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検索対象: 民俗調査ハンドブック
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1. 民俗調査ハンドブック

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2. 民俗調査ハンドブック

5 年号索引 287 、 1 イ 1 4- っ朝 4- っ 0 1 よ 町肥 っ乙 8 「ー 1 亠 8 一 -0- 【 0 00 冖ー 1 人 1 人 -1 人 1 人 1 よ 1 亠、 1 1- 亠一 11 1 ー 8 幻田 LO 00 っ〕ー ( 0 -0- 4 ・ 8 一つ 0 ー 1 人 11 11 1 1 よ 1 亠、 1 、 1 11 1 ー宀 ら ま わ や 老和 銅 応仁亀 延治寿応治徳暦和 和 養養 暦暦霊 万万万明明明明明 -4 【 0 1 8 4 「 1 -0- っ 0 0 ー引っ 0 【 0 00 11 1 、 1 1 、【ー【 / っ 0 -4- 0 ー 11 ワ】 -8- CO 71 1 人 1 人 1 1 上 1 よ ・ 4 ワ】っ 3 8 っ朝「ー 1 亠ワ」 8 1 人 イ 1 11 イ 1 11 11 雉安永応化亀久治正政中保明暦禄和治安延元永亀治徳暦 安治寿和平 仁仁仁仁仁 白文文文文文文文文文文文文文文文平保保保宝宝宝宝宝 菊療 ー 4- イ 1 11 「ー -8- 尸 0 4 ・ -8- ワ】 【 0 、 1 ・ 4 っ】 8 っー LO 、 1 9 ~ 00 9 、 00 00 田 -0 一 -4- -0- 1 亠尸ー -0- 9 ~ イ 1 1 人っー 14 1 亠 11 11 、 1 1 人イ 1 、ー亠 1 人 1 亠 11 1- 亠イ 1 00 1- 《 0 1 人 00 1 亠 1 人「ー -8- - -0 00 「 / っ朝「 / 冖 / 《 0 8 「ー - -0 1 亠 00 幻新川肥富 - い 4- -0- 1 ・【 / - い - 1 亠っ 0 0 1 亠つう 9 、 1 人 1 亠 1 上 1 人 1 よ 1 上イ 1 11 11 1 亠 1 亠イ 1 ィー亠 暦禄和永延応喜慶元治授正承長徳和安仁平平宝平宝平護平字福保明文養暦禄治 長長長天天天天天天天天天天天天天天天天天感天勝天神天宝天天天天天天天徳 -0- 0 00 -4 行ー 3 的 g % 0- 4 -4 1 《・ 4 「ー Ⅱ四圏行礙 00 ワ】「ー 一 0 っ -0- 1 亠 1 よ - い - 【 , 1 (¯) 8 ー 0 1 《 0 ・ 1 、 -0 ワ】ワ】 8 行 1 人 1 上イ 1 1 ー亠 1 亠 1 よ 71 11 1 上 1 人 71 1 亠 1 亠 1 ー亠 1 上 、 1 71 1 亠 1 よ 、 1 11 ー ワ 1 ワ 1 っ乙 4- っ朝 1 亠 -0- 00 「 / / 00 ワ」 00 ワ】戸 0 -0- 11 イ 1 -0 っ 0 0 ー 【 0 1 亠 -8- 冖 / -0- 11 11 71 1 、 1 、 1 1 ・ 1 、 1 1 よ 1 人 11 1 亠 11 1 よ 1 亠 11 、 1 1 よ 1 人 永化治正同宝安承暦寛久享元治承徳保 元徳平保暦和和永応観享元治和亀護雲 大大大大大大治治治長長長長長長長長 承承承承承承昭貞貞貞貞貞貞貞神神景

