防止 - みる会図書館


検索対象: 生物多様性国家戦略2010
132件見つかりました。

1. 生物多様性国家戦略2010

づくりに取り組むとともに、土壌・作物診断に基 づき、たい肥などの有機質資材に含まれる肥 料成分を勘案した合理的な施肥を推進し、土 壌微生物の生息数、多様性など土壌の生物的 性質を維持・向上させることなどにより、地カの 維持・増進に努めます。 ( 農林水産省 ) 〇土壌の肥沃度や土壌病害の発生・抑止、物質 循環に大きな関わりを持つ土壌微生物につい て、農業生産への活用を図るため、それらの働 きの解明などの基盤技術の開発を推進します。 ( 農林水産省 ) 〇病害虫などの防除については、病害虫・雑草の 発生を抑制する環境の整備に努め、病害虫発 生予察情報の活用やほ場状況の観察による適 切な防除のタイミングの判断に基づき多様な防 除手法による防除を実施する総合的病害虫・ 雑草管理 ( IPM ) を積極的に推進するとともに、 天敵に影響の少ない化学合成農薬の利用など を推進します。これらの取組により、土壌微生 物や地域に土着する天敵をはじめ農業生産環 境における生物多様性保全をより重視した防除 を推進します。 ( 農林水産省 ) 〇このほかにも、冬期湛水をはじめ生きものをは ぐくむさまざまな農業技術が見られることから、 これらの技術に関する情報や地域での取組事 例の収集・提供に努めます。 ( 農林水産省 ) 〇以上のような生物多様性保全をより重視した農 業技術の普及を推進します。 ( 農林水産省 ) 1 .3 鳥獣被害を軽減するための 里地里山の整備・保全の推進 【現状と課題】 里地里山には、多くの野生動物が生息しており、 生態系の中でそれぞれ重要な役割を持っていま す。また、人間生活と密接に関わり、必要な資源 ◆◆ 148 として利用されてきました。一方、昔から、農民が ししどて ししがき 収穫物を守るために築いた猪土手や猪垣が象徴 しているように、イノシシなどによる農業被害が生 じていました。 近年、里地里山における人間活動の低下や耕 作放棄地の増加、狩猟者の減少、少雪化傾向に よる生息適地の拡大などに伴い、イノシシ、シカ、 サルなどの獣類による農作物被害が深刻になって きています。また、アライグマなどの外来生物は農 林水産物被害を与えるだけでなく、里地里山の生 態系を脅かす存在となっています。 野生動物は、農地に接する藪などを隠れ場所 として農地に侵入することから、人と鳥獣の棲み 分けを進めることが重要であり、鳥獣被害を防止 するには、生息環境管理を進めるとともに、個体 数調整、被害防除に総合的に取り組むことが必 要です。また、被害防止対策を持続的に実施す る観点から、捕獲した鳥獣を地域資源として捉え、 有効活用することも重要です。 こうした中、鳥獣による農林水産業などに係る 被害の防止のための施策を総合的かつ効果的に 推進していくことを目的として、平成 20 年 2 月に 「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止の ための特別措置に関する法律」 ( 鳥獣被害防止特 措法 ) が施行されました。 【具体的施策】 〇農地に隣接した藪の刈払いなど里地里山の整 備・保全の推進、生息環境にも配慮した針広混 交林化、広葉樹林化などの森林の整備・保全 活動を推進します。 ( 農林水産省、環境省 ) 〇鳥獣被害防止特措法により、市町村が作成す る被害防止計画に基づき、人と鳥獣の棲み分 けを進める里地里山の整備などによる生息環 境管理の対策、鳥獣の捕獲や捕獲された個体

