2 た Ⅵ民俗調査文献目録・解題 452 吉田禎吾『日本の憑きもの』中央公論社 1971 447 はシャマニズムの問題を日本宗教史の体系の中に位置付ける試みがみられる。 448 は日本のシャマニズムの変質過程を他の文化要素との関連で考察している。桜井にはこの 他にもこの分野に関する論文が多い。 449 はオシラ神信仰の構造分析に焦点をあててい る。 同 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 年中行事 柳田国男年中行事覚書 ( 『定本柳田国男集』 13 筑摩書房 ) 1969 柳田国男編『歳時習俗語彙』民間伝承の会 1939 民俗学研究所編『年中行事図説』岩崎書店 1953 西角井正慶編『年中行事辞典』東京堂 1958 宮本常ー『民間暦』 ( 宮本常一著作集 9 ) 未来社 1970 和歌森太郎『年中行事』至文堂 1957 『日本民俗学大系』 7 ( 生活と民俗 2 ) 平凡社 1959 平山敏治郎・竹田聴洲年中行事 ( 『郷土研究講座』 5 角川書店 ) 1958 郷田洋文年中行事の地域性と社会性 ( 『日本民俗学大系』 7 平凡社 ) 武田久吉『農村の年中行事』有峰書店 1973 文化庁文化財保護部『正月の行事』 1 ( 鹿児島・大分 ) 平凡社 19 文化庁文化財保護部『正月の行事』 2 ( 島根・岡山 ) 平凡社 1967 文化庁文化財保護部『正月の行事』 3 ( 徳島・三重 ) 平凡社 1970 1958 文化庁文化財保護部『正月の行事』 4 ( 岩手・秋田・埼玉・新潟 ) 平凡社 1971 田中宣一年中行事消滅の様相ー神奈川県足柄下郡橘町明沢の場合ー ( 『日本民 俗学会報』 41 ) 1965 453 ~ 467 までは , 年中行事の概観を知る上で便利である。実地にあたっての調査をすす 行事の詳細を見る上で便利である。 467 はある特定社会における年中行事の変化について を示めす論考で構成されており , 入門研究書として便利である。 463 ~ 466 は , 各地の正月 た年中行事の解説書であり , 459 は現在の民俗学における年中行事への視角 , 解釈の水準 る。このなかでも特に 455 は豊富な図版とともに参考になる。 462 は関東地方を中心にし 455 , 457 , 458 , 461 は日本における年中行事の意義を , 個々の行事にわたって解説してい めたもので , それ自身資料集であると同時に , 年中行事研究の水準を示めしている。 453 , める上で参考になるのは 460 であろう。また 454 , 456 は全国の豊富な年中行事資料を集 触れており有用である。 9 能 民俗芸能に関する文献は数多く出版され , 多くが一般向けの啓蒙書の類となっている。 , こでは調査の際に , 事前の一応の知識として参考に資すべきものを若干とり上げておく に留めたい。 ( イ ) 468 469 470 民俗芸能全般 本田安次『図録日本の民俗芸能』朝日新聞社 1960 『日本民俗学大系』第 9 巻 ( 芸能と娯楽 ) 平凡社 1959 伝統芸術の会『民俗芸能』学芸書林 1969
5 生 店 ) 1958 ( 203 に再録 ) 業 20 7 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 早川孝太郎『農経営と農業技術』 ( 早川孝太郎著作集 7 ) 未来社 1973 竹内利美稲作 ( 『日本民俗学大系』 5 平凡社 ) 198 文化庁文化財保護部『田植の習俗』 1 ( 岩手県江刺・遠野 ) 平凡社 1965 文化庁文化財保護部『田植の習俗』 2 ( 茨城県・富山県 ) 平凡社 1967 文化庁文化財保護部『田植の習俗』 3 ( 秋田県・新潟県・岐阜県 ) 平凡社 19 文化庁文化財保護部『田植の習俗』 4 ( 島根県・広島県 ) 平凡社 1969 文化庁文化財保護部『田植の習俗』 5 ( 高知県・長崎県・鹿児島県 ) 平凡社 1970 小野重朗『農耕儀礼の研究』弘文堂 1970 保仙純剛大和高原のシミッタレと農耕儀ネし ( 『日本民俗学会報』 8 ) 1959 和田正洲摘田と田植え ( 『神奈川県立博物館研究報告』 1 ー 2 ) 1969 従来の民俗学における農業 , 特に稲作の調査研究の指向を知るには 201 がもっともよい であろう。