3. 民俗調査ハンドブック

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4. 民俗調査ハンドブック

220 ( ト ) 労働慣行 V 民俗調査質問文例集 ( 1 ) ムラ ( 部落・地下 ) の各戸から人が出て共同で作業することを何というか。 それにはどのような種類があり , いつどこで行なわれるか ( 道路普請 , 用水 路の草刈り , 墓そうしなど ) 。 ( 2 ) ムラ ( 部落・地下 ) の作業に出る人について年齢や男女による制限がある か。またどうしても仕事に出られないときはどうするか ( 出不足金を払う ( 3 ) 家々が互いに仕事を手伝いあうことを何というか ( ュイ・テマガェな ど ) 。それはどのような仕事のときに , どのような範囲の家でおこなわれる ( 4 ) 屋根ふきとか家の改築のときにムラ ( 部落・地下 ) の人々はどのように手 伝うか。また病気などで人手不足になった家に対しては何かするか。 ( 5 ) このムラ ( 部落・地下 ) では農作業のために人を雇うことがあるか。それ は田植などのときだけか , 年間を通してか ( 雇入先 , 平均賃金 , 雇用条件な ( 6 ) 昔は奉公人 ( 下男・下女 ) をおいていた家があったか。奉公人は主にどこ から来た人で , どのような条件でなっていたか ( 奉公人の名称 , 奉公人に対 する呼称 , 奉公人に来る年齢 , 奉公人の仕事 , 年季の年数 , 年季明けになっ たときはどうするか , 奉公人がいなくなった時期など ) 。 ( 7 ) このムラ ( 部落・地下 ) で普通一人前というとき , どのくらいの仕事がで きることを基準量にしているか ( 基準量の名称 , 1 日に田畑を耕起する面積 , 田植のできる面積など ) 。 ( 8 ) ムラ ( 部落・地下 ) で仕事をしてはいけない日が決まっているか。休み日 に働く人を何というか。またそれに対してどのような処置をするか。 ( 9 ) 1 日の仕事中に休みをとることを何というか ( その休む時間と名称 ) 。 ( チ ) 共有と共同 ( 1 ) ムラ ( 部落・地下 ) で所有している土地はあるか。それはどのような土地 で , 何に利用しているか ( 山林 , 草刈場 , 屋根カヤの採取地 , 神社の田 , 舟 あげ場 , 網干場などの種類・名称・位置・面積・利用方法など ) 。 ( 2 ) ムラ ( 部落・地下 ) より広い範囲で共同利用する山野があるか ( 種類・名 称・面積・利用方法など ) 。 ( 注 ) ムラ ( 部落・地下 ) 間における権利の差に注意。 ( 3 ) 組や班の共有地はあるか。 ( 注 ) ( 1 ) ~ ( 3 については市町村有・共有名義・個人名義のいかんを問わず ,

