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検索対象: アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験
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1. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

た。主要講義内容の紹介を聞いているうちに、「授業についていけるのだろうか」という不安がだんだんに 頭をもたげてきた。 突然の「改革」発表 以上のオリエンテーションの後に、選択必修科目など新しく導人される履修システムについての説明会が 開かれた。本書 2 ・ 2 節の環境学修士の説明で触れた改革の発表である。もともともらっていた緑色の学生 便覧 (Academic Handbook) に代わって、黄色のものが配られた。ここで、コーホン・スクール長とウィ リアム。スミス (William smith) ・副スクール長が改革の説明を始めた。環境学修士課程の単位取得の新し い条件が並べられていったが、学生たちには初耳の話で、皆あっけにとられて聞いていた。 これらの条件は従来は明示されていなかったものであり、選択必修科目 ( 。。「。 courses) と 2 ・ 2 節で紹介 した上級研究分野 (advanced study a 「 (a) 、そして研究プロジェクト ( 「ワ。 a 「。 h p 「。」。。 ( ) に分かれていた。 選択必修科目とは、三つの分野に分けられた講義リストからそれぞれ指定された数の科目を取るものであ る。数量的方法 (Quantitative Methods) についての講義リストから二科目、自然科学 (Natural science) のリストから三科目、そして社会科学 (social science) のリストから三科目の、計八科目だった。 なお、入学の条件 (Admission Requi 「 ement) には自然科学、社会科学および数学の一定の知識を求める とされていた。私たちは人学してしまっていたから良かったが、新しいシステムでは、入学前の基礎知識と して社会科学や自然科学の一定レベルのものをより明確に求めるものとなっていた ( 巻末資料 2 参照 ) 。 0 -0

2. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

表 2. 2b F & ES 環境学修士課程の上級研究分野 ( advanced study areas) ①生態系の科学と管理 (Ecosystem science and Management) 生態学などを応用して環境・天然資源管理の問題を解決する方法の修 得に重点を置いている。卒業生は生態学専門家 ( ec 。 1 。 gist ) として , 天然 資源管理や環境保護の促進 , 生態学・環境教育 , 土地利用計画 , 生態学 的リスク評価などに取り組むことを想定。代表的なテーマとしては , 生 物地球化学的な物質循環 , 食物連鎖の中のエネルギーの流れ , 生態系の 生産性と持続可能性 , 風景のなかの生態系などがある。 ( のイ呆全生物学 (Conservation Biology) 生物の多様性を保全するために , 進化・固体数・群落・生態系に関す る生態学 , また遺伝学 , 生物地学などの原理を応用する。卒業生は , 保 全生物学専門家として動植物の保護や損なわれた生物居住環境・生態系 の復旧などを行う可能性が想定されている。保全科学 , 保全政策 , およ び保全と開発という 3 つのテーマがある。 ③海浜・集水域システム (Coastal and Watershed Systems) 高地の集水域と河口域のつながりなどに焦点をあてる。自然界と人間 活動による , 水の量・質や時点別入手可能性への影響や , その結果とし てもたらされる陸上と水中の生態系の変化が研究対象だ。卒業生は , 水 文学専門家 (hydrologist) や水中化学専門家 ( aquatic chemist), 水資源シ ステム・アナリストあるいは海洋・水資源管理などの分野で働く可能性 が想定されている。 ④環境政策と環境管理 (Environmental policy and Management) 資源・環境の政策と管理に関係する自然科学と社会科学が同時に学べ る課程で , 環境衛生 (Environmental Health), 産業環境管理 (lndustrial Environmental Management) ( 8 章参照 ) , 政策分析 ( po ⅱ cy Analysis) という 3 つのテーマに分かれている。卒業生は , 環境政策分析 , 産業の 環境管理 , 環境衛生政策などの分野に進むことが想定されている。 ( ①ネ土会生態学と地域開発 (social Ecology and Community Development) 天然資源についての政策・管理・利用の問題を , 時系列 , 管理 , 文化 などの側面から分析する訓練をする。例えば資源管理の決定がどのよう に地域社会・社会集団・国家・国際的利害などに波及するか , といった 問題を扱う。卒業生の進路としては , 環境保全政策・開発政策 , 社会・ 地域の林学 ( soci 引 and Community Forestry), 環境教育・コミュニケー ションおよび公園・自然保護地区の設計・管理などの分野を想定。 出所 : 1997 年 6 月現在の F & ES のインターネット・ホームページ。 30

3. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

定の技法を学んでいくものがほとんどだった。 最終試験は、一週間ほどの時間が与えられた持ち帰り (take ・ home) 方式だ 0 たが、これにはみんな苦し んだ。ある森林のそばに道路が計画されているという想定で、区画地図を含めて細かい条件が設定された。 教わ 0 た線形計画法のソフトウェアが & のパソコン室のパソコンにインストールされており、それを 使って、景観破壊や森林破壊など環境上の問題を最小限に抑えながら理想的な道路計画を考えるレポートを 提出しなければならない。最初のやり方が皆目検討がっかないし、ソフトを動かしはしめると、少しの間違 いでエラーが出て答が出なくなる。夜遅くまで、そして夜を徹して、私を含めて多くの学生が、。 , 、 、ノコン室 で答を求めて苦しんでいた。お互いに相談してはいけないことになっていたが、思い余 0 てこ 0 そり相談す る学生もいた。しかし、苦しんだ末に何とか計算が完了してレポートができた時の充実感は大きか「た。私 はこの講義のおかげで、数量的方法の基礎的な数式にアレルギ 1 がなくなった。 、な 恐 れ 録音しないと聞き取れなかったーー・水文学と水資源管理 (Hyd 「 0ー0gま陸ゞ ( e 「 Resou 「 ce Management) すいもんがく 水文学は、地中を水や汚染物質がどのように動いていくかを物理学などの観点から考える学問だ。例えば 森林が水資源の供給にどのような役割を果たすかを考えるために役に立つ。また、土壌汚染の防止や浄化な 5 どを考えるうえでも有用で、スー ーファンド法という法律によって、過失が無くとも土壌汚染浄化の責任 を負わされるケースが多発していることもあり、重要な講義とされていた。

4. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

チャートウ先生がのプログラム長を引き受けた当初は、「私はに重点を置きます (concen ・ 6 に「—を学んだ」と記録される 1 ( 「 a 〔 e ) 」と申請してに参加すれば、簡単に卒業証書 (diploma) ような混乱した状態だったという。しかしこの点は、私が在学していた時には、 2 章と 4 章で触れた改革に よって改められていた。すなわちは環境学修士課程の上級研究分野のなかの「環境政策と環境管理」 の一つの選択肢 (track) になっており ( 表 2 ・④ ) 、に参加するための必修科目が指定されてい た。つまり企業の環境管理を学ぶための枠組みに沿って、環境学修士の学位をとることになっている。履修 を求められる講義は生態学、環境公衆衛生、環境政策・環境法などだ。特に環境化学は必須だという。そし て、アドバイザーが許可する必要とされる分野の単位を取得し、に関する修士プロジェクトの研究 ( 論文 ) を無事完成させれば、を修了したことになる。表 8 ・ 1 には、 & のカリキュラム委員会 が九四年一月に公表したを学ぶ学生の単位取得例を紹介してある。 環境スクールののポイントは「工学部のプログラムではないということ、だとチャートウ先生は言 う。仮に工学部のプログラムなら、同じでも、もっと技術志向で工程管理の変化などに重点を置くこ とになる。また、仮にビジネススクールのプログラムなら、理科系の要素がほとんどないという意味で & のものとは大きく違ってくる。のは、「しつかりした科学と生態学的原理の認知に基づ いたものであると同時に、本当の意味で全体的なアプローチ、であり、生態系科学 (ecosystem science) 、 環境分野の公衆衛生学、政策・法律によるマネジメントなどの分野を統合する学際的な観点から企業の環境 管理を考えるものだという。 ( 注 ) 前書きでふれたように、ゴードン教授は後にコーホン氏の後任を探す間の暫定措置としてスク 1 ル長に復帰した。

5. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

表 1 入学までのスケジュール 奨学金の「登録票および予備研究計画書」締め 1992 年 5 月末 切り 92 年 7 月末 奨学金の「申請書類一式」締め切り 92 年 8 月ごろ 応募書類・資料を請求する大学・学部を決める 92 年 10 月 奨学金の書類選考合格 各大学に応募書類・資料を請求する手紙を送る 92 年 9 月 ~ 10 月 92 年 11 月 奨学金の面接 92 年 10 月 ~ 11 月 各大学の資料が到着し志望大学・学部を決める 92 年 10 月 ~ 93 年 1 月各大学への出願書類の作成・手配 ( 推薦状 , 成 績証明書の依頼など ) ( 注 ) 92 年 12 月 奨学金の合格通知 92 年 12 月 ~ 93 年 1 月各大学へ出願書類を発送 各大学からの合否通知が届き , デューク大学と 93 年 3 月 ~ 4 月 ェール大学に申込金を支払う ェール大学への入学を決定 93 年 6 月 会社を休職 93 年 7 月 93 年 8 月 5 日 渡米 93 年 8 月 9 日 ~ 27 日夏期研修であるサマー・モジュール 開校式およびオリエンテーション 93 年 8 月 31 日 注 : 共通試験である TOEFL(Test of English as a Foreign Language) と GRE (Graduate Record Examination) の受験は , これよりも 1 年以上は前から行う 必要がある。奨学金の応募のための TOEFL 受験は最終でも 92 年 3 月に申し込 む必要があった。 デューク大学とエール大学の 二つの環境スクールからは、入 学の意思を確認するために三〇 〇—五〇〇ドルの申込金 (deposit) を払うようにと一一一口わ れ、とりあえず両方に支払った。 三つの環境スクールのうちどこ に彳く力、いろいろ悩んだが、 結局はエ 1 ル大学の & へ 行くことを決意した。決め手と なったのは、妻の会社の支社が あるニューヨークに近いという 地理的な条件と、温暖化の影響 を調べるモデルで有名な経済学 部のノードハウス教授が & と共同のワークショップ ( ゼ ミ ) を開いている、という点だ った ( 9 ・ 5 節参照 ) 。 22

6. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

表 8.1 ー E M プログラムの履修例 ( sample program) ◆選択必修課目 (core courses) ◇自然科学 汚染の環境化学 (EnvironmentaI Chemistry of Pollution) 土壌科学 (soil science) 水文学と水資源管理 ( Hyd 「 0 怖 gy and water Resource Management) ◇社会科学 汚染管理の経済学 ( Economics of Pollution Management) 環境規制の科学と政策 (Science and Politics of EnvironmentaI ReguIa- tion) 環境法 (EnvironmentaI Law) ◇数量的方法 環境分野の意思決定のための数量的方法 ( Quantitative Methods for Environmental Decision Making) 統計学 (Statistics) ◆上級研究分野 (Advanced study Area) 廃棄物管理の諸側面 ( Multi が e Aspects of solid waste Management) リスクアセスメントの基礎 (Fundamentals of Risk Assessment) 環境における化学物質 (Chemical Factors in the Environment) 環境疫学 (Environmental EpidemioIogy) 環境管理者のためのビジネス・コンセプト (Business Concepts for Environmental Managers) 財務会計 (FinanciaI Accounting) 財務管理 (Financial Management) I EM についての独自の修士プロジェクト (lndependent Project ⅲ lndustrial Environmental Management) 出所 : 1994 年 1 月 3 日に F & E S のカリキュラム委員会 (curriculum Commit- tee) が発表した環境学修士課程のプログラム案 (draft MES programs)o 注 : 上級研究分野 ( 表 2.2b 参照 ) の一つである「環境政策と環境管理 ( En ⅵ r 。 n - mental policy and Management) 」の中の選択肢の一つカ EM である。一部 の講義名は正式のものではないが , そのまま掲載してある。 127 8 章 「企業の環境管理」プログラム

7. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

選択必修科目と上級研究分野は、私が入学する前の学校案内には、このように明確には示されていなかっ た。極論すれば「アドバイザーの先生が許可すれば何をやってもいい」という自由があったが、「柔軟性」 「自由」は長所である一方、弱点でもあった。スクール長のコーホン氏は、九二年に来校した際に、 & の教育システムがあまりに無秩序であると感じ ( Ⅱ・ 3 節参照 ) 、 & をまとまりのとれた機構に改革 しようと尽力していたのである。その主な内容は、上級研究分野をきちんと定め、またこれらを学ぶための 基礎づくりのために選択必修科目を定めたことにあった。 この改革の実行で、環境学修士課程の学生は各分野でまんべんなく講義をとらねばならなくなる。ある分 野により特化して講義をとりたい学生には、つらい条件だ。自由な講義選択に魅力を感じてエール大学の環 境スクールを選んで入学してきた学生たちを中心に、「入学前と話が違う」という声が次々と上がり、会場 は騒然となった。説明を行ったスミス・副スクール長は、学生たちの怒りの声の集中砲火にさらされること になった。「私は社会科学はさんざんやった。理科系の科目を集中的にやりたいのに、また国際関係論なん不 の てやらせるのか」と文科系出身の学生が抗議するといった具合だ。私も、事情が完全にはわからないままに 「これはおかしいと憤慨していた。 義 こうした抗議を受けて、スミス・副スクール長は、私たちの学年に関してはある程度の柔軟な対応を認め ることを承諾したものの、履修方法の変更で、環境学修士課程には選択必修が厳しく規定されることになっ 章 た。このために、環境学修士課程に進むことをやめた学生もいた。 ただし、よりきちんとしたカリキュラムができあがったのも事実だった。「スク 1 ル長が我々が卒業後に -6 より就職しやすくなるように考えてくれているのはわかる」といった改革に理解を示す声も少なくなかった。

8. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

コーホン・スクール長に聞く 改革に取り組んだジャラッド。コーホン・スクール長 ( De 当「 ed L. cohon) は、カーネギー】メロン大 学 ( C = 。。 Melon U 三一舅を ) の学長となるために九七年六月を最後に & を去った。コーホン氏 の路線に反発がなかったわけではないが、同氏が打ち出したさまざまの改革は & の教育体制の整備に 大きな役割を果たしたのは確かだ。暫定スクール長となったジョン。ゴードン教授も、「コーホン氏の路線を 踏襲する」とのコメントを発表した。この節では、九五年五月のコーホン氏へのインタビ、ーを紹介する 環境コンサルティング会社に就職が決ま「た。ちなみに、日本人の & 卒業生に関しては、日本に帰国 して就職に困るという話は聞いたことがない。 & のような学校の卒業生が日本国内に多くないことも 2 その背景にあるだろう。卒業生の進路をみると、環境コンサルタント、開発援助コンサルタント、シンクタ ンク研究員など、それぞれの分野で活躍している。 1 節で紹介した阿部さんが指摘するように、 & で知り合った人たちは世界各地に散らばって環 境問題に取り組んでいる。 1 章で紹介した山本渉さんも、森林保護関連の開発援助プロジクトで海外に出 るたびに & の林学専攻の卒業生と出会い、「エールの人脈はすごい」と感じていると話してくれた。 「皆すぐにわかりあえるのはエールでの二年間の『思想教育』が効いているからだと思う」という。 の卒業生は、ソーシャル・フォレストリーという社会面を重視した森林保護の開発援助プロジクトで世 界中で活動しているという。

9. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

と政策、のような中級ミク 0 経済学 ( ぎ。「 m 。」蕓。 Mic 「 oeconomics) で、易しい微分・積分を使 0 て経済学 の基礎を学べる。さらに経済学を学びたい場合は、数理経済学—、そして数理経済学Ⅱ〈と進み大学レベル幻 は終了。さらに大学院レベルで高度な経済学を学ぶこともできる。このような「階段」を一歩一歩上が「て いけば、生物学でも、化学でも、地質学でも、全く未知の分野に & の学生は挑戦し、自分が取り組み たい環境問題に対処するための専門性を高めることができるのである。すでに何度か触れたように、 に十分な講義メ = 、ーがそろ「ていたとはいえない面はある。しかし、他の学部で開講されている講義を 使うことで、かなりカバーできるのである。 日系 ( 1 フの友人、ケリー。カネダ ( K 。「「』 K 当。」しさんは、博士課程に進んで環境経済学を専攻するつ もりで、修士課程では、その基礎固めのための勉強をしていた。ケリーは大学では経済学専攻だ「たが、博 士課程に行くには経済学や数学の知識が不足していた。そこで微分・積分の講義を入門から応用まで順々に とって基礎固めをした。同時に彼女は、 ) しくつかの環境科学の分野の講義も重点的にとっていた。こうして まさにいろいろな階段かついたピラミッドのように、 いくつもの分野で準備をして、頂点である目標に着実 に近づいてい「た。彼女はその後、無事 & の博士課程に進学し、経済学部博士課程の計量経済学やミ クロ経済学を学び、さらに勉強を続けている。 }— < とオフィスアワーがあれば恐いものはないー すでに何度も紹介したように、授業がよくわからなか「たり、宿題の解き方がわからない学生は、 ( ( 。冐三一 4 当 ( Ⅱ教務アシスタント ) や先生の面会時間 ( オフィスアワー ) に個別に教えてもらうこと

10. アメリカの環境スクール : 開かれた教育システムの体験

は、企業の環境部門にとって、非常に重要になっていく。 環境管理部門のトップは、毒物学、化学、産業衛 生学などの専門家がなるかもしれないが、の卒業生たちはこうした部門の素晴らしい学際的チ 1 ムリ ーダーになるだろう」という答えが返ってきた。 , 彼らは、それぞれの分野の用語を十分に知っているし、究 極的に何をなすべきかという全体的なアプローチのやり方も知っており、だから、非常に重要な役割を果た すことができるのだという。 あるスイスの大手企業の環境担当副社長はチャートウ先生に「最近、環境部門の人材採用で、自分が化学 専攻だということもあって化学専攻の者を採用したが、間違いだった。 & の卒業生のようなもっと広 範な訓練を受けた人材を採用したほうが良かった、と言ったという。「異分野間の相互依存関係がますますラ 強まっているなかで、 & æco のの卒業生は大きな役割を果たしうる」というのだ。 ロ プ チャートウ先生はまた、 & ( プロクター・アンド・ギャンプル ) 社のある管理職の人から「製品の背 後にある基礎科学の十分な知識があり、しかも製品への法規制のプロセスが理解できる、政策学を学んだ人管 材が欲しいのだが、という電話を受けたことがある。先生は「それはまさにわがスクールのの卒業生環 ですよ」と答えた。環境の視点から公衆衛生学、科学、政策、法律を学んでいるからだ。この管理職はいき業 企 なり数日後に現れて八人を面接し、「どの学生も採用する」ことになった。二人を正社員とし、残りの六人 は夏のインターンとして雇ってくれたのだ。「が何をやっているかわかっている企業はこんな対応も章 してくれる」と先生は強調していた。 もちろん、というプログラムでどういうことをやっているかが企業にまた理解されていないのは確 かだろう。また、今後どういった環境部門の人材が必要となるかを企業自身がわかっていない面もあるかも