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検索対象: ユニバック30年のあゆみ
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1. ユニバック30年のあゆみ

にプログラムを呼び出すというような工夫は、 IJNIVAC I 、Ⅱの時代にも行なわれていた。すべ ての操作手順をコントロール・カードによってコン ヒュータに登録し、入出力装置の割り当てやプログ ラムの読み込み、実行などの必な作業を管理プロ グラムの指示に基づいて連続的に行なうことができ るようにする発想も、 1950 年代の終わりごろに生ま れている。 1960 年代の初めには、多くのコンヒュータで、今 日オペレーティング・システム ( OS ) と呼ばれてい るようなソフトウェア 0 メ本系が立して、それまで 個々に開発されていたすべてのソフトウェアが、そ うした管理プログラムによって統括されるようにな った。複数個のプログラムを並列的に実行する多重 プログラム里や、通常のデータ里と並行して、 多数 0 甬信回線からの入力に対しても即時に応答し なければならないリアルタイム処理などは、このよ うなソフトウェア 0 メ本系ができて初めて一般に実用 化されるようになったのである。 1961 年 ( 昭和 36 ) に 発表された UNIVAC Ⅲの CHIEF 、 UNIVAC490 の REX は、それぞれ多重プログラム里、および リアルタイム里の機能をもった最初窈明のオペ レーティング・システムとして、長くその名をソフ トウェアの歴史にとどめている。 プロクラム言語の標準化 この時代には、また、 COBOL 、 FORTRAN などと いった、今日でもひろく使われているプログラム言 語の標準化が行なわれた。 FORTRAN は、もともと は旧 M 704 のために開発されたプログラム言語 であったが、 1962 年に米国規格協会 ( ASA 、現在の ANSI) がその言語仕様を標準化して以降、ユニバッ クもそれを採用することとなり、 UNIVAC Ⅲ、 1 1 07 などの機種でそのコンパイラカ輛発された。 一般の事務計算に使えるような、標準的なプログ ラム言語をつくるため 0 メ乍業は、 1959 年に米国防省 が中心となってされた CODASYL( データ・シ ステム言語委員会 ) で始された。この委員会では、 それ以前からすでに使われていた UNIVAC I 、Ⅱ の FLOW-MAT ℃、 UNlVAC1105 の川 MCO や、 ちょうど開発の途上にあった旧 M 7 0 5 の COMTRAN などを土台にして検討を重ね、翌 1960 年には COBOL 60 の言謌士様を発表している。ユ ニバックでは、いちはやくそのコンパイラの開発に 着手し、同年 12 月に RCA501 と UNIVAC Ⅱの間 での COBOL プログラムの交換に成功している。 このほか、 1960 年代には、 ALGOL 、 PL/ 以 BAS ℃などのプログラム言語が登場し、各社とも そのコンパイラを開発して、一般のユーザーに提供 するようになった。 通信との結合ー→つの利用形態 コンヒュータの利用形態は当初はバッチ里が基本 であり、データの入出力はコンヒュータに直接接続 された装置から行なわれるだけであった。しかし、 1 960 年代に入り、通信回線を介して端末機が接続さ れるようになると、コンピュータの利用形態に大き な変革が起こった。従来のバッチ里に加えて、リ モート・バッチ里、リアルタイム里、デマンド 里といった新しい利用形態が出現したのである。 これにより、コンヒュータの応用分野が的に拡 大した。 四つの利用形態 パッチ処理 リモート・パッチ処理 リアルタイム処理 デマンド処理 リモート・バッチ里は、通信回線を介してデー タの授受を行なうこと以外は通常のバッチ里とあ まり変わらない。しかし、その運用方法によって、 多数 0 メ吏用者による大型コンヒ。ュータの共同利用を 可能にした意義は大きい。 初期のシステムは専用のハードウェアとソフトウ ェアを用いていたが、多重プログラミング技術力 立されてくると、明コンヒュータをリアルタイム 処理に用いることが可能となった。 UNlVAC490 は通信制御装置、各種機構などのハードウェア とリアルタイム・オペレーティング・システム REX を備えて登場し、オンライン・バンキングや予 約システムなどっ舌躍した。 リアルタイム・システムの技術によって、コンヒ ュータを人間の思考のよきアシスタントとして使用 できることが認識され、次のタイム・シェアリング・ システムが生まれた。 タイム・シェアリングの念を発表したのはマサ 205

