私たち人間を含めて、動物はエサを食べずには生きていけません。動物の種類に こうりつ よって、食べるエサの種類は様々です。いろいろな種類の食べものを、より効率よ やくわり きゅうしゅう く栄養として吸収するために、歯はとても重要な役割を果たします。 動物の歯は、食べものによってどうちがっているのでしよう。形や動かし方にも、 注意してみましよう。 マ、 スソ、ウ マ、 を、と手にナり 。 ' ウはを食・ぐ乳、大きな つぶナ、 べナ次 と次てきナ 、ので えいよう サメのは ています 、 = 角形をしてい ~ 加まえたり 0 おけると 、てい になを 0 、ををケ ・ 0 誌ー乙 0 次も次 0 ン。 、のとケ コイとソウギ 。 0 衂 0 は のと一 、朝をけたと、 べナ ていまナ ろではなて これで の 0 堂を食、 = ー 、エサを ふして食 ンを食へ 。形がちが 、ンウキ、 ー 137 ー
よみがえれ ! 日本の淡水 身近な淡水魚には、めつきり減ってしまったり、絶滅の危機に瀕しているものが 少なくありません。また、天然記念物の指定を受けている種類も多く絶滅が心配さ れています。 少なくなった淡水魚 日本の淡水魚の中で、かっては比較的多く見ら れた魚でも、イトウやオヤニラミ ッポン / ヾラ タナゴなどの魚たちは、現在ではほとんど見られ ずその姿を消しつつあります。 オヤニラミ ヒナモロコ ニッポンバラタナゴ イトウ 保護の必要な淡水魚 ( 天然記念物 ) 学術上貴重なため、法律によっ て保護することが決められている 種類が天然記念物です。ミヤコタ ナゴ・イタセンパラ・アユモドキ・ ネコギギなどは天然記念物に指定 されています。 滅んでしまった魚 クニマスは秋田県の田沢湖にだ けすんでいたサケ科の魚です。 1940 年に発電のために田沢湖に引かれ た水が強い酸性であったため、水 質が悪くなり滅びました。 保護と増殖 淡水にすむ生き物たちの中には、すんでいる環境が悪化して 産卵場がなくなったり、他から入ってきた魚に食べられるなど して急激に少なくなった種類がたくさんいます。私たちにとっ て、これらの魚たちの生息環境を守ったり、改善するなどして 保護することは大切な活動の 1 つです。 ウシモッゴ アユモドキ イタセンバラ ネコギギ ウま庫水に水や滅 ゲ頃兵きどき薬て ト年と湧な湧農っ 、よた は部のぼ ョ四西りんたりにし ミ、南た田したどま トで市あやまつない ミ魚都町池いなてま ナの京上るでく立し ミ科は氷あんなめで オで県のすが埋ん クニマス 秋田県田沢湖町教育委員会協力 ミナミトミョ 生息地の調査 ー 1 22 ー
せんしん 鮮新・更新世 5 圓 ~ 30 万年前 古琵琶湖と中国には 同じ魚たちが すんて・いました 中 国 日本 コイ類 クルター類 クセノキプリス類 日本にクルター類の ワタカの祖先が あらわれました コイ類 クルター類 クセノキプリス類 9 せんしんせい 鮮新世のはじめや * 河期に、人陸と 日本列島はつながりました コイ類ま見 在 日 本 中 国 類 ス キ ノ ク 0 日本ではワタカだけ尓 生き残りました コイ類 クルター類 クセノキプリス類 コイ類 クルター類 クセノキプリス類 中国て・はたくさんの 種類に分小れ、 繁栄しています 0 日本てはすべて せっ′ , つ 絶滅しました クルター類 クセノキプリス属 いんとうし 咽頭歯 コイ科の魚たちは、あごに歯がないかわりにのどに歯 があります。これを咽頭歯 ( 黄色 ) と呼びます。 咽頭歯の形の特徴から、その歯をもっていた魚の種類 を決めることができます。 ( ホンモロコの稚魚、体長約 lcm ) カマッカ亜科ワタカ属メガロプラーマ属 コイ科魚類の咽頭歯化石
あかしお 赤潮とアオコって何だろう 琵琶湖のプランクトンを調べるとき、赤潮やアオコを見逃すことはできません。 赤潮は文字どおり赤く染まった水のことで、もとは海での現象に対して使われました。アオコは漢字 では「青粉」と書き、水面が青い粉を吹いたような状態を指します。いずれも特定の種類のプランクト ンが大発生して水面近くに集まっている状態を指します。 げんしよう 赤潮 ( 茶色い部分 ) アオコ ( 中島省三氏撮影 ) 赤潮やアオコをつくるプランクトン 琵琶湖で赤潮をつくるプランクトンは「ウログレナ = アメリカーナ」、アオコをつくるのはおもに「ア ナベナ」と「ミクロキスティス」です。これらのプランクトンは、冬にもときどき見ることができます。 両者に共通しているのは、水面に集まりやすい性質を持っている、ということです。赤潮をつくるの はべん毛藻という種類のプランクトンです。