2. 生物多様性国家戦略2010

化」を図っていくとされており、これらを踏まえ、干 潟・藻場の保全・再生・創出などを積極的に行う とともに、汚泥浚渫による水質改善、多様な生物 の生息・生育空間であり地域住民が自然に親し める貴重な場所になる港湾緑地の整備などを行 い総合的に良好な海域環境を積極的に創造して いくこととしています。 沿岸域の水質環境改善への具体的取組として、 干潟などの各種機能を評価し、生態系保全、自然 の浄化能力、水産などの産業への寄与、防災効 果などの視点から、重要な干潟などについては可 能な限り保全することが必要であるとともに、必要 性の高い場所においては干潟の再生などを積極 的に行うこととしています。 4. 1 港湾環境の保全・再生・創出 【現状と課題】 これまで全国において干潟・浅場などの保全・ 再生事業を実施してきており、例えば、三河湾や 尾道糸崎港などで再生した干潟においては、水 質が改善され、生息する生物が増加するなどの効 果が確認されています。 しかしながら、東京湾や大阪湾などの閉鎖性 海域では依然として COD の環境基準の達成率が 低く、赤潮や青潮が発生しています。さらに、三大 湾や瀬戸内海などでは過去の埋立てやコンクリー ト骨材用の土砂採取により大規模な窪地深掘跡 ) が海底に点在しており、青潮の原因となる貧酸素 水塊の発生場所となっています。これらの対策と して、浚渫土砂の粒径などによる分別処理やリサ イクル材の活用などを行うことで、より一層浚渫土 砂を有効活用し、覆砂、深掘跡の埋戻し、干潟な どの造成を推進していく必要があります。また、直 立壁面が多く壁面付着生物しか見られなくなって いる場合があり、干潟や浅場、海浜などの再生や ◆◆ 1 96 創出に取り組むとともに、緩傾斜護岸など構造物 においても生物多様性の保全への配慮を可能な 限り行うことが重要です。 【具体的施策】 〇海底にたい積した有機汚泥の浚渫を推進しま す。 ( 国土交通省 ) 〇港湾整備により発生した浚渫土砂を有効活用 し、干潟・藻場などの造成、深掘跡の埋め戻し を推進します。 ( 国土交通省 ) [ 再掲 ( 同節 1. 3 ) ] 〇リサイクル材の干潟造成への活用に向けて、現 地実証試験を実施します。 ( 国土交通省 ) 〇広域的な浚渫土砂などの品質調整・需給調整 手法の検討を行います。 ( 国土交通省 ) 〇多様な生物の生息・生育空間であり、地域住 ます。 ( 国土交通省 ) 〇老朽化対策と併せて、生物共生機能を付加さ せた港湾構造物の導入を推進します。 ( 国土交 通省 ) 5. 海域汚染対策 【施策の概要】 海洋環境の保全対策として、海洋汚染の防止 については「海洋汚染防止条約」 ( MARPOL 条約 ) を国内法制化した「海洋汚染等及び海上災害の 防止に関する法律」 ( 海洋汚染防止法 ) により船舶 からの油、有害化学物質及び廃棄物の排出によ る規制を行なっており、また、船舶バラスト水を通 かくらん じて移動する外来種による海洋生態系の攪乱な どの防止については、 2004 年 ( 平成 16 年 ) に国際 海事機関 ( IMO ) において、問題を規制する「バラ スト水管理条約」が採択されました。現在、同条 約の発効についての作業が行われているところで あり、わが国も引き続き条約の発効に必要な作業

3. 生物多様性国家戦略2010

わが国では、人と多様な鳥獣との適切な関係 られるカワウの狩猟鳥獣への指定、シカのメスの を構築し、生物の多様性を維持していくため、鳥 捕獲禁止措置の解除及び生息域の減少傾向が 獣保護法に基づいて、鳥獣の保護、個体数管理、 見られるウズラの捕獲禁止措置などを行いました。 生息環境管理など総合的な鳥獣の保護管理を実 【具体的施策】 施しています。 また、鳥獣を資源利用や趣味として捕獲するだ 〇鳥獣の適正な生息数を維持するために一定の けでなく、鳥獣の個体数調整の手段としても重要な 区域に入猟する狩猟者の数を調整する入猟者 狩猟については、猟期や猟法の制限により狩猟に 承認制度を活用して、鳥獣の保護管理の一層 よる危険の予防を図るとともに、狩猟により捕獲でき の推進を図ります。 ( 環境省 ) る狩猟鳥獣を生息状況や害性などから 49 種類 ( 鳥 〇休猟区であってもシカやイノシシなどの特定の鳥 類 29 種、獣類 20 種 ) とし、捕獲により減少した狩猟 獣を捕獲できることとした休猟区における特例制 鳥獣を回復するために休猟区を指定するなどの措 度が有効に活用され、狩猟を活用した鳥獣の個 置を講じることにより、鳥獣の保護を図っています 体数管理が推進されるよう努めます。 ( 環境省 ) これらの鳥獣の保護管理と適正な狩猟の推進 〇鳥獣によって被害を受けている農家自らによるわ のため、狩猟の取締りや鳥獣保護に関する指導 なを用いた鳥獣の捕獲を推進するため、網・わ な猟免許を分離して創設した網猟免許・わな猟 などを行う都道府県の非常勤職員として鳥獣保 免許の制度を活用して、鳥獣の保護管理の担 護員 ( 平成 18 年度 3 , 188 名 ) が任命されています。 い手の確保に努めます。 ( 環境省、農林水産省 ) 近年、シカやイノシシなどの鳥獣が地域的に増 加し、農林水産業や生態系などに深刻な被害を 〇猟法規制の遵守徹底を図り、錯誤捕獲の防止 与えており、他方でこれらの鳥獣の捕獲の担い手 などわなによる適正な捕獲や狩猟などに伴う危 険防止を推進します。 ( 環境省 ) である狩猟者数の減少が進んでいます。また、鳥 〇狩猟鳥獣などの生息状況をモニタリングし、定 獣の生息環境の悪化などにより、渡り鳥の飛来数 期的に狩猟鳥獣の指定を見直します。 ( 環境省 ) が減少している事例や、地域的に鳥獣の個体数 が減少している事例があります。 〇有害鳥獣による被害防止を効率的かっ適正に 行うため、鳥獣保護員については、適切な人選 このような状況を踏まえ、鳥獣保護法による狩 や配置、計画的な研修などを推進し、これまで 猟規制を見直し、狩猟を活用した鳥獣の適切な 保護管理を進め、鳥獣の保護施策の一層の推進 以上の効果的な活動が行われるよう努めます。 ( 環境省 ) を図るため、平成 18 年には鳥獣保護法を改正し、 可猟区における入猟者承認制度、休猟区におけ 2.3 科学的・計画的な保護管理 る特例制度、特定猟具制限区域及び網猟免許・ 【現状と課題】 わな猟免許の創設などを行いました。 また、平成 19 年には鳥獣保護法施行規則を改 シカやイノシシなどのように個体数が著しく増加 正し、とらばさみの狩猟における使用を原則禁止 し、分布域が拡大している鳥獣による、農林水産 し、くくりわなの構造規制を強化するとともに、狩 物の食害や希少な自然植生の衰退など、農林水 猟鳥獣の見直しなどを行い、生息域の拡大が見 産業や生態系などに深刻な影響が現れています。 ◆◆第 2 部第 2 章 横断的・基盤的施策 第 1 節野生生物の保護と管理 20 / ◆◆

