2 . 5 展示 要な使命をになうものである . 57 みせる側 ( 博物館側 ) からの展示論はこれまでに多くあるから , こでは みる側の立場に立って考えてみよう . 博物館へ来る人たちはさまざまである . 年齢的にも , また知識のレベルからみてもじつに多様である . そのときの気 分によって左右されることもある . その興味はなにかをみることにあるのだ が , 主体が複雑であるから , それも当然一様ではない . 少し整理してみると , まず「楽しむ」レベル ( I ) から始まる . なんでもよい , みたことのないも の , 世界で 1 つしかないもの , おもしろいもの , 美しいもの , などである . こで , ある人はそのものについて , なんらかのもう一歩つつこんだ興味 を示す . 当然解説があるから , そこで学習し , 「もの」を理解することにな る . これは 1 つ上がった「理解する」のレベル ( Ⅱ ) で展示をとらえること である . さらに一歩進んだ「考える」レベルの展示のとらえ方がある . ここはなか なかむずかしく ( みせる側にとっても , またみる側にとっても ) , 現実的に はきわめて少ない . それは , 展示を理解して , そのうえで , そのことについ て , さらに関連する一般的なことについて考えて自分の考えをもっこと , す なわち「自然の見方」を会得することである ( Ⅲ ). その到達する極点は , 「自然観」を形成することである . 歴史館であれば史観 , 美術館であれば美 感ということになるが , この場合 , 自然観のほうが理解しやすいし現実的で ある . 来館者がこの「考える」レベルにまで到達することのできる展示を用 意できたとしたら , 学芸員としては誇りに思ってよい . そして , それぞれの レベルの人たちが I よりⅡへ , そしてⅢへとレベルアップできたとしたら いうことはない 「楽しむ」「理解する」「考える一一一一科学する」ことを来館者にしてもらう , その材料を提供する , これが展示の基本であり本質ではないであろうか . し かも社会の変化にともなって , 人びとの考え方や理解のしかたも変わってゆ く . 対応して博物館 , とくに外部との接点である展示も変わる . これが本来 の姿である . ( 2 ) 展示のレベル 多様な知識レベルや意識レベルの人に対して , 1 つのレベルの展示ですべ て満足してもらうことはおよそ不可能である . 先に述べた 3 つの意識レベル
2.4 研究 53 学・地形学・地質学などの自然史学分野の対象物を発見できる . さらに , そ の当時の人びとの食生活を含んだ日常生活のようす , 自然景観のようすまで 理解できる . 収集は美術館の図録で , また美術書によることになる . 2.4 研究 背景としてあること 博物館における調査・研究については , すでに前著で述べた [ 糸魚川 , 1993 : pp. 144 ー 147 ]. とくにつけ加えることはない . また , 科学の研究に場 による大きなちがいがあるわけでもない . しかし , 時代的な変化が自然史研 究 , そして博物館の上に起こっている . いくつかの問題にふれておきたい . 最近の自然史学 ( 自然史科学 ) の動きについてはすでに述べた ( 第 1 章参 照 ). 自然史研究の方向がかなりはっきりみえてきて , これから体制もっく られていくように思える . これから先 , 先端科学のみが優先されるのでなく , 基礎的な学問のみなおしが , 21 世紀の地球・人間の生存を考えるうえで必 要であることが理解されなければならない . まだまだその道は遠く険しいが , 理解を求めることに始めて , 実力でそのことを示さなければならない . 自然 史学は自然についての学問である . 人間と自然の関係がいまほど問題にされ る時代はこれまでなかった . そして , 自然を理解することはこれから先 , さ らに重要になってくるだろう . それは , 自然を理解してこそ世界的な環境問 題・自然保護問題に対して , たしかな対応ができるからである . これまでの 人間の行為は自然に対して大きな影響を与えてきた . それは , どちらかとい うと悪い方向へである . その効果が人間生存をおびやかすことがわかって , あわてているのが現状である . 自然史学なくして , この問題が解決できると は思えない . 博物館はこれからの自然史研究の大きな柱になるだろう . 最近の自然科学 の研究をみると , 先端的なことを狭く深く掘り下げる傾向と , 実用的なこと を重視する傾向が認められる . とくに , 日本の大学・研究所においては典型 的にそうである . 生物学や地球科学のような自然史学に関連する分野でも例 外ではない . その欠けたところを埋めるのは博物館をおいてはないといって も過言ではない .
