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検索対象: 日本の自然史博物館
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1. 日本の自然史博物館

5.7 っくってみたい博物館 217 0 図 5.23 博物図の 1 例 自然史の周辺 ( 1 ) 博物図の博物館 博物図は最近プームである ( 図 5.23 ) . 火をつけたのはコレクターで研究家 の荒俣宏氏である . 多くの著作があり , すぐれた博物図を紹介されている . 博 物図はヨーロッパ , アメリカをはじめ , 日本 , 中国にも多数ある . 時代的には 18 世紀から 20 世紀初めのもので , 対象は動物・植物のみならず , 風景や人の 生活にまで及んでいる . これらの博物図を材料として , 博物館 ( あるいは美術館と呼んだほうがよい かもしれない ) をつくる . 世界的にみれば材料はまだたくさん埋もれているは ずである . 複製を使うこともビデオなど映像を使うこともできるだろう . 考えたいのは切ロである . 博物図は人の目で見たものを描き出しているわけ だから , それは自然そのものではない . 「人の目を通しての自然」をどのよう に扱うかが問題である . 動物・植物 , さらにその細分といった分類的な区分 , 地域区分 , それのつくられた年代 , といったあたりのまえの区分にはしたくな ある地域の生態系を復元するというのはどうだろうか . そして , それの時代 宗紫石の花鳥図 図 5.24

2. 日本の自然史博物館

2.2 豊橋市自然史博物館 ノ館 ラ物 8 宀日 市 図 2.7 中生代展示室 ( 豊橋市自然史博物館 ) 図 2.9 屋外の恐竜模型 ( 豊橋市自然史博物館 )

3. 日本の自然史博物館

第 5 章博物館の未来像 204 図 5. 動刻の特別展 ( オランダ国立自然史博 図 5.14 アメリカの博物館のキャラクター商品 物館 ) ある . 海外旅行における日本人の買物の様子を例に出すまでもなく , とくに日 本人はおみやげを含めて買物好きであり , これは人間の楽しみの 1 つである . その要求にこたえるためにも , ぜひショップを充実させたい . ただ , なんでも よいのではなく , よそから仕入れるだけでなく , オリジナル商品をつくってほ しい . 図 5.14 はアメリカの例だが , じつに気がきいている . 日本でもできな いはずはない . そして , 公立館は販売を嫌う風潮があったが , ぜひ改めてほし い . 来館者が楽しみ , 収入となって館がうるおえば一石二鳥ではないか . ボランティアとドネーション ( 寄付 ) 次にボランティアとドネーション ( 寄付 ) のことがある . これらもアメリカの 博物館で目立っことである . 多くの博物館で高齢者が切符を売り , ガードをし ているのに気がつく . 入口には寄付用の箱がそなえてある . じつはこの 2 つが アメリカの博物館を支えているのである . 博物館で働く人の 50 % 以上がボラ ンティアだというから驚く ( 図 5.15 ). その基礎には , 「博物館は私たちのも の」という意識がある . 博物館が成立するときから地域の人びとが深くかかわ っていて , その違いが日本との間にあるのである . だからといって日本ででき ないことはあるまい . ぜひ進めてほしい市民活動である . 博物館も積極的に働 きかけたらどうだろうか . 情報サ ービス 最後に これまで少なかった博物館の機能の 1 つ , 情報サー ビスについてふ

4. 日本の自然史博物館

第 4 章博物館論 178 図 4.4 建設中の豊橋市自然史博物館 図 4.5 展示の製作 繰り返され , プラッシュアップされてゆく . 学芸員サイドからの提案も含めて , 展示の内容が厚みを増してゆく時期である . ケースや照明など展示の効果を発揮させる工夫がされる . 建物のうち , 展示 と関係する部分 , 床や壁・天井のマチェール・色など展示を取りつけるための フレームワーク , 電気の容量なども両者の検討課題である . 見学者に気持ちよく見てもらうために , 空調設備が必要であるし , 音響に対 する配慮もいる . 室内の色は展示に関係するだけでなく , もっと基本的な快適 さに関連することである . 照明も閉鎖的な環境での人工照明だけによるのか , もっとオープンにして自然光を採り入れるのか , いろいろと問題がある . 展示室であるからといって特別な空間ではないのだが , 展示をうまく見せる ( 価値を提示する ) , わかりやすく説明する ( ものの意味を表現し解説する ) こと と同時に , 気持ちよく見られる場にするということが肝要である . 施工 この後 , 建物・展示とも施工に入る . 建物は先行してつくり ( 図 4.4 ) , 養生 期間をおく必要がある . 展示は工場において準備され ( 図 4.5 ) , 最終的に博物 館に搬入され , 比較的短期間のうちに完成する . それまでに十分チェックされ , ラベルやパネルなどの文字・イラストなどの校正 , ジオラマなどの「もの」校 正なども行われるのだが , 最終的には多くの手直しが必要となる . 実施設計といっても , その段階で具体的に「もの」とそれの説明 ( たとえば ラベル ) の細かい配置その他をつめているわけではないので , 細かいミスが出 てくるし , 不足や欠陥が生まれてくる . 学芸員と業者両方のすばやい対応がな

