つい最近まで病名を知大きく、大人になっても らなかったものですから、生きづらさをかかえてい こちらの業界とは全く無ます。 仲間で集って語り合う 、一縁でした。 ことで、過去に受けたダ 母が肉体的な病気にな ったのを機に病名がわかメージから少しずつ癒さ りました。そして私と同れます。仲間との語り合 いの場は、年代を超えて じように子どもの立場で 一大変な想いをして育って共感し合える不思議な空 きた人が沢山いることを間です。 、一知り、仲間と出会うこと子どもの立場の集まり もできました。 は、まだ始まったばかり 大学の先生方のお誘いです。この貴重な癒しの 一で、昨年からその仲間と空間が全国に広がり、孤 子どもの立場の家族学習立している子どもに届く 会をしています。 ことを願っています。 ( まつもと ) 昨年の参加者が今年は ※先月号の編集後記の筆者に間違いが ありました。筆者は ( 小幡 ) ではなく ( 飯 塚 ) でしたので、お詫び申し上げます。 2017 年 3 月 3 日 ( 金 ) 10 : OO ~ 16 : 00 ( 受付 9 時 30 分 ~ ) 帝京平成大学冲永記念ホールの地図 六ツ又交差点 ( 3 ) 左側に交番のある交差 点まで進んでください。 ②ビックカメラの前 の通リを道なりに進 んでください。 池袋キャンバス・本館 六つ又交番 ビック カメラ 東池袋三丁目 ①池袋駅東口を出 たら、出口を左に 進んでください。 ヤマダ電機 4 ローソンの方向に 進んでください。 ※」 R 池袋東口から徒歩 12 分 - 東ロ 0 編集後記 ・事前申込締切・フォーラムへの参加は、事前にお申し込みください ! ! 2 月 1 4 日締切 事前にお申し込みされる方は、下記の申込書に必要事項を記入し、 FAX ( 03-3987 ー 5466 ) または郵送でお申し込みください ( 当日参加も可能ですが、事前申込を優先します ) 。 * 昼食は各自ご用意ください ( 大学内に昼食場所は用意しております ) 。周辺の飲食店もご利用いただけます。 * 先着順のため定員に達した場合はお断りすることがあります。連絡先もご記入くたさい。 0 事前参加申し込み票 0 【「みんなのわ」へメールで投稿できます】読者のページ ( みんなのわ ) への投稿がメールでできるようになりました。投稿のメールアドレ スは minnanet.seishinhoken@outlook.jp です。※投稿される 方は、氏名、住所、年齢、性別、 ( 家族、本人、その他 ) をご記入ください。 なお、ペンネームで投稿される方はペンネームをお書きください。 月刊みんなねっこ通巻第 118 号 ( 2017 年 2 月号 ) 定価 300 円 発行日 2017 年 2 月 1 日 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 発行者公益社団法人全国精神保健福祉ム連ロム個人・年間 3 6 () () 円 ロ / ゝノ - / ゝ 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170-0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 46 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL 0 3 - 6 9 0 7 ー 9 2 1 1 FAX 0 3 ー 3 9 8 7 - 5 4 6 6 郵便振替 () 0 1 3 () ー O ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken.jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生 申込者氏名 所属 4 連絡先 TEL ( 主催・問合せ先 : 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) tel 03 ー 6907 ー 9211 / fax 03 ー 3987 ー 5466 / http://www.seishinhoken.jp 170 ー 0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 46 ー 13 ホリグチビル 602

6. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

月刊みんなねっと ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 通巻 118 号 2017 年 2 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 月翡を軋の家族と家族会をつなぐ機誌 月刊みんなねっと 2017 年 2 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 みんなねっとフォーラム 2016 家族それぞれの自立をめざして ~ 親あるうちに ~ = 000 、 00000 = 00 ~ 0000 △場 : 帝京平成大学冲永記念ホール ( 東京・池袋 ) 参加費 : 無料 ( 事前申込が必要です。詳しくは本誌の裏表紙、チラシ、ホームページをご覧ください く午前の部〉 【講演】 それぞれの自立をめさして一本人・家族・医療者が、共に考えられる社会へ 夏苅有子氏 ( 医療法人社団峻凌会・やきつべの径診療所理事児童精神科医 ) 0 講師 く午後の部〉 【シンポジウム】 ( 仮 ) それぞれの自立 ~ 開かれた対話 ~ 当事者とその支援者、当事者の家族とその支援者という 2 組に、それぞれの立場から、訪 間型・対話型の支援が入ったことでどう変化したのかについてお話をしていただきます。 0 シンポジスト ・訪問看護を利用している当事者とその支援者 ・訪問看護を利用している当事者の家族とその支援者 ロ助言者 夏苅有子氏 ( 医療法人社団峻凌会・やきつべの径診療所理事児童精神科医 ) 0 コーディネーター Supported by 大塚淳子氏 ( 帝京平成大学健康メディカル学部教授 ) THE NIPPON FOUNDATION ※詳細が決まり次第、月刊「みんなねっと」や当会ホームページ、チラシ 等でご案内いたします。多くの方々のご参加をお待ちしています。 主催・問合先 : 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) tel 03 ー 6907 ー 9211 / fax 03 ー 3987 ー 5466 / http://www.seishinhoken.jp 170 ー 0013 東京都豊島区東池袋 1 -46 ー 13 ホリグチビル 602 2017 ・特集・ 精神科においてアウトリーチはなせ大切か、とう進めたらいいか① ( 渡避博 ■精神科医療の現状と改革の展望 ( 氏家憲章 ) 連載第材回「日本に精神医療改の展望はあるか」 ■知ることは生きること ( 風間朋子 ) 連載回 手当 ( 経済的支援特集⑧ ) : ↓ 0 4 《当事者 ( 男性 ) と三ツ井直子氏 ( 訪問看護ステーション kazoc 看護師 ) 》 ( 東京都 ) 《当事者の家族 ( 母親 ) と佐藤晋氏 ( たるまさんクリニック psw) 》 ( 埼玉県 ) 0 0 全国精神保健福祉会連合会 公益社団法人

7. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

④福祉施設から一般就労への移よって、地域生活への移行が可 知っておきたい。 能であることから、年号 行等 精神保健福祉の動き ~ ⑤障害児支援の提供体制の整備の精神病床における入院需要 年 ( 患者数 ) 及び、地域移行に伴 とりわけ、精神障害者にも対う基盤整備量 ( 利用者数 ) の目 と ■社会保障審議会障害者部会 っ 応した地域包括ケアシステムの標を明確にした上で、計画的に ね ( 第回 ) な ん 平成年Ⅱ月Ⅱ日に開催さ構築が掲げられ主なポイントし基盤整備を推し進める。 み そして、「長期入院精神障害 れ、「障害者福祉計画及び障害て 2 点示されました。 児福祉計画に係る基本指針の見①精神障害にも対応した地域包者のうち一定数は、地域の精神 直しについて」を議事として審括ケアシステムを構築するた保健医療福祉体制の基盤を整備 め、障害保健福祉圏域ごとの保することによって、地域生活へ 議されました。 この中で、次の成果目標につ健・医療・福祉関係者による協の移行が可能であることから、 議の場を通じて、精神科医療機国が提示する推計式を用いて、 いても触れられています。 ①施設入所者の地域生活への移関、一般医療機関、地域援助事平成年度末の地域移行に伴う 業者、市町村などとの重層的な基盤整備量 ( 利用者数 ) を障害 ②精神障害にも対応した地域包連携による支援体制を構築す福祉計画上明確に記載する。」 とされています。つまり、保健・ る。 括ケアシステムの構築 ③障害者の重度化・高齢化や「親②長期入院精神障害者のうち一医療・福祉関係者による協議の 亡き後」を見据えた地域生活支定数は、地域の精神保健医療福場と長期入院者の病床数や入院 ネ体制の基盤を整備することに患者の退院率を設定するという 援拠点等の整備 いますか支援する人から見て後の審議の進め方の説明があり ことです。 本條理事長は、成果目標③にも、もう働くという意向が余りました。①に関連しては、テレ ないのではないかと思われる人ビで放映されたという、横浜に ついて次の意見を述べました。 「③の高齢化についてです。施は、結構社会参加したい、就労ある重度障害者施設へ和田審議 設だけではなく、障害者の方はしたいというご意向があるので官が訪問した際の様子が紹介さ はないかと思っています。もしれました。そこでの支援内容と 高齢化が進んでいます。それに ついて高齢化の実態はデータとデータがあれば教えていただき作業に参加できる喜びを体一杯 たいですし、なければそういう表現している姿が印象に残りま して上がっているわけですが、 例えば障害者の方はどういう生意向調査をすべきではないかとした。 文部科学省、厚生労働省、国 活がしたいのか。特に就労など思います。」 ( 文・小幡 ) 土交通省からも資料について説 意向調査のデータはあるのでし き 動 明があり、今後の予定が述べら よ , つか の 祉 内閣府の高齢者が何歳まで働■障害者政策委員会 ( 第引回 ) れました。 福 健 その後、各団体から出された 月日、中央合同庁舎 8 号 きたいかという一アータによりま すと、驚くべきことに働けるな館において、表記委員会が開催回答書に沿「て、次期政策立案Ⅲ らばいつまでも働きたい、あるされ、以下の内容が検討されまのための意見交換が行われ、補 いは間歳以上になっても働きたした。先ず和田審議官から、①足説明と他の方の発言に関連すき て いという方が、 3 分の 2 以上を平成年度「障害者週間」の結る意見が求められました。 っ みんなねっとからは、①生活知 占めています。障害者の方、あ果②障害者差別解消地域協議会 の設置状況③成年後見制度④今支援②保健・医療③教育、文化 るいは高齢者の方、健常者とい

8. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

ます。家の中から竹が生えてい たから、安心して入院させてい る家に支援に行って、竹取りか たのに」という声を、もう何十 らやったこともありました。 人ものご家族から伺いました。 それから、ご家族との仲がと か学状動 このように、生活基盤やライ の医定行 イ、 ,. 」ても悪くな「てしま「ているこフラインが破綻していることが 衝 ともあります。例えば、代の り 一つ、大きな問題です。それか 時に、ご家族に対しての、病状ら、行政・福祉サービスからも め からくる暴力があって、そのこ疎外されてしまっています。例 イ 進 職 とで精神科に入院して年、 えば、保健師が、。 こ本人が一人 性 「サ 事一会年と経ってしまった。そうしま暮らしをしているところに訪問 切 すと、ご家族、特に親御さんは に行っても、寄せ付けない。そ駄 活 一政 大変ご高齢になっていて、そのうすると疎遠になっていきま チ 代の時に受けた苦しいやり取す。社会援護課の方が、引っぱ ウ・ していることが多いのです。 りが記憶から全然拭えなくて、り出そうとしていろいろ声をか て 家がなくなっていたり、家はご本人の声を聞いただけで震えけても、本人が拒否してしまう。 お あっても傾いていて、入口もどが出てしまうのです。涙ながらその場からいなくなってしまう 科 神 精 こかわからないくらい ~ 早。ほ , つ。ほ に、「なんで退院させるんですこともあって、こういったサー 集 うになっていたり、電気や水道か。あれだけ苦労して、ようやビスにもつながらなくなってし やガスも通っていなかったりしく『一生面倒見ます』と言われまうのです。 リーチとしてうまく機能してい 有名な先生からは、「精神科 に、もっとしていく必要がある くことになるのだと思います。病院からのアウトリーチは本当と考えています。 の意味でのアウトリーチじゃな ◆包括的な支援 い」とお叱りを受けることもあ◆多職種チーム これから、千葉の精神科病床ります。確かにそういう面もあ 次に、なぜ多職種で取り組む のある総合病院 ( 旭中央病院 ) るかもしれないと思い、学ぶべのかということです。アウト からのアウトリーチについて話きところを学んでいきたいと私 リーチは、訪問看護、看護師だ をします。この地域で包括的に自身は考えています。それぞれけ、あるいはワーカーだけ、あ 当事者・家族の方を支える仕組の得意、不得意の分野、カバ るいはイ師だけではなくて、 みというのは、もちろん病院かできる、できない分野もあると たくさんの職種で取り組む必要 らのものだけではありません。思いますので、複数のサービスがあるものです。なぜならば、 特にアウトリーチに関しては、を選択できるほうがいいので現在アウトリーチを一番必要と 診療所や訪問看護ステーショす。いろいろなサービスをそのしている方々、精神科ューザー ン、 zæo 法人が行っていると時々の状況で選べるということの方々ま、、 ししろいろな困難を抱 ころもありますし、現在様々な が、やはり豊かなことではない えておられます。複合的な困難 形態で行われています。最近は、 かと思います。どれが正しいとを抱えておられる。社会的要因 株式会社が母体となって全国展かどれがいいとかというより と医学的要因と大きく 2 つあり 開している訪問看護ステーショも、複数のサ 1 ビスを、ユーザー ますが、社会的要因としては、 ンもあります。 サイドが選択できるようなもの生活基盤、ライフラインが破綻 疾病性 治療抵抗性 みんなねっと 2017 年 2 月号 8