202 第 6 章自然史博物館の改革 表 6.4 博物館の分類ーー - 分け方の軸 ( 伊藤 , 種類別分類 複合系 人文・社会系 芸術系 理学・工学系 生物系 国立 私立 機能・ 条件別 分類 目的別 分類 世代別 分類 形態別 分類 その他の分類 設置者別分類 学校立 1993 ) 総合 , 地域 考古 , 歴史 , 民俗 , 記念 , 宗教 美術 , 美術以外 ( 音楽 , 演劇等 ) 科学技術 , 産業 , 天文 , 自然史 , 自然保護地 域 動物 , 植物 , 動植物 , 水族 , 昆虫 都道府県 , 市 , 町 , 村 財団法人 , 宗教法人 , その他の公益法人 ( 社 団・福祉・特殊法人など ) , 会社 , 個人 , 任意 団体 高等教育機関 ( 短大以上 ) , 初等・中等教育 機関 展示形態別分類 ( 屋内 , 野外 ) など 制度別分類 登録博物館 , 博物館相当施設 , 博物館類似施設 学芸活動条件別分類一学芸型 , 半学芸型 , 反学芸型 ( 営利目的 ) 第 3 世代 第 2 世代 第 1 世代 その他の分類 目的別分類 その他の分類 参加志向 公開志向 保存志向 博物館群 ( 単独 , 群 ) など 地域志向型 , 中央志向型 , 観光志向型 機能目標別分類ー全機能型 , 収集・保管型 , 調査・研究型 , 公開・教育型 文化庁指定博物館 ( 文化財保護法第 53 条 ) 活動 ( 研究・教育・普及など ) は類似した他の機関にもあり , それとの関連 で基準が設定されているが , 展示は博物館に独特のものである . っくられた 時代によって展示は変わるので , それを考慮しなければならないが , 全体を 論ずる場合には , 配慮しておけば問題はなかろう . まず , みる側に基準をおいて考えてみよう . 博物館へ来る人はつぎのよう に大きく区分されるだろう . 来る人 ひろがり 来方 ( 目的 ) 住民 地域 日常的 まわりの人 広域 お出かけ 一般の人 日本・世界 旅行 それぞれの理解度もち そして , 子どもから大人まで年齢的に多岐にわたり , がっている . これらの来館者はレベルとして 3 っ [ 楽しむ ( I ) ・理解する ( Ⅱ ) ・考える ( Ⅲ ) ] に区別される ( 第 2 章参照 ).
58 第 2 章自然史博物館の現在 図 2.9 鳳来寺山自然科学博物館の展示 をもった人たちに対応した展示が必要になってくる . 来館者の 3 つのレベル ( I : 楽しむ , II : 理解する , Ⅲ : 考える ) の割合を考えてみると , おそら く I は 70 ー 60 % , II は 30 ー 20 % , Ⅲは 10 % 前後となる . そうなると , 展示 のレベルは自ずと I , Ⅱのレベルへの対応を中心としたものでなければなら ない . しかし , I とⅡには差があり , いっしょに扱うことはできない . こ こでの対応がかって新井重三によって提案された二重展示である ( たとえば 鳳来寺山自然科学博物館 ). しかも , これは同じ場所においてなされなけれ ばならない . というのは , 離れた場所であると , みる側はそれがレベルのち がう展示であるということを理解しないで , 一続きのものとしてみてしまう からである . かたちと内容の解説でこの 2 つのレベルの人たちに理解しても らうのが原則であるが , 場合によっては , 展示解説書で対応することも考え られる . Ⅲのレベルの人に対しては , I, Ⅱのレベルの人とはちがった対応 の方法がある . 一般的な展示のなかで , そのレベルのことをちがったかたち で示すことに始まって , 展示解説書 , さらには学芸員による対応 , 書物によ る調査まである . ( 3 ) 展示の場と展示物 展示の場は大きく 2 つに分けられる . 屋外と屋内である . 屋外は野外と狭 義の屋外 ( 博物館の建物の周辺 ) からなるが , 展示物という視点からみると , 前者は現地性であり , 後者は異地性で移動したものであることが多い . すべ ての場合 , 「もの」は現地でみるにこしたことはない . とくに , 自然の場合 は「自然」に優る展示はない . 後者の場合 , 「もの」を移すのであるが , 基