5. 民俗調査ハンドブック

イ 2 Ⅲ民俗調査の方法と基礎知識 かである。このことはたとえば , 家族の大きさはどのぐらいがよいか , 誰が相 続すべきかといったことから , シンルイづきあいはどういうものか , 嫁はどう いう人がいいか , 嫁はどうやって選ぶか , 隠居はするかどうかなど , 家族・親 族のあらゆる分野にわたって聞く必要がある。その際にそれぞれのことがらに まつわる言い伝えやことわざなどを集めるのもよい。たとえば福島県阿武隈山 地のある山村では「ヨメはキジリからもらえ」という言い伝えがある。これは 嫁は自分の家よりも貧しい家からもらうことを昔からよいとムラの人が考えて きたことを示している。また茨城県勝田市の農村では「隠居娘は 300 円安い」 という言い伝えがある。これに類似する伝承は茨城県・福島県のみならず隠居 慣行が顕著に見られるムラでも聞かれるが , これは隠居屋で育てられた娘は甘 やかされて育てられるので , 嫁入りに際しても普通の娘よりも低く評価される ことを示している。したがってこのような言葉やことわざはムラ人の考え方を 端的に示す場合が多く , ムラ人の考える理想像としての家族・親族を知る上で 重要な手がかりとなるものであるから , これをまずできるだけ多く集めること が必要である。 聞書きの第二は詳細な事例の収集である。たとえば相続についてムラの人が 「このムラでは男の総領があとをとるのがふつう」と語ってくれたとしても , 長男が戦死した場合や女ばかりの兄弟姉妹の場合にはどうするのか , さらに長 男がいても長男以外の者が相続することはないか , というように事例の収集は ムラ人が理想と考えていることが , 現実にどのように行なわれているかを明ら かにする。詳細な事例収集にあたっては , 前にも述べたように特定の問題に関 する簡単な調査票を用意したり , のちの比較が可能なように事例ごとに聞く内 容の基本を統一しておくことが望ましい。 聞書きの第三はムラ人の生活史 ( ライフヒストリー ) や香奠帳・祝儀帳など に基づくつきあい関係の聞書きで , これも事例収集の中に含まれるが , 他の聞書 きとちがってかなりの時間を要する聞書きという意味でここで触れておこう。 香奠帳については , 次の親族関係の聞書きのところで述べるとして , ここでは少 し生活史の聞書きについて述べる。生活史の聞書きは特定のムラ人のこれまで の生活の軌跡をたどることによって , ムラの生活を浮彫りにしようとするもの であって , とくに家族・親族の分野に固有の聞書きではないが , 家族・親族の分 野においても有効な聞書きの方法である。とくに以前の家族・親族はどうであ ったか , また今と以前とはどのように違うかを知る上で役立っといえよう。生 活史の聞書きの対象となる話者の選択は一般の聞書き以上に困難であって , あ まり多くの人からこの聞書きをすることはむずかしいので , できればそのムラ

6. 民俗調査ハンドブック

III 民俗調査の方法と基礎知識 の資料は各家族の家系図作成の際の資料になるとともに , これを通して古い本 男長・戸籍・住民票 , および古い家に残されている家系図などがある。これら るが , このほか家族。親族の分野で役立つ文献としては役場に保管されている人 文献資料の調査すでに述べた香奠帳・祝儀帳も文献資料の調査に含まれ も注意したい。 世代呼称 ( 世代を類別する手段としての呼称 ) が確認されているから , これに が必要である。また親族名称に関連するものとして伊豆諸島や東北地方などで 別・年齢などによって偏差を示すから , できればいくっかの事例を集めること である。親族名称はこれまでの研究においても指摘されているように話者の性 は名称であるが呼称ではないし , オヂは名称であり , 「〇〇のオヂサン」は呼称 するときにはどのように紹介したか ( 名称 ) を区別して聞く必要がある。チチ に実際に話者がその人をどのように呼んだか ( 呼称 ) と , その人を他人に紹介 にある家族を例にとって具体的な事例について聞くことが必要である。その際 によって異なるからその差にも注意したい。一般的な名称が聞き終ったら , 次 一般的な名称を聞くことから始めよう。このような一般名称は話者の階層や家 はまず , 長男・次男・姉・妹・末子・父・母・叔父・叔母などについてムラの 調査しにくい点があるが , この調査も重要である。親族名称の調査にあたって 親族名称の調査親族名称の調査は標準語がかなり行きわたっているので 家のつきあい関係の動態を知ることができるからぜひ利用したい。 帳が保存されている場合には , 特定の時点でのつきあい関係だけでなく , その もらしをなくすのに役立つ。 1 軒の家に何年にもわたって多数の香奠帳・祝儀 の点がないようにしたい。親族関係者の関係図は現地で作成しておけば , 聞き の関係を聞き終ったら , できるだけ早くこの関係を整理し , 聞きもらしや不明 場合には複数の関係であることをメモするのを忘れてはならない。すべての人 でもあるというように単一の関係とは限らない人もあるから , このような人の 係を 1 人 1 人聞いて行く。この場合たとえばシンセキ関係でもあり , 近隣関係 要である。筆写の作業が終ったら , その家に行って香奠帳にでてくる人々の関 々の役割を書きとどめた「役割帳」が含まてれいる場合もあり , これは特に重 帳・祝儀帳を借用してこれを筆写する。この際 , 香奠帳の中には葬式の際の人 ムラの代表的な家を選択してやるという方法をとらざるを得ない。まず , 香奠 が網羅されているからである。しかし , これもあまり多くの家ではできないので , や祝儀帳を利用するのが最も有効である。香奠帳や祝儀帳にはほとんどの関係 としたっきあい関係を知るためには , 調査票で調べたユイなどとともに香奠帳 香奠帳の複写とその聞書き親族や近隣関係などを含めて , ある家を中心

