呼吸 - みる会図書館


検索対象: 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門
35件見つかりました。

1. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

表 4 ー 2 諏訪湖の年間基礎生産量の経年変化 年間基礎生産量 年度 測定者 gC/m2/' 年 宝月 , 1949 沖野 , 1970 倉沢ら , 1972 沖野 , 1978 260 557 799 750 1949 1969 ー 1970 1971 ー 1972 1977 ー 1978 約 3 倍に増大したわけである。 単位時間当たり , 単位クロロフィル量当たりの光合成量を同 化指数と呼び , その値が高いほど基礎生産力が高いことを意味 する。諏訪湖では , ミクロキスティスが優占する 8 月に最高 で , 光飽和の条件下で最高 24mg02/mgCh1. a/hr. であった。 珪藻が優占する 4 月では最高値ので低い。 表 4 ー 3 で諏訪湖の有機物収支をみると ( 坂本 , 1976 ) , 総生 産量を 100 とした場合 , 植物プランクトンの純生産量は 54 % で , 残りの 46 % が植物プランクトン自身の呼吸で消費される。 方 , 植物プランクトン以外の他栄養生物によって消費される呼 吸量は 53 % という大きな値で , 結局 , 湖水中の全微生物群集の 純生産量は 1 % のみである。湖への流入と流出および湖底への 表 4 ー 3 諏訪湖における徴生物群集による有 機物 ( 炭素 ) の収支 ( 坂本 , 1976 より引用 ) 総生産量に Cg/m2/' 年対する比率 0 799 100 433 54 366 46 420 53 786 98 13 総生産量 純生産量 植物プランクトン呼吸量 他栄養生物の呼吸量 全群集の呼吸量 全群集の純生産量 第 4 章湖沼の生態系 26

2. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

・鞘翅目 甲虫の一種であるが , 池沼や水田 , 流れのゆるやかな水域に みられるものは限られ , 幼虫は鰓呼吸するものと空気呼吸する ものがあるが , 成虫はすべて空気呼吸をする。 シマゲンゴロウ ゲンゴロウ ハイイロゲンゴロウ ガムシ ミズスマシ 2 水生動物 2 ー 0

3. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

日光 アルミホイルで包み 光の侵入を防ぐ 2 つの水槽の温度を 同じにするため水に入れる 植物プランクトンを培養した水か 植物プランクトンの多い池の水を使う 光の当たらない水槽 光の当たる水槽 ( 暗水槽 ) ( 明水槽 ) 測定項目 : 溶存酸素量 , 水温 , 気温 , 透明度 植物プランクトンの組成・数 測定時間 : 日の出 , 日の入りを基準に 1 ー 3 時間問隔 測定日 : 曇りの日 , 晴れの日 計算方法 : みかけの光合成速度一一明水槽水の溶存酸素量を , ある時間から次の時間までの 1 時間当たり 02 量で 呼吸速度一一暗水槽水の溶存酸素量をある時間か ら次の時間までの 1 時間当たり 02 量でだす。 真の光合成速度 = みかけの光合成速度十呼吸速度 図 3 ー 35 植物フ。ランクトンの生産と呼吸を求める実験法 変化量を出す。これが呼吸量になる。みかけの光合成量 ( 純生産 量 ) 十呼吸量 = 真の光合成量 ( 総生産量 ) の式から , 真の光合 成量 ( 総生産量 ) を求める。 1 日当たりの生産・呼吸量を求め るには , 各時間ごとの総生産量を「日の出」から「日の入り」 まで加算すると 1 日分の総生産量となり , 呼吸量は夜・昼の各 時間ごとの酸素消費量を加算すると 1 日分の呼吸量がでる。 実験の細かい留意点をあげると , 実験水の水面は大気に接し ているので , 大気との空気交換が行われていることは , 多少の 酸素量にも影響が考えられる。これら水面の酸素交換量の計算 方法はあるが , この交換量は大きくても士 lmg / い hr である ので , これ使って換算するか , 水面に薄い透光率のよい膜をほ 第 3 章生物の観察とその調べ方 " )

4. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

アメンポ ( アメンポ科 ) 体長約 10mmo 体は細長く , 前肢は体長の約半分に比べ中 肢 , 後肢は体長より長い。一定の水面を行き来し , 水面に落ち てきた動物や浮いてきた動物を捕らえ体液を吸う。限られた水 面ではなわばりをもつが , 時間とともに位置がずれてくる。 マッモムシ ( マッモムシ科 ) 体長約 13mmo 体は長楕円形で背を下にして後肢をたくみに つかって泳ぎ , 空気呼吸のため時々水面に上ってくる。肉食 性。 コミズムシ / チビミズムシ ( ミズムシ科 ) 体は長楕円形でマッモムシに似るが , 背を上にして泳ぐとこ ろは異なる。前肢は食物を口にはこび , 中肢は水中で物につか まるのに , 後肢は泳ぎにそれそれ役立つ。翅鞘の下に空気を保 っているので長時間水中行動ができる。空気呼吸と同時に皮膚 呼吸も行う。腐食性。 コ′ヾンムシ ( コバンムシ科 ) 体長約 10mmo コバン型で平たい。後肢で泳ぎ , 前肢は捕獲 肢になる。空気呼吸。 タガメ ( タガメ科 ) 形や色は水中に沈んだ枯れ葉に似る。カエルくらいの大きさ で , 小魚 , カエル , オタマジャクシと手あたり次第に捕食をす るので , 水中のギャングといわれる。空気呼吸。 タイコウチ ( タイコウチ科 ) タガメより小さいがやはりカエルなどを捕食する。腹端に 1 対の呼吸付属器をもつ。 ミズカマキリ ( タイコウチ科 ) タイコウチの体をさらに細くしたような形をし , カマキリに 似る。動物を捕らえ体液を吸う。 第 3 章生物の観察とその調べ方 209

5. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

・双翅目 幼虫は細長くウジ型。眼がなく胸肢をもたない。水中生活で も空気呼吸をするものもあるが , 水呼吸をするものは気管鰓を もつ。成虫は翅が 1 対。大きい複眼をもち , 空気中での生活。 湖沼 , 池や溝などに棲むものを次にあげる。 ュスリカ科 オオュスリカ , アカムシュスリカ , セスジュスリカの幼虫は 円筒状で体長 20 ~ 30mm に達する。眼点 , 触角 , 側鰓 , 肛門 鰓に特徴がある。濃赤色をするがこれは血中にエリスロクルオ リンがあるためで , 呼吸に役立っている。蛹をへて成虫になり 空中生活に入る。 フサカ科 フサカ幼虫は体は透明で , 尾部に剛毛がある。湖沼や池の底 に棲むが夜間は上層まで遊泳する。底層が無酸素状態になって も生きている。 アカムシュスリカ フサカ 2 ー 2 オオュスリカ セスジュスリカ 2 水生動物

6. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

2 ー 3 ー 4 両生類 カエル類 , サンショウウォ類 , イモリ類がこれで , 幼生は水 中生活をするので鰓呼吸をするが , 成体になると地上でも生活 するので空気呼吸をするようになる。 これらの動物の食性は , 幼生 , 成体いずれも動物を食べる肉 食性であるが , カ = ル類幼生 ( オタマジャクシ ) は植物性も食 べる雑食性である。 第 3 章生物の観察とその調べ方 2 リ

7. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

- ◆酸素ビンを用いた植物プランクトンの光合成測定法 先に , ウインクラー法による溶存酸素測定法で説明した ように , 100m ーの酸素ビンを 1 点につき 6 本用意し試水を 満たす。 2 本を 1 組として , 1 組は直ちにウインクラー法 で定量し実験開始時の溶存酸素量を求める。もう 1 組のビ ンはアルミホイルでビン全体を包み , 少しの光も中に入ら ないようにする。これは暗ビンとよぶ。さらに 1 組のビン はそのままの状態で実験に移る。これは明ビンとよぶ。明 ビンと暗ビンは試水を採水した水中の層に , 4 本共に同じ 水位にあるように一定時間放置する。放置時間は植物フ。ラ ンクトンの密度によって異なるが , 富栄養的水域であれば 1 時間から数時間で十分である。それ以上長く放置するこ とは , ビン内の水の変化が大きくなりすぎるのでよくな い。一定時間後 , 直ちにウインクラー法で溶存酸素量を求 める。同時に測定しておかなければならないものに , 水温 , 水面と水中の照度 , 植物フ。ランクトンの量とクロロフィル 量がある。呼吸量および生産量のだし方は , 最初の溶存酸 素量を記号で C とし , 明ビンを L , 暗ビンを D とすると , 純生産量 = L ー C 呼吸量 = C ー D 総生産量 = 純生産量十呼吸量 以上は放置時間中の呼吸量であり , 生産量であるので , これをもとに 1 時間当たりの光合成速度や 1 日の光合成速 度を求める。 このようにして求めた生産量も , 植物プランクトンの量 的な変化や生理的な光合成の能力に影響されるものであ る。したがってさらに追究するには , 植物プランクトンの 現存量や , クロロフィルの測定をしなければならないが , フ。ランクトン 専門的に深く入るのでここでは省略する。 “ 8 1

8. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

植物プランクトンの生産と呼吸 02mg / い時間 曇りの日 5 時 9 時 12 時 15 時 1 7 時 18 時 30 分 6 時 みかけの光合成量 ー 0. 5 1 . 0 0.8 0 5 0. 5 0.7 呼吸量 1 . 0 0.5 0.5 0. 8 0. 6 真の光合成量 1 . 3 1 . 3 0. 5 1 . 5 1 . 3 0. 5 晴れの日 5 時 6 時 9 時 1 2 時 15 時 1 7 時 18 時 30 分 みかけの光合成量 1 . 0 ー 0. 3 -0. 3 -0. 6 呼吸量 1 . 0 0.5 0 5 0. 8 0. 6 0 真の光合成量 0. 2 0. 5 0. 2 0 0 曇りの日の溶存酸素量と水温・気温 0 0 8 フ′ L.n 4 ・ つ」 ( 乙つ」っなワ」 温 度 、温 酸 素 ( 02rng 川 溶存酸素量 ・・ 1 00 % 酸素飽和量 5 0 1 5 1 8 昊 21 ( 8 月 15 日 ) 晴れの日の溶存酸素量と水温・気温 光をあてないときの溶存酸素量と水温 3 24 9 30 29 : 日 28 28 27 気温・ 度 26 1 0 10 酸素飽和量 100 % 溶存酸素量 ヌレ皿・ : 日 酸素飽和量 溶存酸素量 9 12 1 5 18 21 (0zmg/l 一 100 % 5 0 0 6 9 12 15 18 21 ( 8 月 20 日 ) 6 ( 8 月 20 日 ) 出 実験水槽の溶存酸素量 , 水温と気温の時間的変化 図 3 ー 36 第 3 章生物の観察とその調べ方 7

9. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

ドジョウ ( ドジョウ科 ) 池沼をはじめ , 小溝や排水路など停滞水域を好むが , きれい な小川などにも生育する。食性は水生昆虫や小動物 , 有機質の ものである。 1 ~ 2 年で成熟し , 5 ~ 8 月が産卵期にあたり , 浅い小溝や水田の水の動きのある水草に産卵をする。成体は 8 —13cm で時にはそれ以上にもなり , 6 は 9 よりやや小形 , ロ ひげはロの上側に 3 対 , 下側に 2 対ある。水呼吸のほかに空気 呼吸 ( 腸内でガス交換 ) もできる。食用に利用される。 タウナギ ( タウナギ科 ) 水田や池 , 溝など水の停滞する泥の中にもぐりこんで生息し ており , 肉食性で魚を食べる。産卵期は夏の初め頃である。体 長は 30 ~ 40cm またはそれ以上に達し , 体色は濃い黄褐色をす る。ドジョウと同じように , 腸呼吸をする。食用になり , 特に 夏がおいしいといわれている。 ウナギ ( ウナギ科 ) 河川 , 湖沼 , 水田などの水域に生育し , 温水を好む。日中は 泥の中や石の間にかくれているが , 夜間に活動をし , 小魚をは じめ , 水生昆虫 , 甲穀類などあらゆる動物性のものを食べる。 夏から秋にかけて海に下り , 産卵をするが , その場所はまだ明 らかになっていない。この頃体長は 40 ~ 90C m で 6 よりもが やや大きい。 6cm 位の透明に近いシラスウナギは , 秋には河口附近にあ らわれるが , 翌早春になって河川の水温が 10 。 c 以上になって 溯上し始める。このシラスウナギを捕獲して , 各地で養殖が行 われる。食用として , 古くからかばやきなどで有名である。 第 3 章生物の観察とその調べ方

10. 自然科学への招待6 湖沼の生物観察ハンドブック 湖沼の生態学入門

2 湖沼の生物生産と生態的遷移 湖の成因は種々あろうが , 一般にできたばかりの頃は , 水は 深く , 植物プランクトンが少なく , 透明度の高い貧栄養湖であ る。やがて流入する土砂や各種の沈殿物が湖底に堆積するにつ れて水深は浅くなり , 夏には表層では植物フ。ランクトンが増殖 して盛んな光合成が行われ , アルカリ度が増す。そして大量の 植物フ。ランクトンによって透明度が減少し , 水中を透過してく る光の強さは , 下層に向かって急速に弱まるが , 光が植物フ。ラ ンクトンの光合成をまかないえないまでに弱まった深さ ( 純生 産量と呼吸量が等しくなる深さを , 補償深度と呼ぶ ) 以下の水 の層の厚さが , さかんな光合成を行っている上部の水の層の厚 さに比べ相対的に大きくなる。この状態が富栄養湖であり , そ の生産構造は図 4 ー 5 に示すようで , 植物プランクトンの有機 物生産がフ。ラスの上層を生産層といい , マイナス生産で上層か ら沈降してくる有機物の分解が盛んに行われる層を分解層とい い , そこでは湖水中に栄養塩類がますます蓄積する。富栄養湖 水面 生産層 補償点深度 分解層 図 4 ー 5 湖沼の生産層と分解層 俵水層 , 有光層 , 栄養生成層 ) ( 中水層 , 変水層 , 躍層 ) ( 深水層 , 無光層 , 栄養分解層 ) 2 2 湖沼の生物生産と生態的遷移