5.6 新しい自然史博物館 表 5.2 博物館の 3 つの型 ( 伊藤 , 1991 ) 域 型 央 型 観 光 向 型 地域に生活する人びと のさまざまな課題に博 物館の機能を通してこ たえていくことを目的 とするもの 人びとの日常的生活圏 などのフィールドをも たず , 全国・全県単位 などで科学的知識・成 果の普及を目的とする もの 地域の資料を中心とす るが , 市民や利用者か らのフィードバックを 求めない観光利用を目 的とするもの 目的 調査・研究の軸 資料と人間との関係 の , 相互の規定性や媒 介性を課題とし , そこ に価値を見出すことを 中心とする . 軸となる のは人びとの生活課題 資料と人間との関係の 一般性 , 共通性を課題 とし , そこに価値を見 出すことを中心とす る . 軸となるのは各専 門領域ごとの法則や法 則性 資料と人間との関係 の , 特殊性や意外性を 課題とし , そこに価値 を見出すことを中心と する . 軸となるのは希 少性 ( 地域課題 ) 教育内容編成の軸 地域と教育内容の関連 を重視する内容 ( 教育 内容を地域の生活に基 づいて ) 編成 組織された知識・技術 の体系を重視する内容 ( あらゆる国民に均等 な教育内容の ) 編成 希少価値を重視した内 容編成 教育方法の軸 ものを考え , 組み 立て , 表現する能 力の育成を中心 知識の教授を中心 資料のもつ意外 性 , 人気を中心 209 資格を問題にするだけでなく , 実体にあった形での学芸活動が維持できること が望ましい . 博物館についての行政の扱いも改められるべきことがらである . その特殊性 を十分理解し , 同時に出先機関というとらえ方でなく , その行政の目玉であり , 住民の声を聞くマイクの役目を果たすものとしてとらえてほしい . なにはともあれ博物館は動いている . それを動かし進む方向を決めるのは , 学芸員を中心とした館にいる「人」であり , 同時に館へやって来る「人びと」 である . 5.6 新しい自然史博物館 自然と人の博物館 前節で述べたように , 博物館の現状を認識したうえで未来を展望したとき , どんな自然史博物館 , あるいはもっと広く博物館のイメージが生まれてくるだ
58 第 2 章自然史系博物館のすがた 図 2.27 「信濃川の自然と生活」展示 ( 長岡市立 科学博物館 ) 同会は博物館を計画・提唱し , 他の団体・市民の協力を得て市立の博物館とし て発足した . 建設費用として地域の企業北越製紙から寄付があった . 市民のっ くった博物館といえるわけだが , 当初は地学・歴史民俗部門はなかった . 自然 史中心の館になぜ考古部門が加えられたかというと , 市内の考古学者のコレク ションが寄贈されたからである . 現在の展示は各部門の展示と , それとは別に「信濃川の自然と生活」がある ( 図 2.27 ). 後者は部門を総合した地域主題のもので , 自然と人とのかかわり を中心テーマとしている . 各部門の展示は地域の資料を中心にそれぞれ特徴を 出すよう努力している . 収蔵資料は約 20 万点 , 昆虫 , 植物が中心である . 各研究室ごとに各種の調 査を行っており , 収集も同時に行われている . 寄贈資料も増えつつある . その他の館の活動として各種の行事がある . 調べる会 , 観察会 , 探鳥会 , 名 前を調べる会 , つくる会 , 講演会など年間 23 回 ( 1988 年 ) にも及ぶ . 出版物に は歴史があり , 館報が 54 号 , 研究報告が 24 号 ( 1988 年 ) となる . 地域に密着して地道な活動が続いている . 展示もむしろ地味で , 特別魅力的 というわけでもないが , 地域についての情報源 , そして情報開示の場として大 きい意味をもっている . 総合博物館として発展させる計画があり , 調査事業が行われている . 近い将 来に , さらに発展した新しい館を見たいものである .
