2 分のものになっていない ゴルフへの姿勢 23 そのことすら気がついていない ルファーの価値体系のイメージは , 一流プロがもつ価値体系に近い ように , 意思決定のサイクルを繰返しつつ , より望ましい結果へ向 からのフィ ドバックを , 次の意思決定に反映させていく , という 変換を行って , すばやく意思決定を行うとともに , つねにその結果 をベースとして , その時点での必要な情報の取捨選択を , あるいは・ ていることは , よくお分り願えると思う。つまり , 自分のイメージ コースでのプレイの場合 , このことは極めて重要なことを意味し として捉えるようにしなければならない。 行動結果からのフィードバックを通じて , 時々刻々動いていくもの なく , 連続したフ。ロセスの中での , ーっのェべントとして , つねに 考えるとき , 意思決定というものを , その時だけのものとしてでは 変化する環境の中で , 自己のとるべき行動を決定するということを 全な情報のもとで , 時間的制約条件のもとで , しかもたえず動的に さて , 意思決定はつねに不確実性への挑戦である。つまり , 不完 らなければならないのである。 らの借りもののイメージで , 自分の行動を決めることの愚かさを悟 いったことになるわけである。つまり己のイメージでなく , 他人か ことが多く , そのために結果として , いたずらにミスを重ねる , と ってのアプローチをするという姿勢が望まれるのである。 さきに , ゴルフに関する情報過多ということにふれたが , ・外部情報の価値
5 プレイの実績記録とその分析 0 プレイの記録を整理する プレイの内容を整理し , 統計をとり , それらを適宜分析すること のねらいは , ある時期の一連のデータから , 自分のプレイ内容の傾 向や変化を , 定量的に把握することであり , これによって自分が今 どのような状態にあり , また問題は何であるかということ , 問題を 解決しようとして採ってきた , 何らかの手段 ( 特定の練習をする , スイングのどこかを変えてみた , フ。レイでの作戦を変えたなど ) の 効果があるかどうかなど , 自己のプレイの質が今どうなっており , またどのように変化しつつあるかを知り , 次に自分として何をやる べきかの意思決定を行うための , 有力な情報を得ることができる , という点に極めて大きな意義がある。 したがって , 単にスコア記録を残し , あるいはグラフを描くこと が目的ではなくて , かなり定量的に自分のゴルフの内容を分析する ことにより , 自己の現状とその推移傾向の詳細を承知し , 自分の意 図したこと , その意図に基いて実行した結果を勘案して , 次の行動 十画を立てながら行動するよう , 自分をしむける。つまり , 自己管 理上の有効な一手段にしようとすることである。 このように自分の行動結果を , つねに眺めることによっ さらに , て , 前にも述べたように , 向上への意欲が自然に生まれてくるとと もに , データが増えるにしたがって , それはフ。レイそのものの楽し さにも劣らぬゴルフの愉しみとなって , いつもあなたにつきまとう ことになるだろう。 105 一三ロ
2 ゴルフへの姿勢 2 図意思決定のプロセス 個有のイメージ 意思決定 OUT PUT IN PUT 入力情報 予測体系 価値体系 行動 決定基準 プロクラム フィードバック情報 行動
3 ゴルフスイングの基礎 37 脳神経関与の基本的分類 の行動 フ ゴノレ プレイ関連のシステム行動 1. 長期、中期、短期目標の設定維持 2. 行動結果の整理分析による自己の把握 3. 問題意識に基く継続的積極的行動意欲 自分のゴ ノレフへの ーコースでのプレイ システム 一環境 イ アプロー 一条件 意思決定 チ ク 個有の内部情報ファイル 個有の 平価選択 システムモデル ( 外部情報 ) グ動作 学習要件 構 ックスイング 一三ロ ト 反復繰返 しによる 学習とス イングの 初期設定 ォ 条件をつ かむ ト 応用技術 基本技術 基礎技術 ツ プ ( 時実利彦著「人間であること」岩波新書 210 頁より引用 )
