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検索対象: 日本の自然史博物館
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1. 日本の自然史博物館

2.9 自然史博物館の周辺 タ PI 休靼 天文台 P2 室 125 8 気資継学など新固 ーミクロのー新 5 戦一人しくみー匝 ーゆなくヨノー匝固 2 環境ーあすのー固 二小ランール新固て 事務室出入口 B2 サイール固 生命館 1 3 6 9 8 7 6 5 4 3 2 Bl B2 気象と防災 電気とエネ儿キ - 放送と通信 光と音 機機と動力 物質と材料 と自動車 飛行機と船 科学の広場 理工館 機室 休を室発店て ☆ 。方ネダ ) ) ム 匯 出口 連発通路 食堂 3 ☆ 1 特別展示室固 2 字と天文 天文学習室行 B2 事務室会一室 機室 天文館 図 2.65 名古屋市科学館配置図 1981 ー 82 年に基本構想がっくられ , 約 7 年かけて完成した . テーマとした 3 命 , 生活 , 環境がテーマである . 地下 1 階地上 6 階で , そのうち展示は 4 階で , 床面積約 2200m2 を占める . 生 る . 1989 年に生命館がつくられて , 新しい側面を加えた ( 図 2.65 ) . 生命館は 工館 ) がつくられた . 年間 50 万人をこす入館者のある規模の大きい科学館であ 名古屋市科学館は 1962 年 ( 昭和 37 年 ) 天文館 , 2 年遅れて 1964 年に本館 ( 理 名古屋市中区栄 2 丁目 名古屋市科学館生命館 となるのだろう . うか . 「自然と人」の大テーマで自然史博物館を考えるとき , おもしろい内容 問題もいくつかある . そのあたりに焦点をあてた展示は考えられないものだろ を受けている . しかし , 有限の資源で近い将来に枯渇する . また環境がらみの 組み立てたらどうだろうか . 石油は人間生活と関連が深く , 誰でもがその恩恵 よい . 常設では , 大谷資料館と同様に石油の科学 ( 自然史・工学 ) と産業史とで うがよい . 2 階の特別展示室は常設の拡充と石油に関連した特別展にあてると 庭園も同様である . 美術館と庭園を 1 セットとし , 石油の世界館は別にしたほ やはり別な施設をもつべきだろう . その点では 3000 本のカエデをもつ中野家

2. 日本の自然史博物館

96 第 2 章自然史系博物館のすがた 展示室の他のスペースはきわめて少ない . 研究室 , 工作室 , 図書室で延床面 積 80 m2 少々である . プラネタリウムも 100 m2 と小さい . 収蔵室もないとい ってよいほどで , 展示室すなわち資料室である . 自然科学を身近なものに , 子どもに夢をと志して戦後早い時期につくられた 館であるが , きびしい言葉でいえば風化が進んでいるといえよう . つくられて から後の発展もかってはあったであろうが , 現在では , 時が止まっているとい う印象を受ける . 創設者の物事にトライする精神はどこへ行ったのであろうか . 小さな都市で財団法人としての運営はけっして楽ではないかもしれない . 入 館者もそれほど多くは期待できないだろう . そうではあっても , このままでよ いということにはならない . できることでの改革 , 知恵を出しての創造がなけ れば活きている博物館とはならない . 津山郷土博物館のところで述べた ( 86 ページ ) ように , 郷土館との協力関係 , ネットワークによる PR なども , この館が , 古い街で観光的にも意味がある津 山市にあるのを活かして考えられないだろうか . 本来 , 創造的でユニークな館である . 時代の流れも考慮した再生を願ってや まない . 名和昆虫博物館 岐阜市大宮町 1896 年 ( 明治 29 年 ) に名和靖氏が名和昆虫研究所を創立した . 1906 年に現在 の岐阜公園内に移転し , 1919 年 ( 大正 8 年 ) より博物館として開館した ( 図 2.48 ) . 床面積約 118m2 の博物館本体と 79m2 の収蔵庫 ( 記念昆虫館 ) とからな る . 約 1200 種 30 万点の標本を収蔵する . 1 階の常設展示室は「昆虫のすべて」である . 分類標本 , 日本の蝶の標本を 中心に世界の昆虫 , シロアリの被害 , 水棲昆虫の生態 , 昆虫の化石などバラエ ティに富んでいる . 見逃せないのがギフチョウである . ギフチョウは小型であ るが多色で美しいアゲハの一種であり , 創立者名和靖氏が深く研究した種類で ある . 名前も岐阜にあるこの博物館にふさわしい . 2 階は特別展示室で , 毎年 テーマを設定して企画展示が開かれている . この博物館のおもな特徴は 2 つある . 1 つはその歴史性である . 100 年に及