7. 民俗調査ハンドブック

8 信仰 7 イ 3 本民俗調査要項」 , 文化財保護委員会編『民俗資料調査収集の手びき』など ) を参考にするとよい。そして調査の経験を積み重ね , 各地の民俗誌を多く読み 進むうちに , 自然に調査地に応した独自の質問項目表みたいなものができてく ることと思う。どういう目的の調査であるかと , そこがどういう調査地である かによって , 結局は調査者各自が質問項目を決めなければならないのだという ことは銘記しておかなければならない。 調査票の作成これは前記の質問項目の作成で述べたことがそっくりあて はまる。すべては何を目的とした調査であるかによって , その内容が決まって くる。形式としては , ーっのムラ内を調査者自身がその調査票に基づいて機械 的に調査しようという場合には特に問題はないが , 他の人に依頼して調査して もらう場合とか , その票を送付して話者にあたる人に書き込んでもらう場合に は , なるべく質間のことば数を多くし , 回答は「はい」「いいえ」的にごく簡 単に答えられるようにした方がよい。複雑な答えを要求すると , 最初から敬遠 されてしまったり , 答える人によって内容に精粗が生して , 比較に用いる場合 必ずしも好結果の得られないことが多い。また , 先に述べたーっのムラ内の家 々の行事の差異を調べたりするときには , そのムラ内の最も標準的な生業に従 事する人 2 , 3 人からよく話を聞いて , そのムラ内の年中行事のおおよそをつ かみきったうえで , 質問項目の作成と調査票作りにとりかかるとよい。なお調 査票には , 調査年月日や被調査者 ( 話者・伝承者 ) の年齢とか職業とか住所 , できることなら簡単な経歴などを書く欄も設けておくとよい。 伝承者の問題話者 ( 伝承者 ) として適当な人はどういう人かというのは , いちがいにいえることではない。性別の面からみれば , 一般的にいって男子の 方がよい。なぜなら , 年中行事には神祭り的要素が多く , 厳重なところでは正 月行事などのように女性の介入を許さないものが多々あり , また地神講などの ように数軒が寄り集まってする行事も主として参加するのは男性であるからで ある。しかしもちろん女性だけの集まりもあるし , また晴れの日に作る食物の ことも年中行事と密接に関連する大切な問題なので , そういう点では女性の伝 承者の重要性も考えるべきであろう。生業の面からみれば , 調査地における最 も一般的な仕事に従事している家の人がよいことはいうまでもない。しかし , それらとの比較においても単独のものとしても , 手工業や商売を業とする人々 の担う行事を疎かにしてよいわけはない。家格の面からみれば , 本家筋とかあ る程度裕福な家々には行事を継承していこうとする意識とか余裕が何となく感 しられるので , 一般的にいってそういう家の人を選ぶ方がよい。しかし調査地 全体の本当の姿を知ろうとする場合には , 本家・分家間における家の神祭りの

