RALPH 1. AUREN ROM ANCE 特集観光グロ - ヾル vs. ローカル
交流文化 観光グローバル vs. ローカル 一まを 立教大学観光学部編集 特集
〔 1 第 日本の食事やサービ = を楽しむオー = トラリー観光客。 = リー内 0 飲食店をまわるト、 , 、 = もある。 9 特集観光グローバル vs. ローカルニセコ & , 、クバ
GOME T き轡しい 白馬のスキー場に集まるオーストラリア観光客たち。スキー施設には韓国人スキー客向けの ハングル文字の表示も見られる。 7 特集観光グローバル vs. ローカルニセコ & ハクバ
交流文化 立教大学観光学部編集表紙写真 / 松岡宏大 C 〇 N T E N T S 02 04 22 28 36 38 40 44 45 特集 観光グロっヾル vs. ローカル Tourism,Global vs. Local ニセコ & ハクバ スキー場のニューカマーが教えてくれたこと 小長谷悠紀 ( 長野大学 ) 現地報告 観光を通じた草の根国際協力 漁業の町ニゴンボ ( スリランカ ) から 古川舞 ( 海外青年協力隊 ) Pie し d note 8 「交流文化」フィールドノート 大学院 GP タイ北部フィールドワーク実習報告 訪日旅行市場の発展段階と誘客活動 中国と台湾での体験論から 平田真幸 ( 日本政府観光局 ( JNTO ) 海外プロモーション部次長 ) 観光における「全体と部分」 小沢健市 読書案内 観光のグローバル化とローカル化をめぐって 『大真面目に休む国ドイツ』『哈日族なせ日本か好きなのか』 学部国際交流の現場から 04 インド観光次官、新座キャンバスへ マラヤ大学と学部間協定を締結 観光教育イニシアテイププログラム 在外研究通信 05 変わるハワイ 庄司貴行
本人観光客とドイツ人押し寄せることで有名なマヨルカ 観光客は世界中どこに島、三十歳近い学生も少なくな でもいるーーーそんなこい大学での生活など、少しでもド とを聞いたことがある。もちろんィッに滞在したことがある人なら 時期や場所にもよるだろうが、た「ある、ある」と頷きそうなトピッ しかに、旅先で出会う人として「ドクを、具体的な数字を挙げて描い ィッ人」はけっして珍しい存在でていく。 はない。本書は、そんな人々が暮タイトルの「真面目に休む」と らす社会の余暇に焦点を当てたも いうパラドクシカルな表現が面白 のだ。 本書の内容をうまく表現して 著者はドイツ在住の日本人いるとも言える。「真面目」になる ジャーナリスト。ドイツの労働・ことは、真剣・本気になることで 余暇の実情からはじまって、自然あり、あるいは集中するというこ の中で裸になること、ドイツ人がとだ。そして多かれ少なかれ緊張 Book Review 大真面目に休む国ドイツ 福田直子著 平凡社 ( ) 714 円 、 . 観光のグローバル化とローカル化をめぐって 本号の特集テーマ「観光グローバル >tn ・ローカル」に関連する書籍は、 ドイツの余暇事情と台湾の哈日現象のレポート。 く知られたことであが好きな人々を意味する。ただし るが、台湾の街には日そこには、単に日本のものが好き 本語や日本のキャラクなだけという人から、日本のドラ ター商品が氾濫している。日本的マのロケ地を見に日本へ旅行する なものの露出は、他のアジア諸社会人、さらには「日本人になりたい」 と比べると、開けっぴろげと言いたと思う人まで含まれている。本書 くなるくらいだ。そして観光白書の目的は、この哈日族の現象を解 によれば平成一八年に日本を訪れた読することに置かれている。 台湾人旅行者は韓国人に次いで多面白いことに、哈日現象は日本に 。しかも観光目的の人が占めるよる植民地時代に根ざすのではな 割合となると、韓国人のそれが全いようだ。むしろ八〇年代以降の文 体の半分にも満たないのに対して化輸入、とくに九〇年代前半に台 台湾人の場合は七割近くにも及ぶ。 湾で放映された日本のトレンデイド タイトルの「哈日族」とは日本ラマが、その後の哈日族の出現を用 哈日族ーなせ日本が好きなのか 酒井亨著 光文社 ( ) 735 円