4. 生物多様性国家戦略2010

考慮して適正に取り扱うことを基本とした動物愛護 の考え方は、人と動物の共生社会の実現に向け、 国民の間に生命尊重、友愛などの情操を育て、ひ いては生物多様性の保全にも資するものです。 平成 17 年に「動物の愛護及び管理に関する法 律」が改正され、動物の愛護及び管理に関する施 策を総合的に推進するための基本的な指針を環 境大臣が定めることとなったほか、ペットショップ などの動物取扱業の登録制、特定動物 ( 危険な 動物 ) の飼養など規制の全国一律化、動物を科 学上の利用に供する場合の配慮規定などが新た に設けられました。 また、平成 21 年に「愛がん動物用飼料の安全 性の確保に関する法律」が施行され、ペットの健 康を保護し、動物の愛護に寄与するため、ペット フードの製造・輸入又は販売が規制されることと なりました。 今後は、これらの法律や平成 18 年に策定され た基本指針の趣旨にのっとり、動物の愛護と適正 な管理に関する施策を総合的に進めます。 4. 1 動物の適正飼養の推進 【現状と課題】 近年、大又はねこをはじめとした家庭動物などの 飼養に対する志向が高まりをみせ、国民の約 4 割が 動物を飼養しています ( 平成 20 年現在 ) 。このような 中、一部の劣悪な動物取扱業者や無責任な飼い 主による不適切な飼養が社会的に問題となったり、 遺棄又は逸走した飼養動物が野生化し、在来種 を捕食することなどによって、自然生態系に悪影響 を及ばしたりすることなどが問題となっています また、都道府県、指定都市及び中核市におけ る大及びねこの引取り数は、従前に比べて大幅 に減少しましたが、その絶対数は年間約 34 万匹 ( 平成 19 年度 ) であり、そのうち約 89 % が殺処分さ ◆◆ 2 1 8 れていることから、さらなる改善が必要です。 【具体的施策】 〇動物が命あるものであることを踏まえ、それぞ れの種の生理、習性、生態に配慮して適正に 飼養管理することや動物の遺棄及び虐待など の禁止行為の周知徹底を図ります。また、動物 取扱業者については、標識などの掲示、動物 販売時における動物の特性及び状態などに関 する事前説明の着実な実施などにより、一層の 適正化を推進します。さらに、実験動物を含む 飼養動物については、逸走防止などの観点か ら、法令を適切に運用するとともに、普及啓発 を推進します。 ( 環境省 ) 〇みだりな繁殖を防止するための不妊去勢措置 の推進、安易な飼養の抑制などによる終生飼養 の徹底などにより、都道府県などにおける大及 びねこの引取り数を平成 16 年度の約 42 万匹を 基準に平成 29 年度までに半減させるとともに、 飼養を希望する者への譲渡などを進めることに より、その殺処分率の減少を図ります。 ( 環境省 ) 4.2 個体識別措置の推進 【現状と課題】 動物の所有者が、その所有する動物が自己の 所有に係るものであることを明らかにするための措 置を講ずることは、動物の盗難及び迷子の発生の 防止に資するとともに、所有者責任の所在の明確 化による所有者の意識の向上などを通じて、動物 の遺棄及び逸走の未然の防止に寄与するもので す。しかし、平成 20 年度末現在、大又はねこに関 する所有者明示の実施率は大で 54 % 、ねこで 32 % にとどまっており、逸走及び遺棄された飼養動 物が野外で発見される事例が相次いでいます。