206 7.5 北海道 四国 中国 7.1 7.5 267 館 第 5 章 関東 21.0 20.6 中部 博物館の未来像 動植水 3.0 自然史 7.5 理工 267 館 分野別 27.3 美術 総合 0.4 人文 53.6 東北 13.1 九州沖縄 8.2 近畿 15.0 地域別 図 5.16 1990 年度新設館の割合 述のように 7 : 3 くらいの「学び」にかたよった形がよいのだが , ひょっとす 先に述べた「学び」と「遊び」も同様である . 博物館の性格からいえば , 前 である . (d) あたりのバランスをとって , どちらかに重点がある形が望ましい . 実はそうではない . 両極化の傾向が生まれ , 図 5.17 の ( b ) や ( c ) に向かいそう は図 5.17 ( a ) のように研究・教育の 2 つの側面が平等にあるのが当然だが , 現 集・保存活動が弱い . いつほう , 研究中心で展示に関心の薄い館もある . 本来 の多くの博物館を見ると , 展示を中心とした普及活動が中心であり , 研究・収 博物館の機能 , あるいは活動の重点をどこに置くかということもある . 日本 ん 2 つが対極にあるわけだが , どちらへ向いているかということがあろう . 的な地球規模の国際的な視点に立って活動するのかという問題がある . もちろ まず , 自然史博物館として地域的なことを中心とするのか , もっと広く一般 る . いくつかの例をあげてみよう . そうなってゆくだろう . それと同時に専門化し , また両極化してゆく傾向もあ リまである . 内容が多様化・一般化してゆく傾向があり , これからもますます ソフトの面で見ると , 建物の大きさや単価に現われているようにピンからキ うに思われる . 円という値は大きいし , 面積の 35000 m2 というのも適正規模をこえているよ 分野は質素で小規模 , 全体に地味である . それにしても m2 当り単価 1304000 しているのと同時に , 一方では内容的にも地域的にも一般化している . 自然史
速いので , 152 第 3 章博物館の基本と機能 これも 10 年が一区切りであろう . 前述の博物館で見るかぎり , 瑞 浪市化石博 , 鳳来寺自然科学博 , 蛭川鉱物館 , 沖縄県博 , 佐渡博 , 津山科学博 , ひだ自然館などがそれにあたる . 瑞浪市化石博は設立以来 18 年で , 5 年目に 中程度の展示替え , その後展示の追加を行って改訂を加えているが , もう限界 に至っている . ( 2 ) 自然史展示の全体での比率 県立クラスの総合博物館や郷土博物館では , しばしば人文系列 ( 考古 , 歴史 , 民俗 , 産業など ) が中心で , 自然のことは導入 , あるいは結末にわずかに置か れているケースがある . 岩手県博 , 沖縄県博 , 福井県博 , 種子島センター , 津 山市立博 , 半田市博 , 四日市市博 , 宮沢賢治資料館などがその例である . ハー ド・ソフトの両面について不十分で , 後述する ( 153 ページ ) ような別の切口か ら展示を構成することも含めて , 見直しが必要であろう . ( 3 ) 展示に重点が置かれていない 研究や資料保存を中心的な活動としてとらえ , 展示を重視しないケースがあ る . 東大資料館 , 名大古川資料館など大学博物館にその例が見られる . たしか に大学博物館は研究 , 資料保存などが中心であるが , 時代が変わってきて開か れた大学が求められ , 研究成果の開示が云々されている . このような社会的要 求に対して , 博物館は社会へつながる有力な窓口である . もっと重視されてし かるべきであるし , 行政的にも対応が必要である . ④特別展重視 イベントとして特別展を企画し , 多くの入館者を迎えるという例がある . 特 別展は一過性で , 常設展示と比べるとウェイトが小さいはずである . たしかに 入館者数は増えるが , 終われば後になにも残らない場合が多い . 一考に値する 問題である . ( 5 ) 異質なものとの共存 展示全体の流れの中で , 違和感を覚えるものがいっしょに見られる場合があ る . 1 つの例は前述の徳島県博の南米の古生物の展示である . なぜここにこの 種の化石が , といぶかる人がいるはずである . また , 石油の世界館の絵画・陶 器は , 運営はともあれ分離すべき性質のものである . このように見てくると , 展示の見直しの問題が出てくる . すでに述べたよう
