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検索対象: 生物多様性国家戦略2010
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1. 生物多様性国家戦略2010

年 3 月 ) 後の実施状況を適切に把握し、最新の 科学的知見や環境影響評価の実施状況などを 踏まえて点検を実施し、制度の充実を図ってい きます。 ( 環境省 ) 〇環境影響の予測・評価手法や環境影響の回 避・低減・代償措置を含む環境保全措置につい て、従来よく分かっていなかった要因も含め、各 種事業の実施により実際に生じた影響を分析す ることなどを通じて継続的に検討を加え、技術 的・制度的手法を向上させていきます ( 環境省 ) 〇市民、 NGO 、事業者、地方公共団体などに対 して、環境影響評価の実施に必要な情報のイ ンターネットなどを用いた提供や技術的支援を 継続的に実施します。 ( 環境省 ) 〇環境影響評価に係る関係者間の幅広く効果的 なコミュニケーションを促進するための手法の 検討を行っていきます。 ( 環境省 ) れ 2 戦略的環境アセスメントの導入 【現状と課題】 第三次環境基本計画 ( 平成 18 年 4 月 ) に基づき、 学識経験者による戦略的環境アセスメント総合研 究会において、上位計画のうち位置・規模などの 検討段階のものについて、事業に先立つ早い段 階で、著しい環境影響を把握し、複数案の環境 的側面の比較評価及び環境配慮事項の整理を 行い、計画の検討に反映させることにより、事業 の実施による重大な環境影響の回避乂は低減を 図るための共通的な手続・評価方法などを示す 戦略的環境アセスメント導入ガイドライン ( SEA ガ イドライン ) を平成 19 年 3 月に取りまとめました。 各種事業についても、その計画プロセスにおけ る情報公開や市民参加のガイドラインなどの提示 など、関連する取組が進展しています。 道路、河川、空港、港湾などの公共事業につい ◆◆ 294 ては、事業の計画段階よりも早い構想段階におい て、計画策定プロセスの透明性・公正性を確保す るため、「公共事業の構想段階における計画策定 プロセスガイドライン」を平成 20 年 4 月に策定しまし た。また、廃棄物の最終処分場については、「最 終処分場における戦略的環境アセスメント導入ガ イドライン ( 案 ) 」を平成 21 年 3 月に取りまとめました。 これらを踏まえた最初の戦略的環境アセスメン トを平成 20 年度に実施しました。 平成 22 年 2 月に取りまとめられた「今後の環境影 響評価制度の在り方について ( 中央環境審議会答 申 ) 」において、戦略的環境アセスメントを法におい て制度化すべきとされたところであり、本答申を踏 まえ、法の見直しを含め必要な措置を講じます。 【具体的施策】 〇戦略的環境アセスメントについては、「今後の環 境影響評価制度の在り方について ( 平成 22 年 2 導入すべきとされたところであり、本答申を踏ま え、法の見直しを含め必要な措置を講じます。 ( 環境省 ) 〇法が施行されるまでの間、既存の SEA ガイドライ ンなどを踏まえた取組についての検討や実施事 例の積み重ねを進めます。 ( 環境省、関係省庁 ) 〇法が施行されるまでの間、 SEA ガイドラインの 情報提供を行うとともに、地方公共団体が地域 の環境情報を整理・提供するための手法の取 りまとめなどを行います。 ( 環境省 ) 〇より上位の計画や政策の決定にあたっての戦 略的環境アセスメントに関する検討を進めます。 ( 環境省 )

2. 生物多様性国家戦略2010

ていない場合も見受けられます。今後は、具体的 ることで、自然の恩恵や自然と人との関わりなど な行動に結び付くような質の高い環境教育を幼 のさまざまな知識の習得及び人としての豊かな 児期から社会人までの誰もが受けることができる 成長を図ります。 ( 文部科学省、農林水産省、国 ような機会を創出することが必要であり、「 21 世紀 土交通省、環境省 ) [ 再掲 ( 同節 3. 