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変調方式で毎秒 220 , 000 桁のデータの読み書き能力 をもっていた。 科学技術計算用と特殊目的のコンビュータ を開発 ■科学技術計算用大型コンヒ。ュータ IJNIVACI 1 03 、 1 1 03A 、 1 1 0 5 1953 年に開発された ERA1103 が、 1955 年に磁気 コアを世界で初めて使用した UNIVAC Scien- tific1103 となり、 1956 年には記憶装置に 4 ~ 12K 語の磁気コアと磁気ドラムをキ綢し、浮動小魏点演 算も備えた 1103A が登場した。 さらに、 1957 年には改良型の UNlVAC1105 の 1 号機が誕生。記憶容量窈音増、入出力装置の強化、 ニ重バッフア・システムをキした計算と磁気テー プの読み取り、書き込みの並彳引乍業を能力的にアッ プした 1105 は米国人口統計局などに設置された。 ■科学技術計算用超大型コンヒュータ世界最初の マルチプロセッサ UNIVAC LARC 1960 年に開発された UNIVAC LARC は旧 M STRETCH と並ぶ超大型コンヒ。ュータである。 2 台の演算里装置と 1 台の入出力装置とからなる世 界最初のマルチプロセッサ方式を採用。 97 , 500 語の 容量をも気コア記憶装置に記憶させた叩 -p によ って、一つの問題を 2 台の演算里装置で里した り、あるいは別々の問題をそれぞれの演算里装置 で里することもできる。 1 号機はカリフォルニア 大学の放射線研究所に、 2 号機はお毎軍テーラー基 ■特殊目的のコンヒュータ 地に設置された。 技術の多くが、その後の商用コンヒュータに生かさ どである。これら 0 寺殊コンヒュータで開発された Aerospace Microtronic Computer(1962 年 ) な pute 「 ( 1958 年 ) 、航空機搭載用 UNlVAC1824 発した UNIVAC1206 Military Real Time Com- ATHENA Computer(1957 年 ) 、お毎軍のために開 間弾道弾羽 TAN を誘導するために設計された は UNIVAC MagneticComputer(1956 年 ) 、大陸 タ UNIVAC422 ( 1962 年 ) 、また、米空軍用として SpeedTallySystem(1953 年 ) 、教育用コンヒュー Control System(1951 年 ) 、在庫管理用の High 続々と開発した。たとえば航空管制用の Air Traffic ユニバックは特殊目的にイ吏用されるコンヒュータも れている。 リアルタイム・コンビュ→の出現 ■世界初のリアルタイム大型コンヒュータ UNlVAC490 1960 年 ( 昭和 35 ) に発表された UNlVAC490 は、軍 1 89 理、メッセージ交換、交通・航空管制など、広範囲 用分野は座席予約、バンキング、在庫管理、工程管 タイム・システムである。とくに信頼性に優れ、適 可能な EXEC などを採用した本格的な中型リアル プログラムとバッチ・プログラムの同時並行里が 880 といった高速磁気ドラム装置、リアルタイム・ 主記憶装置、 ESI モードによる回線制御、 FH330 、 した中型コンヒュータである。 65K 語までの大容量 中心として活躍していた UNlVAC1218 を商用化 空軍のミサイル追跡システムや戦青報システムの 1964 年 ( 昭和 39 ) に発表された UN Ⅳ AC418 は、米 UNlVAC418 、 418 Ⅲ ・本格的なリアルタイム中型コンヒュータ グ・システム ( TSS ) のけとなった。 バッチ里にも威力を発揮し、タイム・シェアリン 力が飛躍的に増大した。また、技術計算やリモート・ システムで、これによりコンヒュータ全体の里能 磁気ドラムに蓄え、それを取り出して里していく ドラム装置をおき、プログラムやデータは一時的に た点が大きな特徴である。中心に FH880 高速磁気 込んだドラム・オリエンテッド・システムをキ綿し り制御やメモリのオーバーラップなどの機能を組み UNIVAC LARC の考え方を引き継ぎ、命令の先回 記憶装置に採用した最初のコンヒュータである。 同じ年に発表された UNlVAC1107 は、磁気薄膜を ータ UNlVAC1107 ■磁気薄膜記憶装置を採用した最初の大型コンヒュ ルタイム・システムが出現した。 れにより予約を始め、いろいろな分野でのリア ント・オペレーションにも大いに威力を発揮し、 ム里だけではなく、バッチ里におけるコンカレ (ReaI Time Executive System) は、リアルタイ ペレーティング・システムとして開発された REX 効果的な機能であった。また、リアルタイム用のオ 信回線を、混乱なく、しかも効率よく里するのに Spesifiedlndex) モードは、多数の速度の異なる通 回線制御方式に採用した ESI (Externally 般事務里に適合するように開発したものである。 用リアルタイム・コンヒュータ UNlVAC1206 を一

