68 第 2 章 自然史系博物館のすがた 図 2.33 埼玉県立自然史博物館英文案内のパレオパラドキシア 査も行われている . 研究報告は毎年発行されている . 所蔵標本は動物約 16000 よって行われている . その他 , カモシカの調査 , 天然記念物・希少動物基礎調 調査研究は総合テーマーー埼玉の自然とその特性の研究ーーーと , 個別テーマに 芸部は企画 , 動物 , 植物 , 地質に分かれ , 企画 2 名の他 , 各部門 3 名である . 友の会は会員約 350 名 , 観察会や講演会が行われ , 会誌を発行している . 学 だからおおいに利用されるべきである . 「自然にまさる展示なし」である . も博物館から歩いて行ける距離にある . 博物館の展示が野外にあるようなもの イドのコースは館の近くの「長瀞の岩だたみ」 , 「長瀞宝登山」などで , いずれ 展示解説リーフレット , 自然史百科などのリーフレットも多い . 自然観察ガ の分野をカバーし , 科学教室は博物館での標本づくり , 観察が主である . 8 ー 12 回催されている . 観察会は県内のあちこちで行われ , 地質 , 動物 , 植物 教育・普及活動は活発である . 観察会 , 科学教室 , 映画会がそれぞれ年間 るのではないだろうか . 「もの」としてそれらをたしかに見せる必要があ り取って見せるだけでなく , 自然はもっと多様で , 多くの生物がいるはずである . 限られた自然の一部を切 あり , その場に入り込んだような気分になる . しかし , 冷静に考えてみると , 林に加えて , 鍾乳洞である . 規模も大きく , うまくっくられていて見ごたえが てよい . 5 つの大きなジオラマは , 埼玉県の低地から山地へかけての 4 つの森 が , もう一息という感じがある . 生物展示はジオラマで構成されているといっ パラドキシアはその例である . 地学の展示はそれらがすべて網羅されてはいる 成が複雑で , いろいろな岩石・地層が分布する . 長瀞の三波川変成岩 , パレオ いう印象を受ける . 地学について見ると , 埼玉県は小さい県ではあるが地質構 展示は地学と生物の 2 つの部分に分かれる . 全体として展示面積が小さいと
154 第 3 章博物館の基本と機能 たとえば恐竜の展示をするとする . 一次資料としての恐竜の化石は , 人をひ きつけ魅了する . 場合によってはレプリカでもカバーできる . これとは逆に復 元された模型がある . 現在では動き , 鳴くものさえつくられている . 展示の正 当性からいえば , せいぜい館外に置くか , 入口で挨拶をさせる程度でしかない が , 現実にはそれらを用いた特別展が , 日本のみならずョーロッパなどでも行 われている . 十分な科学的な裏づけがされるようになれば , 展示の中に加えら れるようになるかもしれない . 「もの」と「つくられたもの」 , 学びと遊びなど の 2 面性が見られ , よいバランスがとれれば , おもしろい展示になると思われ る . 将来の課題として検討する余地があろう . 別な側面として , 恐竜のすんだ世界の古環境の具体的な復元ができたらどう だろうか . 雨や風 , 雲行きなどの気象や気温 , 四季や昼夜の変化などである . 動物 , 植物などの様子も当然その中に含まれる . 恐竜の絶滅 , その原因となっ た事象にまで及ばすことができたら興味深い . 第 3 に展示の構成をモザイク的にすることがある . 福井県博の展示替えプラ ン ( 77 ページ , 図 2.37 ) で示したのはその一例である . オランダのハーグにあるムゼオン (Museon) は「人とその世界」をテーマと した「学びと遊び」の博物館である . 美術館と大画面シアターとがともにあっ て , まさに学びと遊びを具体化してくれる場である . 地質学 , 自然史学 , 歴史 学 , 科学 , 民族学の 5 つの分野からなるが , 展示は「①地球 , わがふるさと ( 地球とそこにすむものの物語 ) 」と「 ( 2 ) 人と星雲の間に ( 惑星としての地球 , 地球上の生命 , 人間文化 , 科学と技術の歴史 ) 」に分かれる . この展示ではい わゆる人文と自然という区別はない . また , それぞれの中での細分はない . お たがいが隣り合って , 相互に関連したものとして展示されている . まさにモザ イクであり , その切口を見れば複雑に入り組んだジグザグの模様であり , とき にそれは曲線になるだろう . 第 4 に , 上に述べたモザイクは人と自然のつくるモザイクでなければならな い . 将来 , 自然は人間とのからみで見直しをされる必要がある . もちろん自然 は独立した存在であるが , 博物館の展示の対象として考えたとき , [ 人一自然 ] の中の自然として扱われるべきであろう . よりくわしく第 5 章で述べよう .