また稲作および稲作儀礼について知識のない者がその概観をえるには 202 が便 利である。調査に際して参考となるのは 205 ~ 209 のものであるが , 調査内容がやや特異 な慣行に焦点をあてているので , その点注意を要する。 210 は南九州を中心としたもので あるが , 調査法と資料処理の方法として参考になろう。 稲作にとって必要不可欠な存在である水利についての民俗学の調査研究はほとんどない。 水利慣行を扱ったものとしては , 213 竹内利美灌漑と村落 ( 『民間伝承』 12 ー 11 ・ 12 ) 1948 214 千葉徳爾土地開発と灌漑慣行 ( 和歌森太郎編『淡路島の民俗』吉川弘文館 ) 1964 いわゆる水利慣行 , 水利権の問題として研究の進んでいる農業経済学・法社会学・地理 学の代表的な研究を示すと , 215 金沢夏樹『稲作の経済構造』東大出版会 1954 216 渡辺洋三『農業水利権の研究』東大出版会 1954 217 喜多村俊夫『日本灌概水利慣行の史的研究』総論篇岩波書店 1950 218 喜多村俊夫『日本灌漑水利慣行の史的研究』各論篇岩波書店 1973 219 農林省農地局『農業水利実態調査』農林省 1957 ~ 65 220 農林省図書館編『農林文献解題・農業水利編』日本農業文庫 1967 民俗調査に役立つ研究としては 215 。本格的にとりくむには 216 がぜひ読まれねばなら ない。水利慣行の歴史的性格を知るためには 217 が参考になるし , 218 はその素材となっ た各地の事例の調査結果をまとめたものであり , 歴史地理学的調査の一つの見本を示して いる。 219 は全国の 58 水系について上流から下流まですべての水利について悉皆調査した ものであり , 各河川ごとに報告書としてまとめられている。調査地の該当する水系の報告 書を調査に出る前に見ておくとよい。この他にも多くの研究書・調査報告書が出ているが , それらについては 220 の目録を参照されたい。 畑作の技術および儀礼については , 221 宮本常一畑作 ( 『日本民俗学大系』 5 平凡社 ) 198 222 宮本常一畑作における技術試論 ( 『日本民俗学会報』 57 ) 1968 223 坪井洋文子と日本人一餅正月とイモ正月をめぐって一 ( 『国学院大学日本文化
2 民俗調査法・民俗調査項目 , 3 村落組織 大間知篤三民俗調査の回顧 ( 『日本民俗学大系』 13 平凡社 ) 1960 2J3 27 28 29 30 31 32 33 郷田 ( 坪井 ) 洋文民俗調査の歴史 ( 『日本民俗学大系』 13 平凡社 ) 1960 桜田勝徳調査の態度と方法について ( 『日本民俗学大系』 13 平凡社 ) 1960 竹内利美「民俗」資料の性質とその収集方法 ( 『日本民俗学大系』 13 平凡社 ) 1960 井之ロ章次『民俗学の方法』岩崎美術社 1970 桜田勝徳調査する者とされる者 ( 『民間伝承』 22 ー 7 ) 1960 宮本常ー調査地被害 ( 『朝日講座・探検と冒検』 7 朝日新聞社 ) 1972 調査項目や内容を含めた民俗調査の歴史については 28 が参考になる。民俗資料と民俗 学の関連について理論的に位置づけるためには , 26 が一度は読まれねばならない。また社 会変動のなかでの民俗調査については 29 を出発点にして考えるとよい。 32 , 33 は調査者 と調査される人 , 土地との関係について , それぞれ豊富な経験に支えられて書いたもので あり , 特に 33 は一読すべき文献である。 民俗調査の調査項目 , 質問文例がまとめられているのは , 34 柳田国男・関敬吾『日本民俗学入門』改造社 1942 35 郷田 ( 坪井 ) 洋文・井之ロ章次日本民俗調査要項 ( 『日本民俗学大系』 13 平凡社 ) 1960 現在のところ , 質量ともにもっとも豊富で内容あるのは 34 であるが , 入手は非常に困 難である。 