3. 日本の自然史博物館

2.4 県立博物館 65 ー館長全 総務課 1 階平面図 6 第収 中夫階段 目然展示室 2 学習室 メイン正面玄関 ホール 休愨ラつンジ喫茶室 ビロティーー 自然展示室 1 図 2.31 岐阜県博物館平面図 収蔵庫 , 研修室 , 図書資料室など博物館の基本的な設備をそなえている . 自然 史関係の資料は約 48600 点で , あまり多くはない . 博物館の行事として 1990 年度を見ると , 特別展 3 回 , 他に資料紹介展 , 移 動展がある . 講演会 ( 6 回 ) , 日曜講座 ( 8 回 ) , 自然観察会 ( 5 回 ) , 親子教室 ( 8 回 ) なども行われている . 予算から活動状況を推定してみると , 歳入が約 1100 万円 , 歳出が 1 億 5000 万円で , 歳入 / 歳出は約 7.5 % とあまり高くない . この数字は後述する入館者 数と関係がある . 資料収集管理費約 110 万円 , 調査研究費 61 万円はあまりに も少ない . 1989 年に大野郡白川村で発見された恐竜の足跡化石の調査費 610 万円が計上されているのは , 博物館の活動としては当然のことであろう . 施設 管理費が総予算の半分以上 , 約 7800 万円を占めるのは , これだけの建物であ ればやむを得ないことかもしれないが , 問題である . この館の問題をあげると , まず建物の形がある . 六角形は自然の形の 1 つで はあるが , 部屋として使用するときは使いにくい . この館の展示室を見たとき , それがよくわかる . 設計のとき , その点が配慮されなかったのは残念である . 学芸員の配置は教育委員会の人事の一環として行われ , おもに高校の教育現

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102 第 2 章自然史系博物館のすがた 図 2.51 秋田大学鉱業博物館展示 展示は 3 階にわたっている . 1 階は地質・岩石・鉱物・化石がテーマで , 多 岐にわたっている . 2 階は鉱物の分類 ( 成因・化学型・結品構造などによる ) が 中心で , 宝石・貴石と鉱石がある . 3 階には石炭・石油 , 採鉱・ポーリング関 係などの資料が並べられている . 全体としてやや統制がとれておらす , また静 的である . 材料が材料であり , 展示の仕方もクラシックであるため , 落ち着い てはいるが強く訴えるものがない ( 図 2.51 ) . 展示室は円筒形でらせん階段で上がってゆく . モザイクの床は美しく , どこ かヨーロッパの美術館へでも行ったような気がする . 研究館には工作室 , 資料整理室 , 薄片製作室 , 標本収納室 , 研究室があり , 本館 3 階の一部は講堂になっていて研究・教育施設としての博物館の必要なも のを全部そなえている . この館の特徴の 1 つはそのコレクションであろう . 鉱物・鉱石関係の資料の 中には現在手に入らないものも多いと考えられる . それは 1 つには , 日本の多 くの鉱山が廃山に追い込まれてしまったからである . この大学の出身者の多く は , かって日本の鉱山をリードした人たちである . 寄贈されたものを含め , の博物館の収蔵品は貴重なものである . 問題は , 施設と「もの」が十分に活かされていない点ではないだろうか . 予 算上の裏づけがされていないこと , 専任の研究職員がいないこと , 人員の少な いことなどによって十分な活動ができないように見うけられる . 日本ではめす らしい設備・資料の整った大学博物館であるから , 教育だけでなく , 研究の面 でも利用されたら , 成果が上がるであろう . 「活性化」が今後の課題であろう .