1)] 環境教育プラン ~ いつでも、どこでも、誰でも環境 〇「都市と農山漁村の共生・対流に関するプロ 教育 AAA プラン ~ 」などの展開により、学校だけ ジェクトチーム」が取りまとめた府省連携の対応 でなく博物館などの社会教育施設などにおける環 方針に基づき、小学生の子どもたちを対象とし 境教育の充実・展開、「五感で感じる」原体験とし た農山漁村での 1 週間程度の長期宿泊体験活 ての自然体験や農村、森林、水辺、海浜体験の推 動を推進する「子ども農山漁村交流プロジェク 進、生活文化の智慧を活用した環境に配慮した ト ~ 120 万人・自然の中での体験活動の推進 暮らしを促す環境教育の実施などにより、家庭、 ~ 」を推進し、全国 2 万 3 千校 ( 1 学年 120 万人 学校、地域、企業などにおける生涯にわたる質の を目標 ) で体験活動を展開することを目指し、今 高い生物多様性を含む環境教育・学習の機会の 後 5 年間で受入態勢の整備などを進めます。 多様化を図ります。 ( 総務省、文部科学省、農林水産省、環境省 ) [ 再掲 ( 同節 3. 1)] 【具体的施策】 〇子どもたちの自主的な環境学習・環境保全活 〇社会教育活動の一環として、地域住民のボラン 動を支援する「こどもエコクラブ事業」などを実 ティア活動を推進するなど、環境問題を含めさ 施します。 ( 環境省 ) まざまな地域課題に関する地域の学習活動を 〇環境教育・環境学習データベースを整備し、環 支援していきます。 ( 文部科学省 ) 境教育・環境学習に関する知識、場、教材、事 〇動植物園、水族館、自然系博物館などについて 例などに係る情報を収集し、広く提供します。 は、今後とも、人々の多様な学習活動を支援す ( 環境省 ) 〇各地域で行われている ESD 事例の掘り起こし るための機能をさらに充実し、知的好奇心・探 を行い、それらを可視化し、優良事例として共 求心を刺激することができるような場として、博 物館活動の充実を図ります。 ( 文部科学省 ) 有・発信することや ESD の関係者を連携させる 〇天然記念物の活用施設などの整備など、環境 人材を育成することなどを通じて、地域に根ざ 学習の機会につなげるためにも、地方公共団 した ESD を全国に普及します。 ( 環境省 ) 体などと連携して天然記念物を活用した学習 〇放課後などにおける子どもの学習活動に活用す 活動を促進するための支援を継続していきま ることを目的とした環境教育教材を作成し、地域 のさまざまな主体の参画を得て、放課後などに す。 ( 文部科学省 ) おける環境教育・学習を実施します。 ( 環境省 ) 〇子どもたちを対象として、放課後の活用や農山 〇各主体のパートナーシップによる取組を支援す 漁村に長期間滞在しての自然体験あるいは国 立公園内での自然保護官の業務体験といった るため、地球環境パートナーシッププラザ及び 身近な自然から原生的な自然までのふれあい 地方環境パートナーシッブオフィスを拠点として、 活動を通じ、五感で感じる体験活動を推進す 情報の収集・提供、交流の場の提供などを実 ◆◆第 2 部第 2 章 横断的・基盤的施策 第 3 節普及と実践 245 ◆◆

3. 生物多様性国家戦略2010

の統合的な発展につながるような教育を実践し、 持続可能な社会づくりに参画する人づくりを進め る必要があります。加えて、このような環境教育・ 環境学習を指導する役割を担う人材はまだ不足 しており、その育成が必要となっています。このよ うな取組を推進するにあたっては、関係省庁や NGO 、大学・研究機関など、さまざまな主体が連 携して取り組む必要があります。 また、平成 19 年 6 月に閣議決定された「 21 世紀 環境立国戦略」においては、「自然共生社会」の実 現と併せて「低炭素社会」、「循環型社会」の実現 を担う人づくりとして、「 21 世紀環境教育プラン ~ いつでも、どこでも、誰でも環境教育 AAA プラン ~ 」などを展開し、家庭、学校、地域、企業などに おける生涯にわたる質の高い環境教育・学習の 多様化を図ることが求められています。 4. 1 学校教育 【現状と課題】 学校教育において、児童生徒が生物多様性を 含む環境についての理解を深め、環境を守るた めに主体的に行動がとれるようにすることは極め て重要です。 従来より、各学校において、社会科や理科など の教科や総合的な学習の時間、道徳などの教育 活動全体を通じて環境教育が行われているところ であり、新しい学習指導要領においても、理科な どの各教科などにおける環境教育の充実を図っ ているところです。今後とも、教育基本法の改正 の趣旨を踏まえ、学校教育における環境教育の 充実が図られるよう努めていきます。 【具体的施策】 [ 教育内容の改善・充実 ] 〇アメリカ合衆国の提唱する「環境のための地球 ◆◆ 244 規模の学習及び観測 ( GLOBE ) 計画」に参加し、 GLOBE 協力校の指定を行います。 ( 文部科学 省 ) 〇環境学習フェアを開催するなど、全国各地の環 境教育の優れた実践の発表及び情報交換など を行います。 ( 文部科学省 ) 〇「国連持続可能な開発のための教育 ( ESD ) 10 年」や社会の変化に対応した新しい環境教 育のあり方を模索し、その実行を促進するため の調査研究などを実施します。 ( 文部科学省 ) 〇自然の中での長期宿泊活動などをはじめとした さまざまな体験活動を推進します。 ( 文部科学 省 ) 〇環境負荷の低減や自然との共生を考慮した学 校施設の整備を行い、整備された施設を環境 教育にも活用します。 ( 文部科学省、農林水産 省、経済産業省、環境省 ) 〇環境保全活動に取り組む地域の方々や教員を 対象に、環境教育・環境学習指導者養成基礎 講座を開催します。 ( 文部科学省、環境省 ) [ 再 掲 ( 同節 5. l)] 〇都道府県教育委員会などの指導主事、教員な どを対象に学校における環境教育に関する指 導者の養成を目的とした研修を実施します。 ( 文 部科学省 ) [ 再掲 ( 同節 5. 1 ) ] 〇学校における環境教育の意義と役割などにつ いての解説や環境教育の実践例などを掲載し た教師用指導資料を作成しています。 ( 文部科 学省、環境省 ) 4.2 学校外での取組、生涯学習 【現状と課題】 国民ひとりひとりの環境保全への意識は高まっ てきていますが、具体的な行動にまでは結び付い

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1 . 1 環境影響評価の充実 す、影響そのものの回避、低減を優先して検討す 【現状と課題】 べきこととされています。 環境影響評価法に基づく環境影響評価手続を 加えて、ほばすべての都道府県・政令指定都市 実施した事業 ( 手続が終了した事業及び手続中 に条例による独自の環境影響評価制度があり、地 の事業 ) は、平成 21 年 3 月末現在で 179 件です。手 域の実情を踏まえて適切な環境配慮を行うことと 続終了後、各事業は順次、工事・供用段階に入 しています。 ることとなりますが、その際には環境影響評価書 また、個別の事業の計画・実施に枠組みを与え などに基づき環境保全への適切な配慮がなされ ることとなる計画 ( 上位計画 ) や政策の策定・実施 る必要があります。 に環境配慮を組み込むための戦略的環境アセスメ 今後、より良い環境影響評価を行っていくため ントの考え方を具体化するとともに、その仕組みの には、法の施行状況の検討などを行うとともに 確立に向けて検討を推進することとされています。 技術手法のレビューや、方法書手続の機能を十 分に発揮するための検討、環境影響評価に係る 1 . 環境影響評価 関係者間のコミュニケーションを進めるための手 【施策の概要】 法開発などを進めることが必要です。 各事業の実施にあたり、環境大臣が環境影響 【具体的施策】 評価書について必要に応じて意見を述べるととも 〇各事業の実施にあたり、環境影響評価手続が に、手続終了後、環境大臣意見を述べた事業、 適切かっ円滑に行われ、「生物多様性の確保及 事後調査を実施することとされている事業などに び自然環境の体系的保全」と「人と自然との豊 ついて、適切にフォローアップを行います。 かな触れ合い」の観点も踏まえた環境保全への また、環境影響評価法の施行状況や今後の環 適切な配慮がなされるよう、環境影響評価書に 境影響評価制度の在り方について、平成 22 年 2 月 ついて、必要に応じて意見を述べます。 ( 環境省 ) に「今後の環境影響評価制度の在り方について 〇環境影響評価手続が終了した後、環境大臣意 ( 中央環境審議会答申 ) 」が取りまとめられ、戦略 見を述べた事業、事後調査を実施することとさ 的環境アセスメントの手続の新設、風力発電施設 れている事業などについて、適切にフォローア の法対象事業への追加などについて積極的に措 ップを行います。 ( 環境省、関係府省 ) 置すべきとされました。本答申を踏まえ、法の見 〇「今後の環境影響評価制度の在り方について 直しを含め必要な措置を講じます。 ( 平成 22 年 2 月中央環境審議会答申 ) 」に基づ また、基本的事項の点検を実施し、制度の充 き、戦略的環境アセスメントの手続の新設、風 実を図っていきます。環境影響の予測・評価手法、 力発電施設の法対象事業への追加などについ 環境保全措置について継続的に検討を加え、環 て、法の見直しを含め必要な措置を講じます。 境影響評価に必要な情報提供、技術的支援を実 ( 環境省 ) 施するとともに、環境影響評価に係る関係者間の 〇基本的事項は常にその妥当性についての検討 コミュニケーション促進のための手法の検討を行 を行うことが必要であり、前回の点検 ( 平成 17 っていきます。 ◆◆第 2 部第 2 章 横断的・基盤的施策 第 8 節環境影響評価など 293 ◆◆

