栄養 - みる会図書館


検索対象: 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年
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1. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

夏の花かおしえてくれること 夏の野原は、まるで緑のじゅうたん をしきつめたようです。木やしげみや くさばな 草花でできたこのじゅうたんは、地面 をうまくまもっています。葉は日かげ をつくり、根は上をおさえて、上が雨 や風にけすりとられるのを、ふせいで います。 野の花をつんで、小さな花たばをつ くってみましよう。野原や道ばたや森 には、いろんな種類の花がさいていま す。山の上や、砂の多い土地には、ま たちがう種類の花が見つかります。 植物は、じぶんに必要なものがそろ っている場所でしか、そだちません。 なにが必要かは、植物によってちがい ます。日なたでそだっ植物もあれば、 日かげがすきなものや、じめじめした ところがすきな植物もあります。また、 ようぶん 上の中の養分についても、すききらい せつかいしつ があります。石灰質がすきな植物や、 ちっそ 窒素がすきな植物、たつぶりと栄養の 農地の君襍 人間がくりかえしたが やし、手入れしている 上地 ①ヒナゲシ ②ノハラガラシ ③グンバイナズナ ④野生のノヾンジー ⑤ミッパチ ⑥モンシロチョウ ぼくそう 森の中のひかげや、牧草 地のまわりの君襍 じめじめして、窒素が 多く、栄養がある上地 ①イラクサ ②シャク ③スイバ ようちゅう ④コヒオドシと幼虫 ⑤ジョウカイボン ⑥ハムシ 22

2. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

っち 土はわたしたちのたからもの みなさんは、畑や花だんで、 - 上いじりをしたことがありま すか。こげ茶色で、ばろばろした上の中には、小石や根っこ がたくさん見つかったことでしよう。上は、地球のたいせっ な一部分です。いまから、この土について、おはなししてい きましよう。 色がきれいな石や、ひかる石をひろったことはありません こう : つ か。石は、さまざまな鉱物がくみあわさってできています。 ひだりうえ 左上の絵を見てください。この石は、長い年月、太陽の光や 雨や風にさらされて、あたためられたり、ひやされたりして しぜん きました。この石のように、どんなにかたい石でも、自然の 力にはかないません。やがて小さなわれめができて、水がし みこみます。さむさがきびしくなると、しみこんだ水はこお ってふくらみ、石はばちんとわれてしまいます。 石の上に、コケがはえてきました①。コケは、生きていく ひつようえいようぶん のに必要な栄養分を、石からじかにすいあげるので、石はま すますもろくなります。やがて、コケが石のわれめをおおい、 ほかの植物もはえてきます②。 かたい石は、雨や風にさらされて、何千年ものあいだに ねんど 小石や砂や、もっとつぶの小さい粘上にかわります。石や石 むきしつ がくだけたものを無機質といいますが、上は、この無機質に あな かれた植物がまじってできたものです。上の中の小さな穴や すきまには、水や空気もはいりこんでいます。また、土にす む小さな生きもの③のことも、わすれてはなりません。 せいしつ 上の性質は、いろんなもののまじりぐあいによって、ちか ってきます。たとえば、ロームという土は、かれた植物と粘 上と砂からできていて、栄養があり、植物がよくそだちます。 このように、上は、生きものにとってなくてはならないも すう のです。数センチから数メートルのあっさで、まるでひふの ように、地球をおおっています。もっとも、岩だらけの山や、 みずうみ 海や湖には、上はありません。 はたけ いろ くうき いわ

3. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

大地のめぐみ しゅうかく けい ります。なえがそだっ時期には、さまざまな敵からまもらな しかし、畑で植物をそだてるには、たいへんな手間がかか てま したりしてきました。これが農業のはじまりです。 のうぎよう めに、人間はおおむかしから、いろいろかんがえたり、ため わすかなたねいもから、じゃがいもをたくさん収穫するた たくわえておいたものを、たべさせてもらっているのです。 ひとつですが、じつは、人間は、じゃがいもが新芽のために しんめ 養のあるじゃがいもは、わたしたちのたいせつなたべものの 春、芽をだしたときに、わかい芽の栄養にするためです。栄 は、栄養分がたつぶりふくまれています。これは、次の年の きに新しいじゃがいもがたくさんなりました。じゃがいもに く茎 ( 上の中をはって、長くのびる茎 ) がでてきて、そのさ 緑色の実をつけます。地面の下では、たねいもから長いほふ みどりいろみ だにそだち、地上にうすむらさきの花をさかせ、花のあとに 畑にうえたたねいもです。たねいもからでた芽は、夏のあい す。下の絵を見てください。いちばん左のじゃがいもが、春、 秋になりました。畑では、じゃがいもの収穫がはじまりま こうちゅう ければなりません。コロラド甲虫①とその幼虫②、小さな動 びようき 物、それに病気、どれもなえをだめにしてしまいます。 こきゅう 収穫がおわったら、上が呼吸できるように、畑をよくたが やして、ほぐしておきます。また、植物は土から養分をたく ひりよう さんすいあげるので、肥料をやって、養分をおぎなわなけれ まいとし ばなりません。それから、上がやせないように、毎年ちがう さくもつ 作物をうえることもたいせつです。 どこの国の人も、太陽と雨のめぐみがじゅうぶんにあるよ うに、そして植物がすくすくとそだち、たくさんみのるよう にとねがっています。作物のみのりがわるいと、たべものが たりなくなってしまいます。これは、ゆたかな上地がすくな い国では、しんこくなもんだいです。高い山やステップ ( か そうげん しんりん んそうした草原 ) 、人の手がはいっていない森林や、さばくな どでは、作物ができません。そのため、いまも、たくさんの

4. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

ミズがとおると、土はやわらかくほぐれ、水と空気が植物の根まではいりこみます。そのうえ、 ミズのいる土は栄養たつぶりです。 ふんには、たいせつな無機質がふくまれているので、 ミズだ ! 」といった、有名な学者もいました。 「動物の王様はライオンではない。 土の中には、かぞえきれないほどたくさんの生きものがすんでいます。ある人の計算による と、ひとにぎりの森の土の中には、地球上の人間より多くの生きものがいるということです。 植物がすくすくそだつのも、土にすむたくさんのはたらきものたちのおかげです。 既刊 たねと果実の 花のいとなみ いとなみ 花と虫たちの一年 文と絵ウナ・ヤーコプス 文と絵ウナ・ヤーコプス 訳塚原真里子 訳塚原真里子 工 S B N 4 ー 9 0 0 6 2 1 ー 0 2 ー 1 C 8 0 9 7 p 1 7 0 0 E あむすく / 定価 1700 円 ( 本体 1650 円 )

5. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

新しい土かできる 秋がおわるころ、まだあたたかい日ざしの中で、ブナの葉 きんいろ が金色にかがやきながら、ゆっくりとまいおりてきます。落 ち葉の中をさんばしてみましよう。かわいた落ち葉を、かさ かさいわせながらあるくのは、たのしいものです。でも、も えだ うじきほんとうにさむくなって、つめたい風が、枝からさい ごの葉をふきとばしてしまうでしよう。 秋になると、落ち葉とかれた植物が、地面に山のようにつ もります。また、動物たちも、やがて死んでゆき、さし絵の カワラヒワ①のように、地面によこたわります。 いったい、死んだものたちはどうなるのでしよう。じつは、 きれいにたべられてしまうのです。植物がかれたり、動物が どじよう 死んだりすると、上壌動物とよばれる小さな生きものが、何 百万とやってきます。もういちど、 21 ヘージの絵を見てくだ さい。そこにでているのが上壌動物です。みな、しがいをた べる生きものですが、たべるものは、それぞれちがいます。 シデムシ②やキンバエ③のウジがたべるのは、動物のしがい です。クロラッパタケ④などの菌類は、くさった落ち葉やか れ木から、栄養をとっています。小さなバクテリアや藻類や 30

6. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

単細胞生物が落ち葉をくさらせて、やわらかくし、それをワ ラジムシ⑤やムカデ⑥やミミズ⑦がたべます。 しがいや、くさったものをたべるなんて、きもちがわるい、 こうした生きものがいなか と思うかもしれません。しかし、 ったら、わたしたちはとっくに、しがいやごみの山にうもれ て、ちっそくしていたことでしよう。この小さな生きものは、 くろ かれたものや死んだものをたべて、黒くてばろばろした土に ふしよくど かえます。こうして、腐植土とよばれる、養分の多い、新し い土がうまれるのです。腐植上は、かれた植物と台所のなま えんげい たいひ ごみをあわせた、堆肥の山からっくることもできます。園芸 家は、みなこのようにして、栄養分をたつぶりふくんだ腐植 上をつくっています。 上にすむ生きものは、自然のいとなみの中で、たいせつな んかいしや 役わりをはたしています。この生きもののことを、分解者と よんでいます。なぜかというと、死んだものをたべて、こま かく分解していくからです。無機質も、分解者によって分解 されたもののひとつです。この絵の中では、無機質を黄色い 光であらわしてみました。いま、黄色い光は、土の中でじっ とまっています。いったいなにをまっているのでしようか。 こたえは、つぎのページにでています。 だいどころ

7. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

⑥ごーン せたようなつよいカで、水をすいあげ ます。水には無機質がたくさんとけこ んでいます。これは葉と花をつくるだ いじな栄養です。重力にみちびかれる 根とはぎやくに、葉と花は、重力にさ からって、上へのびていきます。 芽のでかたは、植物によってさまざ まです。ブナの芽は、落ち葉をおしの けて、でてきます。スノーフレーク③ きゅうこん は、球根がふかいところにうまってい るので、まず 2 本のとがったかたい芽 で、上をさしつらぬかなければなりま ちかけい せん。アネモネの茎は、地下茎④から でてきますが、土の中でいったん方向 をかえてから、上へむかいます。フキ ノトウ⑤を見てみましよう。あつい葉 が、つばみをしつかりまもっているの がわかりますね。まだ、ときおりつめ たい風がふいて、茎をたおしたり、葉 をいためたりすることもあります。で も、あたたかい日ざしのなかで花がひ らくのも、もうじきです。 マルハナバチ⑥が、みつと花粉では しよくじ らごしらえをしています。食事がすむ と、ひくくとんで土のくばみをさがし、 そこにあたらしい巣をつくります。ヤ マキチョウ⑦が冬ごもりをおえ、森の はすれを、とびはじめました。アナグ マ⑧が巣からでてきて、鼻をくんくん させています。夕方になったので、え ものをさがしにでかけるのでしよう。 はな ゆうがた

8. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

ある上がすきなくいしんばうがいるか おも と思えば、やせた土地でも元気にそだ っ植物もあります。なかには、たいへ ん気むすかしくて、めすらしい養分ば かりほしがるものもいます。おなじこ のみをもっ植物は、おなじ場所にはえ ぐんらく て、ひとつの群落をつくります。 ですから、はえている植物を見れば、 せいしつ 土の性質がわかります。 4 つの絵を見 くらべてごらんなさい。どれも、上の 性質を知るてがかりとなる植物です。 しかし、ざんねんなことに、わたし ③ たちのまわりでは、だんだん植物が見 られなくなってきました。畑や道ばた ぎっそう の草は、雑草だといって、ぬかれてし しつげん まいます。湿原がかわいてしまったた め、すむところをなくした植物もあり ます。そうした植物は、新しいすみか を見つけられなくて、ほろびかけてい ます。植物がなくなれば、動物も生き ていけません。たべものや、かくれる 場所をなくしてしまうからです。 しっち 野原首ばたの君襍 湿地や川のほとりの群 石灰をふくみ、あたた すい」 : ん かく、かわいて、栄養 いつも水分をたっふり ふくんでいる上地 が少ない上地 ①アザミのなかま ①コバンソウ ②野生のサルピア ②ナデシコ ③ダイコンソウ ③マッムシソウ ④リュウキンカ ( 4 ) ヲ - ンノヾンノ、コー、 ⑤ワスレナグサ ⑤フランスギク ⑥シオカラトンポ ⑥ヤエムグラ ⑦カゲロウ ⑦シジミチョウ 23

9. 地球のいとなみ 植物・動物とともに わたしたちの地球の1年

ほうほう す方法を知っています。野原でツグミがびよんびよんはねる ふんにはたいせつな無機質がふくまれているので、 ミズの おうさま ミズは雨のばらっく音だとかんちがいして、あなから と、 いる上は栄養たつぶりです。「動物の王様はライオンではな ゆうめい でてきます。そこをッグミがばっとつかまえて、じぶんやひ 。、ミズだ ! 」といった、有名な学者もいました。 森の土には、はたらきものがとくにたくさんいます。落ち なのえさにします。ハリネズミ⑥やヒキガェル⑦、ホシムク こうぶ、つ 葉をそっとめくってみると、光によわい小さな虫たちが見つ ドリ⑧、キンイロオサムシ⑨も、 ミズが好物です。土の中 くら かるでしよう。あわててにげだすオサムシ⑩や、暗い土の中 でも、モグラ⑩やトガリネズミ⑩がミミズをねらっています。 にもぐろうとするハサミムシ⑩。アリ⑩やッチムカデ⑩、ワ ミズは、土をほってはすすみ、ほってはすすみ、つかれ ラジムシ⑩、イシムカデ⑩もいます。まるまって、死んだふ ることを知りません。、ミズがとおると、土はやわらかくほ りをしているのはムカデ⑩です。小さなたまごをたくさんせ ぐれ、水と空気が植物の根まではいりこみます。そのうえ、 14 2 15 16 1 おったコモリグモ⑩がいることもあります。虫めがねで見る と、トビムシ⑩やダニ⑩など、もっと小さな生きものも見つ きんるい もるい かります。また、目には見えない生きもの⑩、菌類や藻類、 たんさいぼうせいぶつ バクテリア、単細胞生物も、何百万といます。 土の中には、かぞえきれないはどたくさんの生きものがす けいさん んでいます。ある人の計算によると、ひとにぎりの森の土の 中には、地球上の人間より多くの生きものがいるということ です。植物がすくすくそだつのも、上にすむたくさんのはた らきものたちのおかげです。 ①ミミズのふん ②たまごをかかえたミミズ ③ミミズのたまご ( かくだい図 ) ④えさをたべているミミズ ⑤ッグミとそのひな ⑥ハリネズミ ⑦ヒキガェル ⑧ホシムクドリ ⑨キンイロオサムシ ⑩モグラ ⑩トガリネズミ ⑩オサムシ ⑩ハサミムシ ⑩アリ ⑩ッチムカデ ⑩ワラジムシ ⑩イシムカデ ⑩ムカデ ⑩たまごをせおったコモリグモ ⑩トビムシ ⑩目に見えない生きもの 21