5 れ スリランカという国名を聞いて、はっきりと したイメージを思い浮かべることが出来る方 は多くないかも知れないイギリス統治時代 観光を通じた から一九七一一年まで続いた旧国名「セイロン」 ならば、紅茶の産地としてご存じの方も多い のではなかろうか 草の根国際協力 スリランカ、旧名セイロンはインド亜大陸の 東南、インド洋に位置する島国である。面積 漁業の町一一ゴンポ ( スリランカ ) から は北海道の八割ほど、アダムスプリッジと呼ば れる島弧をはさんで南インドのタ、くル・ナドウ 文古川舞写真古川舞、松岡宏大 州と向き合っている。国民の約七割はインドに スリランカのニゴンボではニ 00 五年より日本の円借款による観光 起源を持つアーリア系のシンハラ人であり、約 振興プロジェクトが進行している。国際協力機構の青年海外協力隊 一八 % を占める南インド系のタ、 , 、ル人、約八 % として観光開発に携わる観光学科 on が同地の現状を報告する。 のイスラム教徒などからなる多民族国家であ る。宗教的にはシンハラ人の大半が南方上座 部仏教 ( 小乗仏教 ) 信者である。このためプー 〔現地報告〕 CHINA DIA SRILANKA 15 特集観光グローバル vs. ローカル観光を通じて草の根国際協力
よび貨幣の一般理論』 ) 東洋経済新報社 ( ケインズ全集 , ~ ( 第 7 巻所収 1983 年 ) 一において取り上げたことは、正に、ミク ロ量とは別にマクロ経済量雇用量等 ) 。が存在しミクロ経済量のすべてを集計しても ( ( マクロ量にはなら ないということであった。正に、「部分と全体」の非整合性の問題である。 ところで、観光にも同様の現象が存在しているのではないか、一」というのが筆者の主張である。それを一言で表 現する言葉を見出すことはできないが ( 一冗長になることを覚悟しながら、 ) 以下述べてみたい 年 9 月 1 日に観光庁が発足した。ー今後は、国の観光政策は観光庁を中心にとりまとめが行なわれる はずであり、これまでの政策立案とは異なり、より系統的な政策が実施されるとの期待は大きし また、一国の観光政策とは別に、地方あるいは地表公共団体もまた観光政策を策定し、実施している。 ( 本来は、 国の施策と地方の施策とは整合的であると ( 誰もが考えているであろう。しかし、国の観光政策と地方のそれとは、 整合的であると言ってもよいのであろうか。あるいはまた、ある特定の地方行政区域内においても、 ( 県と市町村 の観光に関わる考え方は共通の基盤に基づき実施されていると言えるのであろうか きらにある特定の地域内における観光に関する施策も共通の認識の下に実施されていると言えるのであろうか 施策の実施単位が小さくなればなるぽど、ぞの域内での利害は鮮明に表れ、その利害調整に多くの時間が費や され、その結果同意された施策内容は、一一実施に移したとしても、当該地域の観光の振興や発 展には程遠い内容になってしまうということがしばしば見受けられる。 観光においてもまた、一「個と全体」ないし「部分と全体」との非整合性が存在するように思 われる。 一 ) 一また、一地方行政は、地域に与えられた資源を種々の産業や地域住民の間にどう配分すべき 一一かという問題に直面している。観光にのみ資源を配分するならば、観光にかかわりを持たな あるいはそれほど観光にかかわりを持たない産業や地域住民からは、恐らく、不平や不満 カ噴出するであろう。地方公共団体は、地域公共財を提供するのであり、特定の産業や住民 ここで へ資源を配分することは、公正や公平の原則に照らして、反するものとなりかねない。 もまた、我々は、「部分と全体」ないし「全体と部分」の非整合性の問題に遭遇するのである。 着体炊 ! 国囓ん交汝食会 刺に交 1 会 37 特集観光グローバル vs. ローカル観光における「全体と部分」
リフト券などの一人あたり単価四五〇〇円。ションを築きつつあるといえよう。かねて韓体暇の過、 ) し方にかかわる感覚や訪れる オーストラリア人がスキーをした場合、総消国人対応を充実させてきた五竜スキー場も、距離の違いからも、外客は私たちに「違う視 費単価は一六〇〇〇 5 一七〇〇〇円と積算韓国人スタッフに加え、オーストラリアから界」の所在を様々に教えてくれる。白馬を訪 される。延べ泊数でもオーストラリア人は長のワーキングホリディの人の雇用を始めた。れる外国人客の話を聞いて、またあっけらか 期傾向であり、重要なお得意様としてのポジ なお、白馬に来訪する外国人客の消費はんという表現がピッタリの陽気に語るフィ 多様である。スキー好きなお父さんがスキー ンドラーの顔や、かって訪ねたニセコの雪景 場へ日参するかたわら、奥さんと子供たちは色なども思い出しつつ、私はそんなふうに ジャスコに買い物へ行ったりする。また、滞思った。 在中に村中でスキーの板やプーツ、スノー ( フィンドレー氏についての記述は、二度のご講演 ププーツなどを買いもとめる外客は少なくな マ ス スキー場でレンタルしているニューデザとその折り機会を得たやりとり、送付、 ク インのスキー板を是丿 ドにといって買って帰ンフレット類によっている。