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自然公園は、観光周遊旅行の目的地だけでは 体制の再構築に向けた取組を実施していきま なく、自然とのふれあいや環境学習の場であり、国 す。 ( 環境省 ) 民が日本のありのままの自然とふれあい、自然の仕 〇地域の自然に精通した住民、民間団体などの 組みを学ぶことができる貴重な場所として、その役 自発的な自然環境の保全・管理を推進するた 割、機能を強化、充実していくことが必要です。 め、一定の管理能力を有する団体を公園管理 また、奥山、島嶼、高山などの原生的な生態系 団体として指定し、より実態に即したきめ細や を有する地域では、過剰利用による植生破壊など かな管理を支援します。また、土地所有者によ の問題が生じているなど、自然公園の利用の適正 る管理が不十分で風景・生態系などが荒廃し 化に向けた取組を進めていくことが必要です。 た場所について公園管理団体と土地所有者間 の風景地保護協定締結を推進し、団体の活動 【具体的施策】 の場を増やすことにより、より一層の自然公園内 〇優れた自然環境を有する自然公園をフィールド の風景地の保全・管理を図ります。 ( 環境省 ) に、自然観察会の実施やビジターセンターなどに 〇国立公園の核心部でシカによる植生被害などが おける自然環境保全についての普及啓発活動 生じている地域においては、科学的データに基 を推進します。また、日本の自然環境のすばらし づき、自然公園法改正により創設された生態系 さをパンフレットやホームページなどを活用して 維持回復事業により、植生防護柵の設置やシカ 国内外に PR するとともに、自然環境への理解を の捕獲による個体数調整などの対策を順応的 深め、自然とふれあうための情報の整備と提供 に実施します。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 2 章 1 節 2. 3 ) ] を推進します。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 2 章 3 節 3. 1)] 〇国立公園において、生態系へ悪影響を及ばして 〇環境教育・環境学習の推進、エコツーリズムの いる外来種についても、生態系維持回復事業な 推進など、自然公園利用の質の向上に向けた どにより、捕獲などの防除事業を実施します。ま 検討、取組を推進します。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 2 章 た、悪影響を及ばすおそれのある外来種につ 3 節 3. I)) いて、侵入や悪影響を未然に防ぐための種の 〇自然公園法に基づく利用調整地区の指定や利 取扱方針の策定やリスク評価手法の検討を行 用誘導などによる利用の分散・平準化のため うとともに、特別保護地区などにおける外来種の の対策を検討・実施します。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 2 放出の規制を行います。国立公園内の法面緑 章 3 節 3. 1)] 化などに用いられる緑化植物種についても、外 〇利用者の集中など過剰利用による植生破壊や 来植物の取扱方針を策定し、地域の生物多様 かくらん 野生動物の生息環境の攪乱などを防止するた 性に配慮した緑化を推進します。 ( 環境省 ) め、湿原における木道の敷設、高山植物群落に 〇自然公園内の自然環境が劣化している場所や おける立入防止柵の設置など適切な施設整備 生態系が分断されているような場所では、自然 を実施します。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 2 章 3 節 3. 2 ) ] 再生事業を推進します。 ( 環境省 ) 〇国立・国定公園内の利用の集中する場所でマ イカー規制の取組を支援することで、渋滞など 2.3 自然公園の利用の推進 による影響の緩和やマイカーによる二酸化炭素 【現状と課題】 ◆◆第 2 部第 1 章 国土空間的施策 第 2 節重要地域の保全 1 0 / ◆◆