5. 生物多様性国家戦略2010

要 湖沼水質保全 水質環境基準の確保が緊要な湖沼について水質の保全に関し実施すべき施策に関する計画の 湖特別措置法 策定及び排水規制等の措置を講じることにより、湖沼の水質保全を図ることを目的とした法律。 生砂防法 砂防指定地において、砂防設備を施設し、また一定の行為を禁止・制限し、土砂生産の抑制を図 り、流れてくる土砂を適切に溜めることなどにより土砂災害を防止することを目的とした法律。 系 ・海洋基本法 海洋が人類をはじめとする生物の生命を維持する上で不可欠な要素であるとともに、わが国にお いて、国際的協調の下、海洋の平和的かっ積極的な開発及び利用と海洋環境の保全との調和 を図る新たな海洋立国を実現することが重要であることにかんがみ、海洋に関し、基本理念を定 め、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにし、並びに海洋基本計画の策定その他 海洋に関する施策の基本となる事項を定めること等により、海洋に関する施策を総合的かつ計画 的に推進することを目的とした法律。 水産基本法 国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図ることを目的として、水産に関する施策に ついて、基本理念及びその実現を図るのに基本となる事項を定めた法律。 、漁業法 漁業生産 ( 漁場の利用 ) に関する基本的制度を定め、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業 調整機構 ( 漁業調整委員会等 ) の運用によって水面を総合的 ( 重複的・立体的 ) に利用すること により漁業生産力を発展させ、あわせて漁業の民主化を図ることを目的とした法律。 洋水産資源保護法 水産動植物の採捕の制限、対象種の捕獲が可能な漁船 ( 許可漁船 ) の定数などの規制的な措 置、及び保護水面、溯河魚類の国営孵化放流などの積極的な維持培養措置とを定めることによ 生 り、水産資源の保護培養を図り、その効果を将来にわたって維持することにより、漁業の発展に寄 与することを目的とした法律。 を海岸法 津波、高潮、波浪その他海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するとともに、海岸環境 の整備と保全及び公衆の海岸の適正な利用を図り、もって国土の保全に資することを目的とした 各 法律。 生 寰港湾法 交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、環境の保全に配慮しつつ、港湾 態 の秩序ある整備と適正な運営を図るとともに、航路を開発し、及び保全することを目的とした法律。 系 の 海洋汚染等及び 船舶、海洋施設及び航空機から海洋に油、有害液体物質等及び廃棄物を排出すること、海底の 保 ~ 海上災害の防止 下に油、有害液体物質等及び廃棄物を廃棄すること、船舶から大気中に排出ガスを放出すること に関する法律 並びに船舶及び海洋施設において油、有害液体物質等及び廃棄物を焼却することを規制し、廃 油の適正な処理を確保するとともに、排出された油、有害液体物質等、廃棄物その他の物の防除 用 並びに海上火災の発生及び拡大の防止並びに海上火災等に伴う船舶交通の危険の防止のた めの措置を講ずることにより、海洋汚染等及び海上災害を防止し、あわせて海洋汚染等及び海上 災害の防止に関する国際約束の適確な実施を確保し、もって海洋環境の保全等並びに人の生 命及び身体並びに財産の保護に資することを目的とした法律。 都市公園の定義、都市公園に関する公園施設の定義、設置に関する基準及び占有する場合の 許可と条件、公園管理者による都市公園の保存義務、都市公園台帳の作成等管理、立体公園 制度に関する事項を定めることにより、都市公園の健全な発展を図ることを目的とした法律。 都市における緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画、緑地保全地域、特別緑地保全地 区及び緑化地域の都市計画上の位置づけ、緑地保全地域及び特別緑地保全地区内での行為 規制、特別緑地保全地区に係る土地の買入れ、緑地協定、緑地管理機構の指定・業務などにつ いて定めることにより、都市における緑地を保全するとともに緑化や都市公園の整備を推進する ことにより、良好な都市環境の形成を図ることを目的とした法律。 都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄 与することを目的として、土地利用や都市施設の整備等の都市計画の内容やその決定手続き等 について定めた法律。土地利用の関する事項の一つとして風致地区内における建築等の寄生に ついて定めている。 首都圏整備法 ( 1956 ) により指定された近郊整備地帯における良好な自然の環境を有する緑地 首都圏近郊緑地 の保全に関し必要な事項を定めることにより、近郊整備地帯の無秩序な市街地化を防止し、もっ 保全法 て首都圏の秩序ある発展に寄与することを目的とした法律。 近畿圏整備法 ( 1963 ) により指定された保全区域内における文化財の保存、緑地の保全又は観 近畿圏の保全 光資源の保全若しくは開発に資することを目的とした法律。 区域の整備に 関する法律 都市公園法 都市緑地法 去 画 計 市 都市の生態系 3 1 7 ◆◆