228 徳島県立博物館 72 , 148 栃木県立博物館 153 鳥羽水族館 127 22 , 139 , 142 , 148 , 139 , 152 74 , 135 , 139 , 142 , 145 , 203 豊橋市自然史博物館 長岡市立科学博物館 57 , 153 ナ行 豊橋市地下資源館 129 名古屋大学古川総合研究資料館 名古屋市見晴台考古資料館 156 館 120 名古屋市東山総合公園動物会館・植物会 名古屋市科学館生命館 125 名古屋海洋博物館 88 , 138 203 長野市立博物館茶臼山自然史館 50 , 139 , 106 , 152 野尻湖博物館 51 , 135 , 142 , 145 名和昆虫博物館 96 , 135 , 136 , 194 半田市立博物館 90 , 136 , パリ自然史博物館 10 橋の博物館 45 , 198 半原版画館 196 ひだ自然館 98 , 149 , 152 兵庫県立人と自然の博物館 138 平塚市博物館 171 , 208 蛭川村長島鉱物陳列館 54 111 , 136 , 福井県立博物館 57 , 76 , 142 , 145 , 152 福井市自然史博物館 55 , 142 鳳来寺山自然科学博物館 53 , 135 , 145 , マ行 瑞浪鉱物展示館 100 , 194 瑞浪市化石博物館 15 , 135 , 139 , 142 , 145 , 146 , 149 宮沢賢治記念館 119 ムゼオン (Museon) 154 , 210 149 文部省博物館 8 ヤ行 山形大学付属博物館 横須賀市自然博物館 171 108 59 , 135 , 142 , 145 , 四日市市立博物館 114
博物館名索引 ア行 秋田大学鉱山学部付属鉱業博物館 101 , 142 浅見化石コレクション 92 , 194 阿南町化石館 30 , 149 我孫子市鳥の博物館 31 アメリカ自然史博物館 10 阿波こくふ街角博物館 187 飯田市美術博物館 79 , 136 , 138 , 伊豆の長八美術館 198 いわき市石炭・化石館 33 , 148 , 岩手県立博物館 61 , 149 愛媛県立博物館 35 , 135 , 142 大阪市立自然史博物館 36 , 135 , 142 , 153 大谷資料館 122 , 149 大町山岳博物館 38 王立自然史博物館 10 沖縄県立博物館 62 , 152 神奈川県立博物館 151 笠岡市立カプトガニ博物館 40 , 開拓使博物場 7 力行 171 145 208 136 , 136 , 138 , 久慈琥珀博物館 93 , 149 倉敷市立自然史博物館 44 桑島の里 81 , 139 県立琵琶湖博物館 113 , 135 , 136 国立科学博物館 45 , 135 , 136 , 142 国立地図学博物館 218 サ行 埼玉県立自然史博物館 67 斎藤報恩会自然史博物館 47 , 146 佐渡博物館 83 , 146 四賀村化石館 49 神宮農業館 117 , 139 スミソニアン自然史博物館 10 墨田区「小さな博物館」 186 石油の世界館 123 , 148 瀬戸大橋架橋記念館→橋の博物館 ゼンケンベルグ博物館 10 仙台市科学館 49 ソノラ砂漠博物館 210 タ行 大英自然史博物館 10 高山短期大学飛騨自然博物館 種子島開発総合センター 84 地質標本館 142 千葉県立中央博物館 69 , 135 , 津山科学教育博物館 94 , 152 津山郷土博物館 86 103 , 136 136 , 148 北丿し州市立自然史博物館 42 , 138 , 142 岐阜県博物館 64 , 138 京都大学自然史博物館 ( 計画中 ) 109 空想の森美術館 195 金生山化石館 43 東京大学総合研究資料館 104 , 135 , 142 , 152