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ニズム解明に関する基盤的研究を実施するほ ます。また、「底質タイオキシン類対策の基本的 考え方」 ( 平成 19 年 7 月 ) 、「底質の殞オキシン類 か、引き続き OECD によるテストガイドラインの国 際標準化に貢献します。その他、各地域で実 対策技術資料集 ( 案 ) 」 ( 平成 19 年 4 月 ) 、「河川、 施されている自然観察など既存の活動を支援 湖沼等における底質殞オキシン類対策マニュ アル ( 案 ) 」 ( 平成 20 年 4 月改訂 ) を取りまとめたと することにより、継続的な野生生物観察を推進 します。 ( 環境省 ) ころであり、これらを活用して、汚染された河川 〇水生生物の保全に係る水質環境基準につい の底質対策を促進します。 ( 国土交通省 ) て、国が類型指定する水域で類型指定未了の 〇農薬取締法に基づき、水産動植物の被害防止 ものについては、対象水域の情報を収集・整理 に係る農薬登録保留基準の設定を進めます。 したうえで、中央環境審議会水環境部会水生 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 1 章 6 節 1. 1)] 生物保全環境基準類型指定専門委員会の審 〇農薬による陸域生態系へのリスク評価・管理の 議に諮り、順次、類型指定の検討を行っていき 導入に向け、その手法を確立します。 ( 環境省 ) ます。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 1 章 8 節 2. 1. 1)] [ 再掲 ( 1 章 6 節 1. I)] 〇「都道府県が行う水域類型指定事務の処理基 〇農用地及びその周辺環境の生物多様性を保 準」の通知 ( 平成 18 年 6 月 ) により、都道府県が 全・確保できるよう、農薬の生物多様性への影 指定する水域の類型指定に係る普及を図りま 響評価手法を開発します。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 1 章 す。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 1 章 8 節 2. 1. 1)] 6 節 1. 1)] 〇水生生物の保全に係る水質環境基準につい 〇光害対策ガイドラインに沿った対策が取られるよ て、毒性値が高いとされる物質について必要な う、ガイドラインの普及啓発を図ります。 ( 環境省 ) 科学知見のレビューを行い、有害性評価を進め 〇光害対策ガイドラインの内容は、照明関連技術 ていきます。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 1 章 8 節 2. 1. 1)] の向上などに基づき見直されるべきものである 〇水生生物の保全に係る水質環境基準の設定に ことから、必要に応じて逐次ガイドラインを見直 し、その充実を図っていきます。 ( 環境省 ) 応じて、その維持・達成のために排水規制など の必要な環境管理施策を適切に講じるととも 4. 動物の愛護と適正な管理 に、公共用水域における水質環境基準の達成 【施策の概要】 状況について常時監視を行います。 ( 環境省 ) 飼養動物を生物多様性との関連で見ると、自然 [ 再掲 ( 1 章 8 節 2. 1. 1 ) ] 〇河川において、内分泌かく乱作用を有すると疑 生態系への導入による在来生態系への影響など われる化学物質、「ダイオキシン類対策特別措 の問題があり、飼養に際して適正に管理すること が重要です。また、家畜化されていない野生由来 置法で定義されているダイオキシン類について、 それぞれ「水環境における内分泌かく乱化学 の動物の飼養については、動物の本能、習性及 物質に関する実態調査結果」 ( 平成 14 年 12 月 ) 、 び生理・生態に即した適正な飼養の確保が一般 「河川、湖沼等における殞オキシン類常時監視 的に困難なことから、限定的であるべきです。さら に、命ある動物を正当な理由なく殺し傷つけ、苦 マニュアル ( 案 ) 」 ( 平成 17 年 3 月 ) に基づき、引き 続き調査結果に応じ適切にモニタリングを行い しめることのないようにするのみでなく、その習性を ◆◆第 2 部第 2 章 横断的・基盤的施策 第 1 節野生生物の保護と管理 21 / ◆◆