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工クゼクテイプ・プロクラム シリーズ 1100 の最初のエグゼクテイプ・プログラ ムは、 1107 システム用の EXEC I として開発さ れ、昭和 37 年に発表された。 EXEC I は多重プロ グラミング機能をもち、優先度に基づくジョブ・ス ケジューリング、論理的な意味での装置割り当て、 相文幡地による並行プログラム間の制御皀均り換え など 0 瞬徴をもっていた。 翌 38 年の初頭には EXEC II がリリースされた。 この EXEC Ⅱは EXEC I と同時期に開発され たが、 EXEC I の初期 0 を生かして、ファイル 管理やジョブ制御言語の改良がなされていた。また、 シンビオント ( スプーリング・ルーチン ) を導入し、 プログラムの実行と読み込み・印書・穿孔を並行し て行なえるようになった。この EXEC I 、Ⅱはい ずれもバッチ里と通信回線を経由するリモート・ バッチ里の利用形態カ河能であった。 42 年に、 1108 システム用のエグゼクテイプ・プロ グラムとして EXEC8 カ発され、新しい利用形態 であるデマンド里カ河能となった。 EXEC8 は EXEC I 、Ⅱ両方の機能をもち、多 重プログラミングや多重プロセシングの囃竟のもと で、バッチ、リモート・バッチ、リアルタイム、デ マンドの各里が同時並行里できるように言十さ れている。また、バッチ里と同一のラン・ストリ ーム ( ジョブ制御言語 ) によって、デマンド里が利 用できるようにも酉謔されていた。 EXEC8 はもうひとつ 0 寺徴として、仮想ファイ ノ唏リ能をもっていた。この機能によって、コン ヒ。ュータの大容量外部記憶装置の物理的な記憶場所 をユーザー・プログラム内では意識せずに、ファイ ルを利用することができた。たとえば、 EXEC8 が もっファイル・マネジメント・システムを用いると、 使用するファイルが物理的にどこにあるかを知らな くてもアクセスできるようになったのである。 42 年に EXEC8 カイ吏用開始されて以来、 1100 ェ グゼクテイプに対して、安定性の向上・機能の拡張・ 各アルゴリズムの改善などが続けられた。とくにデ マンド里の分野では、プログラムの並行里のた めに主記憶資源の有効利用を行なうダイナミック・ アロケータ、および CPU 資源の適正配分を受け持 つディスパッチャの改善カ責極的に行なわれた。 47 年に UNIVACIIIO システムが日本に導入さ 208 れた時点からは、長年リアルタイム用パッケージと して多くのユーザーに利用された STANDARD TOPS に代わって、エグゼクテイプ内にリアルタイ ム用プログラミングが容易に作成でき、しかも実行 時の効率向上と異常発生の回復などの諸機能をもっ TP1100 がリリースされた。これにより、リアルタ イム・システムの言雌 f が容易に行なえるようになり、 リアルタイム・システムへの移行、および澵発 カ進されたのである。 さらに 52 年、リアルタイム・システムにおいて大 量のトランザクション里をこなすため HVTIP が 拡張機として開発された。また、大容量外部記憶装 置の故障に対しても、リアルタイム里が即時に続 行可能であるための機能として、 TP1100 のリアル タイム・システム用ファイルである FCSS ファイ ルのニ重化を実現した。 1100 システムの特徴である密結合多重プロセッ サ・システムでは信頼性確保が重要視される。その ため、前述の FCSS ファイルのニ重化に加えて、故 障発生時には演算処理装置および主記憶装置の縮退 機能の活用により、コンヒュータは停止することな く続行できる ARM(Availability, Reliability, Maintainability) 機能が発されている。 57 年には UN Ⅳ AC1100 / 90 が発表された。この ときは改善重要項目であった EXEC ファイルのニ 重化、効率向上版 HVTIP(TIP 1 100 ) 、コンヒ。ュー タ資源管理の改善、エグゼクテイプの核部分の極小 化とマルチバンク化、そしてユーザー・モード化な どによるノンストップ OS 、セキュリティ OS 、ハイ パフォーマンス OS の実現のための開発が行なわ れている。 0S1100 の改善は、その後も無人化や SFCU な ど、絶えることなく続けられており、 CHAPARRAL や 2200 / 200 のような中・小型システムにおいても 採用されている。 UNIVACIIOO シリーズの 0S1100 の基本設計 方針のひとつに、オペレーティング・システムのす べての構成要素についてただひとつのシンボリッ ク・プログラムをもとに保守していくという方針が ある。これにより、すべてのシステムで同質の竟 を提供するうえで、きわめて大きな効果をもたらし た。とくに 1 100 エグゼクテイプでは、重に依存す るコードの組み込みや取り外しが容易である。これ はまた、シリーズ 1100 の商品系列を多種多様にし