5. 日本の自然史博物館

自然史系博物館のすがた 第 2 章 24 新生化展示室 中生代展示、 , / 土の自然史 特別企画展示室 3 古生代心 をカラバコス物語 知る、 イント トイレ ホール テイラノ サウルス 展示パティオ ヒテオ ( 生きている化石植物 ) ( 売店・ 08A 、 40 休懸コ ーナー 回画 製作室 図書コーナー トイし 事務室 。ニ : つに = コ トイしー 言講堂。 = つ ぎき : 、三 - = 皀号学習室 図 2.6 プランマップ ( 豊橋市自然史博物館 ) 展示の基本設計 , 実施設計は監修者である森下晶 ( 当時名古屋大学教授 ) と筆 者が , 館側担当者 ( 藤城清志 ) とともに京都科学標本 ( 株 ) 側との折衝にあたった . 研究委員会の意向もその都度問われた . 展示について , 早くから学芸員が選任 されなかったため担当しなかったのは問題であった . この規模の館となると , 複数の専任者が必要であると思われる . 他の 1 つの問題は , アナトサウルスの他にほとんど標本が用意されていなか った点である . 最終的に収集 , 寄贈 , 購入によって , かなり多くの「もの」資 料が集められたが不十分であった . 瑞浪市化石博物館と逆の事例である . 現状 「もの」資料の不足を補うために , 購入 , 収集 , そして多くの寄贈があり , 現在約 10 万点をこす資料がある . 職員は館長 , 事務系 3 名 , 学芸系 5 名 , 嘱託 2 名である . 学芸員は 4 名 , 学 芸員資格をもっことを条件として採用されている . 学芸員の専門は地質 1 名 , 古生物 1 名 , 昆虫 1 名 , 人類 1 名である . 植物の専門を含めて増員が計画され ているが , 実現していない . 開館してすぐにスペースの不足が問題とされ , 増設が計画された . 1991 ー 92 アナトサウルスを オリエンテーションホール 収魘 2 研究室

6. 日本の自然史博物館

56 第 2 章自然史系博物館のすがた 改修工事・展示替えが行われ , 1992 年 7 月名前を変え , 新発足した . この館の特徴として次の点があげられる . ( 1 ) 約 113000 点の資料をもっている . 動物資料が中心であるが , 貝類が 60000 点を占める . この貝類標本はよく整理され , 目録がっくられていて , 参考資料として公開され , 高く評価されている . 植物標本目録もある . ( 2 ) 普及活動が活発である . 自然観察学習会 , 天体観測会など多様であり , 野外の活動も含めて市民に親しまれている . 友の会があり , 博物館だよりを 年 10 回発行している . ( 3 ) 協力員という制度があり , 地学 , 天文 , 鳥 , 昆虫 , 動物 , 植物の各分 野で博物館に協力し , 指導・助言する約 20 名がいる . 小・中・高校の先生 など教育関係者 , 自営業など多様な市民が含まれている . ④研究報告が継続して出版されている . ( 5 ) 地域に密着して , 地道に活動している . 野鳥学習会などを含む野外観 察会 , また収集資料・研究報告の内容についても同様なことがいえる . ( 6 ) つくられた最初から , 展示に新しい試みがなされた . ジオラマや「野 鳥の国」 ( 鳥の声と解説をテープで聞ける ) などがそれである . 新館は総面積約 1500 m2 ( 約 500 m2 増 ) , 展示室面積約 590 m2 ( 約 230 m2 増 ) , 資料室約 340m2 ( 約 270m2 増 ) である . 特別展示室 , 実習室 , 講堂が増設され た . 常設展示は分類展示からテーマ展示へ変わり , 180 インチの大型映像によ るアドベンチャーシップ , ビデオライプラリーがつくられた . 展示室は足羽山 , 郷土の生い立ち ( 地質 ) , 郷土の自然 ( 動植物 ) の 3 っからなり , 小型のジオラマ と標本とを組み合わせて構成されている . かってのぎっちりつまった分類展示 と比べて , わかりやすく見やすくなって , また , きれいに明るくなって , 一般 の人に人気を呼ぶだろう . いつほう , 実物が少なくなって , 迫力がなくなった 面もある . 構成には苦心のあとが見られる . 映像展示室は 44 席 , 3 つのオリジナルソフトをもつ . ビデオは既製のもの も含めて 14 本が用意されている . 映像展示は 20 ー 30 分 , 子どもたちには喜ば れるだろうが , 次のソフトを用意しないとあきられる恐れもあろう . 全体に展示のレベルが一般向きになった . 幼稚園児の遠足があるとのこと , そのあたりも考慮されたのであろう . かっての静かで重厚な , 独特の展示室の