106 第 2 章自然史系博物館のすがた う数はこの館の性格をよく表わしている . 内容は深く , また多くの部門がある ことも反映してバラエティーに富むが , 全体にかたさが目立ち , おもしろさに 欠ける . 静的でもあり , 一般受けしないだろう . 立地条件がよいだけにより多 くの来館者をむかえる努力が望まれるところである . 日本の大学博物館 ( とくに国立大学 ) のモデルであるが , その次が続かない . なぜだろうか . 基本的には文教政策があるのだが , そこには日本の基礎的・系 統的研究の軽視という底流がある . この基礎的な研究は , このような大学博物 館で行うにふさわしく , 成果も上がっている . ぜひとも継続し , また発展させ , 他の大学へも波及させていかねばなるまい . 大学博物館の存在意義をもっと PR し , このような学問分野の重要性をもっ と認識してもらう必要がある . 国際化の時代において諸外国の大学博物館とネ ットワークをつくることもできると思われる . すでにスペースが不足してきていると聞く . 時間がたてば当然おこってくる 問題である . その他 , 運営についてもルーチン化して , 型にはまってくるよう なこともおこってくると思われる . ぜひソフトな対応をして , 基本的なことは もとより , さらに広い視野に立って他の大学をリードしてほしいものである . 館の構成員の方々 , 館を利用される内外の研究者 ( 100 名をこすといわれる ) , そして第 7 次という将来計画委員会の方々に期待したい . 名古屋大学古川総合研究資料館 名古屋市千種区不老町 1990 年に発足した年代測定資料研究センターの一部で , 旧古川図書館を改 装した建物 ( 延床面積約 4000m2 ) を使用している . 資料室は約 1800m2 , 展示 室は 423m2 である . 現在 , 資料専任スタッフは助手 1 名である . 1970 年に理系学部・研究所から自然史科学資料研究センターの構想が出さ れ , 設立運動が始まった . その後 , 1978 年に , 全学の多くの分野を含む総合 研究資料館構想に変わり , 1984 年にスタートした . 旧古川図書館の大部分を 流用することによってスペースを確保することができたのが発足の第 1 の理由 である . しかし , 文部省に認められることはなく , 人・予算の両面できびしい 制約があった .
108 第 2 章自然史系博物館のすがた 者は , ( 1 ) 自然科学・人文科学の広い分野をカバーしていること , ( 2 ) 研究は独 自ではないが , 大学全体を考えれば力があること , ( 3 ) 多くの資料をもってい ることである . 後者は , ①資料の整理が十分でないこと , ( 2 ) 展示が統一され ていないこと , またっくられたままのところが多く , 老朽化していること , ( 3 ) 公開には日数その他問題が多いこと , ④キュレーティングが十分でないこ と , 人的パワーが不足していることなどであろう . 将来へ向けて , 各学部 ( 研究分野 ) としつかりした協力体制をつくること , 独 立した大学博物館に発展してゆくことが望まれる . 当面 , 人の増員・配置を考 える必要がある . 日本において大学博物館が少なくかっ発展しない理由はすでに述べた . 先端 技術を奨励することはもちろんけっこうであるが , 基礎的なことにも配慮がほ しい . 文部省が姿勢を変えることが問題解決の鍵である . 山形大学付属博物館 山形市小白川町 山形大学構内にあり , 図書館の建物の一部 ( 3 階 ) を占めている . 1952 年に博 物館相当施設となり , 現在地には 1970 年の図書館改築にともなって移転した . 展示室 292m2 , 事務管理室 50m2 , その他に 2 つの収蔵庫がある . 人員は 2 名 ( 非常勤職員 ) . 歴史は古く , 大正時代に山形師範学校 ( 現山形大学教育学部の前身 ) 寄宿舎に あった博品室が原型である . 1929 年 ( 昭和 4 年 ) 郷土室となり , その後 , 山形 県教育会館にあった郷土博物館の資料が移譲されて内容が充実した . その後の 変遷は上述のとおりであるが , 1978 年から現在の名前となり , 8 部門からなり , 人文科学・社会科学・自然科学にわたる総合的な大学博物館である . 展示室は標本室を思わせるたたずまいで , 古めかしく静かである ( 図 2.55 ) . 展示物は多岐にわたり , 動植物 , 岩石・化石 , 民俗品 , 古文書 , 絵画などであ る . その中の 1 っ『三県道路完成記念画帖』 ( 高橋由ー画伯の手彩色砂目石版 これは学部のスタッフの協力で行われている . 画集 , 1885 年 [ 明治 18 年 ] 印刷・出版 ) はどこでもお目にかかれるという代 年 1 回特別展が催されていて , 物ではない .