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部科学省 ) [ 再掲 ( 同節 4. 1)] ◆◆◆第 4 節◆◆◆ 〇環境保全に関する専門的な知識や経験を有す 国際的取組 る人材を環境カウンセラーとして登録し、広く活 用を図ります。 ( 環境省 ) 【基本的考え方】 〇民間団体が行う、環境保全活動や環境教育を 生物多様性の保全と持続可能な利用は、一国 行う人材を育成又は認定する事業で、一定の のみの問題ではなく人類の共通の課題であるこ 基準を満たすものを登録し、広く活用を図りま とから、わが国の能力を活かし、その国際社会に す。 ( 環境省 ) 占める地位にふさわしい取組を積極的に推進す 〇アジアにおける環境人材育成ビジョンを策定し る必要があります。 官民連携コンソーシアムの構築を通じ、アジア また、開発途上国の多くは、地球規模の生物多 の大学・大学院での環境人材育成プログラム 様性の保全上重要な自然環境を有していますが、 開発支援などを行い、高等教育機関における 人口増加、経済活動の拡大、貧困などをはじめと 環境人材育成を推進します。 ( 環境省 ) した社会、経済状況、技術的な課題から、単独で 〇生物多様性分野でリーダーシップをとるため、生 は生物多様性の保全を適切に行うことが困難な 物多様性条約関連会合への派遣など、国内の 国が多い状況です。多くの住民が生活の基盤を 生物多様性分野の専門家の発掘・支援・育成を 生物多様性 ( 生物資源 ) に依存しているため、開発 行います ( 環境省、外務省 ) [ 再掲 ( 2 章 4 節 1.1)] 途上国における生物多様性の喪失は、環境の悪 〇森づくり活動の指導者や森林環境教育を推進 化とともに貧困にもつながります。開発途上国にお する人材を育成・支援します。 ( 農林水産省 ) ける生物多様性の保全と持続可能な利用を推進 していくことは、国際社会全体にとって重要です。 国際的な取組を進めるにあたっては、生物多様 性に関連する諸条約や国際的プログラムへの積 極的な関与、開発途上国への協力だけでなく、こ れら国際的取組の円滑な実施のための国内基盤 を整備したり、地方公共団体又は民間団体などの 活動の推進も必要です。同時に、政府などの公的 な資金による協力や企業の海外活動に際しては、 適切な環境配慮が行われることが必要です。 生物多様性条約における「 2010 年 ( 平成 22 年 ) までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させ るとの目標 ( 2010 年目標 ) 」の目標年であり、国連の 「国際生物多様性年」でもある 2010 年 ( 平成 22 年 ) に、愛知県名古屋市において、 COPIO が開催さ れます。わが国としては COPIO を契機に、地球的 な視野のもとに国内外での積極的な取組を一層 ◆◆第 2 部第 2 章 横断的・基盤的施策 第 4 節国際的取組 24 / ◆◆

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下層植生の採食などによって自然環境保全上の 支障が懸念される地域もあり、地球温暖化による 生態系への影響も予期されます。 このため、平成 21 年の自然環境保全法の改正 も踏まえ、最新の知見に基づき、国土全体の生態 系の多様性保全の観点から、新たな地域の指定 を進めていくとともに、既に自然環境保全地域など に指定されている地域については生態系の現況 やその変化を把握したうえで、必要な対策を行う など管理の充実を図る必要があります。 【具体的施策】 〇国土の生態系ネットワーク形成を促進するた め、自然環境保全基礎調査や各種調査の結果 などの科学的知見や既存の都道府県自然環境 保全地域の指定状況などを踏まえ、全国的に 生物多様性を保全するうえでの見地から配置 や規模などについてレビューを行い、必要に応 じて、原生自然環境保全地域及び自然環境保 全地域の指定又は拡張に向けた取組を進めま す。特に、自然環境保全地域については、自然 環境保全法の改正を受け、海域保全施策の充 実を図るため、海域における新たな地域の指 定に向けた取組を進めます。 ( 環境省 ) 〇既存の指定地域においては、自然環境保全法 の改正を受け、生態系に関する現況調査や評 価などを行い憫係者との連携・調整を図りつつ、 必要な対策を検討・実施します。また、モニタリン グサイト 1000 などを活用して、地球温暖化による 影響を含めた生態系の変化をモニタリングし、 管理に必要なデータの蓄積を図ります。さらに、 保全状況や利用状況などの現況把握を継続的 に行うとともに、標識などの整備や巡視の強化な どにより適正な管理を進めます。 ( 環境省 ) ◆◆ 1 04 1 .2 都道府県自然環境保全地域 【現状と課題】 平成 21 年 3 月現在、 537 地域の都道府県自然環 境保全地域 ( 76 , 403ha ) が指定されています。