5. 日本の自然史博物館

3.3 博物館の機能 155 主↑活動の現状↓従 集存究 面収保研 研 教育面 展示 育及 教普 図 3.8 普及行事 ( 豊橋市自然史博物館 ) 社会活動 ( 自然保護 ) 基礎面 応用面 主←活動の現状→従 図 3.7 博物館機能の 2 つの側面 ( 糸魚 , 1990 ) 博物館と教育・普及 博物館における教育・普及活動は , その館のテーマとすることがらについて 興味をもってもらうこと , 理解を深めてもらうことを目的としている . 館の PR の側面も含まれる . 展示もある意味ではこの中に含まれ , 博物館の機能は 収集・保存ー研究の研究中心の側面と , 展示ー教育・普及の教育中心の側面とに 区別される ( 図 3.7 ) . 実際の博物館活動をみると , 教育の側面のウェイトは大 きく , 館によっては 80 ー 90 % 以上というところもある . 生涯学習が唱えられる 中で , 子どもから大人まで博物館で学ぶ機会は多い . いわゆる社会教育の重要 な部分を担っており , 学校教育にも寄与しているといえる . 実状はどうであろうか . 前にあげた博物館についてみると , その活動は大き く壅 , 特別展 , 出版物 , 友の会活動の 4 つに整理することができる . ( 1 ) 行事 ほとんどのすべての館でなんらかの行事が行われている . 多いほうからあげ ると , 講座あるいは教室 , 観察会・採集会 , 講演会 , 映画会である ( 図 3.8 ). 内容はさまざまで , レベル , 回数 , 参加人数なども館によって異なる . 一般に 継続して行われて , 定期的になっている場合が多い . また , 記念行事としてな にかをきっかけに単発で行われることもある .

6. 日本の自然史博物館

19 2.1 瑞浪市化石博物館 図 2.3 展示室 ( 瑞浪市化石博物館 ) 〇〇 ⑦◎ 〇⑥①① ⑨⑧ 図 2.4 展示室の配置 ( 瑞浪市化石博物館 ) . メイン・テーマ : ①瑞浪の地層と化石 , ④地質柱状模型 , ⑥デスモスチルスとパレオパラドキシア , ④地質と地形模型 , ④ そのころの生物 ( 海の生物 , 陸の生物 ) , ④日本のサメ・世界のサメ , ②まわりの様 子 ( 岩村と可児 ) , ③そのころの海と陸 ( 古環境・古景観・古地理 ) , ④古瀬戸内海 , ⑤新生代の日本 , ⑥瀬戸湖と古木曽川 , ⑦コハクと昆虫の世界 , ⑧地のめぐみ , ⑨ 瑞浪の自然 . サブ・テーマ : ⑦瑞浪化石の分類 , 〇岐阜県の地質と化石 , 〇古生物 の生活 , 〇化石のいろいろ , ①瀬戸内海 , ④学習ひろば . 図 2.5 野外学習地 ( 瑞浪市化石博物館 )

7. 日本の自然史博物館

2.6 私立博物館 95 図 2.47 津山科学教育博物館展示室 図 2.46 久慈琥珀博物館坑道跡展示 加え , 小規模ながら総合博物館となった . 展示室は床面積約 1150m2 である . 展示室はやや古めかしく雑然としている . この博物館の歴史が感じられ , 重 みもあるが , それより先に整理され , きちんとなっているという感じがないの が残念である . 地質部門には , 近くの吉井川の河床から出たクジラ化石を材料 としたジオラマがある . 内容的にも技術的にも , 現在のレベルから見れば高く はない . それよりもつくったまま手入れがしていない , という感じを与える . この館の有名な展示に , 人体生理解剖衛生室がある . 精巧な模型と実物標本 は見学者を驚かせる . しかもひとそろいの内蔵標本が創立者のものであるとい う事実は , ただ沈黙の他はない . その精神をうかがわせるモニュメントといえ ようか . その他 , 多くの哺乳類標本は日本のみならす世界に及ぶ ( 図 2.47 ). めずら しい動物・植物も多い . 自然史資料の約 15000 種という数は , やはり歴史的に 積み上げてきた成果であろう . この他に , 歴史資料 17000 点あまりがある . ま たその他の活動として , 出版 , 自然観察会 , 講演会 , 天文の会などが行われて いる .

