ルハナバチは、キツネノテプクロの花 にもぐりこんで、あらしや、よっゆか ら、身をまもっているのです。 みなさんは、バラの花でできた家に すんでみたいと思いませんか。とくに グローリア・ディ③のように、きれい な花にすむことができたら、どんなに たのしいことでしよう。花びらのあい だにいる緑色の虫②は、ハナムグリで 花の家 のようになると、その中に、クモが巣 す。ハナムグリは、バラの花粉を食べ 森にいくと、よく、こびとのばうし をつくることがあります。また、カニ て、生きています。 のような、キツネノテプクロの花①を グモ⑤は、巣をつくらずに、フランス かおりのよい花には、このように こうちゅう みかけます。かわいい花ですが、中に ギクの花⑥の上で、えものをまちぶせ よく小さな甲虫がすんでいます。アザ ゆびをつつこんだりしてはいけません。 ミの花や、おさらのような形の花も、 します。カニグモは、からだの色が、 ようちゅう ひとつは、花に毒があるため、もうひ フランスギクとそっくりですね。それ 小さな虫や、その幼虫のすみかになり とつは、花の中に、マルハナバチがか で、ミッパチ⑦は、カニグモに気がつ ます。 くれているかもしれないからです。マ かないで、つかまってしまったのです。 野生のニンジンの花④がかれて、玉 24
トリカプトの花にあなをあけて、蜜を吸うマルハナバチ 蜜がある花をえらぶミ ツ / ヾチ 花の蜜を吸う つばいになって、花粉をはこぶのをやめてしまうでしよう。 春の野原や林で、オドリコソウをみつけたら、花をつん とくに、チョウや甲虫は、なかまに蜜をもってかえる必要 で、根もとのところを吸ってみましよう。ちょっぴりあま い、蜜のあじがします。花にくる虫たちは、ほそいストロ がありませんから、じぶんのおなかがいつばいになってし まえば、もう、ほかの花にはとんでいきません。だからと ーのような管をつかって、この蜜を吸っています。この管 ふんかん のことを、吻管といいます。吻管の長さは、花の形とうま いって、蜜が少なすぎると、虫はがっかりして、べつの種 類の花にとんでいってしまいます。 くあうようになっています。 なかには、蜜がのこっているかどうかをおしえてくれる、 たいていの花は、 ミッパチが蜜を吸いやすい形になって しんせつ 親切な花もあります。左上のマロニエの花を見てみましょ ミッパチがはたらきもので、花粉をいち います。それは、 みつひょう ばんよくはこんでくれるからです。また、細長い形の花に う。蜜標が黄色で、いいかおりがするのは、さいたばかり で、蜜がたくさんある花。蜜標が赤くて、べつのにおいが は、マルハナバチがやってきます。それは、マルハナバチ の吻管が、ミッパチより長くなっているためです。蜜がお するのは、受粉がおわって、蜜がない花。虫は、このしる くの方にある花には、もっと吻管の長い、チョウがやって しをすばやく見わけて、花をえらびます。 きます。ひらたいおさらのような形の花には、ハナアプや こんどは、右上の絵を見てください。これは、マルハナ バチが、トリカプトの花びらにあなをあけて、蜜をのんで 甲虫 * がとまります。 ひとつひとつの花の蜜は、少しずつしかありません。 これでは、花は花粉をはこんでもらえま いるところです。 もし、花に蜜がたくさんあったら、虫はすぐにおなかがい こまったどろばうですね。 せん。まったく、 * 甲虫・・・テントウムシやコガネムシなど、かたい羽が背中をおおっている虫 こうちゅう 16
ハナアプ、ハエ、甲虫が よくくる花 ①キンボウゲ ②野生のニンジン ③ハナウド チョウがよくくる花 ( ① ) マンテマ ②アザミ ③マッムシソウ ④シラタマソウ マルハナバチがよくくる花 ①オドリコソウ ②ヒレハリソウ ③ミヤコグサ ④ムラサキツメクサ
いを とはちがい、しずかで、めだたないものです。こうした努 ります。とがった葉や、かたい毛や、ねばねばしたしるで、 力をつづけながら、植物は、何百万年もまえから、花をさ 動物を近づけないようにしている植物もあります。 また、あじがまずければ、食べられずにすみますね。び かせ、たねをつくって、子孫をのこしてきました。ところ が、いま、花の数はだんだんすくなくなり、きえてしまっ りびりしたあじゃ、にがいあじでは、食べる気になりませ た植物や、ほろびかけている植物もでてきました。それは、 ん。まきばでは、よく、キンボウゲの花だけが、ウシに食 人問が土や水や空気をよごしたり、野原に家や道路をつく べられずに、のこっていることがあります。それは、キン ったりして、植物のすむ場所をうばっているからなのです。 ボウゲに、にがいあじの毒があるからです。ほかにも、と がって食べにくい部分や、かたいすじがあったりすると、 ⑦ウタッグミ ⑧コウラクロナメクジ 動物は食べるのをやめて、もっと食べやすいほかの植物を ⑨モリマイマイ さがしにいきます。 ⑩コフキコガネ ⑩バッタ ところで、植物は、にがいあじゃ、びりびりしたあじを、 @コロラド甲虫 ⑩アオムシ どのようにつくっているのでしようか。 7 ページで、植物 はなし は、いらなくなったものを葉にためておく、という話をし ましたね。植物は、にがいあじをつくるために、 , のいら なくなったものを、うまくつかっているのです。 植物が生きのびるための努力は、動物どうしのたたかい ノ / ヾラ