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アイイ Ⅲ民俗調査の方法と基礎知識 差異とか , 比較的裕福な家と必ずしもそうでない家々との行事の実行の仕方の 相違などを知る必要もあるので , 全体を調査対象にすべきである。家の宗旨の 面からみれば , 浄土真宗とかいわゆる新興宗教を信している家々では , 古い行 事の保存度が低いといわれているので , 一般的には話者としては適さない。し かし , 他の宗旨の家々との比較の問題とか , そのような宗旨の家独特の行事も あるので , 観点をかえれば話者として貴重であろう。年齢という面からみれば , もちろん年輩の人であるに越したことはなかろう。ただし年はとっていても , 分家をした人とか , まだ若い時分にその家の年寄に先だたれているような人は , 案外 , 古風な行事を伝承していないものである。それにひきかえ , 年齢的には まだ壮年か初老ぐらいの人でも , 古風を守る年寄が最近まで生きていたような 家の人は , 話者として適当なことが多い。その他 , その土地を長く離れていた 人や他所からやってきて新しく住みついた人などは , 一般的にいって話者には 適さない。なお , 1 軒だけ特異な行事を伝承している場合には , その家の家格 とか土着度の問題 , あるいは聟とか嫁として他所から異なった伝承をもってき て定着させた人がいないかどうかなどについても吟味する必要があろう。 調査結果の整理調査ノートからカードにまとめ整理しておく場合 , その 行事だけではなく , なるべく関連する他の諸行事についても理解できるような 整理の仕方が好ましいと思う。たとえば , 小正月の火祭りについてだけではな く , 小正月行事全体もわかるような整理の仕方が大切だと思う。また神の去来 の問題のように , 正月を中心にして対称的な行事がある場合には , 春秋のを同 しカードに整理しておくのはもちろん , その土地にある似たような伝承 ( たと えば , コト八日についてなど ) についても , 理解できるような整理上の工夫が 必要である。とにかく一つの行事が , その土地での ( またはその家での ) 年中 行事全体とどう関連しているのかを , なるべくわかるような方向でまとめてお くように心がけたいものだと思う。 ( ロ ) 調査上の留意点 いくつかの留意点ある行事がムラ内のどういう家または家々によって継 承維持されているのか , ということを念頭に置きつつ調査する必要がある。ほ とんど同し程度の家々で成り立っているところならば , そんなに大きな差異は ないだろうが , 農地改革以前には数軒の格式ある地主と多くの小作とに截然と 分れていたところや , 農業と漁業などというように主生業の異なる家々が入り 混っているところなどでは , 吟味してかかる必要があろう。とにかく年中行事 は一つのムラの中の小単位ごとや家ごとによって大なり小なり異なるものであ ると , 一応考えておくべきである。そういう意味からも調査にあたっては , 話

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8 信仰 ア 35 の行事に住職が出向くことがあるかなど , 寺のムラの行事への参与の仕方を聞 くのも一つの手である。忘れてはならないのは境内にある付属の堂の類で神広 習合の結果 , いろいろな神イムが祀られ , かえってそれらの方がにぎわっている 場合があるので注意すること。できれば本堂の本尊を拝ませてもらうだけでな く , 本堂・庫裡の平面図をとり寺内に祀られている神仏も聞いておく。また寺 の堂内や境内だけでなく近在の堂や辻にある石仏などを管理している場合があ るので由来・行事・寺との関系を聞いておく。 ムラ人との関係は以上のことを通してだいたい把握できるが , 檀家組織 , 檀 家の範囲 , 檀家が入り組んでいたり , 檀家でない家があればその理由 , 半檀家 制なども聞く。帳面かなにか寺側に書き留めたものがあれば , 許しをえて見せ てもらったほうがよい。過去帳の院号の脇に書かれた生前の名から系譜がたど れる場合がある。 ムラ人からの調査ムラで行なわれる仏教行事の中心は念仏講・題目講な どの講である。これらの名を冠さなくとも観音講・地蔵講 , ほかに薬師・不動 などの仏名をつけたもの , あるいは集まる日をもって十九夜講・二十三夜講の 名で営まれている。話者は実際そのような講に参加している人 , できればその 講の中心的人物に聞きたい。聞く事項は講の由来 , 講の組織 ( 性別・年齢別 ) , 庚申講などとのかねあい , 講の運営 , 講の開かれる時期・場所 , 行事内容など である。一番よいのは講の営まれる日に行って参加し , 席順・唱え方・用具な ど直接見て , テープレコーダーにでも集録することである。一通り聞き終った ならば , 念広帳などの講の控え , 掛軸などを拝見させてもらったほうがよい。 特に掛軸はムラ人のいっているものと異なった画像であったり , どこから持っ てきたのか , 誰が作ったのかで系譜のわかる場合があるので , 掛軸を写真にお さめ , 記載されていることはメモをとる。掛軸をおさめてある箱の中に意外に 古い文書があったりするので注意する。 また掛軸が堂に保管されている場合もある。そうでなくともムラ人にたのん で堂をあけ , なかのものは一応目を通したほうがよい。なかには本尊のほか諸 広・寄進額・絵馬・地獄絵など , 仏教信仰を知る手がかりになるものが多いの で注意して拝見し , それらの由来や行事との関係を聞いておく。堂そのものに ついては由来や管理など寺と同し要領で聞くが , 無住の堂の場合 , 他の地から 流れてきて住みつく人があるので , そのような人がどこから来て何をやってい た人か , ムラで何をやったか , ムラ入りの条件 , ムラからの仕送り金などを聞 く。その人々が往々にして行者・六部・修験者などの放浪の宗教者であったり するが , 巡礼者・乞食である場合 , ムラで特殊な宗教的役割をになう例がある