2.4 県立博物館 67 ことで , 学芸員を含め館員が努力してもどうにもならないことが多い . 抜本的 な見直しが必要であることを示している . 記事の最後に「すでに見直しの指示 が出ている」とあるから , それに期待したい . 最近 , 恐竜の足跡化石が発見され , 大きいニュースとして報道され話題を呼 んだ . 自然史関係分野の大きい目玉となるものなので , これを足がかりとして 活力が生まれそうである . 1991 年度で入館者数が約 7 万人と回復したのもそ の影響があるかもしれない . 交通からみた立地条件はやや悪いが , 百年公園と 呼ぶ自然を取り入れた公園の中にあり , 自然環境はきわめてよい . レジャーの 形式が多様化してゆく中で , 1 日を家族で自然の中で過ごし , 博物館で学び , 遊ぶというのはこれからの新しい形としてありうる . そのためにはそれに対応 する姿勢と努力が必要とされる . 埼玉県立自然史博物館 秩父郡長瀞町長瀞 1977 年に準備が始まり 1981 年に開館した . 約 3000m2 の面積をもち , その うち約 1000m2 が展示室である . スタッフは 20 名 , 学芸部は嘱託を含めて 12 名で構成されている . 博物館活動 , とくに教育・普及活動は活発である . 入館 者数約 11 万人 ( 1989 年 ) で , 40 % 以上が無料入館者 ( おもに小学生の団体 ) であ る . 規模は大きくないが , 秩父の自然の中に県立の単科の登録博物館として確 かな地位を占めている . 以前にこの地には , 秩父自然科学博物館があった . 秩父鉄道 ( 株 ) が 1921 年 ( 大正 10 年 ) に創立し , その後 , 1949 年 ( 昭和 24 年 ) にそれまでの地学分野に 動物・植物を加えて再発足したものである . その伝統を受けついだこの館は日 本の地質学発祥の地といわれる名勝・天然記念物「長瀞」の近くに立地してい る . 観光的にも著名なここには , よい自然が残されていて , 博物館の周辺もよ い環境である . 展示室に入ってまず目に入るのは , 3 頭のパレオパラドキシアの全身骨格模 型である . 1972 年に秩父市内で発見され , 旧秩父自然科学博物館により発掘 された標本で , この館の目玉となるものである . 1 頭がおしりを向けているの がユニークである ( 図 2.33 ) .
第 2 章自然史系博物館のすがた 図 2. 国立科学博物館の前庭 この他 , 筑波実験植物園と付属自然教育園 ( 東京都港区 [ 職員 ] 管理職 : 35 , 研究職 : 51 , その他 : 63 , 合計 : 149 名 . 白金台 ) がある . の建物 : 10583 m2, 46 学芸員講習などはその方向に沿った企画として歓迎できる . ードし , 全体のレベルアップをはかるという視点に立ってほしい . 最近の をもってほしい . ただ国立であるから , 大きいからという意識ではなく , 他館 日本を代表する自然史の博物館であるから , いろいろな面でリーダーシップ リーダーシップ る . いくつかの点についてコメントしておく . 館の性格 , 規模 , 運営など , 他の自然史の館と直接比較できない博物館であ [ 入館者 ] 約 70 万人 , 個人と団体の比率はほば 2 対 1. [ 予算 ] 約 21 億 1000 万円 , 歳入 ( 入館料ほか ) は約 1 億 2600 万円 . [ 普及・教育 ] 特別展 , 移動展 , 講座 , 講習会など多数 . 示 ( 日本人の生い立ち ) がある . テーマ展示と分類展示の 2 本立である . あり , 自然史館 ( 4 号館 ) に動物分類展示 , 植物分類展示 , 地学展示 , 人類展 ー 1 , 2 ( 地史・古生物 ) 」 , 「適応と進化 -1 , 2 ( 動植物 ) 」 , 「日本の動植物」が [ 展示 ] 1 ー 5 号館に分かれる . 自然史部門は本館 ( 1 号館 ) に「生物の進化 [ 出版物 ] 研究報告 , 専報の研究関係の他 , ガイドブック , 普及書など多数 . [ 資料 ] 標本 : 1391680 点 , 図書 : 66897 点 , 雑誌 : 7376 種 ( 1986 年度 ) . 他に教育普及部がある . [ 組織 ] 研究部は動物 , 植物 , 地学 , 人類 , 理化学 , 工学に分かれ , その