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2.9 自然史博物館の周辺 る . いろいろ組み合わせて興味をもたせるようにしてある . 121 図書室は中学生以下が利用でき , 動物について調べることができる . 専任の スタッフが 1 名いる . レクチャーホールは , 通常ハイビジョンシアターとして 使用されていて , 1 日に 2 回上映がある . 年 10 回ほど作品展・講演会・映画 会などを催している . 動物園友の会 ( 会員約 280 名 ) があり , 会報を発行し , 会 員は見学会・観察会・勉強会などに参加できる . この館は動物を見て楽しむだけでなく , 動物を知り学ぶことを目的としたも のである . リファレンスサービスを含めた普及・教育活動が中心である . 動物 園全体の規模と比べてやや小さく , もっと拡張してもよいのではないかと思わ 植物会館は 1980 年にでき , 総工費約 2.5 億円 , 延床面積 1050m2 の 2 階建 である . 1 階は展示室・研修室で , 展示室は各種催事に使われている . 年に 20 一 30 回 , 植物 , 花 , 写真 , 絵など同好会・個人による作品が展示されている . 研修室では園芸教室が行われ , 他に観察会もある . 別に伊藤圭介翁記念室がある . 伊藤圭介は江戸時代末期から明治時代にかけ ての博物学者で , 日本の博物学の尾張学派の代表の 1 人である . 著作も多く , 植物を中心に収集品もあった . 遺品の一部がお孫さん ( 伊藤秀雄氏 ) から , 1951 さくよう 年に植物園に寄贈された . 約 700 点が保存されていて , その中には日記 , 月昔葉 標本など圭介を知る手がかりとなるものも多い . 記念室にはその一部が展示さ れている . 資料は整理されて近く目録が発行されることになっている . こも動物会館同様 , 図書相談コーナーがあり , リファレンスサービスをし ている . 花を見にくるだけでなく , 植物を知りたい市民には好評である . 動植物園は , 名古屋市の行政機構の中では農政緑地局に属している . したが って , 上述の 2 つの館は博物館としての扱いは受けていない . たとえば , 植物 会館の職員は植物園担当の 21 名の職員の中に含まれる . 行政は異動が早いの で , 慣れたころには転任となるということにならなければよいのだが . 動植物園の現在の大きな使命は , めずらしい外国の動植物を見せることもさ この 2 つの館ではその ることながら , 種の保存 , 自然保護のことであろう . 運動がすでに始まっているようである . 教育・普及 , あるいは植物会館に見ら れる資料保存の他に , ぜひこれらの活動をいっそう強力に進めてほしいもので

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2.2 豊橋市自然史博物館 25 年度として , 特別企画展示室 , 郷土の自然展示室 , 収蔵庫 , 研究室の増築工事 特別企画展示室には大型平面映像装置が併設される . さらに古生 代 , 中生代 , 新生代の各展示室の拡張も予定されている . 活動 が行われる . 研究報告は 1990 年度に第 1 号を刊行した . 学芸員と関係者との共著 , 地域 としてこの面を充実していかないと , 他館に遅れをとることになろう . うし , いつほう , もっと基本的な日本・世界共通の問題もある . この規模の館 されていないこともある . テーマについていえば , 地域の問題が 1 つあるだろ 裕はほとんどなく , 大きな問題である . 博物館における「研究」が十分に理解 研究は始まったところである . 実際のところ , 学芸員が研究に従事できる余 照 ) は , このような標本整理の現状から生まれたものである . である . 学芸員 ( 松岡敬二氏 ) による博物館ネットワークの提唱 ( 159 ペジ参 いても , 他の協力を得てやっと形がついたところで , 今後の早急な対応が必要 なものとしている . 標本登録は行われているが , ペースは遅い . 可 , 、日小 目畄櫑本につ 一部は整理されないまま置かれている . さらに , 人手不足が標本の整理を困難 収蔵はスペース不足が第 1 の問題である . すでに 10 万点をこす標本があり , ても注目している . ラカンスなどに重点が置かれ , また , 地球の歴史の上で重要なファウナについ 予定されている展示室の拡充をにらみ , ある分類単位 , たとえば三葉虫 , シー 行われている . 館の展示の方針 , とくに生物の進化に焦点をあてている . 将来 開館当時資料が十分用意されなかったこともあって , 資料の購入は積極的に である . ものがある . 高桑弘氏の貝類約 5 万点 , 恒川敏雄氏の月告葉標本約 2 万点がそれ さくよう 大きなものとしては , なくなられた方のコレクションでご遺族から寄贈された 寄贈はこの地方に自然史館が少ないこともあって , つぎつぎに行われている . 存・保護を必要とするものに注意が向けられている . に豊橋を中心とした地域であり , 自然史関係資料のすべてにわたる . とくに保 収集は学芸員による収集 , 寄贈 , 購入などである . 学芸員による収集はおも 積極的に各種の活動が行われている .