2 . 5 展示 65 して , 多くの人がみに来ることになれば , たしかにそれは 1 つの見方として 妥当である . しかし , 特別展の後になにが残るか . 図録だけということにな りかねない . もちろん特別展の効果は大きい . 現在のように , 移り変わりの激しい時代 , しかも人の興味がどんどん変わる時代にあっては , 世の中の動きに対応する には , やはりすばやく変わるということも必要である . とくに博物館のよう に日常的でないものを提供する場では , 取り残されないためにも , このこと を考慮しなければならない . 特別展はそれを実現しやすい場である . それでは常設展示はどうであろうか . ほんとうに興味は急激になくなるも の , すぐ古くなるものであろうか . もしそうであるならば , 常設展示はなく して , 特別展だけでよいことになる . さらにつめて考えれば , 博物館の展示 は不要で , 博覧会のようなイベントをやればよいことになる . 常設展示のよいところは , いつ行っても , あることについて , たしかな情 報を提供してくれるところにある . 展示の内容は本来深いもので , 場合によ ると , 1 度では理解できないものがあるかもしれない . みる側がレベルアッ プして理解できるようになれば , いうことはない . 何度も訪ねることの意義 はそこにある . 新しい発見が必ずあるはずである . 博物館の側では , そのよ うな , 2 度 , 3 度とみに来たいと思わせるような展示を用意すべきである . 変わらない常設展示でなく , ときどき少し変わるものであれば , 興味はさら に増すだろう . 展示替えがあれば , まちがいなく人はみにくる . 楽しめるし かけがあって , 学べるだけでなく遊べるならばもっとよい . 常設展示はそう ありたいものである . このようにみてくると , 常設展示はお母さんのつくる家庭料理 , 特別展は ときに外でするレストランでの食事ということになろうか . お母さんに新し いメニューでタ食をつくってもらいたいように , 博物館の常設展示も同様に 変わるものであってほしい . ( 2 ) 展示と解説員 最近 , 展示室に解説員をおく館が増えてきた . 非常勤スタッフの場合 , ポ ランティアの場合など , 方法はいろいろである . あらかじめ展示について教 育を受け , 内容を理解して説明する仕事をするのである . 展示はさまざまなかたちで提示されるが , 基本的には「もの」と人の接点
付表博物館の検証 アイテム 事務職・技術職 項目 刀 8 学芸員 協力者 友の会 1) 位置づけ 2 ) 質 3 ) 資格 4 ) 研修 5 ) ネットワーク ボランティア c. 建物 3. 活動 a. 収集・保存 I) 立地 2 ) 規模 かたち 4 ) 周辺環境 3 ) 5 ) スペースの利用 6 ) 跡地利用 7 ) 複合施設・併合施設 1 ) 資料 検証 十分か 資質は 知識は一一 - ーー専門と博物館について 熱意は 学芸員資格をもっているか 資格をもっことと実際はちがう 外国との比較ーーーよび名 どこでだれが現実は 学芸員どうしの , 学芸員による 相互交流 ( 人事 ) 博物館についての理解は 人事異動のかたちは 精神的サポーター 物質的・財政的サポーター 行政のなかでの理解 組織のあり方 リーダーシップはだれが レベルをどのあたりにおくか 熱意があるかーー姿勢 内容が広がった 情報も資料 「もの」資料だけでない 意味が変わってきた 相乗効果はあるか 運営の相互補助はどうか スペースの取り合いはないか 入館者は増えているか 利用者にとってプラスか 有機的に利用できるか 交通の便はよいか 手ぜまではないか 老朽化はないか 使い勝手はよいか くつろぎ志向への対応は 自由空間はあるか 各分野のわりふりは 市街地ー公園 - 郊外のいずれか アートーーー・美観志向ではないか 限界以上ではないか 交通の便利さー自然環境のどちら 教育はされているか レベルは