平 成 19 年度及び 20 年度の 2 年間では、新たに 2 地域 が指定されました。 本地域は、地域固有の生態系や希少野生動植 物の生息・生育地を保全することを通じて、地域 レベルの生物多様性を確保するうえで重要な役 割を果たしていますが、これらの地域の現況が全 国的には十分に把握されているとはいえません。 また、総指定面積は国土の 02 % であり、決して広 いとはいえません。 【具体的施策】 〇地域において相対的に自然性の高い自然環境 を保全することは、国土全体を通じて多様な生 態系を確保するうえで非常に重要であることか ら、都道府県と連携し、指定地域の生態系の 保全状況などの把握に努めます。 ( 環境省 ) 〇今後とも、都道府県による指定、管理に対して 必要な助言などを行います。 ( 環境省 ) 2. 自然公園 【施策の概要】 「自然公園法」に基づく自然公園には、国立公 園 ( 29 公園、 2 , 087 , 475ha ) 、国定公園 ( 56 公園 1 , 362 , 030ha ) 及び都道府県立自然公園 ( 312 公園、 1 , 968 , 465ha ) の 3 種類があります ( 指定面積はいす れも平成 22 年 3 月現在 ) 。 国立公園はわが国を代表する優れた自然の風 景地であり、国定公園はこれに準ずる優れた自然 の風景地であって、環境大臣が指定するものです。 また、都道府県立自然公園は都道府県における 優れた自然の風景地であって、関係都道府県条

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改善されたものの、海域によっては貧酸素水塊な どが発生し、水利用や水生生物などの生息、生 育に障害が生じるとともに、干潟・藻場の喪失に より生物生息環境が悪化し、水産資源を含む生 態系の劣化が進んでいます。 人口や産業が集中する東京湾、伊勢湾及び瀬 戸内海においては、昭和 54 年から 6 次にわたり水 質総量削減を実施するなど、水環境の改善に取 り組んできました。しかしながら、現在もなお貧酸 素水塊や赤潮が発生するなど、水環境の改善は 十分とはいえない状況です。そこで、閉鎖性海域 の汚濁メカニズムなどを解明するとともに、閉鎖性 海域の水環境を改善するための、より効果的な対 策のあり方についても検討する必要があります。 また、都市再生プロジェクト第三次決定 ( 平成 13 年 12 月 ) の海の再生の実現に向けて、関係省庁、 関係地方公共団体などが連携して、「東京湾再生 のための行動計画」、「大阪湾再生行動計画」及 び「伊勢湾再生行動計画」を策定し、陸域からの 汚濁負荷の削減、海域における環境改善、環境 モニタリングなどの各種施策を推進しています。さ らに国土交通省環境行動計画 ( 平成 16 年 6 月 ) を 受け、広島湾においても、「広島湾再生行動計画」 を策定し、これに基づく施策を推進しています。 今後は水質環境改善が必要な他の閉鎖性海域 についても、全国海の再生プロジェクトを展開して いくことが課題です。 広大な干潟と大きな干満差を持っ有明海・八代 海は、特異な生態系と多くの特産種を有していま すが、近年、貧酸素水塊や赤潮の発生、魚介類の 減少などの問題が生じており、両海域の海域環境 の保全、生物資源の回復が急務となっています。 【具体的施策】 〇モデル事業での水質・生物調査や市民参加型 ◆◆ 198 のモニタリングなどを実施するとともに、「里海」 づくりマニュアルの作成、シンポジウムなど広報 を通じて国内のみならすアジアに向け「里海」 の概念を情報発信します。 ( 環境省 ) 〇東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海については、平 成 21 年度を目標年度とした第 6 次水質総量削減 を着実に実施します。また、外海水の及ばす影 響など汚濁メカニズムを調査するとともに、今後 の閉鎖性海域の環境改善対策を総合的に推 進していくため、水域ごとの長期目標を設定す るなど中長期ビジョンの策定に取り組みます。 ( 環境省 ) 〇閉鎖性海域の水質改善のため、流入する汚濁 負荷量の削減や、干潟の保全・再生などの施 策を推進します。 ( 国土交通省 ) 〇都市再生プロジェクト第三次決定「海の再生」 の実現に向けて、「東京湾再生のための行動計 画」、「大阪湾再生行動計画」及び「伊勢湾再生 行動計画」に基づき、各種施策を推進します。 また、「広島湾再生行動計画」に基づき各種施 策を推進するとともに、水質環境改善が必要な 閉鎖性海域について、全国海の再生プロジェク トを展開します。行動計画の進捗状況につい てフォローアップを行い、その着実な実施に努 め、必要に応じて行動計画の見直しを行いま す。 ( 内閣官房、国土交通省、農林水産省、経 済産業省、環境省 ) 〇平成 18 年 12 月に有明海・八代海総合調査評価 委員会で策定された委員会報告を踏まえ、海 域環境、生態系の保全・回復を図り、その再生 につなげていくため、二枚貝の浄化能力などの 生態系の機能を活用した環境改善手法の策定 に取り組みます。 ( 環境省 )