第 5 章博物館の未来像 乙ファルプス博物館都市 ( 長野県大町市 ) 大町市には 7 つの博物館があり ( 39 ページ参照 ) , そのうちの東山低山帯野 外博物館の内山慎三館長の提案である . その骨子は次のようである . 大町市全体を博物館として機能させるために , 小さくてもよいから各分野の 専門博物館をたくさんつくる . 核になる博物館があり , 情報を提供し ( 図 5.5 ) , 指導する . 各博物館は地域づくりの核となる . 住民ひとりひとりが学芸員とな る . テーマは「山と水と道」で , すべて大町に深く根づいていることがらであ る . これに関連する博物館として , 現在 , 山岳博物館・低山帯博物館 ( 山 ) , 酒 の博物館・エネルギー博物館・温泉博物館 ( 水 ) , 塩の道博物館 ( 道 ) などがある . 子どもが自由に体を鍛え , 自然の中で遊び学べる施設として「山の子村」が ある ( 低山帯博物館の中 ) . 景観づくりの 1 っとして「サクラの植物園」がっく られ , その中に森林劇場と呼ぶ多目的ホール・野外音楽堂ができた . その他の 環境整備も進められている . 内山氏はキャンペーンタイトルとして「ムーゼ ン・ストラーセ ( 博物館街道 ) 大町」を提案している . なかなかおもしろい発想 であり , かっ積極的に進められているので , これからさらに発展するだろう . 自然のよい面をさらに取り込んで , 後で述べる「人と自然」のエコミュージア ムにしてもらいたい . 朝日町工コミュージアム構想 朝日町は山形県の中央部にあり , 南に朝日山地がある . 面積約 200km2 , そ の約半分は国有林で , 民有林とあわせて約 3 / 4 を山林が占めている . ブナの原 生林をもっことで知られている . 人口は 1 万人少々で , 就業人口は農業を中心 とした一次産業 , 工業を中心とした 2 次産業 , 第 3 次産業がほば 1 / 3 ずつであ る ( 工コミュージアムフォーラム資料 ) . 農業はりんごが中心となっている . この町にエコミュージアム構想がある . 施設の概念図 ( 図 5.6 ) は豊かな自然 とそれに基づいた産業 , っちかわれた文化の中で町全体を博物館としてとらえ , 町を理解し , 学び , 楽しみ , 誇りをもって生活してゆこうというのである . この方針は町勢要覧を「緑の博物誌」と名づける姿勢に現われている . また , 第 3 次総合開発基本計画の中の 5 つの大綱 , 15 の主要プロジェクトの中に明 己されている . いわゆる町づくりの一環としてエコミュージアムがとらえられ 188 一三ロ
174 きっかけ 第 4 章博物館論 発想するところから始まるが , 実際にはいろいろなケースがある . 「もの」 が多量にあって , これを材料としてという場合はごく自然に次のステップへ移 行することができる . なんらかのテーマについて発想されることもある . とき には思いっきや夢みたいな話もあって , 具体化がむずかしい場合もある . さら なにかの記念のためにということもある . 1960 年代終わりから 70 年代初 めにかけて , 明治 100 年 , あるいは県政 100 年などを記念して多くの博物館が つくられたことは記憶に新しい . どんな場合でも , なんのためにつくるかをは っきりさせておきたい . 基本的には地域を中心に , 市民のためにつくるのであ る . 人 いずれの場合にせよ , 発想の主体は「人」である . そして , その後も人が実 際にことを進めてゆく . 発想するのは , それがまちがったことでなければ誰が してもよい . しかし , それを先に進めていくには , そのテーマとするものにつ いて知識のある人 , 博物館についてのノウハウを知っている人が必要である . 両方を兼ねている人はなかなか得難いから , どちらかを , とくに後者を選ぶ . 他の適当な人 , または機関に相談するか委ねることもできる . 大規模な構想の 場合はもちろんのこと , ふつうには , 中心になる人 , 学芸と事務の両面でのス タッフがほしい . 学芸員はこの時期にはいないことが多いが , できるかぎり早 い時期からいたほうがよい . 多人数の場合は分野のバランス , チームワークを 重視する必要もある . 人がうまく配置できれば , よいスタートができたといえ る . もの ソフト面で重要なのが人であるとすれば , ハード面でのそれは「もの」であ る . 博物館の材料としての「もの」にはいろいろなレベルがある . 収集され , 整理・保管 , そして研究されたものがあればいちばんよい . 少なくとも収集さ れ , 整理・保管されていることが必要である . 数は多いほうがよい . 質の判断 はむずかしいが , 一定のレベル以上のものがほしい .
