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検索対象: ぼくらの自然観察会
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1. ぼくらの自然観察会

「これ、何 ? ・」と聞かれたら 参加者の「これはなんですか ? 」の類の質問というのが、おそらく自然観察会リーダーの一番の悩 みのたねだろう。 その悩みには二つの違った内容がある。一つは、自分も知らないものを示された時の悩みで、もう 「それは知っているんだけど、それを簡単に教えていいものだろうか ? 」 という悩みである。 ちろん、参加者の多い少ないによって、二メートルのところを一メートルにしたり三メートルにした制 りと加減すればいいのである。 まとめよう。 ■参加者全員から見えるように、一段高い所に立って説明しよう。 ・参加者がまぶしくないように、太陽を見ながら説明しよう。 ・観察するものが小さい時には、参加者を離してから説明しよう。

2. ぼくらの自然観察会

3 リーダーよ、紙芝居をいだけ いきなり質問 す ま ホタルは、体のどこが光りますか。観察会の参加者に話すつもりで説明してください え 教 あなたならどのように説明するだろう ? 考えてみてほしい。 ッ コ 「ホタルをね、おなか側から見ると、おなかに節があるでしよう。ホタルのオスはその節のうち一番 の ダお尻側の二つが光りますが、メスの場合はお尻から二番目の節だけ光ります」 これだけ言えれば合格点だ。 章しかし、説明をよっぽど注意して聞いていないと、わからなくなってしまう。子どもなら、まるつ 第 きりわからないと言っていいだろう。 ているシーンだ。 ・あなたの話の中に、、 しくっ『 ? 』がありましたか ? ついでにもう一つ。 ーあなたがもし < 君だったら、どのように話を進めますか ? 177

3. ぼくらの自然観察会

なんて煙たがられたり、一つの話題での話が終わったら、リストの他の言葉を発すればいレ ぼくは、参加してくれた人みんながリラックスして観察会に参加してもらいたいと考えている。そ のためにこんな工夫をしているわけだ。 「観察会が成功したかどうか」を測るものさしはいろいろあるだろうが、やつばり一番大きいものさ しは、参加してくれた人が「また参加したいなあ」と思ってくれるかどうかだと思う。 そして、それは中身がおもしろいかどうかにも、もちろんよるのだが、それ以上に観察会の雰囲気 がものをいうのだと思う。 その雰囲気というのは、自然に作られていくものなのかというと、そうでもない。今まで述べてき たようなリーダーのちょっとした心づかい・気づかいで作られていくことが多い。 観察会のリーダーよ。なにも緊張しているのはキミたちだけではない。参加者はキミたち以上に緊 張しているかもしれないことをお忘れなく。 自戒をこめて、こうまとめておこう。 196

4. ぼくらの自然観察会

野草を食べよう 今までに、ぼくらは三十回以上自然観察会をやってきた。一回の観察会に参加してくれる人数は、 だいたい十五人くらい。ところが、『野草を食べよう』とか『きのこを食べよう』など、とにかく食べ ることがテーマの観察会では、軒並み参加人数が三十人以上になってくる。まあ、食べることが、人 間の一番基本的な本能の一つだからだろう。 もっとも、ぼくらも「会の経営が赤字になりそうだったら、『食べる』観察会をやろう」などと冗談 を言っているくらいだから、あまり人のことも一言えないが。 すかんぽを生で さて、食べることの基本は、なんといっても生食である。これだったら、普通の観察会の中ですぐ に取り人れることができる。ここでは、『雑木林に春を見つけよう』観察会の中で、すかんぽを生食し た時のことを紹介しよう。 生食にはすかんぽ ( イタドリ ) の若芽がいい。なるべく太めの、アスパラガスを連想させる芽をす ぽんと折って皮をむいた。子どもたちの目の前に突き出して、 「食べてごらん ! 」 と勧めたら、後ずさりされてしまった。後ずさりしながらも、中には

5. ぼくらの自然観察会

は自然のこと、詳しくありませんから」と断られた。確かに自然のことをよく知ってないと、自然の 解説などできないだろう。だとすれば、シロウトのぼくなんか、とても観察会をする資格なんてない ことになる。 だけど、本当にそうだろうか じつはシロウトだからこそわかること、できることもあるのである。 一つは、知る喜びだ。 ぼくらは専門家ではないので、自然について知らないことばかりだ。だから、もう専門家にとって は常識になっていることでも、実際に観察できちゃったりすると、ものすごくうれしくなる。そして、 それを誰かに話したくていられなくなる。これが自然観察会をやっているぼくらの一番の原動力なの ではないかと思う。 二つ目は、シロウトの気持ちがわかるということだ。 ある日、ぼくはある団体の植物観察会に参加した。道々出てきた植物の名前を講師のセンセイが教 えてくれて、しかも、ご親切にも、それによく似ている植物との見分け方まで教えてくれた。長い英 単語をいくつも教えられたようで、ぼくの頭の中はパニックになってしまった。そして、「植物観察が こんなに苦しいなんて。もう二度と植物観察なんかやらないぞ ! 」と思った。 こんな経験があるので、ぼくは観察会の中では絶対に植物の詳しい見分け方を教えまいと決心して いる