35 は 34 に多く依存しているが , 調査項目の配列が多く , かならずしも質問形 式になっていないので , 初心者にとっては , どのように質問していいかわからず , 不便で ある。その他に , 25 ・ 31 も調査項目を収録している。 民俗調査に際しては , 隣接諸科学における調査法についても充分に参考にすべきである。 代表的なものをあげれば , 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 鈴木栄太郎・喜多野清ー『日本農村社会調査法』国立書院 1948 福武直編『社会調査の方法』有斐閣 1954 古島敏雄・福武直編『農村調査研究入門』東大出版会 1955 安田三郎『社会調査ハンドブック』く新版〉有斐閣 1969 矢嶋仁吉『集落調査法』古今書院 1958 尾留川正平他編『人文地理調査法』 ( 現代地理調査法 3 ) 朝倉書店 地方史研究協議会編『地方史研究必携』岩波書店 1952 木村礎・林英夫編『地方史研究の方法』八木書店 1970 日井二尚『村落調査細目』 ( 関西大学経済研究所双書 25 ) 1969 藤岡謙二郎編『地域調査ハンドブック』ナカニシャ 1971 1972 36 は民俗調査に内容的にも近く , 現在でも充分参考になる。やや入手困難。 38 は村落 の経済構造や社会組織を調査する際に参考になるし , 巻末の付録は利用価値がある。 39 は 調査結果の統計的処理の技法に詳しい。 ( イ ) 46 桜田 ⅱ冊 勝徳 3 村落組織 村とは何か ( 『日本民俗学大系』 3 平凡社 ) 1958
256 Ⅵ民俗調査文献目録・解題 92 竹内利美近隣関係と家 ( 『家ーその構造分析ー』創元社 ) 1959 93 竹内利美近隣組織の諸型 ( 『東北大学教育学部研究年報』 15 ) 1967 94 福田アジオ村落史における近隣と系譜 ( 『地方史研究』 87 ) 1967 ムラの組織の問題では , ムラの境・入口・範囲・区分 ( 村組・近隣組 ) といった問題の 他に最近では 92 ~ 94 に見られるように近隣関係についても関心が高まってきている。 なお , ムラの共有・共同の諸側面については , 水利慣行や共有林・入会慣行の文献を読 まねばならない。水利については 213 ~ 220 , 共有林や入会については 267 ~ 270 を参照の こと。とくに 220 と 270 を利用して文献を探索のこと。 95 96 97 98 困 99 100 101 102 103 104 105 106 107 ムラの運営・寄合 花島政三郎 平山和彦 平山和彦 和歌森太郎 年齢集団 関敬吾 平山和彦 佐藤守 瀬川清子 『若者と娘をめぐる民俗』未来社 1972 『近代日本青年集団史研究月御茶の水書房 1970 年齢集団に関する研究動向 ( 『民俗学評論』 3 ) 1968 年齢集団 ( 『日本民俗学大系』 3 平凡社 ) 1958 村の寄合と座順 ( 『歴史と民俗学』実業之日本社 ) 1951 山形県温海地方の村寄合 ( 『日本民俗学会報』 40 ) 1965 村寄合の議決法 ( 『共同体の比較研究』 5 ) 1966 部落自治の運営と宮座 ( 『日本民俗学会報』 41 ) 1965 社会伝承研究会編『年齢集団と「家」の構造』社会伝承研究会 1973 年報』 7 ) 1959 竹内利美・江島成也・藤木三千人東北村落の年序組織 ( 『東北大学教育学部研究 竹内利美子供組について ( 『民族学研究』 21 ー 4 ) 1957 文化庁文化財保護部編『伊豆の若者組の習俗』平凡社 1972 文化財保護委員会編『志摩の年齢階梯制』平凡社 1965 99 は年齢集団の民俗学的研究を整理したもの , 100 はそれ以後の研究動向を分析したも ので , 文献探索は便利。 107 は戦後の年齡集団に関する文献総合目録が県別にまとめられ 112 竹田旦 111 竹内利美 110 郷田洋文 109 橋浦泰雄 108 橋浦泰雄 内労働慣行 ていて有益である。 