2 コ・ルフへの姿勢 これを支える大部分は水面下にあるのであ 上の部分にすぎない , る。 ・個有のイメージと意思決定のサイクル コースでのフ。レイにおいては , 意思決定の問題がその中心をなす と言えよう。各人は過去の経験の綜合結果として形成されてくる , 彼固有の色合いをもったイメージの世界を持っているであろう。 各人のイメージは , 知識と情報が増加するにつれて , 次第に精巧 なものになっていく筈で , そしてそれらはさらに , 経験の流れ , 情 報の流れの中で , つねにテストされ , 修正され , 洗練されていくわ けである。 意思決定とは , いくっかの代替可能な行動プログラムの中から , ある特定のものを選び出すことと言えるが , この選択は , その時点 において持っている個有のイメージをベースとしてなされる。つま り , 個有の色合いを持ったイメージの世界とは , 図 2 に示したよう に , その内容は人によっていろいろと相異なろうが , 一般に二つの 体系 , つまり予測体系と価値体系とから成立っている , と考えられ よう。具体的にいえば , それまでの自己の経験と情報収集から形成 されてきたイメージの中には , 現実に現われてくるであろう事実の 予測的要素と , 何がより望ましいかという , 価値判断の要素とが含 まれている , ということである。 一般ゴルファーにおける一つの問題がここにもある。それは価値 体系であろう。つまり , いろいろの知識は持っているが , それが自
3 ゴルフスイングの基礎 らである。 60 応々にして , アベレージゴルファーは , スイングの断片的技術知 識に興味をひかれる , ということもあって , スイング全体としての タイミングというものに対する , 一般的教訓が軽視される傾向にあ るが , このことは結局は , 望ましいショットを実現する上で , 決定 的とも言える影響をもたらすものであることを , 改めて認識してほ しいと思うのである。 そこで , 自分のスイングのタイミングを見つけ , 身につけるため の方針 , 方法の一端を述べることは可能であろうし , また一般ゴル ファーにとっては有効かとも思うので , 以下にいくつかのヒントを 記しておくこととする。 まず , 極めて粗つぼく言えば , フォワードスイングに入る直前ま では , なるべくゆっくりやるということである。 前にも述べたように , 体の内部 , つまり運動に参加する筋肉を , 一定のパターンに正しく持こむことによって , つづいて起る無条件 反射運動に入るための初期条件を , キチッと決めてやることが必要 なのである。 ではなぜゆっくりやる必要があるのかというと , スイングに参加 すべき各部の筋肉は , その大きさによって所定の運動に入りうるた めの時間に差がある。つまり , 下半身や腰部 , 腹背部の大きな筋肉 は , 腕や手の筋肉より反応時間がかかるのである。したがって , 参 加すべき筋肉の中で , それが働くために最も時間のかかるものに 他の筋肉が働くタイミングを , 合わせてやることが必要なのであ
目 まえがき 次 ゴルフへの姿勢ー自己創造のために ・知識は魔のささやきか 11 ・己を知る 12 ・仕事と遊び ・ビジネスとゴルフ 15 ・情報システムとしてのゴルフ行動 ・個有のシステム・モデル 14 18 17 ・個有のイメージと意思決定のサイクル 21 ・外部情報の価値 23 ・スイングの基礎も姿勢である ・姿勢とはなにか 28 27 3 ゴルフスイングの基礎ー自己診断のために ・ポールをヒットするための基本条件 ・スイング行動における脳神経系の関与 ・初期条件の設定がスイングを決める ・構えにおける基礎条件 41 31 35 40 ・スイングの基礎概念 ( 1 ) スイングの軸 61 52 ( 2 レくックスイングのスタート ・・・ 31 67