126 第 2 章自然史系博物館のすがた つのことをつくったもので展示するというのは , 科学館の延長としての発想で ある . 同様にさわり動かすことのできる楽しい場とする , こわれてもよいもの というのも科学館的である . 展示は上から「生命 ミクロの世界」 ( 6 階 ) , 「生命ー一人体のしくみ」 ( 5 階 ) , 「生活 - ーーゆたかなくらし」 ( 3 階 ) , 「環境ーーあすの地球」 ( 2 階 ) で , だんだん下へ降りながら見る形になる . 4 階がないのは縁起をかついだのでな くて , 本館のフロアとの関係で欠けているのである . 展示物は全部といってよいほどっくりものである . ビデオ , 装置 , 模型 , 映 像 , グラフィック , レプリカ , コンピュータなどで実物はほんのわずかである . 動くもの , さわれるもの , 上に登れるもの , 実験できるものが並び , ダイナミ ックである . ミクロ , 生命などは展示しにくい対象であるが , その難問に取り 組んでいろいろ工夫してあって , おもしろい情報をいろいろな形で提供するこ とをもくろんでいるとのこと , たしかにそうであろう . 見て感じることは , 第 1 に「いのち」のにおいがしないことである . 生き物 のいないことは科学館の一部であるから許されるとしても , これで「いのち」 を表わしているといわれるととまどうのである . もう一工夫できなかったもの か . それと 3 つの大テーマに従って見てきても , それぞれが独立していて関連 がない . それぞれのテーマのなかでも 1 つ 1 つのユニットは独立している . 展 示の切ロとして , 生命の多様性よりも普遍性を示すことに重点が置かれている とのことだが , 多様性抜きの生物というのはちょっとうなずきがたい . 環境の フロアは「自然史的であるべきだ」という意見を聞いたが , うなずける意見で ある . 全体として知的レジャーを追究してあるということだろうか . いくつか この新館ができて来館者に大人の割合が増えたという . の問題をあげておこう . 中学生以下 65 % , 大人 35 % が大人 45 ー 55 % となったという . なぜだろうか . 科学館の通例として 1 次資料はなく , 収蔵庫は用意されていない . 学芸員は 生命館で 6 名 ( 欠員あり ) で , 生物 , 地学 , 化学 , 電子情報などの分野をカバー する . こういった館では , 展示 , 普及・教育の面では大きい成果が上がっているが , 博物館活動の基本としての収集・保存 , 研究などはどうなるのだろうか . 1 つ の側面が大きく欠けているとき , 相補的関係にある側面はどうなるのか気にな
次 目 はじめに 第 1 章自然史博物館 1.1 博物学から自然史学へ・・ 1.2 博物館・・ 1.3 自然史博物館・ 第 2 章自然史系博物館のすがた ケーススタディ 2.1 瑞浪市化石博物館 ( 岐阜県 ) ・ 17 / 特徴と問題 アウトライン 15 / っくられ方 16 / 現状 17 / 活 動 点 22 2.2 豊橋市自然史博物館 ( 愛知県 ) ・・ 動 25 / 組織・運営 24 / 活 アウトライン 22 / つくられ方 23 / 現状 28 / 特徴と問題点 28 2.3 自然史系博物館・ 阿南町化石館 30 / 我孫子市鳥の博物館 31 / いわき市石炭・化石館 33 / 愛媛県立博物館 35 / 大阪市立自然史博物館 36 / 大町山岳博物館 38 / 笠 岡市立カプトガニ博物館 40 / 北九州市立自然史博物館 42 / 金生山化石館 43 / 倉敷市立自然史博物館 44 / 国立科学博物館 45 / 斎藤報恩会自然史博 物館 47 / 四賀村化石館 49 / 長野市立博物館茶臼山自然史館 50 / 野尻湖 博物館 51 / 鳳来寺山自然科学博物館 53 / 蛭川村長島鉱物陳列館 ( 長島コ レクション陳列所 ) 54 / 福井市自然史博物館 55 / 長岡市立科学博物館 57 / 横須賀市自然博物館 59 / まとめ 60 2.4 県立博物館 ( 自然史分野を含む総合館 ) ・ 岩手県立博物館 61 / 沖縄県立博物館 62 / 岐阜県博物館 64 / 埼玉県立自 然史博物館 67 / 千葉県立中央博物館 69 / 徳島県立博物館 72 / 栃木県立 ・ 15 ・ 15 ・ 22 ・ 30 ・ 61