下北における農耕と労力組織 ( 九学会連合編『下北』平凡社 ) 1967 ゆい ( 『日本社会民俗辞典』 4 誠文堂新光社 ) 1960 互助協同 ( 『日本民俗学大系』 4 平凡社 ) 1962 協同労働 ( 柳田国男編『海村生活の研究』日本民俗学会 ) 1949 協同労働と相互扶助 ( 柳田国男編『山村生活の研究』民間伝承の会 ) 1937 分析している。 102 ~ 104 には各地の民俗資料が豊富に盛られている。 101 は教育学の面からの若者組・青年団の研究で , 近代化との関連を 114 和歌森太郎村の制度と倫理 ( 『郷土研究講座』 5 角川書店 ) 1958 村の交際と義理 ( 柳田国男編『山村生活の研究』民間伝承の会 ) 1937 113 守随 ( ト ) っきあい・贈答 組織の関係を分析したもので参考になる。 110 には語彙の地理的分析が示されている。 112 は下北の村落についての労働慣行と社会 このうち 108 ~ 111 はユイ・モャイなどの共同労働全般について論したもので , とくに
お 2 Ⅵ民俗調査文献目録・解題 民俗学の文献目録はまだ充分なものは作成されていない。利用できるものとしては , 12 13 14 15 16 17 『文学・哲学・史学文献目録』 V 一日本民俗学篇一日本学術会議 1955 民俗学文献目録 ( 『日本民俗学大系』 13 平凡社 ) 1960 日本民族学協会編『民族学関係雑誌論文総目録』 1925 ~ 59 誠文堂新光社 1961 日本民族学会編文献目録 ( 『日本民族学の回顧と展望』日本民族学協会 ) 1966 中島河太郎編柳田国男研究文献目録 ( 神島二郎編『柳田国男研究』筑摩書房 ) 1973 福田アジオ編民俗学方法論文献目録 ( 野口・宮田・福田編『現代日本民俗学』 1 一書房 ) 1974 以上の文献目録の中では 13 がもっとも内容豊富であるが , 分類が大まかすぎるため , 検索に時間がかかり , やや不便である。 16 は柳田国男論に関する文献目録であるが , 民俗 学の理論的な論文も含めて , 年次順に配列してあり , 参考になる。 17 には民俗調査法 , 調 査論に関する文献が収録されている。なお , 民俗学全体の文献解題はない。各分野別の研 究動向はいくつかあるが , それらについては以下の該当のところで紹介する。 2 民俗調査法・民俗調査項目 民俗調査法に関する研究は民俗学の中でもっともおくれている分野であり , 研究論文も 少ない。特に民俗調査を基礎づける理論究明はほとんどおこなわれていない。 民俗調査の具体的方法について述べたものとしては , 18 19 20 21 22 23 24 25 井之ロ章次 大藤 最上 石塚 小野 宮本 時彦 孝敬 尊俊 重朗 常一 竹田旦 採集法 ( 民俗学研究所編『民俗学手帖』古今書院 ) 1954 1965 民俗総合調査 ( 池田・宮本・和歌森編『日本の民俗』 11 河出書房 ) 『日本の民俗』 11 河出書房 ) 1965 民俗事象の捉え方・調べ方一旅行のうちに一 ( 池田・宮本・和歌森編 平凡社 ) 1960 民俗調査の方法ー民俗地図作成をめぐって一 ( 『日本民俗学大系』 13 民俗採集の要領 ( 『日本民俗学大系』 13 平凡社 ) 1960 私の採集方法 ( 『日本民俗学大系』 13 平凡社 ) 1960 民俗採訪のしかた ( 『郷土研究講座』 7 角川書店 ) 1958 文化財保護委員会編『民俗資料調査収集の手びき』第一法規 1965 民俗調査の具体的な方法については , 概説書の 1 , 2 , 4 , 5 などでも書かれている。初 心者の手引きとして親切なのは 19 であるが , 現在では入手困難である。 22 は村落ごとの 民俗事象の差を地図化するという小野の独自の方法の基礎となる調査法を示したもの。 24 は民俗総合調査と称する大規模な調査団の編成の方法について述べたもの。 25 は現在もっ とも広く流布している書物である。新書判という手ごろな大きさで , 調査に携行するのに 便利であるが , 調査法や質問法についての説明がやや不充分であり , 初心者にとっては必 ずしも役立たない。 調査理論に関連して述べた文献としては , 26 有賀喜左衛門民俗資料の意味ー調査資料論ー ( 『有賀喜左衛門著作集』 8 未来社 ) 1969
