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検索対象: ぼくらの自然観察会
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1. ぼくらの自然観察会

3 この花の住所は ? 子ども班を受け持って、こんな活動をしくんだことがある。 「さあさあ、お立ち会、 レ ! 」と言いながら、ナズナ、カキドオシ、ホトケノザなど、代表的な春のお 察花の写真をデイバックから取り出して、コンクリートの上に並べ始めた。これらの写真は、ぼくが撮 然 りためたものだ。 「この中から、自分の好きなのを、一つだけ選んでごらん。今日はその選んだお花と、特に仲良しに し つなってもらうよ」 写真の数は子どもの数より多くしてあるので、最後に残った子も、お花を選ぶことができる。 見 お全員が選んだところで、今度は画用紙にはった地図と、学校でよく使う直径 1 センチほどの丸シー 章ルを数枚配った。地図は「住宅地図」と呼ばれる世帯主の名前まで入っている大縮尺のもので、よく 第新聞配達屋さんなんかが使っている。地図には今日の観察会で通るコースを、あらかじめ赤えんびつ ■ 山梨県の県の鳥はウグイスでーす。答えは〇。さっきの所にもどって、左を進みなさい。 ゴールでーす。おっかれさん " みんなが来るまで待っていようネ。

2. ぼくらの自然観察会

じつは、カタクリもこのスプリング・エフエメラルの一つなのだ。 光令成できる時間が一年のうちのごく限られた期間だけなので、花を咲かせるだけの栄養を貯金す るのに七年も八年もかかる。 七年も八年もかかって、ようやっと咲いた花だというのに、その可憐さから、根を掘って、持って 行ってしまう人が後をたたない。 もし、自然観察会をやったことで、カタクリが取られてしまうようなことになったらーーーそんな理 由で、今まで観察会をすることを控えてきたのだが、カタクリのかわいさをいろんな人に知ってもら いたかったし、また、そういう現状をたくさんの人に知ってもらうことこそ意義があると考え、観察 会を実施することにした。 察 観 カタクリのスケッチ 然 カタクリの咲いている場所まで歩いてきた。 し っ 参加者はみんな一斉に「わー」とか「きれい ! 」とか歓声をあげている。 見まずは、カタクリの花とじっくり付き合ってもらうために、自分の気に入ったカタクリの花をスケッ 花 おチしてもらうことにした。 章 カタクリの花や葉を踏まないように注意しながら、各自スケッチを始めた。 第 やはり書くことによって見えてくることは多い。参加者から

3. ぼくらの自然観察会

なかった。カンタンを取るのは簡単ではなかった。 カンタン捕獲作戦をあきらめ、茂みから出て、みんなのいる方へ向かった。 何人かが集まって、フィルムケースを見ていた。中には捕まえられた虫が入っている。アオマッム シ、セスジッュムシ、エンマコオロギなどが一匹ずつ別々のケースに入れられている。 「今鳴いている、この声の主がこの虫です」とケース片手に解説していった。もちろん、説明後に、 それらの虫はもといた場所に戻した。 ぼくらリーダーにとって、この観察会には一つの課題があった。それは下見の時、どうしても見る ことのできなかった、マッムシの姿を見ることだった。 何箇所かでマッムシが鳴いていたので、三、四人で鳴いている場所を取り囲み、その輪をだんだん 縮めていったのだが、結局、何回やってもマッムシの姿を見ることはできなかった。これが心残りだ が、まあ、来年までのいい宿題ができたと思っている。 さて、観察会ももうすぐ終わり。集合場所の駐車場に戻ってきた。 ぼくは小型テープレコーダーを取り出した。中のカセットテープには、虫の声が録音されている。 テープの声を聞きながら、 「この声、聞きました ? これは〇〇という名の虫の声です」 と、今日耳にできた虫の声と名前を確認した。 132