2.2 博物館環境ーーー建物と周辺 39 いと聞く . e は主体が館長職にないわけだから , 十分な活動は期待できない . いずれにせよ , 上記の①ー③をどのくらいクリアできるかが問題である . 法で定めることとは別に , 博物館長に求められるものは , 博物館のもっと も重要な仕事である学芸活動を理解し指導できること , 行政的な側面で内容 を理解し , ときに強力に発言できること , 全体を大観しマネージメントも含 めて館を統合できることである . 2.2 博物館環境ーーー建物と周辺 建物 ( 1 ) 基本 建物については , 前著 [ 糸魚川 , 1993 : pp. 137 ー 140 ] でその概要を述べ た . 基本的に , a. 機能的であること , b. シンプルであること , c. 適正規模 であること , d. 雰囲気をもっこと , e. 個性的であること , f. アート的でな いこと , などが必要なこととしてあげられる . ( 2 ) ハコ論 博物館の建物はその機能を果たすものであればよい . もちろん , そのうえ に美しくあればなおよい . かたちはシンプルでスペースが十分にあり , 使い やすいことが必要である . 必要以上に飾り立てることはない . むしろ自然史 館の場合など , 質素なほうがその内容にふさわしいように思える . 一般的に 資料が増加することはまちがいないし , 展示についても , 増えることはあっ ても減ることはない . 情報システムのスペースが必要になって苦労している 館をみかける . 最初にできるだけゆとりをもった計画を立てることが望まし ( 3 ) 規模 博物館には適正規模がある . ふつうの人が展示をみるのに , どのくらいの 時間 , 集中できるであろうか . おそらく人にもよるが , 2 時間くらいがまず まず , 一休みして約 3 時間というところであろう . これから考えれば , 展示 面積は 3000m2 程度までが適当である . したがって , 博物館全体で 1 万 m2 くらいまでということになる . それ以上では , 一度にみられない , ていねい にみないということになる . もっとも , それによって 2 度 , 3 度と来てもら
780 第 6 章自然史博物館の改革 できるしかけが用意されている . また , まわりは 130 ha もある「夜明けの 森」とよぶ自然の豊かな地域で , 鉱物や地質を学び植物を調べることができ るよう考えられている . フィールドアスレチックや遊具もある . キーワードを鉱物 , 地域 , 野外 , 遊びなどに設定し , たんに博物館と考え ないで , 総合的なフィールドミュージアムとその核 ( コア ) としての施設と 考えると理解しやすい . 近くには他に歴史博物館 , 美術館もあるので , それ との協力もありうる . 日本では鉱物博物館のよい館が少ない . 魅力ある館に なることが望まれる . 開館 3 カ月で約 1 万 4000 人という入館者数はまずま ずの数である . ( 2 ) 生物関連の館 大阪府高槻市の JR 高槻駅から商店街を抜け 10 分ほど歩くと , 日本たば こ (JT) の研究所がある . その一角にあるのが JT 生命誌研究館である . 2 人の著名な生物学者を館長・副館長とし , 研究を行いその成果を一般化しよ うと考えてつくられた博物館である . 研究部門とコミュニケーション部門が あり , 外部の専門家・機関とも提携して活動している . 2 度訪ねたが , 高い レベルの博物館であると感じた . 一般の人がふれるのは展示であるが , 1997 年の秋には , 平衡放散進化 , 藻 , 花の生命誌というのがテーマで , 最新のデ ータを使った展示である . なかなかむずかしく , 少しみたくらいでは理解で きないが , じっくりみると優れた内容の展示であることがわかってくる . 私 は以前訪れたときに , これは大学の生物学専攻の学生でちょうどよいくらい であると思ったことがある . まさに考えさせる展示である . い第ま きたをを オウ羝ガイ 図 6.8 9 JT 生命誌研究館