を明らかにしている。は岩手県煙山村の有名なモノグラフで , 近世中後期の村落の生 活の諸相を詳細に分析している。 70 には多くの論文が収録されているが , 村落組織の調査 の参考になるものとしては , 島田次郎「中世の集落と耕地」 ( 3 巻 ) , 木村礎「近世におけ る村落景観の展開」 ( 4 巻 ) , 安沢秀一「水利と林野」 ( 4 巻 ) , 笠井恭悦「林野官民有区分 と村落の変貌」 ( 6 巻 ) , 大島太郎「地方自治制の特徴と施行時の実態」 ( 7 巻 ) , 大島美津 子「地方財政と地方改良運動」 ( 7 巻 ) , 平山和彦「地方青年運動の展開」 ( 7 巻 ) , などが ムラと市制・町村制の関連については , 73 大石久敬『地方凡例録』上・下近藤出版社 1969 72 安藤博『徳川幕府県治要略』柏書房 1965 江戸時代の地方支配の制度や用語を知るには , ある。 3 村落組織 ムラの組織・家格・階層 255 74 75 76 77 78 79 『日本地方財政制度の成立』岩波書店 1941 『明治地方制度成立史』柏書房 1967 武井・熊谷・神谷・山中『日本近代法と「村」の解体』法律文化社 『町村合併と農村の変貌』有斐閣 1958 地方制度一法体制崩壊期ー ( 『講座日本近代法発達史』 6 1959 『地方制度小史』勁草書房 1962 亀卦川浩 阿利莫二 島恭彦編 亀卦川浩 藤田武夫 19 勁草書房 ) 町村制以前の大区・小区制や三新法段階については 74 がよく , 町村制の成立について は 75 。町村制下のムラの展開を具体的に研究した 76 は民俗調査にも参考になる。戦時体 制下の問題を知るには 78 がもっともよい参考書である。地方制度の変遷を簡単に知るに は 79 が手ごろである。なお , 地方改良運動・農村更生運動については文献目録も豊富な次 の文献が役立つ。 80 内 81 82 83 84 85 86 農林省図書館編『農村建設ーその歩みと文献ー』農村統計協会 1957 原田敏明 最上孝敬 桜田勝徳 守随 北山正邦 竹内利美 村の境 ( 『宗教と社会』東海大学出版会 ) 1972 村落の組織と階層 ( 『日本民俗学大系』 3 平凡社 ) 1958 村の構成 ( 『日本民俗学大系』 3 平凡社 ) 1958 部落と組 ( 柳田国男編『山村生活の研究』民間伝承の会 ) 1937 組と講に関する一つの問題 ( 『民族学年報』 1 ) 1938 組と講 ( 『郷土研究講座』 2 角川書店 ) 1957 民俗学にとって重要な問題である村境については 81 がほとんど唯一のまとまった研究 である。ムラの内部区分の問題は 86 , 93 を参考にするとよい。 家格・階層については 89 と 120 をあわせ読むとよい。また 88 , 90 も民俗調査の参考に 奉公人・雇い人・徒弟 ( 『日本民俗学大系』 4 平凡社 ) 1959 民俗と階層 ( 『人類科学』 19 ) 1967 農村の身分階層制 ( 『日本資本主義講座』 8 岩波書店 ) 1954 身分と家格 ( 『日本民俗学大系』 4 平凡社 ) 1959 農村社会の身分 ( 『郷土研究講座』 3 角川書店 ) 1958 なる . 91 竹内利美 90 野口武徳 89 川島武宜 88 喜多野清一 87 所三男