6. 生物多様性国家戦略2010

防止に努めるなど、狩猟の適正な管理を進めま す。また、野生鳥獣の救護体制の整備について 地方公共団体と連携しつつ進めていきます。 2. 1 鳥獣保護区の指定と管理 [ 再掲 ( 1 章 2 節 3. 1)] 【現状と課題】 国指定鳥獣保護区については、渡り鳥の生息 地などとして国際的に重要な湿地などの指定が 進み、指定箇所数・面積は 73 か所、 565 , 471ha ( 平 成 22 年 3 月現在 ) となっています。また、都道府県 指定鳥獣保護区は 3 , 809 か所、 3 , 081 , 904ha ( 平成 21 年 12 月現在 ) となっています。 鳥獣保護区においては、モニタリング調査などに より鳥獣の生息状況を的確に把握したうえで適切 な管理を進めていくことが必要です。近年、鳥獣保 護区となっている湖沼の周辺地域から土砂が流入 一部の動物が急激に増加したりすることな どにより、鳥獣の生息環境の悪化が問題となってい る鳥獣保護区もあることから、平成 18 年に鳥獣保 護法が改正され、鳥獣保護区における湖沼の陸地 化を防いだり、鳥獣の生息に支障を与える動物の 侵入を防ぐなどの生息環境の改善を行う保全事業 が創設されました。平成 19 年度からは、国指定片 野鴨池鳥獣保護区や国指定漫湖鳥獣保護区など において、保全事業の取組が行われています。 【具体的施策】 〇鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定は、鳥 獣の保護を図るうえで根幹となる制度であり、鳥 獣の生息環境を確保し、同時に鳥獣以外の生 物を含めた地域の生物多様性の維持回復や向 上にも資するため、今後とも指定の推進を図りま 関する科学的知見に基づき、鳥獣の重要な生息 ◆◆ 206 地の把握に努め、そのような地域に鳥獣保護区 を優先的に指定していきます。また、多様な鳥獣 の生息環境を確保するという視点から、多様な 生態系や生物群集のタイプが含まれるような指 定に努めます。そのひとっとして、沿岸・海洋域に おける海鳥類の重要な繁殖地について保護区 の指定に努めることで、沿岸・海洋域の保全を 推進します。国指定鳥獣保護区においては、関 係機関との調整を図りながら、全国的又は国際 的な見地から鳥獣の保護上重要な地域につい て、今後とも指定の推進を図ります。 ( 環境省 ) 〇自然公園など関連する他の制度における保護施 策とも緊密に連携しつつ、渡り鳥の集団渡来地 などについて鳥獣保護区の指定を進め、渡り鳥 の国際的な生息地のネットワークを確保するなど、 生態系ネットワークの確保に努めます ( 環境省 ) 〇鳥獣保護区においては、定期的な巡視、鳥獣の 生息状況の調査などの管理を実施するとともに、 人と野生鳥獣との共生を図るため、人の利用の 適正な誘導、野生鳥獣の生態などに関する普及 啓発、鳥獣の生息に適した環境の保全・整備を 推進し、適切な管理を行っていきます。特に国指 定鳥獣保護区については、鳥獣保護区ごとに定 めている保護管理方針を示すマスタープランに 基づき、管理の充実に努めます。また、鳥獣保護 区において鳥獣の生息環境が悪化した場ムに 必要に応じて鳥獣の生息地の保護及び整備を 図るため鳥獣の繁殖や採餌などの施設の設置、 土砂の除去や水質改善などの施設の設置、鳥 獣の生息に支障を及ばす動物の侵入を防ぐ侵 入防止柵の設置などの事業を行い、野生鳥獣 の生息環境の改善を図ります。 ( 環境省 ) 2.2 野生鳥獣の捕獲の規制 【現状と課題】