「べん毛」の「べん」は鞭 ( ムチ ) という漢字をあてます。 べん毛藻はムチのような毛をふって泳ぎ、光に集まります。一方、アオコをつくるプランクトンはらん 藻類で、こちらは体にガスをためて水面に浮かび上がります。ガスをためるのは昼間だけで、夜には沈 みます。昼間アオコプランクトンが水面に集まると、その下はカゲになってしまうので他のプランクト ンはあまり光合成をすることができません。そのため、競争に勝ったアオコがどんどん増えるのだとい われています。また、アオコプランクトンの中でも、ミクロキスティスはゼリー状の袋につつまれてお り、この袋に栄養分を余分にためることができるのだともいわれています。 ウログレナ・アメリカーナ ミクロキスティス アナベナ ー 92 ー
資料は、自然科学、人文科学、社 会科学にかかわる実物、生魚、映像、 図書資料など多種多様で、膨大な量 です。資料運搬ロは、一般資料と水 族資料用の 2 箇所を設け、さらに 般搬入口から各収蔵庫までの経路を 資料の種類によって 3 つに分けてい ます。 一般資料収蔵庫は、資料の性質に応 じて 4 種類の仕様区分を行い、温湿 度、光、汚染空気、生物被害および 防災対策を可能な限り講じています。 保護増殖センター等を設けています。 琵琶湖博物館では、琵琶湖の生い立 ちゃその基盤形成に関する地学資料、 湖底遺跡、湖上交通、漁労、治水・ 利水、祭りに関する歴史資料、琵琶 湖地域の全ての生物種の標本、琵琶 重要文化財等をおさめる特別収蔵庫 10 トン車 2 台が入る資料の搬入口 湖周辺での生活や社会が急速な変化 を遂げた昭和 30 年代以降の生活文化 資料に特に重点を置いて収集と保管 活動を行っています。 動物標本の収蔵庫 資料用の 4 トン積エレベーター 魚を育てる保護増殖センター 資料の整理保管 ー 1 45 ー
工リ師は環境をどのように とらえているのだろう ? オボライ ホーライ ッポ コボライ カガミ 魚は障害物にあたると、沖の深いほうに 逃げる習性をもっています。ェリは、この ような魚の習性をうまく利用した漁法です。 泳いでいる魚は、まずェリのハリズと呼ば 予、 れるところにぶつかります。そして、沖の 艸盟Ⅲ物 ほうに逃げ出し、迷路のような部分に入り こみ、最後にはツボと呼ばれる部分に捕ま えられてしまうわけです。このエリを建て る人のことをエリ師といいます。ェリ師は、 シオとエリ 水の流れや湖底の様子、つかまえようとす ェリ師は、水の流れ ( シオ ) にたいへん注意を はらいます。シオの流れをうまくとりこむことの る魚が泳いでくる道筋などを判断して、形 できるエリを建てると、エリにたくさん魚がかか や大きさを決め、エリを建てます。 るからです。 魚の種類とエリの形 ェリ師は、魚の種類によって、エリの形や大き さ、エリにはる簀 ( ス ) の目の大きさをかえます。 展示室ではツポを 再現しました。 セ 0 水深 ( 安室知 / 1989 ) セとエリ ェリ師は、湖底が沖に向かう途中で急に深くなる、セと呼ば れる場所の上に、エリが傘のように広がった部分の内側がくる ようします。そうして、セにそって泳ぐ魚を、エリでつかまえ ることができるのです。 木浜字切戸のエリ漁場申請図 かっては、たいへん大規模で複雑なェ リがありました。しかし、現在では、多 くのエリが、その対象の魚をコアユにし ており、形も単純なものになっています。
赤潮やアオコの出やすい場所 赤潮やアオコという現象は、プランクトンが水面近くに集まることでおこります。ですから、赤潮や アオコのでやすい場所は、プランクトンが水面に集まりやすいところといえます。 これまで琵琶湖に発生した赤潮の分布を見てみると、湖西側に出ることがやや多いようです。これは、 表層の水が琵琶湖の西側にあつまる傾向があることを示していると考えられます。ただ、風の向きなど によっても赤潮が現れる場所はかわります。 一方、アオコの出る範囲は南湖、特に水の動きのとどこおりがちな帰帆島付近や赤野井湾、浜大津港 付近に集中しています。これらの場所は、集まったプランクトンが風で吹き散らされにくいのだと考え られます。北湖でも、彦根港や長浜港でアオコが出ていますが、港の中はやはり風の影響を受けにくい 場所です。 1977 年 ~ 1 993 年 のあいだに赤潮が 発生した場所 1983 年 ~ ] 993 年のあいだに アオコが発生した場所 赤潮やアオコがなぜ問題になるのか 見た目が汚い、変なにおいがする、魚がいなくなったり ( おそらく避難しているのでしよう ) 、死んだりする、 など。 瀬戸内海などで赤潮が発生すると養殖ハマチが大量に死んだりします。このように、海の赤潮プランクトンに は、強い毒性を持つものがいることが知られています。一方、淡水の赤潮プランクトンでは、いまのところ、魚 を殺すような毒性は確認されていません。 アオコは淡水で発生します。アオコをつくるプランクトンの中には毒性を持つ種類がいることが知られ、アメ リカでは牛が死んだり、泳いでいた人がしびれたなどの報告があります。 アオコだらけの水で泳ぐのは論外として、やはり心配なのは飲み水への影響でしよう。琵琶湖では、 1995 年に 毒性を持っ種類のアオコプランクトンが発見されました。まだ人体に影響が出るほど増えてはいないようですが、 注意が必要です。 ー 93 ー