115 116 田 117 118 119 120 121 122 郷田洋文 竹内利美 村落の類型 福武直 蒲生正男 川島武宜 磯田進 住谷一彦 小川徹 4 家族と親族 交際と贈答 ( 『日本民俗学大系』 4 平凡社 ) 1959 村落社会における葬儀の合カ組織 ( 『家族と村落』 2 ) 『日本農村の社会的性格』東京大学出版会 1949 『日本人の生活構造序説』誠信書房 1960 『イデオロギーとしての家族制度』岩波書店 1957 村落構造の二つの型 ( 『法社会学』 1 ) 1951 『共同体の史的構造論』有斐閣 1963 村の諸類型 ( 『日本民俗学大系』 3 平凡社 ) 1958 1942 257 村落構造の類型論は有賀喜左衛門 ( 文献 157 ) の家連合の二類型 ( 同族結合と組結合 ) を 基礎として , 117 の同族結合・講組結合へと展開した。 120 ( 家格型・無家格型 ) , 119 ( 家 凝集型・家拡散型 ) , 118 ( 同族制社会・年齢階梯制社会 ) の類型論もいずれも大きくは二 分法をとっているが , 121 は同族階層制・年齢階層制・世代階層制の三類型を立てている。 民俗学の村落構造類型論はまだまとまったものはでていない。 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 総 柳田 橋浦 竹内 な田 論 国男 泰雄 利美 旦 大間知篤三 中野卓 牛島厳 森岡清美 小山隆 4 家族と親族 『族制語彙』日本法理研究会 1943 『日本の家族』日本評論新社 1955 『家族慣行と家制度』恒星社厚生閣 1969 『「家」をめぐる民俗研究』弘文堂 1970 家族 ( 『日本民俗学大系』 3 平凡社 ) 1958 社会学における家の研究 ( 『家ーその構造分析ー』創文社 ) 1959 族制研究の動向ー 1960 年以降の家 , 家族制度研究を中心として一 ( 『民 俗学評論』 3 ) 1968 家族社会学参考文献目録 ( 1945 ~ 59 ) ( 『社会科学ジャーナル』 1 ) 1960 日本家族研究文献 (—) 国 ( 『季刊社会学』 3 , 4 ) 1949 ~ 50 大田武男・加藤秀俊・井上忠司編『家族問題文献集成』京都大学人文科学研究所 1970 湯沢雍彦『図説家族問題』日本放送出版協会 1973 128 は有賀喜左衛門の業績を中心としながら , 戦前からの家族研究を概観したもの。や や有賀に偏っているが一応の研究史を知るのに便利。それ以後の研究動向を知るには 129 が利用できる。 130 ~ 132 は社会学を中心とした家族の文献目録であるが , とくに , 130 , 131 がすぐれている。 133 は家族関係の諸統計を図表化して解説を加えたもので , 利用度 が高い ( ロ ) 134 135 136 家族構成・形態 戸田貞三『家族構成』新泉社 1970 小山隆『世帯の分析ー昭和 35 年における世帯構造ー』 総理府統計局編『わが国の人口』日本統計協会 1972 1961
26 イ Ⅵ民俗調査文献目録・解題 270 農林省図書館編『農林文献解題・草地利用編』日本農業文庫 1968 267 ~ 269 は入会山 , 共有林の問題を扱っているが , この分野の研究は法社会学 , 農業経済 学で実態調査も含めて大きく進んでいる。これらの文献については , 270 の目録を参照する こと。法律関係についての基礎的知識も不可欠であるが , それをえるには 2 が便利である。 狩蝋については , 271 272 273 274 275 276 277 278 279 宮本常一 向山雅重 千葉徳爾 千葉徳爾 武藤鉄城 高橋文太郎 石川純一郎 石川純一郎 狩猟 ( 『郷土研究講座』 4 角川書店 ) 1958 狩猟 ( 『日本民俗学大系』 5 平凡社 ) 1959 『狩猟伝承研究』風間書房 1969 『続狩猟伝承研究』風間書房 1969 『秋田マタギ聞書』慶友社 1969 秋田マタギ資料 ( 『日本常民生活資料叢書』 10 三一書房 ) 1973 民間狩蝋の一形態ー奥会津南郷村における狩人の生態と伝承ー ( 『日 本民俗学』 77 ) 1971 マタギ文書瞥見ー秘伝の事ー ( 『日本民俗学』 89 ) 1973 文化庁文化財保護部編『狩蝋習俗』 1 ( 秋田県・山形県・茨城県 ) 国土地理協会 1973 狩猟は特別な技術 , 作法 , 信仰についての理解がないと調査はむずかしいが , とりあえ ずは 271 , 272 からその知識をえることができるし , 調査内容については 277 や 279 を参 考にするとよい。