7. 生物多様性国家戦略2010

〇野生水生生物の保護を通して健全な生態系の 維持を図る観点から希少な野生水生生物の科 学的知見の集積・充実を図り、保全・管理手 法の開発を行います。 ( 農林水産省 ) [ 再掲 ( 同 節 1. 6 ) ] 〇サメ、海鳥、ウミガメの混獲生物については、混 獲の影響評価を進めるとともに、適切な混獲回 避技術の開発、改良及び漁業者への普及・啓 発を行うなど、混獲の削減を図ります。 ( 農林水 産省 ) [ 再掲 ( 同節 1. 6 ) ] 2.8 野生生物による漁業被害防止 対策の推進 【現状と課題】 漁業生産に大きな被害を与える大型クラゲなど の野生生物の大量発生は、海洋汚染や水産資源 の乱獲などによる生物生息環境の変化などが原 因との指摘もなされています。また、外来魚・カワ ウ・トドなどによる食害などにより、漁業被害が発 生するだけでなく、生態系のバランスが崩れ、生 物多様性の減少が懸念されています。このため、 科学的知見を踏まえた野生生物による漁業被害 防止対策を推進し、適切な生物多様性の保全を” 図ることが重要です。 【具体的施策】 〇環境の変化などによる漁業への悪影響を回避 し、生物多様性の保全を念頭に食害防止に向 けた効果的な外来魚の駆除やカワウの保護管 理などの適切な対策を講じます。 ( 農林水産省 ) 〇希少種でもあるトドによる漁業被害の防止にあ たっても、生物多様性の保全に配慮しつつ、そ の来遊頭数などの科学的知見を踏まえた被害 防止対策を推進します。 ( 農林水産省 ) [ 再掲 【具体的施策】 ◆◆ 1 92 ( 同節 1. 6 ) ] 〇鯨類などの大型生物による有用水産資源の捕 食の実態を把握し、科学的知見を踏まえて、そ の影響緩和の取組を推進します。 ( 農林水産省 ) [ 再掲 ( 同節 1. 6 ) ] 2.9 生物多様性に配慮した内水面 漁業の推進 [ 再掲 ( 1 章 8 節 1. 8 ) ] 【現状と課題】 河川・湖沼などの内水面は、漁業・養殖業の生 産の場として国民に魚介類を供給しているほか、 釣りやアウトドアスポーツなどレクリエーションの場 の提供を通じて自然とのふれあいの機会を創出 するなど国民生活にとって欠かせないものとなって います。しかしながら、近年、水産動植物の生 息・生育環境の悪化に加え、オオクチバスなど外 来魚、カワウによる食害やアユ冷水病の蔓延によ り内水面漁業・養殖業を取り巻く環境は厳しい状 況にあります。これらの問題に対応するうえでも、 内水面の生物多様性の保全をなお一層図ること が重要です。 【具体的施策】 〇漁場の耕うんや水田・用水路の活用などにより コイ、フナ、ウナギ、ヨシなどの水産動植物の生 息・生育環境を改善します。 ( 農林水産省 ) 〇生物多様性の保全の観点を含めた広域的な視 点に立って、食害防止に向けた効果的な外来 魚の駆除やカワウの保護管理、アユ冷水病、コ イへルベスウイルス病などに対する疾病対策を 推進します。 ( 農林水産省 ) 〇産卵場、種苗生産施設の整備や種苗放流の実 施により、漁業者を中心とした地域の人々によ って、生物多様性に配慮した資源増殖の取組 を推進するなど、内水面の生物多様性を保全

