⑤住居確保の 5 つです。特に目新 徹底した当事者優先主義医療とリカバリー しいものはないように見えます号 5 ベルギーの精神医療改革視察報告 5 月 白梅学園大学杉本豊和 が、一つひとつの取り組みの中に 年 てきた内容の概要を報告させてい 世界ワースト 2 位のヘルギー 徹底した当事者本位の医療、リカ ベルギーは本部が置かれ、ただきます。 バリーの思想が組み込まれていま と ほぼヨーロッパの中心に位置して す。例えば、病院でのケアは開放 っ ね 地域移行て病床削減を実現 います。ベルギーの精神病床数は、 病棟が基本であり、急性期であっ ん 年まで人口千人対人程 ベルギーは病床削減を動機としても隔離病室に入ることは稀で、 み 度で、世界ワースト一位の日本のて 1990 年代後半から精神医療急性期で入院してもその人が行っ 2 ・簡人についでワースト 2 位で改革が始まり、紆余曲折がありなている通常の生活スタイルをでき した。その地位は変わってはいまがら病床削減の効果が現れたのはるだけ維持しようとします。例え せんが、 2011 年には 1 ・人年から実施された第 3 次ば週に 1 回ジムに通っている人で となり、これ以前の 6 年間で % 改革でした。主な内容は治療ではあれば、入院してすぐでもジムに なく患者の価値観を実現するとい の病床削減を実現させました。 行くことが推奨されます。 更にベルギーは日本と同じよう う当事者優先主義の徹底と入院中 精神科医は週時間以上 ( つま にほとんどの精神科病院が民間立 心政策からアウトリーチ・チームり毎日半日程度 ) 地域に出ること です。今回、このように日本に近の活動を主とする地域精神医療へを義務づけられており、将来的に 、状況にありながら病床削減を実の移行です。ベルギーの改革では は時間にしなければならないと 現してきたベルギーの精神医療改 5 つの機能が重視されています。されています。ここで活躍するの 革に学ぶべく、木全副理事長、岡それは、①プライマリケア * 、②がモバイルチームと呼ばれる多職 田理事、小幡事務局長を含めた総 アウトリーチ・チーム、③リハビ種によるアウトリーチ・チームで 勢幻名の視察団によって見聞きしリテーション、④地域施設ケア、 す。国の施策として民間病院に対 * 病気の初期診療、第 1 次医療 する報酬を入院治療からアウト ベルギーの家族会の方々からのした。リカバリー・カレッジとい う学校があり、元患者が支援者と リーチ・チ 1 ムに移行するようにお話で印象的だったのは、ベル アウト 求められています。アウトリーチ・ギーでは医師が「家族が入院させなるための学びを行い、 リーチ・チームに参加し、当事者 チームの報酬が確保されているのてはいけない。それは我々医療職 で病院の収入が減らされたり、職の役割」と明言していることでしの立場から患者さんのリカバリー 員が解雇されることはなく、地域た。家族が入院させてしまうと、を支援しているのです。 医療が推進され、患者も地域で生その後の関係性が悪化するからで 活しながら治療を受けられるようす。日本では同意入院制度があり日本ても可能なヘルキーの改革 ベルギ 1 の精神医療改革はまだ になっています。また職員に対すますが、医療的に必要であれば医 る意識調査でも以前よりもやりが 師が判断すれば良いのであり、日道半ばであると言われていまし いを感じるという結果が出ている本の同意入院制度はすぐに廃止すた。病床削減だけを目標にするの そうです。 べきと感じました。日本では隔離ではなく、当事者本位の医療を実動 活 や拘束が問題になっており、これ施し、無理に改革を急ぐのではな の と 日本はプライマリケアを学ひたい は病状が悪化してからでないと医く実績を積み重ね関係者の同意を っ ね 私が最も日本にも導入すべきと療に関わらないことも一つの要因形成しながら改革をすすめている 亠な 感じたのはプライマリケアのあり となっていますが、ベルギーの隔姿が印象的でした。ベルギーで実ん 方です。臨床心理士による助言の離や身体拘束は見学した病院では施されていることは特別なことで 下、一般開業医は精神疾患患者の短時間のものが年間 2 例程度あるなく、これまで培われてきた知見ま 初期治療を積極的に行い、正ヒ 重广イだけとのことでした。 を生かし実行するというものであせ ら り、日本において実施することも することを防ぎ、 % の患者が 5 そしてベルギーの社会復帰 ( リ 回以内の通院で治療を完了し新規カバリ ー ) 活動では、当事者が積決して不可能ではないと感じさせお の入院者を未然に防いでいます。 極的に参画している姿が印象的でるものでした。 ( すぎもととよかず )