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い業務を拡充してきたのである。 一方、 54 年には里能力の増強とサービスの向上 を図るため IJN Ⅳ AC1100 / 21 を導入してデータ センターのコンヒュータもレベルアップ。漢字情報 里システムの分野では、わが国初のカナ漢字変換 システムによるサービスを開始、ユーザーのカナ文 字ファイルの漢字化までサービス・メニューを付加 するなどサービスの充実も図ってきた。このサービ スは、生命保険、銀行、農協など各業界から、全国 にわたる大規模な業務を受託した。 さらに、 57 年には主力機械設備を UNIVACIIOO / 62 にレベルアップし、翌年から MAPPER オン ラインサービスによるエンドユーザーをターゲット とした新規戦略商品の販売も開始している。 そして、 58 年には日本ユニバックの OA 関連マー ケットの積極的展開を図るため、日本ユニバック総 合研究所を改組して、日本ユニバック情報システム ( U 旧 ) が発足した。これにともない計算サービス事 業は、情報里サービス事業部として新会社の事業 の一翼を担うことになっていった。 ネットワ→・サービスの始まり ・ネットワーク事業の統合化 昭和 59 年 4 月、日本ユニバック情報システム (UIS) の情報里サービス事業部は、情報里サービス事 業の拡大ならびに社内業務里部門の効率的運営を 推進していくために、日本ユニバックに移管され、 情報システム部およびデータセンター管理部の糸 が統合化された。 ■中小企業 VAN に進出 59 年 9 月、翌年 4 月から 0 甬信自由化を目前にして、 ユニバックも中小企業 VAN 附加価値通信サービ ス ) 業者の登録を行ない、当初は社内向けに計画され ていた統甬信網を「 U-net 」と命名。ネットワー クサービスとして事業展開していくことになった。 同時に、写植機メーカーのデンショクと提携、中 小企業 VAN の核づくりとして中小印刷企業向けの 印刷 VAN (P-VAN) の事業化に着手した。 ■ U-net サービスの開始 60 年 4 月からの電甬信事業法の施行にともない、 中小企業 VAN 業者の登録を一般第ニ種電甬信事 業者に変更し、ネットワーク関連事業に本格的に進 出することとなった。 まず同年 8 月、帝国データバンクからソースデー TSS サーピス利用の手引き 向けの定期刊行誌『 SHARE ー 1 1 NEWS 』を発刊し た。 SHARE-11 サービスは次第に本格化し、 LP 計 算、構造計算、言計算などの技術計算や、人事管 理、経営予測、会計業務などの事務・経営計算を広 い分野で受託した。 ・情報里サービス事業の拡充 50 年には漢字情報里システムを利用した受託業務 に進出、そして翌 51 年には公衆通信回線によるオン ライン計算サービスを開始し、客先内のエンドユー ザー層の拡大を図った。 当時、石油危麦の不況の長期化にともない、経 済状況は厳しい局面にあったが、日本ユニバック総 合研究所は、 TSS サービス「 SHARE ー 11 」を中心に 基盤を確立し、受託計算センターとして一の高 219 P0001 ll ⅢⅢⅢⅢ川ⅢⅢⅢⅢ川川を 21 了 21 1 嗣南血 当イル、・ 2200 220b 員量い 漢字プリンタで作成したバーコード ぃ′代 7 たの 7 SHA 日 E - ⅱによる星占い 237

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UNIVAC494 は、信頼性が高く、リアルタイム里に 抜群の威力を発揮した。ハードウェア面では、マル チプログラミングに不可欠なメモリ・プロテクショ ン機能、剞禺数アドレッシング機能、 FH432 、 1782 高速磁気ドラム装置など窈憂れた特徴をもち、オペ レーティング・システムに UNIVAC490 と 1107 のエグゼクテイプ・システムに新しいソフトウェア の技術を取り入れたドラム・オリエンテッド・シス テム OMEGA を採用。中央側からも遠隔地からも UNIVAC494 をまったく同じように使用すること ができるようになったのは画期的であった。 ■咼パフォーマンスの超大型コンヒュータ UNlVAC1108 UNIVAC494 と同時に発表された UNlVAC1108 は、 FH ー 432 という超高速磁気ドラム装置を採用し た本格的なドラム・オリエンテッド・システムで、 1107 と比べると中央処理装置と周辺装置とのバラ ンスが格段によくなり、パフォーマンスが飛躍的に 向上した。また、 UNIVAC LARC の考え方をさら に発展させたマルチプロセッサ方式を採用し、記憶 装置、入出力里装置の許す限り、いくつも同時に リアルタイム里、デマンド里、バッチ里カ河 能となり、タイム・シェアリング寺代を拓いた。 この UNIVAC1108 のアーキテクチャは、ユニバ ックにおける大型コンヒュータ開発に大きな変革を lJNlVAC1108 の磁気コア記憶装置 もたらし、その後の 1100 シリーズの基礎になった といえる。