本格的な調査研究をするためには , 273 , 274 をぜひとも読まねばならない。 林業 , 狩蝋を含めた山村生活全体については次の文献が参考になる。 280 柳田国男編『山村生活の研究』民間伝承の会 1938 281 柳田国男・倉田一郎『分類山村語彙民間伝承の会 1941 282 千葉徳爾『民俗と地域形成』風間書房 1966 諸職の伝承については , その職種ごとに調査報告や研究があるが , その中で従来もっと も注目されてきた木地屋については , 283 284 285 286 287 288 289 柳田国男史料としての伝説 ( 『定本柳田国男集』 4 筑摩書房 ) 1 3 橋本鉄男『木地屋の移住史』 1970 杉本寿『木地師制度研究序説』ミネルヴァ書房 1967 杉本寿『木地師支配制度の研究』ミネルヴァ書房 1972 中村たかを木地屋ーその技術 , くらし一 ( 『民族学研究』 32 ー 4 ) 1968 文化庁文化財保護部『木地師の習俗』 1 ( 三重県・滋賀県 ) 平凡社 1968 文化庁文化財保護部『木地師の習俗』 2 ( 愛知県・岐阜県 ) 平凡社 1969 調査の見本としては 288 , 289 を参照するとよい。研究を進めるにはまず 283 を読み , 次いで 285 , 286 で社会経済史的な面まで視野を広げることが必要である。 鑪については , 2 石塚尊俊『鱸 ( たたら ) と鍛冶』岩崎美術社 1972 交通・交易については , 291 桜井徳太郎・北見俊夫『人間の交流』河出書房 1965 292 北見俊夫『旅と交通の民俗』岩崎美術社 1970 293 北見俊夫『市と行商の民俗』岩崎美術社 1970
5 生業 文化庁文化財保護部編『有明海の漁撈習俗』平凡社 1972 203 248 249 251 252 一書房 ) 1973 渋沢敬三日本魚名集覧 ( 『日本常民生活資料叢書』 3 一書房 ) 1973 岩田準一志摩の蜑女 ( 『日本常民生活資料叢書』 4 竹内利美湖沼漁業史研究 ( 『日本常民生活資料叢書』 13 三一書房 ) 1972 田辺悟東北における蜑人の系譜 ( 『日本民俗学』 8 の 1972 民俗学で漁業を扱う場合の特色なり範囲を示しているのは 236 であり , そこでは , 漁撈 の労務組織 ( 最上孝敬 ) , 漁場使用の制限 ( 最上 ) , 漁獲物の分配 ( 最上 ) , 背後漁村との交 渉 ( 桜田勝徳 ) , 出漁者と漁業移住 ( 桜田 ) , 海村婦人の労働 ( 瀬川清子 ) , 蜑人の生活 ( 瀬 川 ) , 海上禁忌 ( 関敬吾 ) , 船に関する資料 ( 倉田一郎 ) , 漁撈と祝祭 ( 関 ) などに調査結果 が分類整理されている ( 括弧内は執筆者 ) 。調査法として参考になるのは 239 である。船霊 , ェビスなどの漁民信仰については 242 , 244 を見ること。海士・海女の問題や川漁について は 243 が入門書の役割をはたしてくれる。氷上漁業については 251 がある。 漁業史 , 漁業制度 , 漁業権についても充分に配慮して調査をする必要があるが , それら の研究の代表的なものとしては , 253 山口和雄『日本漁業史』東大出版会 1957 254 日本学士院編『明治前日本漁業技術史』日本学術振興会 1959 255 潮見俊隆日本における漁業法の歴史とその性格 ( 『法律学体系』法学理論篇 101 日本評論社 ) 1951 ( 256 に再録 ) 256 潮見俊隆『漁村の構造』岩波書店 1958 257 荒居英次『近世日本漁村史の研究』新生社 1963 漁業技術の歴史的知識をえるには 253 が便利である。漁業権については , 255 で概説的 に知ることができ , より個別具体的には 256 にあたるとよい。漁業史関係の文献目録は 257 の巻末に詳細なものが収録されており , 県別に今までの研究論文を知ることができる。 