6. ぼくらの自然観察会

観光するなら観察会 「お 5 、ウミガメだ、ウミガメだ」 ぼくは心の中でおもいっきり叫んでいた。生まれて初めて、アカウミガメの産卵シーンをこの目で しかと見たのだ。ぼくは今、静岡県御前崎でのウミガメ観察会に参加している。 ウミガメだからさぞかし大自然の中に出かけていって見たんだろうと思われるかもしれないが、さ にあらず。五十メートルも離れた所では、夏休みで遊びに来たらしい学生たちが浜に車を乗り入れ、 カーステレオをガンガン鳴らしたり、花火を打ち上げたりと大騒ぎしている。そんな所にウミガメは 上陸して卵を産んでいた。 ウミガメ観察会でのこんな経験から、ぼくは「観光旅行をするなら、その土地での自然観察会に参 加するのが一番じゃよ、 / レかなあ」と考え始めていた。 ぼくがもしごく普通の観光客だったら、御前崎にウミガメが上陸するなんてこと知らないので、あ の学生たちと同じように浜でドンチャン騒ぎしていたかもしれない。観察会に参加したからこそ、ウ ミガメの神秘的な産卵シーンも見られたし、「ウミガメが来てること知らないで花火上げているなんて、 あの学生たち、ちょっとかわいそうだな」という気にもなれたのだ。御前崎のステキな人たちと友達 になれたのも、うれしいことの一つだ。 ぼくのこの考えを証明する絶好の機会はすぐに訪れた。

7. ぼくらの自然観察会

この本を読んでいるあなた、「私、自然のことなんて、なにもわかりませんから」なんて言ってない で・、観察会をやってみませんか ? ティングに参加した人がいると、「ねえねえ、この意見についてどう思う ? あなた、観察会初めてで しょ ? だから、参加者の気持ちが一番よくわかるんだよ。あなたの意見が一番大切なんだよ」と言っ てくれる。 高校時代の後輩・宇津木香さんも「自然といえばお父さんの釣りについていったぐらいだなあ」と いうンロウトだ。 , 彼女は企画ミーティングの時に、ぼくなんかには常識的なことまで質問してきてく れる。ぼくは彼女に質問されて、わかっているつもりで、じつはわかっていないことが、いかに多い かを学ばせてもらえた。彼女は持ち前の裁縫の腕を生かして、『やまなしナチ = ラリストの会』と染め られた腕章と旗を作ってくれた。 こういったシロウトたちによって、やまなしナチュラリストの会の観察会は企画運営されているの である。 そして、シロウトたちがわいわいがやがやと企画運営しているからこそ、自分で言うのもなんだが、 たくさんの楽しい観察方法を編み出してこれたのだと思う。 シロウト、ばんざい

8. ぼくらの自然観察会

第 8 章 ぼくらの自然観察会 記念すべき第 1 回自然観察会のスナップ . 態度が一番大きいのがぼく .

9. ぼくらの自然観察会

下見の時にうんうん考えて作った。この作業はとっても楽しくて、だれかの意見に爆笑しながら、ま た、感心しながら進めることができた。聞いている参加者も楽しんでいるようだったが、何を隠そう、 一番楽しんだのは作ったぼくら自身だったのである。 お昼まで審査会は続いた。 最後に、キャッチフレーズ欄に何と書いたかを班の中で発表し合ってもらった。 参加者のみなさんは、恥ずかしがってなかなか出してくれなかったが、そのうちポツリポツリ発表 してくれるようになった。 「オシドリのキャッチフレーズ、何にしました ? 」 「寿」 「、な「 0 ほー・」 「理想鳥。なぜかというと、夫婦仲がいいから」 誰かが何か一一一一口うたびに、誰かが感心している。 「そんな感じ方もあったのか」 「そんな見方もあったのか」 と、自分とは違う他人のもののとらえ方に感心しているようだった。

10. ぼくらの自然観察会

川虫はなぜ流されないの ? 暑い夏には、水遊びが一番。そこで、水の中に暮らしている小さな虫たちの生活をかいま見ながら、 れ らついでに、水遊びまでやっちゃうことにした。 っ 早く川に入りたくてウズウズしている子どもたちをなだめて、質問した。 ん「みなさんにとっては、ゆるやかな流れですが、体の小さな虫たちにとっては、すごく激しい流れで す。だけど、虫たちはこの急流にも流されずに、ちゃんと生活しています。虫たちは流れに流されな 暑いような工夫をしているのです。虫たちはどんな工夫をしていると思いますか ? 」 章「タコみたいに吸盤でくつついている」 第 「岩のすき間にいる」 チ用紙をまとめて、製本することにした。この世に一冊しかない絵本だ。名付けて『乙女高原美女録』 を一い - つ。 今でも、これを開くと、乙女高原の夏の匂いがする。 2 川の中の小さな友達