なかでも、当時最高といわれたオペレー ティング・システム EXEC 8 により、すばらしい コスト・パフォーマンスを発揮し、世界中のあらゆ る業種、あらゆる分野で広く活躍した。 ■技術情報システム大型コンヒュータ UNIVACI 106 44 年に発表された UNlVAC1106 は、マン・マシン・ システムの思想に基づいて開発された。 ( 新憂れたリ アルタイム機能、②大規模データベース設定のため の大容量記憶装置 FASTRAND-III 、③マン・マシ ン・コミュニケーションを行なうディスプレイ装置 などの端末装置群、④カンバセーショナル ALGOL やカンバセーショナル FORTRAN など会話形式 を重視した言語プロセッサ、⑤高度な技術計算用の UNIVAC418111 111 = 当目訓 U ー VAC 1106 UNIVAC1108 UNIVACIIIO 田一 193

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豊富なアプリケーション・パッケージなどを装備 技青報システムに最適なコンヒュータとして、と くに製造業界で数多く使われた。 ・明 TSS 超大型コンヒュータ UNIVACIIIO 45 年に発表された UNIVACIIIO は、本格的なタイ ム・シェアリンク塒代に対応し、デマンド里、リ モート・バッチ里、リアルタイム里、バッチ処 理など、現在行なわれているあらゆる里形態を一 つのシステムで同一時間に、しかも互いに影響を与 えることなく処理する汎用 TSS コンヒュータと して登場した。また、フェイル・セーフの言鈺十思想 を徹底し、共同利用における機密保持をいっそう完 全にするための監視システムも開発。さらにコンヒ ュータの点検や故障箇所の発見を遠隔地にある管理 コンヒュータから行なうリモート・メンテナンス方 式を採用するなど、幅ひろい TSS 利用を実現した。 弋ヘー ・ UN Ⅳ AC1100 / 10 、 20 、 40 シリーズ 昭和 50 年に発表された UN Ⅳ AC1100 / 10 、 20 、 40 シ リーズは「トータル・コスト・セービング」の思想 のもとに、ハードウェア、ソフトウェアともに最小 のコストで高いパフォーマンスを発揮し、しかもユ ーザーがいっそう利用しやすくなるような数々の画 期的な機能を備えた大型コンヒュータである。たと えば、①システム開発糸機能によりプログラミン グの作業負荷の轗咸をはかれること、②システム資 UNIVACI 100 / 40 シリーズ 源管理のための機能によりコンヒュータ費用、回線 費用、端末費用を轗咸できること、③システム運用 言面の機能によりスケジューラ、オヘレータ 0 ア乍業 負荷を轆咸できること、④システム移行の機能によ りコンバージョン費用の車咸が図れることなど、総 合的な観点からコストの最小化を実現した。 シリーズ構成は、 1 0 シリーズが 1 1 0 0 / 1 1 ( 1 プ ロセッサ・システム ) 、 1100 / 12 ( 2 プロセッサ・シス テム ) の 2 機種、 20 シリーズが 1100 / 21 、 1100 / 22 の 2 機重、 40 シリーズが 1100 / 41 、 1100 / 42 、 1100 / 、 1100 / 44 の 4 機動 ■ UN Ⅳ AC1100 / 80 シリーズ 51 年に発表された UN Ⅳ AC1100 / 80 シリーズは、 ディストリビューテッド・プロセシング・システム ( DPS ) の概念に基づいた超大型コンヒュータであ る。機能的、或的に分散された複数の里装置を 有機的に結合し、当本を一元的に管理して処理する 形態を可能にする概念をもち、①中 ~ 里装置、入 出力装置、記憶制御装置と記憶装置、主記憶装 置、システム編成装置、システム・メンテナンス装 置、ディストリビューテッド・コミュニケーション・ プロセッサの七つの専用プロセッサが有機的に結合 した機能分散アーキテクチャの採用、 ( ②編斷記憶の 採用による新階層記憶構造、③ ARMIS ( 高信頼性 ) 機能の強化、新しいネットワーク概念 DCA に基づ いた言、④回路素子、実装技術面での新技術の採 用、⑤強力なソフトウェア群の完備など、優れた特 ーーーーロロ 0 ロ ' い・ ' ー畆ロ 0 髓と訓 0 1 94 UNIVACI 100 / 90 シリース iIhhO ド 1 UNIVACI 100 / 80 シリーズ UNIVACI 100 / 60 シリーズ