8. 日本の自然史博物館

第 2 章自然史系博物館のすがた 104 図 2.53 東京大学総合研究資料館 おおいに活用してほしいとのことである . 植物観察入門講座 ( 月 1 回 ) , 博物館だよりの刊行など活動は活発である . 資 料の寄贈も続いているようである . 地域における博物館 , また大学博物館の学ぶべき姿がここにあると思われる . たしかに小野木氏の個性ということもあるが , 博物館全体がそのつもりになら ないと実現しないことである . 高山へ , また日本アルプスへ行ったときにはぜひ利用してほしい館である . 大学博物館としてはふつうの意味から少しはずれるが , こういう館があってこ そ開かれた大学といえるのだろう . 東京大学総合研究資料館 東京都文京区本郷東大構内 日本で数少ない本格的大学博物館の 1 つである ( 図 2.53 ). 1966 年 ( 昭 41 年 ) 開館し , 25 年をこす歴史をもっ . 地下 1 階地上 4 階で延床面積 5771m2 の広 さがある . 17 部門で構成され , 3 つの系 ( 地学・生物・文化史 ) に分かれている . 館長は併任であるが , 教官 6 名 , 事務職員 8 名のスタッフをそなえる . 図 2.52 高山短期大学飛騨自然博物館展示

9. 日本の自然史博物館

187 5.1 工コミュージアム ロロ朝ロ導信ツ アルプス こくふ街角博物館 阿波木偶館 個性ある町つくり目指すい 年内に基本構想のまとめ山」 ~ 、、 = 博物館都市、を紹介 内山剣長木物、講演ー第 : ー第。邑ト 5 「・ーをらをを 博物館都市 図 5.4 阿波こくふ街角博物館 図 5.5 野外博物館通信 できそうである . 工コミュージアムとは少々異なるが , ユニークな運動である . 阿波こくふ街角博物館 墨田区と同様なパターンで始められたものである ( 図 5.4 ) . 徳島市に含まれ ている国府町はかって国府のあった歴史の町である . 藍染 , 木偶など伝統産業 があり , 町の商工会が音頭をとって , 300 万円の予算で 1988 年から 13 カ所の 施設が参加して始まった . それぞれの施設は見学者を迎え , 説明し , ときには 商品が販売されるというのである . 1991 年春に現地を訪れ , 説明を聞き , 案内をしていただいた . 残念ながら 活動は活発ではない . 商工会という中心になって働く母体が弱いこと ( とくに 予算面において ) , 参加者の認識がばらばらで , 負担になったりすることもあ って積極的でない人がいることなどが原因のようである . 歴史と文化の残って いるところであるから , もう一工夫して活性化できないものだろうか .

10. 日本の自然史博物館

第 2 章自然史系博物館のすがた 16 図 2.1 中央自動車道工事の際の化石採 館員 4 名と嘱託 1 名である . 標本 20 万点以上を所蔵する . 1991 年 3 月までの 約 17 年間の入館者数約 120 万人である . 小規模だが博物館の基本をおさえ , 十分に機能を果たしている . 1974 年に博物館登録した . つくられ方 1971 年に始まった中央自動車道の工事が最初のきっかけである . 瑞浪地方 の地層と化石については , それまでに多くの研究があり , 成果が発表されてい た . 陶土・褐炭 ( 亜炭 ) ・ウランなどの資源についての調査も行われていた . と くに瑞浪市にある多くの化石産出地は , 県指定の天然記念物となっていた . 建設工事にともない , 1971 年秋より調査・採集が行われることになり , 専 門家 , 地元の研究者 , 行政からなる調査団が編成され , 地域の人びとも資料収 集・整理に協力した ( 図 2.1 ) . 1972 年 4 月 , 市の予算に調査費が計上され , 化 石調査団が博物館の調査・研究も兼ねることとなった . この間 , 重要なこととして , 当時の横須賀市自然博物館長羽根田弥太先生か ら , 市長・教育長が博物館の基本理念について教えられたことがあげられる . 図 2.2 移動式標本棚 ( 瑞浪市化石博物館 )