話題 - みる会図書館


検索対象: 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ
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1. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

1 日目 話題提供と自己紹介をもとに、 ミュージアム・マネジメントの課題を 一日目の討論の結果、①組織活性化 分類し、討論の柱となるテーマとグ 論、設置者論、学芸員論、組織機能論 ループ分けを検討します。ホワイト ②他の組織などとの連携、利用者論 ポードに書き出されたグループの、ど③資金調達、金になる価値創造④広 こに参加したいかをそれぞれ投票し、 域のマネジメント⑤変革の起点はど こ ? の五つのテーマが抽出されまし 一日目の討論を終了しました。 た。テーマごとにテープルに分かれ、 グループ討論をスタートします。 まず、何が、どうして問題なのか、 課題の分析から話しあいました。 次に、どうやって、何から実行して 0 一 を一ま いくか、課題の具体的な解決案とそれ に伴う問題点を出しあいます。それら のアイデアは、統治機構、経営者、現 場担当者の三つの視点を短・中・長 期に区分したワークシート ( 別頁参照 ) 上にまとめ、解決案相互の関係がわか るように整理されました。それぞれ異 ミュージアムの価値の実現をめぐって 80 第 2 部

2. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

「話題提供」を、大阪市立自然史博物館の山西良平館長に依 どのような間いを立てたらよいか、それすらわからな 頼しました。大阪市立自然史博物館は、市民参加が盛んな活 そんな不透明な時代にふさわしいコミュニケーションの 動で知られ、さまざまなネットワークのもと、多様な活動を あり方をどう考えるか。二年前に行われた第四回のミュージ 展開しています。山西氏は同館の学芸員出身、現場たたき上 アム・サミットでワールド・カフェの手法を取り人れたのは、 げの館長です。実践に裏打ちされた取り組みや知見に満ちた そうした意識があったからではないでしようか そこで分科会の企画グループでは、進行のしかたを綿密に報告をいただき、グループ討議の呼び水となりました。 話しあいました。多くは初対面の三〇人弱の参加者の関心を 2 ・参加者とその関心テーマ 集約し、濃密な議論をして、具体的かつ効果的なアイデアを 出し、その結果を参加者全員で共有する。限られた時間でで 分科会の趣旨ではまた、参加者に次のようにも呼びかけま きるよう、議論を導き出す過程に留意しました。とはいえ内 した。 容を誘導するような仕掛けはしません。議論の枠組みはつく 「キーワードは『当事者』。職員、ボランティア、利用者、 りましたが、中身については「出たとこ勝負」です。 研究者など立場の違いを問いません。この問題を我がことと してとらえ積極的に関わろうとする人を歓迎します」。 共通の土俵で議論するために〕事前の資料送付と話題提供 これに応えて二四人が集まりました。年齢も異なり、ボラ 多様な参加者が対等に対話するのがミュージアム・サミッ ンティア、学芸員、行政職員、館長、さまざまな領域の研究 トのユニークな点です。とはいえ何らかの共通の上俵がなけ 者、助成団体・など所属とミュージアムと関わる立場 れば話がかみあいません。そこで国内外で「ミュージアム・ もさまざまです。海外からの方もおられました。 マネジメント」とされている事項を選んだ資料を、決定した ーによる課題の発表に続 話題提供、企画グループのメン。ハ 参加者に事前に送りました。この分科会で扱う「ミュージア き、参加者による討議を開始。まず自己紹介と関心あるテー ム・マネジメント」の領域を確かめるためです。 マをキーワードで紹介してもらいました。その後、キーワー また、参加者を触発し、議論の方向性を示唆するための ミュージアムの価値の実現をめぐって 92 第 2 部

3. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

注目されました。学芸員は幅広い分野を手がける必要もあ ワークの拠点化、広域での資源のマネジメントという視点で り、専門的知識を持っ来館者にかなわない部分も出てきま の取り組みなどに共感が集まりました。 す。ヘビーユーザーが味方についてくれれば心強いですが、 逆の場合は非常に大変です ( 笑 ) 。基本的に学芸員は、施設 グループ⑤ ( 変革の基点はどこ ? ) を預かり、運営する存在ですが、悪くすると資料の上にあぐ 学芸員の新陳代謝など人材の問題や、ほかには目標設定、 らをかく権力者になる恐れもあります。学芸員が敷居を低く コミュニケーション、利用者からの発想で考えていくこと、 し、来館者と交流し、関係づくりを続けていくしかないと思 収支フレームなどへの共感が多く寄せられました。 います。ヘビーユーザーも含め、さまざまな人にひらかれた 研究、学習の場をつくっていくことが大切かと思います。 4 ・議論へのコメント ③の資金調達について一つつけ加えますと、を資金 の受け皿として協力していただくことも大切です。最近、認 付箋による投票を終えて、話題提供を行った山西館長と分 ードルが緩和さ 定 Z=O 法人制度が変わり、寄付を受けるハ 科会委員長の高階館長よりコメントをいただきました。 れました。寄附した人も、寄附金額の一定割合が税額で控除 されるという大きなメリットがある制度に変わったので、そ その 1 話題提供者山西館長より れを活用し、をさらに活性化することができるのでは グループ①で、ミッションの問題や、学芸員同士の成果共 ないでしょ一つか。 有、外部のステークホルダーとの連携といった課題が出され ④の広域マネジメントについては、国会議員のアンケート ました。そういった意味では、日本博物館協会が「『対話と は非常にいいアイデアなので、ぜひ日本博物館協会でお願い 連携』の博物館」というテーマで一〇年以上前に出した指針 したいと思います ( 笑 ) 。博物館の味方になる議員連盟を作っ がありますが、今でもその重要性は変わっておらず、あらゆ ていただき、それで博物館法改正の課題も突破していくとい る館で追求することが引き続き重要だと思います。 う道筋が見えてきたのではと思います。 グループ②では、ファンクラブ、ヘビーユーザーの存在が 97 テーマ A : グループ長報告

4. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

マネジメントの課題と経営形態 博物館のマネジメントに関わる管理職は、現在いろいろな課題を抱えています。人員や予算の確 保に展一小更新、それに高度成長期に建てられた施設の老朽化などが、多くの施設で共通する深刻な 問題となっています。 事業についても調査研究、収集、教育、保管の四つを着実に進めていけばよい落ち着いた時代も ありましたが、昨今は、それぞれの事業の拡大にも目に見える形で取り組まなくてはなりません。 さらに、点検評価、情報公開、災害などのリスクマネジメント、あるいは、学芸員の研修も含めた 職員の資質向上など課題が山積しています。 そのほか、経営形態の見直しということでの指定管理者制度導人、財団においては公益法人制度 ( の移行の問題があります。当館でも、大阪市直営のころは、現場の私たちが市の財政担当者に直 に説明して予算を要求していました。しかし当館も指定管理になり六年目、一定額の予算をポンと あてがわれるだけとなり、個々の予算要求の機会も少なくなりました。行政管理が間接的なものに なっています。 大阪市立自然史博物館 テーマ < 話題提供 山西良平 ( 大阪市立自然史博物館長 ) 大阪市立自然史博物館〕一九 五〇年に前身となる自然科学博 物館が設立されて以来、六〇余 年の歴史を有する公立自然史系 博物館。博物館友の会と連携し たユニークな研究・普及活動に 加えて、西日本を中心とする博 物館ネットワークの拠点として 名高い 所在地】大阪市東住吉区長居公 www.mus ・ nh. city.osaka.jp 博物館外観 ミュージアムの価値の実現をめぐって 82 第 2 部

5. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

を実際に見ると感じる人もいるかと思いますが、同様のことは美術館だけではなく音楽業界でも出 版業界でもいつも言われます。音楽業界であればが売れなくなっている。しかしその後どうい う変化が起きたかというと、は売れなくなるのですが、コンサートのほうで収益を上げるよう な形にシフトしていきました。インターネットの力を使って無料で音楽を公開し、その音楽を聴い た人たちがそのアーティストに興味を持ってコンサートに来るというように、ウエプをうまく取り 込んだ形に変化してきていると聞いています。ミュージアムに足を運ばなくなるという懸念も、む しろインターネットのカでミュージアムに足を運ばせるという視点を持っていただくとよいのでは ないでしようか。物理的な制約がないということは、むしろプラスに作用させる方向で考えられる のではないかと思っています。 特にアーカイブズに関わるのは、「保存が容易」という点ではないでしようか。物理的な制約が ある場合、何を選択して残すかが問題になってきますが、私は基本的に、残せるものはすべてデジ タル化して残しておけばよい、と考えています。一旦残した上でどのように整理するかを考えれば よいのではないか、というスタンスです。書籍や美術品は空間を占有してしまうところがあるので、 「そこから何を残していくか ? 」を考えるきっかけにもなるのではないかと考えています。 福島幸宏 ( 京都府立総合資料館歴史資料課主任 ) 私の勤務先である京都府立総合資料館には、水谷さんの整理によれば「内なる三角形」がありま 話題提供 5 連携の視点からみたアーカイブズの課題 京都府立総合資料館二九六三 年に開館した図書館機能、文書 館機能、博物館機能の三つの機 能を有する総合的施設。京都に 関する専門資料館として、京都 145 テーマ C 話題提供

6. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

ドです。図書館においてテーマ展示をどうしていくか、図書たのではないでしようか。特に民間の観点はどうなのか、と 館がどれぐらいプランニング能力を持ったり、能力を いう点は、意識できた部分があって良かったのではないかと 持っていくのかということもよく衄られるところなので、そ 思います。 ういう意味では、ミュージアム関係者でなくても、どの分科 そういう意味では、私自身が一番楽しめたかもしれませ 会も学びになったはずだと思います。 ん。いわゆる連携から、連携という言葉が むしろ、自分たちの業界の中だけで話をすると、「できな ありますが、—=industry の観点で見ても、同じ課題があり い」ことに対するエクスキューズばかりが出てきてしまう面ます。逆にインダストリーの立場からすると、ミュージアム があります。「財源の問題」、「首長の方針」、あるいはそれぞ が置かれた環境という、ある意味での制約を人れて状況を考 れの組織の内部の問題と、たくさん出ます。業界の異なる人 えるのがまた面白いのですね。公共性はどう考えるか、公平 に対してはそのようなエクスキューズをつけにくいので、か 性をどう担保するかというような問題は、民間企業だから関 えって深く考えることができた面もあるのではないかと思い 係ないと言ってしまうこともできますが、企業とて社会的存 ました。 在だと考えると、私自身、非常に学びがありました。そうい たとえばアーカイブズ分科会で、話題提供者としてヤフー う意味では産業分野の、ミュージアムとはまったく関係ない の鎌田さんに来ていただきましたが、彼自身も楽しかったよ 人がもっと参加しても、つまらない企業セミナーより、ずつ うですし、彼のように、、 --a 、からさらに外側の人が参 と学びがあるのではないかと思いました。 加したことによってほかの参加者の方も刺激も受けたと思い 企業セミナーでよくあるのは、経営者としての哲学や、 ます。まったく異なる世界で生きている人に向けてどのよう わゆるメソッドに関わるものです。アメリカなどにおける経 に状況を説明するか、たとえばネット業界の人にこんな公共 営系のメソッドは、徹底したケーススタディーや議論の中か 系自治体的ないいわけをしても意味がわからないんじゃない ら生み出されてくるので、そこを含めて学ぶのはよいのです か、などと考えながら対話をしていくことで、結果として参 が、メソッドだけ取り出して伝えるようなセミナーはあまり 加者それぞれの状況や課題を別の面から意識する機会になっ 意味がないと思いますね。 ミュージアムの価値の実現をめぐって 156 第 2 部

7. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

水谷長志 ( 東京国立近代美術館情報資料室長 ) 私のテーマはアート・ミ、ージアムからの課題の提起ですが、「ミュージアム x アーカイブズ」 分科会の話題提供のトップ。ハッターですので、今後の展開の見取り図、ミュージアム ( ) ・ライ フ一フリー (=) ・アーカイブズ (<) に共通する基盤的な業務とフイロソフィーを示したいと考えて います。 「ミュージアム x アーカイブズ」の「 x 」を連携、つまり連携であるとしましよう。 連携には二つの種類があります。一つは、独立した機関同士が、館の外で連携する状態です。これ を「外なるトライアングル」と呼びます。二つめは、ミュージアムという館の中に、アートライプ ラリーやアートアーカイプがある、つまり同じ屋根の下のです。これは「内なるトライアン グル」と呼んでいます。 次に、の差異と同質性の確認をしましよう。の差異には、コレクションしている資 料の差異があります。この差異に尺度を設定するならば、ユニークネスⅡ唯一性が縦軸になります。 横軸は三つほど立てることができます。 一つめは、「コンテンツとキャリアの不可分性」です。たとえば油彩画の場合、油彩 ( 技法Ⅱコン 話題提供 1 アート・ミュージアムからの課題の提起 テーマ O 話題提供 参考〕根本彰「序章図書館、 博物館、文書館ーーーその共通基 盤と差異」「つながる図書館・博 物館・文書館デジタル化時代 の知の基盤づくりへ』東京大学 出版会、ニ〇一一。 マニスクリプト 工フ第メラ コンテンツとキャリアの 不可分性 ミュージアムの価値の実現をめぐって 132 第 2 部

8. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

「記憶の中のミュージアム」 ー個人のさまざまな体験から課題 を抽出 異なる館種をつなぐ共通の土台となる 理念の共有と具体的事業の提案 この分科会の目指したこと 市民とミュージアムの相互理解、 相互作用の過程としてのリテラシー テーマ 分科会概要 1 日目 グループ長からの分科会趣旨説明に 引き続き、西田由紀子氏 ( よこはま市 民メセナ協会会長 ) 、小野範子氏 ( 茅ヶ 崎市立小和田小学校教頭 ) 、端山聡子氏 ( 平塚市社会教育課学芸員 ) より、それ ぞれ市民、教員、学芸員という立場か らミュージアム・リテラシーについて 話題提供のプレゼンテーションを行い ました ( 話題提供の内容は頁以下 ) 。 次のプログラムは、佐藤優香氏 ( 国 立歴史民俗博物館助教 ) がファシリテー ターを務めるワークショップ「記憶の 中のミュージアム」。二人一組で相手 のミュージアムの思い出を聞き取り、 ワークシート ( 頁に掲載 ) に記人して いきます。 ワークショップで導きだされた自ら のミュージアム体験をもとに、グル プで討論してミュージアムの課題を抽 課題設定のためのプレーンストーミング 4 105 テーマ B 分科会概要

9. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

て、自らの課題を熟成していった。 ものを参加者それぞれの立場から明確にする。 二日目はジョン・ホールデン氏による基調講演を受け、一 日目の課題を整理し、意味づけし、課題別に班を作り、その ・参加者が自立し、協働し、高めあう分科会の進め方 分科会では、地域、学校、ミュージアムの立場における解決のためのアイデアを出した。最終的に各班が共通な理念 に基づいた具体的な提案を発表した。 ミュージアムの活用上の課題と参加者個人のミュージアム体 注目する手法の一つは、個人と社会の自覚化である。すな ミュージアム・リテラシーを支える基本的な考 験をもとに、 え方を共有し、参加者が所属する各機関の実情を踏まえた事わち、個人で熟考する場面と班での共同作業の場面を行き来 業企画を検討した。本分科会の進め方は、個人の立場を明確し、個人の課題を班全体の課題として昇華し、班でアイデア を出しあい解決方策を考え、個人の属する機関へ還元してい にし、グループワークで意見を出しあい、お互いが高めあう く方法である。もう一つ工夫したことは、企画する事業内容 議論の手法として新たに構築したものである。模式図で示す について理念・活動企画書 ( ワークシート ) を企画グループで と図 2 のようになる 開発したことである ( 頁参照 ) 。参加者がそのワークシート 池澤夏樹さんの基調講演を受けて、震災後の日本社会にお を完成させることで、個人と社会の自覚化に連動して、個人 けるミュージアムの役割を考えていく。ミュージアム・リテ が所属する機関で活用可能な具体的な事業内容と背景となる ラシーの三つの側面からの話題提供をしてもらった。三人の 理念との関係匪を明確にしたアウトブットを求めた。 話題提供を踏まえ、参加者は、個人の博物館体験を語った。 これは、学芸員・教員などの立場を超えて、一人の利用者と 2 ・話題提供 して記憶の中の博物館体験を呼び起こし、ミュージアムの文 化的価値を再認識する作業である。次は、五名程度の班を作 西田由紀子氏には、市民の協働・協創という観点から横 、個人の体験を集約し、共通する課題を抽出した。抽出し 浜市が進める事例を提案していただいた。西田氏の主張す た課題を整理したところで一日目が終了した。この間、参加 る、協働・協創は、「これからの時代、地域にさらに開かれ、 者は夕刻の懇談会とそれに続くインフォーマルな会合を通じ 121 テーマ B : グループ長報告

10. 地域に生きるミュージアム : 100人で語るミュージアムの未来Ⅱ

の違いや規模の大小はありますが、収支フレームのパターン のようなものを作る必要があるのではないかという問題提起 がありました。 また、行政施策・文化施策の中では、ミュージアムがまち グループ② ( 他の組織などとの連携・利用者論 ) づくりと一体化した展開をしていく必要性や、身近な地域で 「首長の怖がるところ、喜ぶところを突く」に票が集まり のネットワークや、同類の博物館・美術館とのネットワーク ました。首長の意向をうまくつかんで働きかけていくことが を作り、ミュージアムの価値を高めていくことが指摘されま した。 大事ということでしようか。成果、目標の設定と共有が必要 現場の学芸員については、ほとんど異動がないため、派遣という、グループ①に共通する話題や、そのほか、ファンク ラブの形成、基礎体力、リテラシー、中間支援組織への支持 研修、他館との人材交流などの人材育成の仕組みをつくるこ も集まりました。 とが重要との意見も出ました。 どの課題、どの解決策に共感が集まったか グループ③ ( 資金調達 / 金になる価値創造 ) 学校教育との連携、教育への貢献に関心が集まっているよ 各テープルからの発表の後は、全員でアイデア、キーワー うです。ほかには、文化施設は文化イベントの場ではないと ドに投票します。一人四枚付箋を持ち、一グループにつき一 いう認識の必要性、財源の多角化、イベントの基金化、無形 枚、発表を聞いて「いいな」と思ったアイデアに貼ってもら いました。 価値の評価と予算化、文化以外の社会的価値を打ち出すなど に共感が多く集まりました。 グループ④ ( 広域のマネジメント ) 職種ごとのネットワークづくり、ミュージアム・ネット グループ① ( 組織活性化論 / 設置者論 / 学芸員論 / 組織機能論 ) 圧倒的に票が集まったのはミッションについてです。ミッ ション、ビジョンの共有ができていない、あるいはそもそも 存在せず、それらを作っていくことが課題。コミュニケー ション不足の現状や、目標と成果の表明などが共感を得てい ました。 ミュージアムの価値の実現をめぐって 96 第 2 部