4. ぼくらの自然観察会

森のこびとを見てみよう 『冬』と言われてすぐに連想されるのは、枯れ木・落ち葉・木枯らしなどだろう。木々は冬の間、そ の活動を止めて、息をひそめているように見えるが、そんなことはない。来たるべき春の準備を、着々 と進めている。そんな木々を、『冬芽』に着目して観察してみた。 冬芽カード 観察会は、里山の雑木林で行った。 下見の時に、その林にどんな樹木があるかを調べ、冬芽図鑑を利用して、その樹木の冬芽の図を写 した。リーダーみんなで分担して、それに色鉛筆で着色した。最後に、それを 1 枚ずつ判の画用 紙にはり付けた。名付けて『冬芽カード』という。 この『冬芽カード』を三セットほど用意して、観察会に臨んだ。 「さあ、皆さんで木の身元調べをしましよう。普通、木の身元調べをする時には、図鑑を使って葉っ ばや花から調べますが、今日はこのカードを使って調べます」 と、一本の木の根元に『冬芽カード』を並べた。 「この木の枝は、このカードの中のどれかを調べたいと思います。まず、絶対にこれは違うというの を一人が一つ決めてください」 134

5. ぼくらの自然観察会

そんな後味の悪さが少しでもなくなるように、少しでも自信を持って観察会にのぞめるように、 こでは観察会のリーダーとして、こんなことに注意すればいいよということを、いくつか紹介しよう と田一つ。 参加者を引き付けるしゃべり方・気のきいたジョーク・豊富なネタ : それらは一朝一タに身に 付けられるものでまよ、、 ー / レカ中には、「こうすればいいんだよ」と教えられ、「なるほど、そうか」と 納得すれば、即使えるようなテクニック ( Ⅱコッ ) もある。 ほんのささいなコツだが、 それを使うのと使わないのでは、雲泥の差になる。それらを紹介しよう というのだ。 なお、今までの章の中でも、それらのコツはいくつも出てきているので、ここでまた述べると重複 すするものも多いが、ここではそれらをまとめる意味で、あえて重複したまま書いていこうと思う。 え 教 ッ コ 1 通る声で説明しよう の ダ 『声の大きさ』に気を使って説明しているリーダーって意外と少ない。 章普通にしゃべれば通じると考えがちである。それが落とし穴だ。 第ある観察会の最中、参加者の最後尾でリーダーの説明を聞いてみた。リーダーは普段しゃべる時と川

6. ぼくらの自然観察会

第 8 章ぼくらの自然観察会 0 身近な自然をもっとよく見るために、身近なものを取り上げる観察会と、 いい状態の自然を見て、 自分の近くの自然を考えてもらう観察会の、二通りあっていいんじゃあないかな 0 伝えたいものがあって観察会を開くのだから、素材が問題ではなくて、取り扱い方が問題じゃない の ? 0 専門的なことをしすぎているような気がする。参加者は、専門的に研究している人が観察会を開い ていると思って来るから、知識を得ようとして、結果的に受け身的になっちゃうのかなあ。 ■リーダーは観察のプロに引 0 たとえば、ぼくはシダの専門家、私は鳥の専門家というように、個人的には専門家になった方がい レと思一つよ。 観察していれば、そのものとのつきあい方、マナーもおのずとわかるから、とにかく場数じゃあな 0 自分で見て、初めて伝えられるものってあるしね。 0 リーダーが参加者と同じレベルじゃあだめだし、十教えるのに十しか知識がないんじゃあ、話に深 まりがないしね。 0 でも、観察会は専門的でなくっていい。 下調べは本とか実地で、綿密にやるけどね。 203

7. ぼくらの自然観察会

しかし、自然保護という言葉で表されるように、自然は守る必要があるらしい。私も自然は守る方川 が良いのではないかと感じている。感じているのであり、頭でしつかり考えているわけではない。 すると、身の回りのハエやゴキプリは何だろうかと思う。我々の身の回りのハエやゴキプリは決し て守る必要がない。というより迷惑である。といって、自然ではないとも言えない。 では、ハエやゴキプリの観察は自然観察か。少なくとも生き物の観察ではあろう。 なんでハエやゴキプリの観察と言い出したかと言えば、私はこのような小さな生き物に親近感を持っ ているからである。彼らに自然観察会の主役になってもらいたいからである。身の回りの生き物をもっ と見直したいものである。 ■トキッ ! とするのが観察会 岩崎弘倫 「観察会って何だろう ? 」と考えると、自分は何を得ただろうか ? と考えてしまう。 芸術は爆発だオジサン風に言えば、こうなる。 「観察会は『オドロキ』と『発見』の場」 発想、目のつけどころのおもしろさで、何の変哲もない樹がとたんに新鮮なキラキラした木になっ たり、不器用に歩く虫がスー ーマンに見えてきたりするのが、観察会のだいご味なのだ。 一体全体、ぼくがなぜ自然観察会をやったり、保護運動をやったり、割りばし使わなかったり、炭