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734 Ⅲ民俗調査の方法と基礎知識 く 4 〉仏教民俗 ( イ ) 調査の実際的方法 だんか 日本の村落の場合 , 江戸幕府によって施行された檀家 調査地に行く前に 制度の結果 , 仏教の浸透していない地域はほとんどない。したがって調査地域 に寺院がなくとも , そこでどのような形で広教信仰が営まれているかを調査し なくてはならない。 まず調査には調査地域が設定されているわけだから , あらかしめ , 調査地と その近辺の寺の所在 , できれば宗派・寺伝などの概略を知っておきたい。寺の 所在は 5 万分の 1 の地図でいくらかは把握できるであろうし , 詳しくは全日本 仏教会寺院名鑑刊行会編『全国寺院名鑑』 ( 1969 ) を見ればわかる。町村誌そ の他でわかる寺院もチェックしておく必要があろう。民俗を調べる場合 , 檀那 寺になっている寺だけでなく , 近郷に現世的な利益でにぎわっている寺があり , その寺によく参詣に行く例が多いので , そういう寺にも注意する。調査は聞書 きが中心であるが金石文なども調査するから筆記用具のほか , 携帯用巻尺・簡 単な年表を忘れないようにしてほしい。 調査地についてからさて調査地域に入ってからだが , そこに寺があり , 住職がおられるなら訪ねてみるのがよいが , 寺が無住であったり , 堂しかなく 人が住んでいない場合 , ムラ人に管理者を尋ねてみる。堂もない場合 , 辻など に地蔵や観音などの石広や祠があるので , その近辺でその祀り方を聞き , 話者 の見当をつけるのもよい。直接仏教信仰の対象が見つからない場合 , その地の 檀家総代の人がいるのでその人に聞いてみる。いずれにしろ , 調査地に着いた ならば , ムラをひとまわりして , 寺堂・石仏・墓の位置を調べ簡単なムラ地図 に記入する。石仏・石塔類は碑名・形状をメモし , カメラがあれば写真におさ めておく。墓・墓誌は全部を調べるとそれだけでだいぶ時間がかかるので , い ちばん古い年代 , 僧の墓誌などをメモしておき調査の進展上必要とあらば詳し く見直すようにしたい。 寺堂での調査寺では , 寺自体の事項とムラとの関係についての項を聞く。 寺については本末関系・寺格・本尊・縁起・歴史 ( 寺の盛衰・中興 ) を聞き , 寺の 1 年の行事を調べる。特に大きな催しなどのときは近隣の寺と寺組などを 組んでいるので注意する。またムラ人の行事への参加体制 , 寄進 , および寺の 維持組織 , 寺堂の修復時の寄付などを調べることにより村落組織・階層関係な どもわかってくる。墓地の管理などからも同様のことがうかがえる。また寺堂 では行なわれないが , ムラ人だけで行なっている種々の行事があるが , それら