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対する要求はひろく強いものとなってきた。ユニバ ックは、この要求にこたえるため、常に時代の先端 をいく技術を取り入れ、提供してきた。 昭和 5 1 年に発表された DCA の根幹をなす ARMIS (Availability Reliability Maintainability lntegrity and Security) は信頼性に関するユニ バックの総合概念であり、ハードウェア窈言頼性と 保生を高めるとともに、人為的作を防止して 完全性と安全性を高めることによってシステム全体 の可用性 (AvaiIability) を向上させる技術であり、 ハードウェアのみならず、ソフトウェアおよびコミ ュニケーション・ネットワーク全般におよぶ概念で ある。 57 年に発表した UN Ⅳ AC1100 / 90 シリーズでは、 本格的な分散里の時代を迎え、高信頼性を再言面 し、分散化されたシステムにおいても完の保持 や安全性の確保が十分に達成できるよう、とくに配 慮が払われている。すなわち、分散化された複数の システムそれぞれに対し ARM を追求するとともに そのインテグリティ ( 完全性 ) 窈呆持につとめ、各シ ステム間を統合してセキュリティ侒全保障 ) を確 立し、システム全体の高信頼性を実現している。 Technology on UNIVAC System Japanese) を 発表。同時に、初のホスト・コンヒュータとチャネ ル接続できる 0780 型日本語プリンタおよびソフト ウェア群を開発して、 55 年に提供を開始した。 LETS -J の開発には、スペリーが開発を行なっている基 本ソフトウェア群の日本語対応が必須となるため、 スペリーとの共同開発が実施された。 また、日本語の入出力カ河能な通信端末として、 55 年に UTS5000 、 56 年に UTS4000 がそれぞれ出 荷された。 58 年には、オンライン機能とオフライン機能を併 せもつ 0441 型日本語プリンタと、 A 4 判カット紙 カイ吏用できる 0432 型日本語プリンタを提供。 61 年 には、この 0441 型の後継機として、毎分 11 , 700 行 の超高速印書の 0490 型日本語プリンタを出して いる。 ARM の概念図 Security AvaiIability ReIiabiIity MaintainabiIity lnte g rity この時点までに提供された漢字 ( 日本語 ) プリン タは、その時々の技術の制約により、仕様上の非整 合が生じていた。この問題を解決するため、漢字 ( 日 本語 ) プリンタのファミリ化の方針が設定され、 0470 型日本語プリンタの仕様を基本仕様とするこ ととした。 6 1 年には、このファミリ化に従った 0493 型日本語プリンタが提供されている。 これまでの日本語プリンタおよび日甬イ誌末、 すなわち、日本語データの里をするだけのハード ウェアおよびソフトウェアに加えて、現在は、さら に一歩進んだ文書里および自然言語里の機能の 開発によって、母国語としての日本語を里するシ ステムの実現へ向かっている。 高信頼性の実現めざして コンヒュータ・システムのデータ里能力が高度化 し、その利用も多様化して、人間のネ土舌動の基本 を支えるようになるに従い、システムの安定稼働に 2 1 7

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され始めた。そのころには、この DMS1100 はすで にデータベース里システムとしての機能をほほ院 備し、データ構造を生かしたアプリケーションに利 用されてきた。経営情報システムや部品展開システ ムなどがその代表的なものであり、デマンド利用形 態の里環境つ舌用されたのである。 一方 SINFORM は、告上の簡便さと高速性を生 かし、またリアルタイム・システムの支援ソフトウ ェア BOSS1100 と連動させ、異常発生時窈彦復機 能を開発し充実させたことで、金融業界の第 2 次オ ンライン・システムを始めとして、多くのユーザー に利用された。 工ンドユーザー部門にま吏用されるようになって リース。データベースが情報里部門にだけでなく、 データベース検索・更新プログラム QLP1100 をリ この時期には、デマンド利用形態による会言甅の されるようになった。 各企業のオンライン・システムの中核としても使用 種々の機能拡張が継続して実施されるにともない、 めた。また、 DMS1100 の効率面での改善、および 基幹アプリケーション・システムとして使用され始 れ、ひろく利用されるようになるにつれて、企業の 援システム AMDPIIOO などがユーザーに認めら 生産管理システム UN 旧 1100 、データベース構築支 1 1 0 0 、金融システム・パッケージ FAST 1 1 0 0 、 とくに DMS1100 は、思決定支援システム DSS タベース管理システムが利用されるようになった。 5 0 年代後半には、企業のあらゆる業務分野でデー いる。 イ方式に代表される無亭止システムとして実現して ー元管理を可能とした。後者は、ホット・スタンバ 発とデータベース、データ・コミュニケーションの ステム A 旧 1100 との連携によって、プログラム開 頼性の要求である。