9. 日本の自然史博物館

2.6 私立博物館 95 図 2.47 津山科学教育博物館展示室 図 2.46 久慈琥珀博物館坑道跡展示 加え , 小規模ながら総合博物館となった . 展示室は床面積約 1150m2 である . 展示室はやや古めかしく雑然としている . この博物館の歴史が感じられ , 重 みもあるが , それより先に整理され , きちんとなっているという感じがないの が残念である . 地質部門には , 近くの吉井川の河床から出たクジラ化石を材料 としたジオラマがある . 内容的にも技術的にも , 現在のレベルから見れば高く はない . それよりもつくったまま手入れがしていない , という感じを与える . この館の有名な展示に , 人体生理解剖衛生室がある . 精巧な模型と実物標本 は見学者を驚かせる . しかもひとそろいの内蔵標本が創立者のものであるとい う事実は , ただ沈黙の他はない . その精神をうかがわせるモニュメントといえ ようか . その他 , 多くの哺乳類標本は日本のみならす世界に及ぶ ( 図 2.47 ). めずら しい動物・植物も多い . 自然史資料の約 15000 種という数は , やはり歴史的に 積み上げてきた成果であろう . この他に , 歴史資料 17000 点あまりがある . ま たその他の活動として , 出版 , 自然観察会 , 講演会 , 天文の会などが行われて いる .

10. 日本の自然史博物館

108 第 2 章自然史系博物館のすがた 者は , ( 1 ) 自然科学・人文科学の広い分野をカバーしていること , ( 2 ) 研究は独 自ではないが , 大学全体を考えれば力があること , ( 3 ) 多くの資料をもってい ることである . 後者は , ①資料の整理が十分でないこと , ( 2 ) 展示が統一され ていないこと , またっくられたままのところが多く , 老朽化していること , ( 3 ) 公開には日数その他問題が多いこと , ④キュレーティングが十分でないこ と , 人的パワーが不足していることなどであろう . 将来へ向けて , 各学部 ( 研究分野 ) としつかりした協力体制をつくること , 独 立した大学博物館に発展してゆくことが望まれる . 当面 , 人の増員・配置を考 える必要がある . 日本において大学博物館が少なくかっ発展しない理由はすでに述べた . 先端 技術を奨励することはもちろんけっこうであるが , 基礎的なことにも配慮がほ しい . 文部省が姿勢を変えることが問題解決の鍵である . 山形大学付属博物館 山形市小白川町 山形大学構内にあり , 図書館の建物の一部 ( 3 階 ) を占めている . 1952 年に博 物館相当施設となり , 現在地には 1970 年の図書館改築にともなって移転した . 展示室 292m2 , 事務管理室 50m2 , その他に 2 つの収蔵庫がある . 人員は 2 名 ( 非常勤職員 ) . 歴史は古く , 大正時代に山形師範学校 ( 現山形大学教育学部の前身 ) 寄宿舎に あった博品室が原型である . 1929 年 ( 昭和 4 年 ) 郷土室となり , その後 , 山形 県教育会館にあった郷土博物館の資料が移譲されて内容が充実した . その後の 変遷は上述のとおりであるが , 1978 年から現在の名前となり , 8 部門からなり , 人文科学・社会科学・自然科学にわたる総合的な大学博物館である . 展示室は標本室を思わせるたたずまいで , 古めかしく静かである ( 図 2.55 ) . 展示物は多岐にわたり , 動植物 , 岩石・化石 , 民俗品 , 古文書 , 絵画などであ る . その中の 1 っ『三県道路完成記念画帖』 ( 高橋由ー画伯の手彩色砂目石版 これは学部のスタッフの協力で行われている . 画集 , 1885 年 [ 明治 18 年 ] 印刷・出版 ) はどこでもお目にかかれるという代 年 1 回特別展が催されていて , 物ではない .