6 . 5 これからの自然史博物館 2 の 展示の類別 度 図 6.14 展示の類別とみる側の満足度 B 類 , C 類の展示レベルにそのまま対応はしない ( 図 6.14 ). C 類はすべて のレベルの「みる人」に満足を与えることができるが , I , Ⅱのレベルの人 には十分に理解されないということがある . B 類はⅢのレベルの人には物 足りないかもしれないが , 大部分の人に受け入れられる . A 類の展示はだ れにもわかりやすく , みて楽しいが , 「一度みればおしまい」になりかねな い . 現在の博物館のあり方からいえば , 検討しなければならない課題を抱え ている . 展示のレベルが A 類から B, C 類と変わるにつれて , みる側の意識も変 化する ( 第 2 章参照 ). 楽しむこと ( I ) から始まって , 理解する段階 ( Ⅱ ) 自然の多様性を知り「自然と人とのかかわり」を考えるレベルーーに達 する . さらに , 自然について深く考え , 自然の見方をつくり上げ , 自分自身 の自然観をもつようになる (III). 展示のレベルが変わることと並行して 「みる側」のレベルも変わってゆく . こうして博物館の 1 つの目的が達成さ れたことになる . 現実的にみたとき , 日本では最初 A 類に始まり , 戦後の発展期に B 類が 多くなった . これから C 類をめざす館が増えてくるはずである . 滋賀県立 琵琶湖博物館はその先頭を切っていることになる . JT 生命誌研究館は切り 口が少し異なるが , レベルとしては C 類である . 外国では , フランスでは A 類が多く残り , B 類は少なく , C 類はモデル として出現したパリの国立自然史博物館の「進化の大行進」である . センス ラ・ビレットも同様である . イギリスでは A 類か としては , ポンピドー ら B 類へ変わり始め , なかには C 類へ向かっている館もある ( たとえば大 ーⅢ
6.5 これからの自然史博物館 203 このような多様な来館者に対応しなければならないのだが , これとは別に 博物館の時代的な変遷を追いながら現実の展示をみると , じつに多様であり , 放散している . とくに最近において , その傾向が著しい . 各館がそれぞれ個 性をだそうと努力し , 展示のアイテムが複雑になり , 技術的にも向上してい るのだから当然である . 外国の事例も含めて , 自然史の博物館の展示のあり方を分類すると , つぎ のようになる . 時代的な変遷があり , 多様であり , 放散しているから , あえ て「系統分類」とよぶ . [A 類楽しむ展示 ] 「もの」が提示されている . めずらしい , 古い , 美 しい , 少ないなどの属性をもつ . だれにでもわかり , みて楽しい . 多くの 博物館がそうであり , つぎの B 類 , C 類の博物館の展示にもこの要素が 含まれる . 日本では少なくなったが , この型の展示を部分的にもっ博物館はごくふ つうにみられる . ルーアンの自 外国ではパリの国立自然史博物館の古生物のギャラリー 然史博物館 , 地方にある伝統的自然史博物館など . イギリス・ドイツなど の地域博物館の自然史にかかわる展示がそれで , アメリカでも地方によっ てはこのタイプの展示が多い . [B 類理解する展示 ] 「もの」が提示され , 説明のためのしかけ ( ジオラ マなど ) , 器具 , パネルなどが用意される . 「もの」は A 類と同様の効果 をもつ . A 類より一歩進んだかたちであり , 多くのパターンがある . ハ ンズ・オン , 参加体験など , 多様なやり方が含まれる . 「もの」のもつ意 味が理解でき , それを組み立てて , さらに広く高いレベルの知識をもっこ とができる . 日本では , 瑞浪市化石博物館の最初の展示がその典型であり , いまでは このスタイルがふつうで , 変化に富んだかたちがみられる . 外国では大英自然史博物館がその代表的なものである . いろいろな「か たち」がみられる . その最初の 1 つは「地球の歴史 Story of the Earth 」 の展示である . アメリカの国立自然史博物館 ( スミソニアン ) ・アメリカ 自然史博物館などでも , この展示は多い . ℃類考える展示 ] A 類 , B 類を内包して , さらに高度の考え方にもと