10. 生物多様性国家戦略2010

において、人工林の抜き伐りによる希少野生動 息地などの整備の事業を推進することが必要 植物の採餌環境及び餌となる動物の生息環境 な種を対象に、保護増殖事業計画を策定し、 を整備する施業などのほか、森林の状態や野 これらの事業を実施します。 ( 環境省、農林水産 生動植物の生息・生育状況を把握するための 省、国土交通省、文部科学省 ) モニタリング調査などを実施します。また、特に 〇絶滅のおそれのある野生動植物の種の安定し 保護を重視すべき野生動植物については、生 た存続を確保するためには、生息・生育地の確 息・生育状況の把握や生息・生育環境の維持、 保は欠かせないものであることから、必要に応 整備などを進めます。 ( 農林水産省 ) じ鳥獣保護区、自然公園など関連する他の制 〇希少植物の保全については、市民や研究者な 度における保護施策とも緊密に連携しながら、 どのさまざまな主体で構成される NGO が主体 国内希少野生動植物種について、生息・生育 となって、 2002 年 ( 平成 14 年度 ) の COP6 で採択 環境が良好に維持されている場所などを優先 された「世界植物保全戦略」を受けた日本の植 的に、生息地等保護区の指定の推進を図りま 物保全の進捗状況のレビューが進められてい す。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 1 章 2 節 4. 1)] ることから、この取組への必要な支援を行いま 〇生息地等保護区ごとに定めている保護の指針に す。 ( 環境省 ) 従い、適切な管理や、生息・生育環境の維持・改 〇絶滅のおそれのある猛禽類については、良好 善を行うとともに、対象種の生息・生育状況の把 な生息環境の保全のため、イヌワシ、クマタカ、 握に努め、必要に応じ保護の指針や区域の見直 オオタカの保護指針である「猛禽類保護の進め しを検討します。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 1 章 2 節 4. l)] 方」の改訂などの取組を進めます。 ( 環境省 ) 〇生物多様性総合評価により選定される重要地 〇ジュゴンについては、引き続き、生息環境のモ 域 ( ホットスポット ) については、優先的に保護地 ニタリングや漁業者との共生に向けた取組を進 域の指定などの検討を進めるとともに、自然再 めます。 ( 環境省 ) 生や里地里山保全・再生、希少種の保護増殖、 特定鳥獣の保護管理、外来種の防除など各種 事業により、可能な限り各省、地方公共団体、 1 .3 生息域外保全 【現状と課題】 NGO 、企業などとの連携も図りながら、その保 トキ、ツシマヤマネコ、ヤンバルクイナなど、絶滅 全と回復に努めます。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 2 章 5 節 1. の危険性が極めて高く、本来の生息域内におけ る保全施策のみで種を存続させることが難しいと 〇高山地域や沿岸地域など、地球温暖化の影響 思われる種について、生息域外保全の取組が進 を受けやすいと考えられる地域における希少 められています。 野生動植物種の生息・生育状況の変化につい このような中、平成 19 年度から、わが国の生息 ては、モニタリングサイト 1000 なども活用して、 域外保全の取組に関する基本的な考え方を整理 重点的な注視を続けます。 ( 環境省 ) [ 再掲 ( 2 章 して、効果的かつ効率的な取組の推進と各事業 5 節 2. 2 ) ( 2 章 6 節 1. l)] の連携を確保することなどを目的とし、体系的な 〇「保護林」において、希少な野生動植物の生 息・生育環境を保護するとともに、「緑の回廊」 生息域外保全のあり方について検討を行い、平 203 ◆◆ 2 ) ] ◆◆第 2 部第 2 章 横断的・基盤的施策 第 1 節野生生物の保護と管理