自 考古 自然 分野 2.4 県立博物館 構想される展示 歴史 現在の展示 人文分野 民俗 77 産 業 自然 分野 図 2.37 展示改善の切ロ ( 福井県立博物館 ) ある . 展示室の増設が考えられている . テーマは 2 っ , ( 1 ) 大地の生い立ちと 自然展示に関してみると , 大幅な面積の増大 ( 156m2 → 550m2 ) がます第 1 で 目として常設展示を新しくしようとするものである . より約 1 年の年月をかけて報告がまとめられた . 開館 10 年 ( 1994 ) を 1 つの節 このことに関連して , 展示改善が構想され , 委員会がっくられた . 1989 年 歩進めて展示にも生かしてほしいところである . 研究される第 1 歩が始まった . 特別展という形の普及活動もできた . さらに じっくりと着実に対応してほしいということである . 資料が集まり , 保存され , けだが , これから望まれることは , 一時のプームにのった浮ついたことでなく , しの目玉にさえすれば人が来る時代である . そのさきがけがこの館であったわ 「プーム」と書いたが , 昨今の恐竜の人気は著しい . 恐竜を特別展などの催 開催された . 料としては貴重である . 期間中約 38000 人の入館者があり , 名古屋・浜松でも り出しての展覧会である . 日本の標本は中国のそれと比べて貧弱であるが , 資 と中国一一」が催された . 新しい日本の資料を使い , 関連する中国の標本を借 その段階として , 1990 年に中国とタイアップして特別展「恐竜時代 - ー一日本 成果はこれからさらに拡がり , またたしかなものになってゆくはずである . ( 2 ) 福井の自然である . ( 1 ) がおもに地学 , ( 2 ) が動物・植物中心である . の恐竜は①の中心となるだろう . この展示改善案は基本的には現在の通史的な流れに沿ったものである . 前述 しか
3.3 博物館の機能 155 主↑活動の現状↓従 集存究 面収保研 研 教育面 展示 育及 教普 図 3.8 普及行事 ( 豊橋市自然史博物館 ) 社会活動 ( 自然保護 ) 基礎面 応用面 主←活動の現状→従 図 3.7 博物館機能の 2 つの側面 ( 糸魚 , 1990 ) 博物館と教育・普及 博物館における教育・普及活動は , その館のテーマとすることがらについて 興味をもってもらうこと , 理解を深めてもらうことを目的としている . 館の PR の側面も含まれる . 展示もある意味ではこの中に含まれ , 博物館の機能は 収集・保存ー研究の研究中心の側面と , 展示ー教育・普及の教育中心の側面とに 区別される ( 図 3.7 ) . 実際の博物館活動をみると , 教育の側面のウェイトは大 きく , 館によっては 80 ー 90 % 以上というところもある . 生涯学習が唱えられる 中で , 子どもから大人まで博物館で学ぶ機会は多い . いわゆる社会教育の重要 な部分を担っており , 学校教育にも寄与しているといえる . 実状はどうであろうか . 前にあげた博物館についてみると , その活動は大き く壅 , 特別展 , 出版物 , 友の会活動の 4 つに整理することができる . ( 1 ) 行事 ほとんどのすべての館でなんらかの行事が行われている . 多いほうからあげ ると , 講座あるいは教室 , 観察会・採集会 , 講演会 , 映画会である ( 図 3.8 ). 内容はさまざまで , レベル , 回数 , 参加人数なども館によって異なる . 一般に 継続して行われて , 定期的になっている場合が多い . また , 記念行事としてな にかをきっかけに単発で行われることもある .