前者は、統合オンライン支援シ ケーション里環境のもとでのデータベースの高信 対応であり、もうひとつは大規模かっ複雑なアプリ 信回線を経由しての多数のユーザーからの利用への の技術動向は社会性を帯びるようになってきた。通 に位置したことによって、データベース・システム データベースが企業内の情報里システムの中核 いる。 なされ、 DMS1100 は、汎用データ管理システム このような社会的要求に対応するため、質的改善が 50 年代後半には、データベース管理システムへの UDS1100 の一構成要素として大幅な改造が行なわ れた。 UDS1100 は、データ辞書システム DDS1100 に よるデータ情報とシステム環境情報の一元管理、ェ グゼクテイプ・システムと連携した統合修復機能 (EXEC/IR 機能 ) 、および複数のデータ・モデルを共 通に管理するシステム ( UDS コントロール ) から構 成されている。 UDS1100 は、 50 年に ANSI/X3/ SPARC から提案された三層スキーマを志向して設 計されていた。データ・モデルとしては、従来から の木構造、ネットワーク構造だけでなく、リレーシ ョナル・データベース・モデルが提供され、ひとつ のアプリケーション・システムで共存させて使用で きるようになった。リレーショナル・データベース 管理システム RDMSIIOO は、 1970 年に E. F. コッ ドが発表したデータ・モデルを実現するもので、 1987 年に国際標準となった SQL に準拠している。 また、 MAPPERIIOO とも連結して第 4 世代言語の 中核データベースに成長している。 UDS1100 は、今後の情報里システムの大規模 化、高信頼性、高性能化に対するのみでなく、分散 データベースの実現、および複数ホスト・コンヒュ ータからの同時更新を可能とするファイル・シェア リング方式による無イ亭止システムの実現へ向かって いる。 テータ・エ = ケーション UNIVAC490 のリアルタイム・オヘレーティング・ システム REX に始まり、昭和 42 年に登場した UNIVAC1108 では EXEC8 のもと、それまでに蓄 積されたリアルタイムの技術を集結させた明リア ルタイム・システムである MQR 、 STANDARD- TOPS などの大規模なリアルタイム・パッケージか 生まれた。 45 年に UNIVACIIIO が発表された後、 47 年には 初のリアルタイムの標準パッケージを発表した。 , れがトランザクション里のため窈明リアルタイ ム・パッケージ TIP と、通信制御プログラム CMS である。一方、通信制御装置も SCS から GCS へと 発展している。なかでも GCS はとくに完成度の高 いハードウェアとして、いまなお多くのユーザーで 使われている。 CMS はその後、国内ューザーの多種多様の要求 に応じて多くの機肯槌加が行なわれ、現在に至って

9. ユニバック30年のあゆみ

ネットワーク・サービス の歴史 業界などからの業務が比較的多かった。 36 年には相次いで大型コンヒュータが発表され、 計算センターの業務も加遠度的に拡大した。とくに、 3 8 年からは大型機 UNIVAC Ⅲの大量受注、納入の てきた。 39 年初頭、計算センターは 4 年間にわたった小里 会館に別れを告げ、港区芝公園の協立ビルに移転し、 総合センターとして操業を開始した。 計算センターに UNIVACIII 、 USSC 、 0UK1004 などを設置し、新たな発展期を迎えることになった のである。 計算センター 昭和 40 年は、 UNIVACI 108 、 UNIVAC494 などリア ルタイム・システムや TSS の大型コンピュータが 発表され、リアルタイム里カ嘩やかに幕を開けた 時代である。受託計算業務やソフトウェア開発業務 の急増に対応するため、計算センターもより強化、 充実する必腰に迫られた。 42 年、ユニバックは、竝系でひろく東京地区の 中小企業を対象に、計算受託業務を専業としてきた 株東京計算センターと運用面についての統合を図 り、江東区深川 0 メ左賀町ビルに結集。同時に、新た に発表された 0UK9000 システムのショウルーム も開設し、新しい計算センターとして歩み始めた。 情報里サービス事業は、この数年来、通信里分 野と融合した高度な技術革新やニュービジネス化の 進展により、ネットワーク事業へと変革し、新たな ビジネス分野として注目されている。 ユニバックは昭和 30 年代よりメインフレーム事 業と並行して、情報里サービス事業に従事し、ネ ットワーク事業をひとつの経営の柱とすべく、ビジ ネスを開拓してきたが、今後は、 u-net サービスを べースとしたネットワーク・ビジネスが、重要な役 割を担うものとなるであろう。 自ネ雌 t 算センター設 新会ネ土設立 3 年目を迎えた昭和 35 年 3 月、自社ショ ウルームの必要性が高まったため、港区芝田村町 ( 現・西新橋 1 丁目 ) の小里会館ビルに USSC 、 UNIVACI 20 、 PCS を設置した計算センターを開設 、 0 前年には、日本証券金融に USSC が導入された のを皮切りに、 lJNlVAC120 の受注が急増するとと もに USSC 、 UFC の両中型機がさまざまな客先に 設置され、本格的な「電子計算機り」の時代を 迎えている。 計算センターの中心業務は、 UNIVAC コンヒュー タの導入前、導入後のユーザーに対してソフトウェ アのテスト、開発および受託計算サービスなどを提 供することであった。受託計算は石油、放送、新聞 江東区深川の総合テータ・センター 日本ヾック総合ー 昭和 44 年、情報里サービスと研究、開発、教育部 門の一体化を目的として、日本ュニバック総合研究 235 三 - 三一一一一日い員 凵 N ー VA C