広がる海 ( 鮎河層の時代 ) 鮎河の海のようすは、堆積物や産出する化石の種類によって、 4 つの時代に分け られています。 カキの化石 C 耀 sso 尾〃 gra tes / 〃 クリイロバショウガイ カた 0 カんの・ / 襯″工 sp. せんだに 千谷層の時代 海が進入しはじめ、 ひがた ないわん 内湾となり干潟ができました。 からとがわ 唐戸川層の時代 まだ海が進入しておらず、 平野には川が流れていました。 ②レキの上に、砂・泥カ 堆積しました。 ョコヤマビカリア ーツポノマルシア ラカ第 0 〃 0 〃 7 〃′℃ I 〃〃〃々〃〃 7 ″ 7 覿
くらしのまわりの自然 水をはぐくむ森林 滋賀県は琵琶湖集水域とその県域がほぼ一致していて、その陸域の約 6 割は森林 で被われています。森林の種類・規模は気候条件、土地条件と人間の働きかけの程 度で異なりますが、滋賀県をおわんに例えると、琵琶湖を真ん中にして、市街地・ 田畑、アカマッ林、スギヒノキ植林・落葉広葉樹二次林とほぼ同心円状に分布して 県境部の尾根にいたります。森林に降った雨や雪は、 部は蒸発散して大気中にも どりますが、そのかなりの部分は河川水や地下水となって、田畑をうるおし、様々 に利用されながら最後は琵琶湖に流れ込みます。 森林はおいしい水をはぐくみ、また緑のダムとして、水量の調節をしています。 ここでは高時川上流域に雪崩防止林として残されているブナ林を取り上げ、生きて いる森が作り上げている構造や成り立ちにふれ、その森にくらす生き物たちを紹介 します。 発達した森のなりたち 森が発達するにつれ、樹木の生長とともに森の環境が形成され、植物 の種類も増えます。そこでは、多層な構造、多様な環境がっくられ、森 の外よりマイルドな諸条件が用意されます。例えば、 く光条件〉樹冠や亜高木・低木などの森林の多層な構造が強い直射をふ せぐことで、より少ない光環境にしか生きられない多くの生物に生息場 所を提供します。 く温度条件〉樹冠が日射・風を防ぎ、気温の上下を緩和します。 く水分条件〉降水を土壌に浸透させ、また保水・蒸散させることにより、 森林内の過度の乾燥を防ぎ、適度な湿度を保っています。 その他にも、成長につれて光合成により、多くの葉を茂らせ、落ち葉 や枯れ枝などの有機物を毎年たくさん土壌に供給することで多くの生物 や土壌動物に栄養源を提供しています。そして、生物の生息に適した多 孔質の環境が準備されていきます。 探してみよう森の妖精たち ミズナラやハウチワカエデを交えた高時川のブナ林では、春の訪れとと 、いろいろな草花を見ることができます。皆さんもそっと観察して 見ませんか。 トキワイカリソウ メギ科。高さ 20cmæ30cm 程程。ヒ。ンクの花の形が いかりのようで、葉が冬 でも枯れず常緑であるこ とからこの名があります。 ( 太平洋側に分布するイ カリソウに対し、山陰地 方から北陸地方に分布し ます ) 。 ミスミソウ 春雪解け後、真っ先に白 からヒ。ンクの花を咲かせ ます。三つに分かれた葉 先が尖っているのでこの 名があります。 ー 64 ー
ゆうしゅ 内湖の魚と琵琶湖の固有種 琵琶湖にしかすんでいない固有種とよばれる魚は現在 14 種類が知られています。 固有種の多くは琵琶湖の岩場や沖合いで生活していますが、これらの内、ホンモロ コやニゴロブナ・イサザは、内湖・ヨシ原におもにすんでいるタモロコやギンブナ・ ウキゴリと祖先を同じくする近縁種です。 《琵琶湖の固有種 ( 亜種 ) 》 ホンモロコ イサザ ニゴロブナ ゲンゴロウブナ 《内湖にすむ近縁種》 タモロコ ウキ ギンブナ 固有種とその近縁種の関係 ) 内湖・ヨシ原の漁法 春から初夏にかけておもにコイ科 魚類の産卵期をむかえます。ふだん 沖合いで生活しているホンモロコや ニゴロブナ・ゲンゴロウブナが産卵 のためにヨシや水草の茂った岸辺に やってきます。これらの魚をねらっ てタッペ漁や小糸網漁などさまざま な漁が行われます。 小糸網漁 ー 109 ー