3.3 博物館の機能 はいつまでもやせたままということになり かねないのである . ( 3 ) 出版物 教育・普及用の出版物も 1 / 3 をこす館で 出されている . これも内容はいろいろだが , それぞれの特色を出したものがほしい ( 図 3.9 ) . 映像も含めて , 情報は氾濫している . たとえば , 最近のプームにのって恐竜の解 説書は多い . 正確に調べたわけではないが , 本・雑誌を含めてゆうに 400 種はこえるだ ろう . 出版社に対抗してなにかをつくると いうのはたいへんむずかしい仕事である . したがって , 独自なものが要求されるわけ である . 一般に , 日本の博物館で友の会をもっているのはそれほど多くはなく , 欧米 に比べると少ないといえる . 先にあげた 60 館でも 15 館前後と思われる . 博物 館は人の来る場所であり , 博物館は「人」 ( 学芸員 ) と「人びと」 ( 入館者 ) との つきあいの場である . さまざまな形の交流が生まれるわけだが , 友の会に属す る人はその中心になる人びとである . 彼らを大切にしたいし , 育ってほしい . その中から自然史を専門に学ばうという人が出てくる可能性がある . 瑞浪市化 石博では , すでに複数のそういうケースが生まれている . 次代養成のべースを つくっているのである . 友の会はもっとつくられる必要がある . また , あってもその運営に自主性が 乏しく , 博物館へ大きく依存しているケースも見かけられる . 日本の博物館の 中でこれからどう育ててゆくか , 問題としなければならない組織であろう . 全体の博物館の活動を見ると , 教育・普及の面にウェイトがかかりすぎてい る感がある . これは多すぎるということではなくて , 他の収集・保存 , 研究な どのウェイトが小さいということである . 図 3.7 に示すように , 教育面にかた より , とくに展示が博物館の中心と考えられている . 教育・普及の面でも , な 157 財団法人本そンらモンタ、 ~ •JAPANoMONKEY CENI 、 RE NO. 243 図 3.9 友の会会誌 ④友の会
48 第 2 章自然史系博物館のすがた 図 2.20 斎藤報恩会自然史博物館の地学展示 館の基本をそなえ , 活動も活発である . とくに研究報告は戦後も継続して発刊 され , 英語論文のみを掲載するので , むしろ外国での評価の高い出版物である . 展示は 2 階に分かれ , 1 階が地学 , 2 階が生物である . 地学展示は東北地方 の自然史を中心に展示されている ( 図 2.20 ). 基本がしつかり示されていてわ かりやすい . ウタッギョリュウ ( 魚竜 ) , センダイゾウなど地元産の目玉標本の 他 , アロサウルスの骨格 ( レプリカ ) なども目につく . 生物展示はとくに脊椎動物に焦点があてられていて , 消えてゆく鳥たちの トキを含めて絶滅の危機にある鳥を展示し , 警鐘を鳴らしている . コーナーに また何種類かのクジラ , ニホンジカなどの哺乳類も見られる . さわれるコーナーを設けたりして工夫がされているが , やや羅列的で子ども たちにはおもしろくないのかもしれない . 仙台市の中心部にあるにしては入館 者数が少ないと聞いたことがある . バラエティに富み , 動きのある仙台市科学 にも地学 , 生物分野の展示がある ) と比べて地味なせいだろうか . この館の強味は協力研究者のあることである . 専任の学芸員は 1 名であるが , 複数の方が多方面にわたって関係されている . 東北地方は化石のメッカであり , 東北大学をはじめ研究者の数は多い . いつほう , 博物館が研究補助を行ってお り , 両者の関係はうまくいっている . 行事予定表を見ると , 5 ー 11 月に集中してセミナー , 博物館教室 , 理科工作 教室が行われている . こでも館外協力者の名前が見られる . 歴史があり , 内容的にもレベルの高い博物館である . スタッフの少ない点も 協力者によってカバーされている . 入館者の数を増やすことが当面の課題であ ろうか . もう少しにぎやかになれば , 館の活動ももっと活発になるだろう . そ