ギンブナ - みる会図書館


検索対象: 琵琶湖博物館展示ガイド LAKE BIWA MUSEUM 湖と人間 びわ湖の足跡の、ここが入口。
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1. 琵琶湖博物館展示ガイド LAKE BIWA MUSEUM 湖と人間 びわ湖の足跡の、ここが入口。

おもしろい習性の魚たち 魚たちの中には奇妙な習性をもつものが知られています。私たちから見れば変わっ たおもしい習性に見えても、それぞれの魚たちにとっては重要な意味があるのか もしれせん。 オスがいない魚ギンブナ ギンブナは川や池でふつうに見られる魚です が、メスばかりでオスがいない不思議な魚です。 メスだけでどうして増えているのか、だれもが もっ疑問です。ギンブナの卵に他の魚の精子を かけても、それらの間の子が生まれずにギンプ ナが生まれます。このことから、ギンブナは他 の魚の精子を卵の発生にだけ利用し、受精する ことなく発生する仕組みをもっていることがわ かります。 たくらん 托卵する魚ムギック カッコウという鳥は、自分の卵を別の種類の 鳥の巣に産み、その鳥に卵をふ化させることで 知られていますが、このような行動を托卵とい います。ムギックは托卵する魚として知られて います。ドンコは石の下に卵を産み、オスがこ れを守っていますが、ムギックはこの中に入り 込み卵を産みつけます。ドンコはムギックの卵 を守りふ化させます。 ムギック 以上の他に、草を食べる魚 ( ワタカ ) 、音を出す魚 ( ギギ ) 、巣を作り卵を世話す る魚 ( カワヨシノボリ ) 、二枚貝に卵を生む魚 ( タナゴ ) などおもしろい習性をもっ た魚たちがいます。 - 1 1 6 ー

2. 琵琶湖博物館展示ガイド LAKE BIWA MUSEUM 湖と人間 びわ湖の足跡の、ここが入口。

ゆうしゅ 内湖の魚と琵琶湖の固有種 琵琶湖にしかすんでいない固有種とよばれる魚は現在 14 種類が知られています。 固有種の多くは琵琶湖の岩場や沖合いで生活していますが、これらの内、ホンモロ コやニゴロブナ・イサザは、内湖・ヨシ原におもにすんでいるタモロコやギンブナ・ ウキゴリと祖先を同じくする近縁種です。 《琵琶湖の固有種 ( 亜種 ) 》 ホンモロコ イサザ ニゴロブナ ゲンゴロウブナ 《内湖にすむ近縁種》 タモロコ ウキ ギンブナ 固有種とその近縁種の関係 ) 内湖・ヨシ原の漁法 春から初夏にかけておもにコイ科 魚類の産卵期をむかえます。ふだん 沖合いで生活しているホンモロコや ニゴロブナ・ゲンゴロウブナが産卵 のためにヨシや水草の茂った岸辺に やってきます。これらの魚をねらっ てタッペ漁や小糸網漁などさまざま な漁が行われます。 小糸網漁 ー 109 ー