10. ユニバック30年のあゆみ

術を継承、発展させて新時代の情報里環境にこた えるために開発されたシステムである。知識や第 のレベルに応じた使いやすさの追求、充実した利用 者支援機能の提供、システムの設計・開発・保守の 生産性の向上、運用・管理の省力化など、使い勝手 を考えたソフトウェアを数多く提供し、価格性肯ヒ の向上やユーザー部門、情報システム部門の双方に とって利用しやすく、運営しやすいシステムを実現 している。 シリーズ構成は、 1100 / 70B 、 1100 / 71E 、 1100 / 71 、 1100 / 72E 、 1100 / 72 、 1100 / 73 、 1100 / 74 の 7 機不動 60 年に発表された UN Ⅳ AC1100 / 70 Ⅱシリーズ は、 UNIVACI 100 / 70 シリーズの各種技術をベース に、使いやすさ、価格性肯ヒを改善し、商品化した システムであり、中里装置をいちじるしくコン パクト化し、省スペース、省エネルギー化を実現し ている。 シリーズ構成は、 1100 / 71 Ⅱ、 1100 / 72 Ⅱの 2 重 ・ UN Ⅳ AC1100 / 90 、 90AD シリーズ 57 年に発表された UN Ⅳ AC1100 / 90 シリーズは、 次世代を先取りした画期的な言方式「エクステン ド・アーキテクチャ」に基づいて開発された高性能 超大型コンヒュータである。里量甬信回線利用 の増加にともなう大規模な計算機能を満たす高性能 超高速里能力の実現、 OA 、分散里などの進展に ともなうエンドユーザー数の増加、多キ第ヒに呼応し たエンドユーザー・ファシリティの整備、分散里 徴をもつマルチプロセッサ・システムである。 シリーズ構成は、 1100 / 80B 、 1100 / 81 、 1100 / 82 、 1100 / 83 、 1100 / 84 の 5 機動 ・ UN Ⅳ AC1100 / 60 、 60 Ⅱシリーズ 54 年に発表された UNIVAC1100/60VANGUARD システムは、 1 9 8 0 年代の企業情報戦略の先導者とし て活躍できるよう、最先端のコンヒュータ・テクノ ロジーを取り入れて開発された。たとえば , ( 新明 大型機における世界最初のマルチ・マイクロプロセ ッサ方式の採用、⑦優れた実術の採用、 3 イ面 ま崢ー : : 物厚ょ店い 高集積素子を搭載した U2VAC1100 / 60 の記憶装置 ( 左 ) とマルチ・マイクロプロ セッサ 格大容量メモリの提供、 ( 4 〕ち竝した各機能を一つの キャビネットに収納、⑤システム稼働状況を自動把 握するパフォーマンス・モニタ機能の内蔵など、最 新技術を積極的に採用し、システムの小型化、安定 性の向上、イ面格化、高速化、さらに容易な操作性、 竟条件の緩和、運転コストの削減を徹底的に追求 している。 シリーズ冓成は、 1100 / 60B 、 1100 / 61E 、 1100 / 61 、 1100 / 62E 、 1100 / 62 、 1100 / 63 、 1100 / 64 の 7 機不動 また、 57 年に発表された UN Ⅳ AC1100 / 62 Ⅱは、 1100 / 60 シリーズを継承、発展させたシステムで、 省スへース、省エネルギー効果が一段と高められ、 価格性肯ヒもいちじるしく向上させた。また、多様 化する情報処理ニーズにこたえるべく、 LETS-J による日本語情報里、 MAPPERIIOO によるプロ グラムレスのシステム開発、 DPS1100 による画面 言十の簡易化と省力化など、数々の先進ソフトウェ ア・テクノロジーを提供している。 シリーズ構成は、 1100 / 61 Ⅱ、 1100 / 6211 の 2 ■ UN Ⅳ AC1100 / 70 、 70 Ⅱシリーズ 58 年に発表された UN Ⅳ AC1100 / 70 シリーズは、 1100/60VANGUARD システムのハードウェア技 IJNIVACI 1 00 / 90 シリーズの高密度実装技術 をいっそう効率よく推進するためのコンヒュータ・ リソースの充実、システム開発の生産性向上などの 要請にに対応できるシステムの提供、セキュリ ティの確保を始めとする高信頼性の実現、開発され たソフトウェアを糸齢しながら、さらに新しいシス 1 9 5