また白馬観光事情につ ア いては、七月二五日の視察でお世話になった宮田氏、 をノ / , 一〈る ( 五竜スキー場談 ) 。 白 クパ・ツーリズム加盟の白馬リ塩島氏、信州・長野県観光協会、北安曇地方事務所 からいただいた情報にもとづいて構成した。文中は ゾートホテルラ・ネージュ東館・塩島真一 によれば、大きなスーツケースを携えてやっ敬称略とさせていただいた。ご協力いただいた方々 には感謝とともにお許しを願いたい ) て来るオーストラリア人は、白馬のホテルに 滞在しつつ、県内の善光寺や山ノ内温泉はも とより、秋葉原、京都へも行くのだという。 これは白馬が日本観光のゲートシティに なっているということではないか ? 観光 客の足場となる「ゲートシティ」は交通要衝 の地という固定概念がある。白馬で見聞した 事実は、ゲートシティ立地論に発想転換をう ながすものであった。 0 ー E 料 1 鹵 ー . 取制 & N 刈 S ⅸ知 Toyama 0 JRNagano HAKUØA•・ JRChuoLine 1 Nagoya 田 T 地 主要参考資料 CSNOW BUSINESS 』 日本ケープル、 2004 年冬 ( No. 101 ) 、 2008 年上期号 ( No. 109) 「視察研修資料」 白馬村観光局、 2008 年 7 月 / ヾンフレット 「 NAC ニセコアドベンチャー センター」 2008 年入手 1 1 特集観光グローバル vs. ローカルニセコ & ハクバ
光は主要産業であるにも関わらす、人込客数、えば今度は書類をなくしてしまったと言う。書大幅に減ると理解していたが、ツアーオペレー ホテル軒数など、基本的統計さえ整備されてい類が手元にあっても健康の問題で記人が難しターとの契約がある比較的大規模なホテルで はツアーの前・後泊などトランジットの宿泊が 宿泊客数なんて数えていないからわからな なかった。市役所は以前ホテルを対象に質問票 、どこの国から来たのかなどお客には聞かなあり、一年を通じて一定の集客があることが明 を配布したとの , ) とだが、四 5 五件しか回収で らかになった。方、ニゴンボの宿泊施設の半 : など彼らの言い分はいくらでもある。し きす、断念してしまったとのことである。 必要なデータを集めるため、市役所同様、かし歩き回って話を聞くうちに顔見知りも増数を占める個人経営のゲストハウスでは、私が 訪問したローシーズンは、全室空室というとこ 質問票を配布したが、回収のために同じ宿泊 ろも少なくなかった。ニゴンボの宿泊施設は経 施設を何度もしつこく訪問することとした。結 営的にも分極化している。 局回収できたのは配布したうちの八割のみで またゲストハウスとひとくくりにしても、そ あったが、それでも五カ月を要した。観光によ れぞれ対応が全く異なるのが面白い。あから る地域振興にとって、観光関連の統計は不可欠 さまに迷惑そうな顔をするところ、経営が苦 であるが、ごく簡単な統計を人手するだけでも、 え しいと言いながらも、紅茶や冷たい飲み物を ニゴンボでは多くの労力と時間が必要である。 ご出して話し相手になってくれるところ、そうか このデータ集めのみで赴任から五カ月が過 の と思えば「うちの息子に日本で働くビザを出 ぎてしまった。宿泊施設は全部で四〇軒ほど 作 ュ シ してくれないか」「部屋の工事をするお金をく 1 レ , 〃ナよ . い 0 ; 調査開始前は一カ月もあれば充分だ れないか」と、こちらの意図を全く理解して と考えていた。非常に非効率なデータ収集で イ ラ くれす、勝手な要求をするところまで様々で はあったが、それなりに得るところも少なく ある。しかしこれらの対話から、ニゴンボの人々 なかった。スリランカで活動することがどうい うことなのかを知ることができたという意味え、様々な立場の地元の人々との関係も出来の本音がかいま見えてくる。 ゲストハウスに限らす会う人会う人が「生 で、この調査から活動を始めたことの意味は上がっていった。ニゴンボの素顔を知るという 活が苦しい。物価は上がるのにこの収人では 点で、この調査は大きな財産となった。 大きかった。 やっていけない。市役所が何もしてくれない」 ホテルのマネージャーにアポイントを取って、 ニゴンボの人々の本音 と口を揃えて言う。それでもあまり悲壮感が 当日にリコンファームをしても、いざ訪問する ないのが不思議だ と出かけていると言われる。やっと会えたと思 当初四 5 一〇月はローシーズンで観光客が 19 特集観光グローバル vs. ローカル観光を通じて草の根国際協力