3. 琵琶湖博物館展示ガイド LAKE BIWA MUSEUM 湖と人間 びわ湖の足跡の、ここが入口。

琵琶湖で進化した生き物たち ゆうしゅ 琵琶湖の生物相の特徴は、固有種が多く タモロコ ( 岡山県産 ) 含まれていることです。固有種の多くは、 G 宿 0 0 内 00 宿 d020 ー 西日本にひろく生患する種です。 沖合いと岩礁という琵琶湖に新しくできた 環境にうまく適応して生活しています。 これに対して、入り 江や内湖、クリークや 河川には、固有種の近 タモロコ ( 琵琶湖産 ) 縁種がすんでいます。 G れ“ 0 ′ on e10 00 ー 琵琶湖のタモロコは、ほかの地域の ものに比べ、ホンモロコよりはっきり と区別できます。内湖や周囲のクリーク にすんでいて、底生動物などを食べ ています。 分化・進化 タモロコは、琵琶湖で沖合型の 固有種ホンモロコとヨシ帯型の タモロコとに分化し、 湖の中ですみ分けています。 ホンモロコ ( 琵琶湖産 ) G 0 内 00 れ 0 住を川“を 琵琶湖にしかいません。沖合で動物 プランクトンを食べて生活していま す。産卵期には、ヨシのしげる内湖や ないわん 内湾に群れをなしておしよせ、ヤナギ の根などに卵を産みつけます。 琵琶湖で進化した生き物たち 100 万年ほど前、今の琵琶湖を中心とした近江盆地が沈降域になり、土 砂がたまるようになりました。当時はまだ大きな湖がなく、今の堅田丘陵 あたりに沼沢のような小さな湖ができました。この湖を堅田湖と呼んでい ます。 40 万年ほど前から、湖西の山地にそった断層の活動が活発になり、比良 山や比叡山が高くなりました。それと同時に琵琶湖の地域が沈みだし、広 くて深い琵琶湖ができました。新しい環境の出現によって、琵琶湖だけに すむ固有種が進化しました。 魚類の固有種とその近縁種 固有種 近縁種 ビワマス アマゴ ワタカ ホンモロコ カワヒガイ ビワヒガイ カワヒガイ スゴモロコ コウライモロコ ニゴロブナ ゲンゴロウブナ イワトコナマズ ウッセミカジカ イサザ タモロコ アプラヒガイ ギンブナ ギンブナ ナマズ ナマズ カジカ ビワコオオナマズ ハス 近縁種をもたない魚たち およそ 40 万年前の古琵琶湖 ( 堅田湖 ) には、ワタカの仲間や直接の祖先種がすん でいましたが、現在は絶滅してしまい、近くの水系にも分布していません。 みかた ハスは、三方湖にも生息しているため、琵琶湖の固有種とはいいませんが、ハス 属は琵琶湖と三方湖以外では日本に生息せず、大陸にしか分布していません。 これらの魚たちは、広く分布していたものが、その後に起こった様々な環境の変 化によって他の地域から姿を消したのでしよう。 ウキゴリ ワタカ ー 24 -

4. 琵琶湖博物館展示ガイド LAKE BIWA MUSEUM 湖と人間 びわ湖の足跡の、ここが入口。

内湖・ヨシ原にすむ魚たち 琵琶湖のまわりにはヨシが茂り水底には水草のはえた内湖や入り江などの環境が 広がっています。このような場所には、 1 年中ギンブナやタモロコ・コイ ( 飼育型 ) ・ ウナギ・ヤリタナゴなどの琵琶湖以外の地域にも広く分布する魚が生活しています。 余呉湖 塩津内湖 早崎内湖 竹生島 責川内湖 入江内湖 第松原内湖 彦根 四津川内湖 曽根沼 小松沼 沖島 大中之湖 、伊庭内湖 安土内湖 津田内湖 . 西之湖 近江ハ幅 野田沼水茎内湖 タモロコ 現在の内湖 [ コ埋め立てられた内湖 平湖 草津 琵琶湖の内湖の位置 内湖・ヨシ原は魚たちの産卵場 ヨシや水草の茂る内湖や入り江は、 こにすむ魚たちばかりではなく、ふだん 沖合にすむ魚たちにとっても大切な産卵 場となっています。また、餌となるプラ ンクトンなども多く、稚魚の発育の場所 ともなっています。 ウナギ ャリタナゴ 産卵されたフナの卵 フナの産卵 ー 1 08 ー

5. 琵琶湖博物館展示ガイド LAKE BIWA MUSEUM 湖と人間 びわ湖の足跡の、ここが入口。

琵琶湖の魚たちとそのすみか 琵琶湖の環境は周辺に点在す る内湖やヨシ原と沖合の深い水 域に大きく 2 つに分けることが できます。内湖やヨシ原にはギ ンブナやタモロコ・ナマズなど 琵琶湖以外にも生息する淡水魚 の多くが生活しているのに対し、 岩場から沖合いにはビワコオオ ナマズやニゴロブナ・ホンモロ コなどの固有種がおもに生活し ています。 琵琶湖の沖合にある白石 周辺の水深は 60 ~ 80m に達する 季、ー 1 西の湖のヨシ帯 琵琶湖や田んぼの小川など私たちに身近な水辺は、ヨシが生えていたり砂浜であっ たり、深くて広いところや流れが速い場所などさまざまな環境があります。そこに はそれぞれの環境にうまく適応して生活している魚や昆虫など多くの生き物を見る ことができます。また、淡水の生き物は、私たちの身近で生活しているため、なじ み深いものが多いのですが、その一方で、身近な環境は、人の手が加わりやすく、 すみ場が奪われるなどして少なくなり、絶滅の危機にさらされているものが少なく ありません。 ー 1 07 ー