9. 月刊 みんなねっと 通巻第118号 2017年 2月号

す。それをどうするかというこますが、ご本人が安心して住め とをみんなで検討するのです。ればいいのです。魔除けの札を号 月 それは、誰の仕事でもないよう 貼ってくれたということでちゃ 年 な感じがします。医療者の仕事んと病院に通ってくれればいし ( 要 ワ」 なのかと言われると疑問に思い のです。あまりそういうことに の ム目 と 型リメ、 ますが、誰の仕事でもないよう はこだわりません。それで、医っ デストジ モンウネ支 て しト保い なところに困難が潜んでいます者だけですと「これでいいのだ 種ラアマ的 ん と一確多必 職ト科ス完 職ロのもれが み ので、そこについてはみんなでろうか」と思うのですが、他の 互可供一門ス間務そ係 多 精ケ相が提い一専一時業お関 型 ・応援点高一のケグいの 協力するというやり方を取りまスタッフから「先生、やりましょ ス 的対支視が一一のンなみ信 括なるのカハりイさ込の ン 包軟あら応ンたテてえ間 す。また、部屋がちらかってい う」と言われて「それじゃ、 ・柔のか対メ当一定抱一 いことにするか」となります。 別速貫職ス一期〔 ) ンて布団を敷く場所がないという 個迅一他リ個チ定報新メ 時には、みんなで大掃除に行っそういうよさがあります。 点 てきれいにして、ご本人に「魔欠点としては、報酬算定でき 除けの札を貼ってください」とないとか、定期ミーティングの 時間がとてもかかるなどがあげ 言われれば神社で魔除けの札 精神科ューザーですが、人に騙を買ってきて貼ります。それもられますが、メンバー間に信頼 されて、借金をつくってしまい 医療者の仕事なのかどうか、特関係がないと一緒にやることが ました。今、その借金を少し棒に魔除けの札を貼っていいのか 難しいので、いかにスタッフ間 引きできる制度があったりしまどうかということは疑問に思い の信頼関係を維持できるように するのかとい , っことが、リー ◆ー (-n に実際に出向いてジョブコーチ ダ 1 の役割になります。 もう一つのアウトリーチの大をします。こういう、アウトリー きな目玉は、個別就労支援プロチ型の就労支援です。 ◆ < u l-— グラム ( — ) です。これ 私が旭中央病院にいてアウト このようなトランス型のアウは、アメリカで 1990 年代前 リーチシステムを手伝っていた トリーチモデルを古くから行っ半に開発されました。保護的な時には、まだこのジョブコーチ ているのが、包括型地域就労ではなくて、一般就労の率までには至らなかったのです 生活支援プログラムという方法を非常に向上させたということ が、現在勤めている学而会木村 です。重い精神障害をもっ方に、 で、この実績をもって、米国の病院では、デイケアのスタッフ より自立的で質の高い訪問を提様々な精神疾患の方に対してのの働き方を少し変えて、この 供するというものです。これは 心理・社会的プログラムとしてジョブコーチ、職場開拓をする トランス型の多職種チームで行推奨されています。このアウトリーチチームを作りまし うと言われています。 <0+ はの特徴は、もちろんアウトリー た。そして、早速二つの大手の 時間 365 日対応をすることチで職場に出かけていくことで会社と連携を結ぶことになりま が義務付けられています。現在すが、職場開拓も含まれていまして、今度、契約を結ぶ予定に この <0+ を実施している施設す。ご本人が仕事をしたい場所 なっています。 は全国で施設で、少し増えまを探してきて、その場所と連携 ( わたなべひろゆき ) したがまだそのぐらいです。 をつけて職場を開拓する手伝い 次号へつづく をします。それから、その職場 点 17 特集精神科においてアウトリーチはなぜ大切か、どう進めたらいいか①