76 きいのである。 4 学習と練習 そこで , われわれ一般ゴルファーにとって , 練習することの意味 はどこにあるか , その目的はなにか , その方法は , といったことにつ いて , ヒントになろうと思われるいくつかの点を述べておきたい スイングが安定し , ショットが良くなれば , スコアもよくなる し , ゴルフがさらに愉しくなる。当然の話だが , ショットが良くな るということは , われわれの場合は , まず飛距離ではなく , 安定す るということであり , 自分の想定する , あるいはねらいとするとこ ろに , ポールをかなりの確率で運べる , ということである。 したがって , まっ先に身につけねばならぬことは , 前章で述べた スイングの基礎であり , ポールをヒットする基本条件を満足する術 である。 このために必要なことは , スイングやショットの概念を正しく頭 においての , 自らの学習しかない。それは , 前述したように , スイ ング運動というのは , 意識を超えた反射運動であるからである。 練習と言わず , 学習といったのは , 身につけるためには , 体ごと それを学びとらねばならぬからである。 ひとたび学習して身についたものを , 正しく再現しうるかどうか をチェックしたり , さらにその再現性の精度をあげたり , もし誤っ た点があれば修正したり , というのが練習であろう。 われわれの場合は , まず , これらの基礎 , 基本を学習することに 殆んどの時間と労力を投入することが , 長い目で見ると最も効率が よく , 自分のゴルフをすることへの , 最短の道であることを強調し
56 3 ゴルフスイングの基礎 に他ならないのである。 スイングにおける体の使い方は , 捩り上げ , 捩りもどしであり , 体を捩り上げることによってパワーを蓄積するのがバックスイング の目的である。このためには , 捩りの支点 ( 固定端 ) となる地面と の接触点 , とくに右足を強く固定することと , 体を捩り上げるため に , その上端である肩をスイング軸 ( 背骨 ) のまわりに回転するこ とである。 これによって体の中に , 捩りによるエネルギーが生じるのだが , このとき , 右脚とくに右膝が外に逃げたり , あるいは大腿筋 , 腰部 筋肉 , さらに腹筋が順序正しく参加しないと , 単にパワーのロスを 来すだけでなく , 最も大切なスイング軸が動いたり , 曲ったりして しまう。 このような望ましくない結果を , 未然に防ぐために , バックスイ ングにおける体の捩り上げによって生ずべき , 主要筋肉の緊張パタ ーンを , 予め構えのときにとっておき , バックスイングにおいて は , 同じパターンで , その緊張度だけが強まるというようにすると かなり単純化することができる。単純化ということは , つまり安定 したバックスイングがとりやすくなるということだ。 このことはバックスイングを安定化するに止らず , 実は さらに , フォワードスイング自身の安定化に連がる , という点で最も大きな 意味をもつのである。 すでに何度か述べてきたように トップ附近からフォワードスイ ングに至る一連の運動は , 条件反射ないし無条件反射であり , この
18 2 ゴルフへの姿勢 情報収集→計画案策定選択というような , 一連の意思決定のプロセ スが存在するわけである。 レイに必要ないろいろの機能について , 自分なりの現実的なモデ 第一に強調したいのは , 具体的な各人それそれの実情に立って , プ 図 1 に , 情報システムとしてのゴルフ行動を示してみたが , まず いけばよいのであろうか。 だが , これに対して , では , 具体的にどのようなアプローチをして さて , ゴルフというものを , ーっの情報システムと見なしたわけ ・個有のシステム・モテル の中に蓄積された情報の働きと見れるわけである。 は日頃の練習が大切だと言われているが , これは練習によって自分 フというものは情報によって決まると見てよいであろう。ゴルフで このように見てくると , コースにおけるプレイはもちろん , ゴル フィードバックもまた情報に他ならない。 各段階で予測という働きが関与しているが , 予測結果 , 行動結果の に転換され , 最後に行動を通じて実績となる。これらの過程では , 目標はさらにそれを達成しうる , 具体的手段という別の形の情報 標という別の情報に転換したものと考えることができよう。 わりから集めた情報 , つまり , 内部情報と外部情報をまとめて , 目 目標の設定を行う。このことは自分が蓄積している各種の情報 , ま ルから考えて , 起りうるであろう結果に対する予測によって , まず そこで , その時点時点での環境条件や , その時の自分の実力レベ