社会学 , 地理学でも漁業 , 漁村研究は多いが , 最近の代表的なものをあげれば , 258 山岡栄市『漁村社会学の研究』大明堂 1965 259 斎藤兵市漁村社会学の課題 ( 上 , 下 ) ( 『社会学評論』 19 ・ 20 ) 1955 28 藪内芳彦『漁村の生態』古今書院 1958 261 新宅勇『沿岸漁業の地理学的研究』地人書房 19 魚類 , 漁具 , 漁法などについて基礎知識をえるには , 262 『水産ハンドブック』東洋経済新報社 1967 が便利である。 目林業・狩猟・諸職・交通・交易 山林と林業については , 民俗学ではほとんど調査研究されてこなかった。文献としては , 263 2 265 2 267 2 269 所三男林業 ( 『郷土研究講座』 4 角川書店 ) 19 所三男林業 ( 『日本民俗学大系』 5 平凡社 ) 1959 最上孝敬現代民俗と林業 ( 『日本民俗学大系』 5 平凡社 ) 1959 日本学士院『明治前日本林業技術発達史』日本学術振興会 1959 古島敏雄編『日本林野制度の研究』東大出版会 1955 中尾英俊『入会林野の法律問題』勁草書房 1969 公有林野調査会編『公有林野の実態とその問題点』林野共済会 1959
202 Ⅵ民俗調査文献目録・解題 研究所紀要』 20 ) 1967 224 上井久義芋作と儀礼ー沖永良部島を中心として一 ( 『日本民俗学会報』 59 ) 1969 225 下野敏見田芋の栽培と儀礼 ( 『民俗学評論』 10 ) 1973 稲作に比して畑作は , その農業における比重の小さいことと , 多くが儀礼をともなわな いことによって , ほとんど調査研究は進められていない。最近になってようやく新しい視 点による研究が始められたばかりである。 223 はその代表である。また前掲の 210 も畑作 儀礼を扱い , 役に立つ。 焼畑耕作については , 226 倉田一郎焼畑 ( 柳田国男編『山村生活の研究』民間伝承の会 ) 1938 227 佐々木高明『日本の焼畑ーその地域比較研究ー』古今書院 1972 228 古島敏雄『近世日本農業の構造』東大出版会 1957 農器具については , 229 230 231 232 233 234 235 宮本常一 木下忠 潮田鉄雄 小野重朗 鋳方貞亮 小川徹 小川徹 民具試論 1 , 2 ( 日本常民文化研究所編『民具論集』 1 ・ 2 慶友社 ) 1969 ~ 70 おおあし一代踏み用田下駄の起源と機能ー ( 日本常民文化研究所編 『民具論集』 1 慶友社 ) 1969 田下駄の変遷 ( 日本常民文化研究所編『民具論集』 1 慶友社 ) 1969 二つの脱穀用具の変遷と分布 ( 日本常民文化研究所編『民具論集』 1 慶友社 ) 1969 『農具の歴史』至文堂 1965 埼玉県秩父郡大滝村に於ける農業と農具 ( 『民族学年報』 1 ) 1938 山村の農業生活と農具 ( 『民族学年報』 2 ) 1939 農具に間する全般的な知識を得るには 229 , 後掲の 305 がよい。農具の調査をするモデ ルとしては 234 , 235 がよいであろう。また歴史的に考えるために 228 , 233 をみるとよい。 漁業・漁村の民俗については , 内漁業 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 柳田国男編『海村生活の研究』日本民俗学会 1949 柳田国男・倉田一郎『分類漁村語彙』民間伝承の会 1938 小川博 宇野脩平 桜田勝徳 瀬川清子 牧田茂 最上孝敬 桜田勝徳 亀山慶一 亀山慶一 日本における漁撈民俗研究の動向 ( 『海事史研究』 15 ) 漁業 ( 『郷土研究講座』 4 角川書店 ) 1958 漁業 ( 『日本民俗学大系』 5 平凡社 ) 1959 『海女』未来社 1970 『海の民俗学』岩崎美術社 1954 『原始漁法の民俗』岩崎美術社 1968 『漁撈の伝統』岩崎美術社 1968 1970 三陸沿海漁村の同族団と漁撈組織 ( 『桐朋女子学園紀要』 1 ) 1951 漁撈文化の特色 ( 和歌森太郎編『陸前北部の民俗』吉川弘文館 ) 1969 文化庁文化財保護部編『八郎潟の漁撈習俗』平凡社 1970