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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

「地域移行支援」というサービ ◇退院促進事業と大阪府で援」は、入院患者への必須サー ビスであるということです。オスは、全国であまり知られてい の取り組み 今日は、なかなか進まない精プションサービスではありませなくて、毎年件くらいし 神科入院患者の地域移行は、こん。患者には利用する権利があか使われていません。目標値の のようにしたら進みますよとい ります。その地域にこのサービ 2 分の 1 です。「地域定着支援」 う私の実践経験をお話ししたい スがなければ、障害者への権利の方は件くらいです。 み と思います。 侵害になると私は考えていま 続いて地域移行の施策の歴史 の て まず知っておいて頂きたい す。市町村と精神科病院には、 についてお話ししましよう。 っ 平成 9 年に、大阪の大和川病 のは、「地域移行・地域定着支このサービスを確実に実施する 援 責任があります。地域の相談支院で職員による患者へのリンチ技 移 援事業者で、指定を受けていな死事件が起きました。このこと 域 地 がら実質的に「地域相談支援」について翌年、大阪府の精神保 し 働 を行っていない事業者は、社会健福祉審議会の答申では、「社会 協 レ」 的責任を果たしているとは言え的入院は人権侵害である」と報 ません。精神科病院には、病院告しました。これを受けて平成一 ポ だけの努力では退院支援が難し年度から大阪府の退院促進事サ い患者に、地域援助事業者を紹業が始まり、続いて国は平成 介して地域につなげる義務があ年度からⅣ年度にかけて、改革特 ります。 ビジョンを検討し、モデル事業 今月号の特集は、 月 5 加日におこなわ れた「みんなねっと岡 山大会」での記念講演 ( 柳尚夫先生の講演 ) を 要約してお届けします。 号 月 年 ピアサポ 1 ターと協働した と っ ね 地域移行支援についての試み ん 2017 みんなねっと岡山大会記念講演より兵庫県但馬県民局・豊岡保健所所長柳尚夫み 私は、兵庫県但馬県民局豊岡て、愛媛大学医学部卒業後は地 健康福祉事務所豊岡保健所の所域ケアの仕事をしたくて、昭和 長を務めております柳尚夫と申年に大阪府の公衆衛生課に入 します。もう年以上、保健所で職しました。大阪府立中宮病院 仕事をしています。今日は、保健勤務の後、大阪府保健所勤務、平 所での精神科病院からの退院促成年に大阪府池田保健所所長 進の実践についてお話しします。 になりました。以後、平成幻年に は兵庫県洲本保健所所長に、同 ◇演者の経歴 年から現在まで同県豊岡保健 私はもともと大阪の人間でし所所長を務めております。 1 一二ロ

2. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

さ、い な判健所 ) 、家族会等で話し合ってます。私達地域の薬剤師にもこ みを。 いこ , っと思いました。 の件を提案、是非したいと考え 、の稿一 号 者投 私も少し同じような事が息子ています。スタッフの方々もお月 わ はりコ にもあったので筆をとりまし元気で草々。 年 」便る の なら紹 息子の場合は長期間でなく一 と ん 日常生活 っ んに時的な内容で私共に連絡してい み ね 亠な 〇 ただいた病院でしたが、しかし◆兵庫県ひでさん家族 ( ん 〇 された当事者はとても苦しかっ代 ) み 〇 ただろうと今でも涙が出ます。 私自身が十数年前にうつ病と 〇「みんなねっと」の感想これは本当に中世のようです。診断され、妻は乳がん後 2 年後 なくして欲しい—それだけでにひざに転移しており同じくう 〇◆宮崎県鬼束紀美子家族す。 つ病の薬を飲み、息子はの時 元代 ) に統合失調症で入院後別の病院 「精神科医療における身体拘束◆京都府古市洋家族元代 ) で拘東後に退院し、手帳をもら を考える」を読み、今の日本の精前略。やっと秋らしくなってっていますが、やはり人づきあ 神科医療の実態がまだまだ遅れ参りました。みんなねっとスタ いが苦手で、作業所になじめず ているとっくづく感じました。 ッフの方々にはお世話になりまにいます。 一人の人間としてのあっかいして感謝して拝読しています。 やはり時間をかけて一歩ずつ ではない対応に「物 ( もの ) 」 会員一同郵便物の封筒が大きく前に向かって進んでいくしかな として見ている気がしてとても なって扱いやすくて大変喜んで いと思います。 悲しく、これではいけないと私 います。Ⅱ月号テーマの「雑談 息子に「遺伝で病気になった」 も当事者の母として勉強会 ( 保薬局の薬剤師」は必要だと思い と言われた時はさすがにショッ 読者のページ クでした。でも私の生き方が彼をて親御さんの愛を感じ心暖かくを入れて胃洗浄をしたら、不思 そうさせたと思えるようになりまなっております。 議なことに今まであった「幻 した。互いに前に向かうしかない 覚」「被害妄想」が無くなりま ですね。この会は大切な " きずな ~ ◆茨城県くだもの大好き本した。やはり心と身体はつなが です。 っているんだリと実感した時で 人代 ) 統合失調症と強迫症状をもっした ( もちろん拘束は廃止され ◆埼玉県斉藤一江本人 ( 代 ) 当事者です。数年前、人間関係るべきだと思います ) 。 当事者です。統合失調症になつなどで任意入院から医療保護入辛い時もありましたが、今は 〇 て年。ご縁があって結婚し、 6 院となり、約 1 年間入院しましデイケアなどに通い始め、一歩 〇 歳になる娘の子育て中です。月 1 ずつですが回復に向かっていま わ 回メンタルクリニックにて、お薬保護室から出たら拘束でしす。 の をもらっていますが、なかなかカた。とくに拘束は 3 か月も続い ウンセリング的なことはしてもらたため、寝ているのか起きてい 地域の話題 ん えず : ・ るのかわからなくなり、とても み ⅱ・祐マル障実現都民集会大〇 精神疾患がある人の恋愛・結婚・苦痛でした。そのため、セカン◆ わ ドオピニオンを受け、転院しま成功 ! 精神障害者にも心身障害〇 の 出産 もしもアンケート調査があればした。しかし急性期の症状はま者医療費助成の実施を求める大〇 〇み ぜひ協力したいと思いますし、他だ続いていたので、入院はしなきなカリ 東京都連副会長植松和光ジ の方々がどんな工夫をされているかったものの、とても辛かった 〇一 かなど参考にしたいなあ、なんてです。 会場の新宿区にある戸山サン 〇ペ 思います。 また、拘東の影響か吐き気がライズは、開会時間の午後 1 時〇者 私の両親はすでに他界しておりとまらなくなり消化器内科に入には都民の皆様で超満員となり〇 ますが、月刊みんなねっとを通じ院しましたが、鼻からチュ 1 プました。 二二Ⅳ

3. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

月刊みんなねっと ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 通巻 129 号 2018 年 1 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 月子翡を馴の家族と家族会をつなぐ機誌 月刊みんなねっと 2018 年 1 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 みんなねっとフォーラム 2 ⑦年廰 午前の部 ・特集・ ピアサポーターと協働した地域移行支援の実践 ( 柳尚夫 ) ・小説雀の忌子をめぐる物語最終回 ( 北村昌紀 ) ■事例からみる精神障害者の障害年金の実際 ( 白石美佐子 ) 連載四これから障害年金を請求する方や今現在障害年金を受けている方へ」 ■知ることは生きること ( 青木聖久 ) 連載囘 列車運行会社や「親父の会」での温かみのある軌跡 《自らの人生の主人公としての家族の暮らし特集④ 町地域の中で共に暮』 ~ それぞれの立場で出来ること ~ ロ日時 : 2018 年 ( 平成 30 年 ) 3 月 2 日金曜日午前 10 時 ~ 午後 4 時 ( 開場午前 9 時 30 分から ) ロ会場 : 帝京平成大学 : 冲永記念ホール ( J R 池袋駅 ) ロ参加費 : 無料 ( 事前申し込みは不要です ) ロ定員 : 700 名 ※定員に達した場合は入場できない場合があります。ご了承ください。 2018 09:30-10:00 開場・受付 IO : OO -10 : IO ~ 開会挨拶 〇本條義和 ( 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会理事長 ) 10 : 15-12 : IO ー一講演 『地域で共に暮らす - 愛南町の取り組みから - 』 〇長野敏宏氏 3 愛媛県公益財団法人正光会御荘診療所所長・精神科医 ) 13 : 30-15 : OO - , = , シンポジウム & ディスカッション 『地域の中で共に暮らす ~ それそれの立場で出来ること ~ ・シンポジスト : 〇岡田久実子氏 ( 埼玉もくせい会 / 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会理事 ) 〇高橋美久氏 ( 就労継続支援 B 型事業所 TERRA サービス管理責任者 / 千葉県障害者ピアサポート専門員 ) 〇佐野澄子氏 ( 所沢市保健センタアウトリーチ支援チーム統括責任者 / 看護師 / 精神保健福祉士 をコーディネーター 〇藤井千代氏 ( 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰研究部長精神科医 ) 15 : OO -15 : 20 休憩 Su pported by 曰ホ : い 15 : 20-15 : 50 質疑応答 THE NIPPON 15 : 50-16 : OO 閉会挨拶 = FOUNDATION ミ 〇松沢勝 ( 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会副理事長 ) 主催 : 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) 【後援】 ( 依頼中含 ) 内閣府 / 厚生労働省 / 高齢・障害・求職者雇用支援機構 / 全国精神保健福祉センター長会 / 全国保健所長会 / 日本てんかん協会 / 日本自翩症協会 / 全日本〒酌車盟 / 全国手をつなぐ育成会車合会 / ・日本身イ害者団体連合会 / ・日本精神保イ遮翩 b 里盟 / 日章害者リハビリテーション協会 / 日本精神衛生会 / 日本精神科病院協会 / 日本精神神経科診療所協会 / 全国精神障害者地域生活支援協議会 / きようされん / 日本社会福祉士会 / 全国精神保健福祉相談員会 / 日本精神科看護協会 / 日本精神保健福祉士協会 / 全国精神障害者就労支援事業所連合会 / 日本作業療法士協会 / NHK 厚生文化事業団 / 朝日新聞厚生文化事業団 / 読売光と愛の事業団 / 中央共同募金会 / 日本チャリティ協会 / 明治安田こころの健康財団 / 精神科臨床薬学研究会 / ACT 全国ネットワーク / 日本臨床心士会 / 日本相談支援専門員協会 / 認知症の人と家族の会 / 日本発達障害ネットワーク / D P 一日本会義 / 全国精神障害者団体連合会 . / 帝京平成大学 / 土或精神保健福祉機構 / / メリデンジャパンファミリーワークプロジェクト ( 順不同 ) 午後の部 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会

4. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

い状態 ~ なのです。今大事なの息子が自分で人生を変えて行く子は会社と復職について話し 号 は、自分に病名を付けることでのを待っことが必要ではないで合っていたのでしたが、会社は 月 リハビリ出社を考えていて、そ はなくて、息子のためにできるしようか ? 年 の場合、県の本社の勤務になる ことをすることです。そして、 〈考えを変える〉 そうなのです。そうすると、う と っ さんは、自分はうつ病でちからは片道 2 時間近く掛かる ね はないと納得されますと安心 ため気が進まず、転職も考えて み いたと言います。」 し、すぐに苦しそうな表情がな 〈親と似ている〉 律儀に考え過ぎずに、できるこ うつ状態やうつ病では、思考 〇』とをや「て行けば何とかなるは ず ~ という方向の少量の抗うつが袋小路に入ったことに気付け 〇 薬と、 " 夜は悩みを忘れて深くれば、別の考え方を見つけて、 眠ろう ~ と思う方向の睡眠薬をあなたの様に短時間で自信を取 り戻すこともできるのです。あ 持って帰られました。 1 週間後に再診されたさんなたと息子さんが似ているとこ は、夜間良眠でき、食欲が出たろがあるのなら、自分のうつ状 態を簡単に脱出できた方法を、 と言われました。 「息子と話ができました。息息子に伝授することもできやす き方をしなければいけないのな居して家事をしてやる、という いのではないでしようか ? 「息子は私に似て変に律儀なら、会社を替わった方が良いとのはどうでしよう ? 」 それが親の負担にならない範 ところがあります。それで、仕思います。うちから通える会社 事に疲れていても、この位でヘではどうでしよう ? それは親囲なら、そうして良いと思いま と頑張っの近くにいて欲しいという、親す。子供が病気などの人生の困 こたれてはいけよい、 難に遭遇した時に、多くの親が たようです。そんな息子を私はのわがままでしようか ? 」 それをお母さんの考えとして自分の生活を犠牲にしてでも子 誇りに思っていました。でもそ れは、 " 疲れて休みたい ~ とい話すのは良いと思います。その供のために尽くしてやりたい、 う息子の気持ちを否定してし上で、息子さんが決めた自分のと思うものでしようが、無理に 方針を受け入れましよう。それ頑張ってもうまくは行きませ まっていたのですね」 に、子供は親の近くにいて欲しん。いつまでも親が子供の代わ 〈世話をしたい〉 りにやってやることはできませ いと思うのは親の情ですから、 言っていけないものでもないでんし、親自身の人生があっての 今息子さんは会社の近くにア しよう。それぞれの事情による上でできることを協力するのが パートを借りることを考えてい 良いのです。このことは、うつ でしようね。 るらしい。さんは、 病以上に困難な病気を抱えてい 「私は、息子が元気で居てく 〈親の助けの範囲〉 る子供のいる親にとっても同じ れれば良いのであって、今の会 「息子が家を出てアパートをことだと思います。 社に勤め続けなくても良いと思 います。うつ病になるような働借りる時に、母親がしばらく同 27 街の診療所からのお便り

5. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

院促進事業による退院者は 1 名床 920 日、 0 病院 250 床 618 日です。 3 病院合わせて号 ①保健所が事務局となり、年もいませんでした。 月 1S2 回の協議会と月 1 回の実但馬には精神科病院が 3 か所の年以上入院している入院患 年 8 ・ 7 % で、全国平 者の割合は 務者会議を開きます。②病院にと診療所が 2 か所あります。 3 病院の平成年の病床数と均のⅡ・ % を上回っています。 お願いして、会議への参加や院 と っ 平成年度の活動としては、 内説明会の実施、地域移行への平均在院日数は、それぞれ < ね 亠な 協力を了解してもらいます。③病院床日、病院 287 各病院の管理者とスタッフへの ん み 説明、 3 病院で 地域移行に取り組む相談支援事 年 地域定着 の院内説明会の 業者を見つけ、地域移行の個別 申請者実数 実施、北但馬地 相談を担うピアサポーター養成 推 支援退院者実 囲一ョト域でのピアサ に協働で取り組み、ピアサポー の 数 ( 地域移行 者 ポーターの養 ターを支援員として雇用、活用利用 ) 患 7 4 一 3 一 度也或多一〕 院 ↓↓ー十↓イ 1 / フ ( ー してもらいます。 成、月 1 回の戦 入 申請者実数 O ノ CD フ / 〔 ) ) 略会議の開催を 一 0 5 十 3 十 神 成リストアップ 一付いました。 っ ' ) 5 ) 4 精 ◇但馬への異動とそこでの平者実数 の年 続いて年度 数 実践 域 度度度 実 数は、南但馬での 平成年度から、私は同じ兵 年年年 馬 績 院数上者 广 0 「 / っムっ乙っ / 」 入者以患ピアサポーター 庫県の但馬の豊岡保健所に移り実 成成成 全患年完 平平平 ] 入の養成と相談事 ました。それまで但馬では、退 業の実施、市町村の戦略会議へ ピアサポーターは、雇用後に患者は o 人でした。 の参加を行ないました。さらに は病院の院内説明会や、月 1 回 そして年度は人がリスト 養護老人ホームへの働きかけをの定期的ピアサポーターのミー アップされ、そのうち地域移行支 して、 1 年間で入院中の患者 2 ティング、個別支援における実 ピア支援 9 人以上が養護老人ホームに移行地訓練、先駆的地域への出張研 できました。障害福祉計画に新修、県内や圏域内の交流会に参 合計 たにグループホームが入れら 加してもらいます。 れ、開設されました。 ピアサポーターの養成で大切先身体障害者施設 2 翌年度には、ピアサポー なことは、当事者としての視点を退 のグループホーム 7 2 9 ターに戦略会議に参加してもら失わないように育成することで 患 一つことになりました。 す。支援対象者に寄り添うことが 院アパート 重要で、精神保健福祉士の肩代わ退 ◇ピアサポーターの養成とりはしないことも大切です。 年 研修 ピアサポーター養成講座は、◇但馬での入院患者の地域平養護老人ホーム 保健所と支援事業者との協働で移行の実績 毎年 1 回開きました。ピアサ精神科病院から地域に移行し ポーター名を、 2 事業所で雇た患者の実績を見ると、平成 用してもらいました。 年度は病院から地域に移行した 一」 0 24 25 ( 13 ) 27 ( 14 ) 地域移行利用 1 地域移行利用 3 せず 4 フ」フ / O ′ っっ′」 L.n 1 つ」 11 特集ピアサポーターと協働した地域移行支援についての試み

6. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

午のごあいさっ 謹んで新春のお喜びを申し上げます。 昨年は、精神保健福祉法改正案が国会に提出されました。一昨年に 起きた相模原事件に大きな影響を与え、本来、権利擁護や非自発的入 院などで前進させる法改正であるべきなのに逆戻りするかのような議 論が出されるということもありました。しかし、前向きな変化も少な からずありました。 まず家族支援についてです。国政レベルで精神障がい分野でもいよ いよ俎上に上り、当会も意見表明する機会がありました。また、家族 による家族学習会も事業継続し実施することができました。更に、メ リデン版訪間型家族支援は、当会より引き継いでいただいた ( 一社 ) メリデンファミリージャパンが昨年 9 月にキックオフィベントを行 い、本格的に始動しています。 次に運動面においても、 J R 運賃割引運動を引き続き実施いたしま した。 2 年連続して請願を衆参両議院に行いました。採択に至りませ んでしたが、昨年 4 月から私鉄大手 16 社の一角である西鉄が精神障 害者割引としました。また、 7 月 3 1 日には、国上交通省の自動車局 長が、日本バス協会に交通運賃割引の対象に精神障害者を加えるよう 再検討を促す通達をし、それを受けてバス協会は 8 月 2 日に通知をし ました。 9 月には愛媛で JR 四国バスを含む 4 社が割引を開始するな どの具体的に実現がすすんで来ています。 本年は、昨年来の課題に取り組むとともに、改正障害者雇用促進法 の一部施行 ( 精神障害者雇用率反映 ) に当たりますので、合理的配慮 は言うまでもなく、短時間雇用の柔軟な運用、 I P S ( 援助付き個別 支援 ) など、当会ならではの提言・要望をしていきたいと思います。 障害年金、医療費助成等々課題は多いですが、皆さんとご相談しなが ら、少しでも精神保健福祉が前進するよう役職員一同精進してまいり ます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 2018 年 1 月 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会理事長本條義和 201 8 1 月号通巻第 129 号 月刊 。 = = , 。。【表紙の絵】織田信生 知っておきたい精神保健福祉の動き 2 お知らせしますみんなねっとの活動 4 特集 2 0 1 7 みんなねっと岡山大会記念講演より ヒアサホーターと協働した地域移行支援についての試み ( 柳 尚夫 ) 6 事例からみる精神障害者の障害年金の実際 【連載第 IO 回】これから障害年金を請求する方や、今現在、障害年金を受けている方へ ( 白石美佐子 ) 1 6 小説「雀の息子をめぐる物語」最終回 ( 北村昌紀 ) 20 街の診療所からのお便り【連載 128 】 ( 増本茂樹 ) ・・うつ病で静養している息子が心配でたまらないお母さん・・ 知ることは生きること ( 連載 25 ロ ) 列車運行会社や「親父の会」での温かみのある軌跡 《自らの人生の主人公としての家族の暮らし特集④》 ( 青木聖久 ) 28 真澄こと葉のつれつれ日記 ( 第 82 回 ) 34 みんなのれ一一読者のヘージ・地域の話題 24 36

7. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

受けていますか。受けている場と言う。看護師に質すと、「本 知っておきたい 合、その内容をお聞かせくださ人が転んで怪我をした」という。 そのとき、ある不愛想な男性職 一精神保健福祉の動き 答当連合会では、全国の家族、員が廊下を通り過ぎた。姉はそ ー障害者虐待防止法附則第 2 条当事者、及び支援者、関係者を対の職員を後ろから指さして小声 に規定する各機関等における虐象に、毎週、電話相談を行なってで「あの人よ」という。妹には いる。その相談員と当連合会各どちらの言うことが正しいのか 待防止の状況に関する障害者団 分からなかったが、姉がさらに 理事は、都道府県の各精神障害 体ヒアリング 平成四年川月日、標題ヒャ者家族会連合会や地元の地域家ひどい目に遭うのが心配であっ たため、それ以上の追及はしな リングを厚生労働省が外部委託族会でも相談を受けている。 その相談内容では、精神科病いで帰った。他に入院させてく している一般財団法人日本総合 院等の医療に対する訴えがかなれる病院が見つからないので患 研究所が実施しました。 当会からは、野村理事が出席りの数にのぼっている。具体例者には弱みがある。 相談員に分かっていること し、次の 2 点の質問に対し、意を二つあげれば、次のようなも のがある。 は、病院の壁に掲示してある権 見を述べました。 利擁護機関 ( 実質的には精神医 貴団体では、障害者虐待第 1 事例 ( 患者の妺からの相 防止法附則第 2 条に規定する各談 ) 【ある面会の日、任意入院療審査会 ) に勇気を出して電話 機関 ( 学校、保育所等、医療機患者である姉の顔と脚に大きなをしても、ほとんどの場合、却 関、官公署等 ) における障害者青いあざができていたので本人下されてしまうという現実であ 虐待に関する相談やご意見等をに聞くと、男性職員に殴られたる。この事例では、調査をする 方法がない った。相談員が姉とともに病院防止法附則第 2 条に規定する各 第 2 事例 ( 患者の姉からの相を訪問したが、ソーシャルワー機関 ( 学校、保育所等、医療機 談 ) 【任意入院中の妺が、回復カー 1 名が対応したのみで、解関、官公署 ) 等における虐待防 して退院が間近になったときに決には向かわなかった。 止を進めるにあたって、どのよ 主治医が替わり、そのとたんに ・以上の事例を通して感じるこ うなことが課題だと感じていま 病状がひどく悪化して医療保護とは、①地域における精神科病すか。お聞かせください。 入院になった。新しい主治医か院は外部の目が入らない密室に 答既に様々な資料、論文にお ら姉に治療計画書が示され、同なっているため、中でどのよう いて、特に精神科病院における 意の署名を求められた。治療期なことが行なわれても分からな身体的虐待、経済的虐待を主と 間が長くて納得がいかない姉が いという問題があること。このする虐待事例は報道される等明 断ると、何度も電話で「今月中問題を解決できなければ、精神らかになっているものだけでも き 動 に署名しなければ、病院から放科単科病院の存続については、枚挙に暇がない の 祉 り出す」と脅され続けた。それ人権擁護の観点から厳しく検討 平成年第 177 国会におけ でも拒否していると翌月に病院されなければならない。②精神る障害者虐待防止法の審議にお健 神 職員から電話があり、開放病棟科医療機関を監視する実効性の いても、第 2 条に係る医療機関 精 での「差額ベッドにしたので毎ある人権擁護機関が必要であを利用する障害者に対する虐待 月万円の利用料を負担してほる。関係機関・関係者や政府か について第三者の通報義務等を て しい」とのことであった。これら独立した外部の第三者人権擁規定にしていない問題点につい っ では署名をするしかないと思っ 護機関がぜひとも必要である。 ては複数の議員から質問があっ ている、との姉からの訴えがあ 問 2 貴団体では、障害者虐待たにもかかわらず、政府の答弁 みんなねっと 2018 年 1 月号 2

8. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

は、「管理者に対して、職員等あることは当会が実施した調査が虐待にあたるかどうかを審議 号 に障害者に関する理解を深める結果からも明らかである。 する第三者機関の設置が必要で 月 ための研修や虐待に関する相談 さらに、通報義務がないことある。 年 体制の整備等、その防止のためもあり、医療機関等における虐 の措置を義務付けている」とい れの状況も明らかとなっていな・お知らせします と っ う的外れなものであった。多く い。今後国際機関から統計的なみんなねっとの活動 ね 亠な の虐待事例が示すように、実際報告を求められることも考えら ん の虐待では組織的に実施されるれるため、早急に調査体制を確■「平成四年度家族支援に関すみ ものもあり、当該機関の管理者立するべきである。 る調査」について に義務付けるだけでは問題は解 このことから、第三者による 川月に各家族会等に送付しま 決しないだけでなく、医療機関通報義務こそが、このような閉した標題全国調査の回答締切を という閉鎖的な場で行われる虐じられた場所での虐待を明らか迎え、回収目標件のと 待は隠ぺいされることが多く、 にする唯一の方法であり、必ずころ、 3052 通 ( Ⅱ月日現 またそのことが容易である。 法律に盛り込まなければならな在 ) の返信をいただきました。 また医療関係者の中には、虐 い内容であると考える。 ご協力をいただきました皆様に 待を医療行為と思い込み実施し さらに、そもそも障害者虐待心より御礼申し上げます。結果 ている事例もある。また、家族防止法は、相談・審議のできるは現在集計中ですが、返送され が質問したり、意見を述べても独立した第三者機関を設置しててきた調査票を拝見している 聞き入れられないことも多く、おらず、監督省庁からの措置に と、自由記入欄にびっしりと意 質問や意見を述べにくい環境で留まっている。通報された事案見が書かれているものも多く、 関心の高さを感じると同時に、在り方について検討を行うこと長時間の利用が難しい状況にあ このように家族の思いや状況をにしてはどうか」とあり、以下るケースが多いなかで、時間に お聞きする調査を定期的に実施 2 点に触れられている。 よる減算が拡充されることは望 することの必要性を痛感しまし ・利用者の重度化・高齢化、医まない 療的ケアが必要な利用者が増え 一律に時間枠での減算は馴染 本調査の結果は、 3 月末までていることをふまえた常勤看護まない。障害特性や症状にあっ に報告書をまとめ、全自治体に職員等配置加算の拡充 た、時間帯・時間数の利用を含 送付する予定です。 ・開所時間および利用時間数にめてのニーズにあった対応がで 着目した減算の拡充 きるように、手厚い支援を安定 0 平成年度障害福祉サービス 利用時間が 6 時間に満たない 的に維持できる報酬設定の充実 等報酬改定に関する意見発表生活介護の利用者は、比較的重こそが必要である。今回の減算動 平成四年Ⅱ月日、政党の障度の障害を抱えている方や高齢検討では、事業所が短時間利用げ と っ 害団体ヒャリングに合わせ、次者も多く。精神病院からの地域者を積極的に受け入れることは ね 亠な の意見を発表しました。紙面の移行の受け皿としての役割も大できなくなる可能性が高まり、 ん 都合上一部を紹介します。 み きく、医療的ケアを必要として精神障害者の地域移行にも逆行 す いる方にも対応している。看護することにつながりかねない。 ま 生活介護事業所の開所時間減算職員等の配置加算拡充はこれに 障害特性との関連を含め多面し の取り扱いに関する意見 こたえるものと思う。しかしな的、重層的な検討を行えば、減ら お 検討チームの論点に「利用時がら、精神障害者は、障害特性算が馴染まないことを認識いた だきたい。 間の実態を踏まえ、開所時間のや症状、通院などの理由から、 ( 以上小幡 )

9. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

して、ピアサポータ 1 を養成し地域移行支援事業の実施を働ききました。 島内にある三つの病院すべて かけることになり、その準備と て採用する。 精神障害者支援の制度の一つしてピアサポータ 1 養成講座のから、この事業で患者が退院し として一般就労への支援があり協働実施を始めました。翌年ています。それらの 3 病院と ますが、この制度では仲間との度にピアサポーターを中心にしは、単科の精神科病院一つ、公 た「精神障害者地域移行・地域立総合病院と老人病院それぞれ つながりが切れてしまうという み 試 が一つずつです。精神科病院に 問題があります。他に、ピアサ定着支援事業」を始めました。 の て ポートという制度があり、これ では、平成年度から年度は、保健所から働きかけてピア っ までのピアサポーターの活動にサポーターによる退院支援に同 を活用することにしました。 援 支 意してもらいました。 ついてお話ししましよう。 ピアサポーターは、患者の支域 毎年 9 名から名のピアサ ◇淡路島の保健所での新し ポーターの方々が登録し、契約援を行う間、初めは不安でした い取り組み ( ピアサポー し が、当事者として成長を遂げる して活動しました。ピアサポー ターの導入 ) 協 レ」 淡路島では平成年度に退院ターによる支援の成果としてことができていました。自己管 タ は、延べ名 ( 実員名 ) の患理能力の向上に自信を持ちつつ 促進モデル事業を 1 年だけ行い ポ サ ましたが、その後は実施してい者を対象にして働きかけ、延べあります。 ませんでした。 名 ( 実員名 ) の方々が退院 集 特 平成幻年になって、保健所かしました。この名のうち 1 名◇淡路島の支援体制 次のような仕組みができまし は、 2 回の支援を受けて退院で ら病院と障害者支援センターに として「退院促進事業」を示し者数は 245 人。そのうち、退困難で、無資格の支援員では効 号 ました。その翌年平成年度か院に至らず、支援中止になっ果的な働きかけができない。 月 ら円年度にかけて、この「退院た人人。支援継続中が人。 年 促進事業」が全国で始まりまし退院して支援が終了した人が◇課題の解決策 151 人となっています。 この課題を解決するために、 た。大阪府のこの事業では、各地 と 域の「自立支援員」が週に 1 回 退院した人の総入院期間です私は北海道での実践とアメリカね 程度精神科病院を訪問し、作業が、 2 年以上が % 、 2 年から 5 のウイスコンシン州マデイソン ん み 所などに同伴通所して入院患者年が幻 % となっています。退院後での実践を学びに行きました。北 をマンツーマンで支援しましの住まいのデータでは、家族と同海道ではピアの支援者が病院を た。国のこの事業は、年度から居が % 、独り暮らしが % 、グ訪問して、患者と一緒に外出し てコーヒーを飲んだり音楽を聴 は「地域移行支援特別対策事業」ループホームが % です。 いたりして自由な生活の良さを となり、年度からは「地域移 知ってもら , つよ , つにしていまし 行・地域定着支援事業」とされ◇大阪府の実践での課題 て現在に至っています。年度振り返ってみて、大阪府の実た。マデイソンでは、当事者から からは、この事業が自立支援法践では次の一一つの課題がありま話を聴き、ピアサポートについて による個別給付になりました。 した。①病院の働きかけでは対学んできました。そして次のよう この事業での大阪府の成果と象者があまり出てこず、患者のな取り組みを考えました。 しては、平成年度から円年度退院意欲も低く、退院までに時①保健所が、積極的に対象者 までの 8 年間に支援を受けた患間がかかる。②支援員の確保がの把握に努力する。②支援員と

10. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

援の申請をした人は 5 人。退院支◇但馬の精神科病院の入院退院先についてお話しします と、自宅が 9 人、グル 1 プホー 援による退院者は、地域移行支援患者数の減少 を受けて退院できた患者 1 人を 次に、取り組みの成果としム 9 人、養護老人ホーム 4 人、 含めて 2 人。その中の 1 人が地域て、但馬圏域のすべての精神科身体障害者施設 2 人、アパート 定着支援を申請しました。 病院、すなわち三つの精神科病 1 人となっています。このうち、 年度は、リストアップされ院の入院患者数の減少について地域移行支援を利用した人は 人でした。 た患者が L?D 人。地域移行支援の報告します。 申請者が人。退院支援による 平成年の入院患者は 519 退院者は、地域移行支援を受け人で、そのうち 372 人が 1 年 て退院できた患者人を加えて以上の入院患者でした。年に 0 地域移行の仕組み ここで、地域の関岳関が男 人。その中の 8 人が地域定着なると川人増えて 529 人にな 支援を申請しました。 りましたが、翌年からは反対して、退院促進に取り組む際の仕 年度には、相人がリスト に減り始め、 1 年で人減って組みについてまとめてみましよう。 アップされ、そのうち地域移行支 499 人、囹年にはさらに人 援の申請をした人は人。退院支減って 447 人となりました。◇精神科病院で 援による退院者は、地域移行支援 四年の 1 月末の数値は 443 ①院内説明会を受け入れて、入 を受けて退院できた患者凵人を人で、 1 年以上の入院患者は 院患者の地域移行申請を、本気で 加えて人。その中の円人が地域 316 人でした。 支援する。②院内説明会参加者 定着支援を申請しました。 平成年度の退院患者人のの確保や、地域移行候補者リスト アップに積極的に取り組む。③精を実際に行う事業所を確保す公募する。条件を明確にしてお 神科病院は、長期入院患者が減少る。②精神科病院の管理者を含く。④半日 2 回程度の簡単で、 するのに合わせて、病床機能の転めた協議会と実務者の連携会議基本的内容だけの研修を行い、 換や減床を行う。地域移行機能強を開催し、地域移行目標の設定参加者の適性をグループワーク 化病床を活用する。 と実際の地域移行事例の検討をなどでの発言で見極める。⑤ピ 行う。③事業所と協働でピアサアサポーター採用面接を行い、 み ポーター養成と研修を行う。 適切な人材を雇用する。⑥ピア ◇事業所で の て ①地域相談支援を受けている サポーターは、 2 名のペアで活 っ 1 」 保健所の中で、実際に取り組め◇ピアサポーターの養成動し、院内説明会や個別支援を 援 支 る事業所を明確にする。②保健 地域の保健所がピアサポー 行う。⑦支援方法や課題につい 移 所と協力して、ピアサポーター ター養成を行うときの具体的手ての定例会議を最低月に 1 回以 地 の養成をし、その中から地域移順をまとめておくと、次のよう上行うとともに、フォローアッ し 働 行支援員を雇用する。③ピアサになります。 プ研修を行う。 協 と ポーターを活用して、院内説明①相談支援事業所と協働で講 会や地域移行の個別支援を行座を開催することを決める。②◇ピアサポーターの活動の一 サ う。④退院後は、地域定着を行う。事業所で、ピアサポーターを最実態 低賃金以上の時給で非常勤職員 ▽仲間を助けたいと思ってい ◇保健所で として雇用することを受け入れる人にピアサポーターになって特 ①圏域内に複数の地域相談てもらう。③講座参加者を広くもらいます。▽ピアサポーター みんなねっと 2018 年 1 月号 12 二 = ロ