8. 生物多様性国家戦略2010

朝別 各 態 全 利 用 維持するための の生都市の美観風致を 市関する特別措置法 生都的風土の保存に 古都における歴史 法律名 態 遺伝子組換え 誓 ( 外来生物法 ) 関する法律 係る被害の防止に 物よる生態系等に 生特定外来生物に 法律 ( 種の保存法 ) 一種の保存に関する ある野生動植物の 絶滅のおそれの ( 鳥獣保護法 ) 関する法律 狩猟の適正化に 鳥獣の保護及び 関する法律 、樹木の保存に 概 要 野 の 保 護 理 生物等の使用等の 規制による生物の 多様性の確保に 関する法律 ( カルタへナ法 ) 動物の愛護及び 、管理に関する法律 化学物質の審査 響物学及び製造等の 規制に関する法律 農薬取締法 性に 止様質 防多物 影生化ー 環境影響評価法 そ の 他 ◆◆ 3 1 8 環境の保全の ための意欲の増進 及び環境教育の 推進に関する法律 工コツーリズム 推進法 ・。観光立国 推進基本法 わが国固有の文化的資産として国民がひとしくその恵沢を享受し、後代の国民に継承されるべき 古都における歴史的風土を保存するために国等において講ずべき特別の措置を定めた法律。 都市の美観風致を維持するため、樹木の保存に関し必要な事項を定ることにより、都市の健全な 環境の維持及び向上に寄与することを目的とした法律。 鳥獣の保護を図るための事業を実施するとともに、鳥獣による被害を防止し、併せて猟具の使用 に係る危険を予防することにより、鳥獣の保護と狩猟の適正化を図ることを目的とした法律。 希少野生動植物種を指定し、捕獲等、譲渡等及び輸出入を規制するとともに、生息地等保護区 の指定や保護増殖事業の実施などにより、絶減のおそれのある野生動植物の種の保存を図るこ とを目的とした法律。 特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止するため、特定外来 生物として指定した生物の輸入や取扱いを規制し、防除等を行うことを定めた法律。 カルタへナ議定書を国内で実施するために、使用形態に応じた遺伝子組換え生物等の使用等 の規制、輸出入に関する手続等について定めた法律。 動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に 動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物 の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止すること を目的とした法律。 化学物質による環境の汚染を防止するため、新規の化学物質の製造又は輸入に際し、事前にそ の化学物質が難分解性等の性状を有するかどうかを審査する制度を設けるとともに、その性状 等に応じ、化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行うことを目的とした法律。 農薬について登録の制度を設け、販売及び使用の規制等を行うことにより、農薬の品質の適正 化とその安全かっ適正な使用の確保を図ることを目的とした法律。 規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業について、あらかじめ、事業者 自らが調査・予測・評価を行い、その結果を事業の内容に関する決定に反映させることにより、適 正な環境配慮を行うことを目的とした法律。 持続可能な社会を構築する上で国民、民間団体等が行う環境保全活動並びにその促進のため の環境保全の意欲の増進及び環境教育が重要であることにかんがみ、環境保全活動、環境保全 の意欲の増進及び環境教育について、基本理念を定め、並びに国民、民間団体等、国及び地方 公共団体の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の環境保全の意欲の増進及 び環境教育の推進に必要な事項を定める法律。 工コツーリズムに関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、エコツーリズムについての基 本理念、政府による基本方針の策定、特定自然観光資源の保護に関する措置等を定めた法律。 観光をもって国が繁栄する状態 ( 観光立国 ) を実現するための基本的な事項を定めた法律。観 光立国の実現が 21 世紀のわが国経済社会の発展のために不可欠な重要課題であることを踏ま え、それに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、拠るべき基本理念、関係者の責務、 観光白書、政府が策定すべき観光立国推進基本計画、観光立国の実現のために国が講ずるべ き基本的施策の内容、国及び地方公共団体が協力すべきこと等について定めている。

9. 生物多様性国家戦略2010

川事業と連携した水質改善、湖沼や閉鎖性海 補償、土地の買入れなどにより、その良好な環境 域における富栄養化の防止などに資する下水 を現状凍結的に保存する地区です。特別緑地保 処理場の高度処理化や合流式下水道の改善、 全地区は、平成 21 年 3 月末現在、全国で 387 地区、 ノンポイント対策を推進します。 ( 国土交通省 ) 2 , 147ha が決定されています。 〇下水処理水や雨水の再利用、雨水の貯留浸透 昨今、特別緑地保全地区などの緑地について による流出抑制など、広域的な視点からの健全 は、土地所有者による管理が十分に行き届かず、 な水循環系の構築に向けて事業を推進します。 良好な自然的環境としての機能を十分に発揮で ( 国土交通省 ) [ 再掲 ( 2 章 7 節 1 ) ] きないという問題が生じています。都市における 〇下水道の計画・建設から管理・運営に至るまで、 緑地は、都市住民の貴重な財産であるとともに、 わが国の産学官のあらゆるノウハウを結集し、 多様な生物の貴重な生息・生育基盤であり、その 海外で持続可能な下水道システムを普及させる 管理は、土地所有者だけでなく、地方公共団体、 ための国際協力を推進します。 ( 国土交通省 ) 地域住民などの協力分担により行われ、次世代 へと引き継がれる必要があります。管理協定制度 ( 都市緑地法など ) は、地方公共団体又は緑地管 2.4 緑地保全地域、特別緑地保全地区 【現状と課題】 理機構が土地所有者などと協定を締結し、土地 緑地保全地域制度は、平成 16 年の都市緑地法 所有者などに代わって特別緑地保全地区などの 改正により新たに創設された制度であり、都市計 緑地の適正な管理と保全を図る制度で、適切な 画区域又は準都市計画区域内において、無秩序 緑地の管理と保全を推進するものです。 な市街地化や公害又は災害の防止などのため、 また地域住民の健全な生活環境を確保するため 【具体的施策】 に保全する必要がある緑地について、一定の土地 〇行為規制に伴う損失補償や土地の買入れ、土 利用との調和を図りつつ、自然的環境を適正に保 砂崩壊防止施設などの緑地の保全などに必要 全する制度です。都市近郊の里地・里山などの維 な施設の整備に対し、支援を行うとともに、生 持・管理や、大都市地域周辺などにおける自然再 物の多様性を確保する観点から特別緑地保全 生が課題となっていることを踏まえ、特別緑地保全 地区の指定の促進に向けた取組を進めます。 地区に比べ緩やかな行為の規制により、一定の土 ( 国土交通省 ) 地利用を行うことを容認しつつ、比較的広域的な 〇生物多様性の保全に資する都市近郊の里地・ 見地から緑地を保全することを目的としています。 里山などの自然的環境を保全するため、緑地 特別緑地保全地区は、都市計画区域内におい 保全地域の指定を推進します。 ( 国土交通省 ) て、無秩序な市街地化の防止や災害の防止など 〇多様な主体により良好な緑地管理がなされるよ に資する緑地、伝統的・文化的意義のある緑地 う、管理協定制度などの適正な緑地管理を進 のほか、風致・景観に優れた緑地や、動植物の める制度の活用を図っていきますよ国土交通省 ) 生息地として保全すべき緑地について、建築物の [ 再掲 ( 1 章 2 節 7. 1)] 新築、木竹の伐採などの一定の行為に対する規 〇都市における水と緑のネットワーク形成を推進 制 ( 知事による許可制度 ) 、行為規制に伴う損失 するため、地方公共団体が行う都市公園の整 ◆◆第 2 部第 1 章 国土空間的施策 第 7 節都市 15 / ◆◆