8. ぼくらの自然観察会

くれる。 これをどんどん繰り返していき、最終的に二、三枚のカードが残った。ここで決戦だ。ああでもな い・こうでもないと討論を繰り返して、結局一枚のカードに落ち着いた。カードをめくると、その木 の名前が書いてあり、「へえー、〇〇という名前かあ」と一件落着。 次の木は、特徴的だったせいか、あっという間に一枚のカードに落ち着いてしまった。 この活動では、名前を知ることはあくまで副産物である。調べることが活動の中心だ。だから、参 加者があまり名前にこだわらない。子どもたちは、一つの木が終わるとすぐに 「ねえ、次の木に行こうよ」 と催促するほどだった。 ぼくらはそれでよかったと考えている。メインの活動は、なんといってもカードとの絵合わせとい うゲームであり、その活動を通して、冬芽を観察する時の目の付け所をわかってもらおうというのが この活動の趣旨だからだ。 だから、木々の名前を覚えてもらうより、観察会から帰った後、今日の観察会で身に付けた『見方』 や『方法』で、家のまわりの木々を見てもらった方が、ぼくらとしてはよっぽどうれしい 冬芽カードによる観察は、冬芽をじっくり見るよい機会にもなった。 「この冬芽には毛がいつばい生えている」 「よく見ると、葉っぱが丸まっているように見えるね」 136

9. ぼくらの自然観察会

つの部品があるかないかで、きのこのだいたいの種類がわかるのです」 説明後、採集したきのこをいくつか取り出し、各部品があるかないかを、みんなで確認してみた。 ぼくはこの観察会用に、『きのこカード』という自然観察会グッズを作成した。きのこの大まかな分 類をするのが、このカードの目的だ。 カード一枚に対応するのは、きのこの一つの型である。ぼくは『つぼ』型、『つば』型、『べニタケ』 型など九枚のカードを作った。きのこの一種類一種類に、いちいち対応しているわけではないところ に注目してほしい。 カードの右上には、さきほど述べた『きのこの五部品』の表を書き、ある部品には〇を、ない部品 には x を付けた。そして、特徴的な部品には、マーカーで色を付けた。 かさを持っている たとえば、べニタケの仲間は、 っ 5 巻密 の秘ので『かさ』欄は〇。つばは持っていないので『っ 虎業 → は企ば』欄は x 。また、ひだがくきから斜め上に向かっ 裏れ て付いており、これが特徴的なので『ひだ』欄には . そ 一劜マーカーが入っている。 力だ さらに、その型のきのこのイラストを大きく書き、 のる きあ がて型の名称を左上に書いた。 カードの裏には、その型のきのこの特徴や、その べニ 9 ケ 110

10. ぼくらの自然観察会

第 5 章山の恵みの、木の実やきのこ 自分でフけた - 名まえ ばされそうなので、セロハンテープののりの付いた部分を上にしておき、それにたねをはり付けるよ 一つこしこ。 ルーべでまじまじと見てもらった。ちょうど釣り針のように、一本一本のとげに反対向きの小さな かぎが付いており、これでいったんズボンに付いたら取れにくくなっていることがわかった。 「今度は、この実のお母さんを探してください」 再度、草はらの中に入ってもらった。オナモミやセンダングサはすぐに見つかったのだが、意外に わからなかったのがチカラシバだ。実が稲穂のように密集しているかららしい さて、ひつつき型以外の草の実・木の実は、こんなふうに集めた。 『草の実力ード』とセロハンテープを子どもたちに配って説明した。 み 「まず、自分の気にいった草の実を、セロハンテー ぎプでこのカードにはり付けます。ついでに、その草 の の葉も一枚だけもらって、証拠にはり付けてくださ 。そしたら、その草の実をよーく見て、あだ名を 付け、それをカードに書きます。『ほんとうのなまえ』 という所には、ぼくに聞いたりして、その草の本当 カ の名前を書き込みます。最後に自分のサインを書い 実 草丸て、できあがりです」 そ第は ) の と。た . たね たねと 1 たスのんまえ 115