10. 生物多様性国家戦略2010

本法」、「農地法」、「農業振興地域の整備に関する 法律」、「有機農業の推進に関する法律」など、河 川・湖沼生態系については「河川法」、「水質汚濁 防止法」、「湖沼水質保全特別措置法」、「砂防法」 など、沿岸・海洋生態系については「海洋基本法」、 「水産基本法」、「漁業法」、「水産資源保護法」、 「海岸法」、「港湾法」など、都市の生態系について は「都市公園法」、「都市緑地法」などがあります。 野生生物の保護・管理に関しては、「鳥獣の保 護及び狩猟の適正化に関する法律」 ( 鳥獣保護 法 ) 、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保 存に関する法律」 ( 種の保存法 ) 、「特定外来生物 による生態系等に係る被害の防止に関する法律」 ( 外来生物法 ) 、「文化財保護法」などがあります。 鳥獣保護法は、平成 14 年の改正においてアザラ シ類などの海棲哺乳類を同法の対象に追加した ほか、平成 18 年の改正で入猟者承認制度や保全 事業の創設がなされています。外来生物法は、生 態系等への被害を及ばす特定外来生物の輸入、 飼養等を規制するとともに、防除の促進を図るた め、平成 16 年に制定されました。また、鳥獣被害 の防止を総合的・効果的に進めるため、平成 19 年に「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防 止のための特別措置に関する法律」 ( 鳥獣被害防 止特措法 ) が制定されました。 また、遺伝子組換え生物等の国際的な移動に 関する規制を規定した「生物の多様性に関する条 約のバイオセーフティに関するカルタへナ議定書」 ( カルタへナ議定書 ) を受け、遺伝子組換え生物等 による生物多様性への影響を防止するといった観 点から、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制に よる生物の多様性の確保に関する法律」 ( カルタへ ナ法 ) が平成 15 年に制定され、遺伝子組換え生物 等の使用等に係る措置などが規定されています。 このほか、化学物質による生態系への影響を ◆◆ 52 防止するための「化学物質の審査及び製造等の 規制に関する法律」などや、「環境影響評価法」、 「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育 の推進に関する法律」、「エコツーリズム推進法」、 「観光立国推進基本法」、「動物の愛護及び管理 に関する法律」なども生物の多様性の保全に密 接に関係しています。 また、「奄美群島振興開発特別措置法」に基づ く奄美群島振興開発計画に生物多様性基本法の 基本原則に基づくことが明記されるなど、特定地 域の振興法なども生物多様性に関連が深いもの といえます。 このように、生物多様性の保全及び持続可能な 利用についての法制度はさまざまな分野に渡って おり、生物多様性基本法のもとで、これらの法制 度が相互に連携し、効果的に運用されることが重 要であり、この国家戦略はその基本的な方針を 示す役割を担っているといえます。 2 生物多様性の保全に資する 地域指定制度の概要 生物多様性の保全は、野生生物の生息・生育 地における生息域内での保全が基本です。わが 国では、自然環境保全に関連する各種法律など に基づき、さまざまな保護地域が設定され、これ らの保護地域を生物多様性の保全の観点も踏ま えて適切に管理するとともに、野生動物の生息域 を連続して確保するなど保護地域間の連携にも 考慮して、生物多様性の保全ができるよう努めて います。このような保護地域制度には、自然環境 保全法に基づく自然環境保全地域など、自然公園 法に基づく自然公園、種の保存法に基づく生息地 等保護区、鳥獣保護法に基づく鳥獣保護区など があります。特に森林については、森林法に基づ く保安林、「国有林野管理経営規程」に基づく保